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【超ショートショート】(236)~奪われた羽根、埃の導き〈1〉~☆CHAGE&ASKA『太陽と埃の中で』☆

僕らは出逢ってしまった・・・
世界の人口が77億人と言われるこんな時代で・・・

こんな世の中になるなんて、
誰が予想したのだろうか?
いや、
誰が操作しているのだろうか?

名前も国もない 生まれる前の僕らは
今日の出逢いの約束をしていたと思うかい?

風が吹く丘に立つ少年は、
涙を流していた。

「どうした?」

少年に尋ねる人がいる。

「僕の未来はどうなるの?」

少年は、泣き顔で、その人にそう尋ねた。

「それは私にもわからない」

少年は、
その答えに、
一瞬ショックを受けた哀しい顔をしたが
すぐにこんな質問をする。

「あの、あなたは誰ですか?」

少年の質問に、その人は、笑顔で、

「さて、誰かな?
ひょっとすると未来の君かもしれないよ!」

そう話したその人は、
正面から吹いてくる目眩ましの風に吹かれて
少年が目を開けたときには消えていた。


目眩ましの風が、
僕らから羽根を奪うなんて、
誰も思わなかった。

僕らは、わけもなく吹き続ける強風に、
自由に空を飛ぶこともできず、
風が止むのを待ち続けた。

そして、風が止んだ・・・

「よし!僕らはやっと自由だ!」

そう声高らかに、
羽根を持つ誰もが高い高い空へ飛ぼうとした。

その日、誰も空を飛べなかった。

「どうして飛べないの?」

誰もがそう飛べなかった自分に質問する。

でも誰も答えることができなかった。

僕らはその夜、風邪を引くことになる。

ひとり、ひとり、またひとりと、
自分の羽根で自分を覆い隠して
深い眠りに落ちた。

次の日の朝、
目を覚ますことができたのは・・・
あの風が吹く丘に立つ少年だけだった。

一緒に夜を過ごした仲間たちは、
羽根にくるまり、そのまま、
太陽の光の道を歩いてきた妖精に、
ひとり、ひとり、またひとりと、
とても軽々と空へと運ばれていった。

残られた少年は、
きのうのように自由に空へ飛び出そうとする。

きのうと同じで、
なかなか飛べなかった。

「君?」

通りかかりの車から声が聞こえた。

「君!」

少年が声のする方を見ると、
車の車内の暗闇から、
1人の人がこちらを向いていた。

「君!!」

少年は、声から笑顔があふれるような
そんな人の声で、やっと誰だか気づく。

「あの丘で出逢った?」

少年の質問が終わると、
車から人が降りてきた。
そして、少年へと近づいた。

「あぁ~そうだよ!元気だったかい?」

笑顔のその人は、
少年を抱きしめた。

「あのっ!離して~」

その人があまりにも強く抱きしめるので、
少年はそう叫んだが、
その人は次の言葉で強く拒否した。

「じっとして!」

少年は怒られたと思い、
言われた通りじっと動きを止めた。

~つづく~

(制作日 2022.1.29(土))
※この物語はフィクションです。

今日は、
明日1月30日(日)が発売記念日の
CHAGE&ASKAシングル『太陽と埃の中で』
発売から明日で「31周年」になります。

1日早く、
その『太陽と埃の中で』を参考に
お話を書いてみました。
「~つづく~」としましたので、
完結編は明日の記念日に譲ります。


(ニックネーム)
ねね&杏寿
(旧ひまわり&洋ちゃん)
(Instagram)
https://www.instagram.com/himawariyangchiyan/

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参考にした曲
CHAGE&ASKA
『太陽と埃の中で』
(1991.1.30発売 シングル)

YouTube
【CHAGE and ASKA Official Channel】
『太陽と埃の中で』Music Video
☆アルバム『STAMP』ver.Music Video
https://m.youtube.com/watch?v=VudyJpz3grE
☆ライブver.
https://m.youtube.com/watch?v=IkRvqsgex4w
☆Music Video
https://m.youtube.com/watch?v=alqCMY1XOqI

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