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【超ショートショート】(295)~結局そういうこと~☆ASKA『僕のwonderful world』☆

こんなことってあるのだろうか? 
 
どこを見ても
何をしていても
好きが止まらないこと。 


今日は彼が一緒にいる日。
ちょっと・・・
だいぶ・・・
嬉しくて・・・

頬張っているマカロンのいちご味が
ほっぺをピンクにもちもちっと染める。

「ね~ぇっ!?」
「何!」
「ね~ぇっ!!」
「だから、何?」
「(笑)」
「だから、何だよ!?」
「・・・好きっ!!!」
「・・・(笑)」

そんなやり取りを彼と一緒にいる間
ずっ~と人目も気にすることなく、
声のトーンを気にすることなく、
彼女は彼が何をしていても
「好き」「好き」
「カッコいい」「カッコいい」と言う。

それに根負けした彼から彼女へ
一つのいわゆる提案がなされた。

その提案とは?

題して言うなれば・・・
〈ふたりのおみくじ〉

「好き」や「カッコいい」という言葉を
言う代わりに、
おみくじの吉凶みたいなふたりだけの
合言葉を作ってみようとなった。

「じゃあ、どうする?何て言われたいの?」
「そうだな~」

彼は考えた。
彼女が「好き」や「カッコいい」という
タイミングって彼のどんなシーンと。

彼女の「好き」は、
特別な何か出来事や仕草ではなく、
いつも不意打ち。
些細な会話をしていると、
彼女の瞳がポッと煌めき、
瞳の視線の先は遥か遠くの景色を見ている。
そして、
溢れだしてくる「好き」な想いを
言葉にして彼を照れさせる。

彼は彼女に、
いつもどうして突然「好き」と言うのか、
尋ねたことがあった。

「私にもわからないんだけど、
ふと突然、胸の真ん中辺りがキュンとして
あなたが好き!が止まらなくなるの。
初めて「この人好き!!」と思った時の
気持ちに似て、
「好き」と告白せずにはいられなくなるみたいに」

彼女の「カッコいい」は、
だいたい言うタイミングが決まっている!
彼が新しい服を着た時、
特に、
彼女がまだ見ていない新しいスーツを着た時は、
ほぼ彼女の「カッコいい~!!」の絶叫が笑える。
それからあとは、彼の仕草。
ただコップを持つ手の形や
ただ横を向いただけの横顔や
ただ何気なく立ったままの後ろ姿の背中や。
ここ最近は、
手を「カッコいい」と言うようになった。

「彼の手ってね、
年齢を重ねてきた深みが今とてもあるのよ!
どんなに大変な苦労も楽しかったことも、
他の彼女と手を繋いだかもしれないその手も、
どれもこれも今の彼の手の表情が素敵なの。
だから、手に見惚れていると「カッコいい」って、
言ってしまうのよ」


ふたりは、
ふたりだけの合言葉を考えた。

「じゃあさ、
「好き」って言いたくなったら・・・
史上最大に好きになった時は
〈龍馬のお散歩〉」
「どうやって使うんだよ」
使い方はね!
〈龍馬のお散歩〉行く?
つまり、
《めちゃくちゃ好き》だけどいい?
という意味でね、
あなたはこう答えればいいの。
[お散歩行くよ!]って」
「俺もめちゃくちゃ好きだよ!って意味か?」
「そう!正解!!」
「何だよ。俺に好きって
言ってもらいたいだけじゃんか」
「まぁ~ね(笑)」
「で、次は?」
「あとは、適当に・・・」
「適当って?」
「結構好きなら
〈ラムネ〉〈メロンパン〉
〈コーヒーはいかがですか?〉
と順番に普通の好きになってく感じ」
「ちょっとわかりにくいな~」
「じゃあ次の「カッコいい」ね」
「まだ「好き」の話が途中だろう」
「うん!でもいいの(笑)
次の「カッコいい」のお話がしたくなったから」
「そうか・・・」
「でね!「カッコいい」は、
一番から順番に
〈富士山〉〈東京タワー〉
〈ドクターイエロー〉・・・」
「何だよ、それ。もう適当過ぎるだろう」
「まぁ、そうだけど、
見ていてカッコいいモノを選んだつもり」
「そうか、それで使い方は?」
「例えば、あぁ~カッコいいなぁ~と
思った時に、〈富士山〉ね!って言うわ」
「じゃあ〈東京タワー〉ね!
〈ドクターイエロー〉ね!って言うのか?
それって何か変だろ(笑)」
「じゃあこんな言い方は?」
「何だ?」
「〈ワンダフルなリボン〉」
「うっ?」
「使い方はね、
今日は〈ワンダフルなリボン〉があるね!
って言うの」
「意味は、あなたカッコいいね、か?」
「そうよ!」
「でも何でワンダフルでリボンなんだよ!」
「それはね、あっ!知らないんだ、
ワンダフルなリボンの奇跡のお話」
「奇跡って?」
「世の中にはね、
たくさんの奇跡と繋がるリボンがあるのよ」
「どこに?」
「ほら見えない?このリボンよ!」
「だからどこよ!」
「ここ、ここよ!
今テーブルを照らす太陽の光よ!」
「ただの太陽の光だろう?」
「それが違うのよ!
キラキラした言葉にこの光のリボンが繋がって
ワンダフルな世界の人に
その想いを育ててもらうのよ」
「繋がって、育ててもらって、どうなるんだ?」
「それは・・・育ててみないと、
私にもわからない。でも誰かが言っていたの。
心の底から出るキラキラした言葉じゃないと、
そもそもこの光のリボンも見えないんだって」
「今、俺たち見てるよな?」
「そうね!見てるよね!」
「お前・・・
どんだけ俺のこと好きなんだよ!」
「まぁ~ねぇ~(笑)」
「そこは〈龍馬のお散歩〉行く!だろう(笑)」
「お散歩、行きたいの?(笑)」
「あぁ~(照笑)」
「もう~しょうがないな(嬉笑)」
「・・・(笑)」
「ねぇ!」
「何だ!」
「ねぇ?!」
「だから何?」
「可愛い~ね(笑)」
「バカやろう(照笑)」

(制作日 2023.1.3(火))
※この物語はフィクションです。

 
 

今日のお話は、 
2023年になってから、
ずっと頭に浮かんでいたお話を書いてみました。

書きながら、 
思い浮かんだお話とは、
違う着地点にたどり着いています。

ちょっとしたおバカなファンの
おバカな妄想のお話。

このお話の解説は特にありません。
とりあえず、
恥ずかしいながらも書いてみた!
投稿してみることを、
しばらくぶりに楽しんでできたことが、
今は良かったと思っています。

選曲したASKAさんの
『僕のwonderful world』は、
お話の中の光のリボンの参考にした曲です。 

(ニックネーム)
ねね&杏寿
(旧ひまわり&洋ちゃん)
(Instagram)

https://www.instagram.com/himawariyangchiyan/

~~~~~

参考にした曲 
ASKA『wonderful world』
作詞作曲 ASKA / 編曲 澤近泰輔 
(2020.9.25配信リリース)
https://youtu.be/nGEDusVruqg

☆収録アルバム 
ASKA『Wonderful world』
(2022.11.25発売)
https://youtu.be/Aj5kxAR6l2w

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