【超ショートショート】(175)~いつもの待ちぼうけ~☆BGMとして☆ASKA Cover Song『Smile』☆
何でボクの番号は呼ばれないんだろう。
いつも、いつも、いつも・・・
待ちぼうけ。
合格発表の掲示板みたいに、
ボクの目の前には、
診察モニターがある。
ボクの番号は「1111番」
今日、ボクは初めて、
4桁の数字を見たよ!
何で同じ悩みの人で、
診察モニターの数字があふれているのか?
診察室10番から
「1155番の方は診察室にお入りください」
と医者が問いかける。
でも、ボクも問いかける・・・
「ボクは1111番だ!
何で横入りするのか?((涙))」
いつもこうして、
後から来る番号に追い抜かれていく。
「なぜ?なぜ?なぜだ~!(怒)」
と思ってみても、
待ちぼうけから解放されることは、
これまで一度もなかった。
目の前の診察モニターは、
リズムを刻むように、
画面と数字を切り替えて、
各々の診察室に人を呼んだ。
それは突然だった!
待ちぼうけのときは、
ボーとするか、
本を読んでるふりをするか、
音楽を聴いているか。
今日は、
手元にある自分のモニターとにらめっこ。
長時間の待ちぼうけを見込んで、
書き物やデザインを楽しんでいた。
診察モニターに
「1111」という数字が
診察室3番に並んだ。
医者が呼ぶまで、
診察室の前で待機する。
「◯◯さ~ん!診察室3番にお入りください!」
やっと呼ばれたジャジャジャジャ~ン!
採血から1時間、
採血結果が出ると言われた時刻からまた1時間、
そして診察室にピットインして・・・
わずか1分のメンテナンスタイム。
「ムッムッムッ!?」
と検査結果を疑う医者。
「どうしましたか?(困)」
「あっ!先週病院が休みで、
そのため1週間お薬を飲んでいませんでした。」
「納得!(笑)」
たった1週間のお薬をズル休みしただけなのに、
こんなにも顕著にあからさまに、
数字を出すお前(ボク)のピッ(韓国語で血)は、
なんて正直者かと、
途方もなくあきれた。
「お前(ピッ(血))も嘘つけよな!(苦笑)」
そんなとてつもなく不思議なカラダの持ち主のボク。
やっぱり一生、
この待ちぼうけを続けなきゃって。
次回の待ちぼうけは、
何を楽しみにするのか?
今から遠足気分で考えてみる。
その前にお薬をちゃんと1日1回飲まないと、
またピッ(血)が暴れた数字を出して、
医者に怒られるから、
何とかピッ(血)を調教しなければ・・・。
でもね、
本当の意味で調教されているのは、
いつもボクのほう。
ボクのカラダは一体誰のものなんだろうね。
チャンチャン!おしまい!
(制作日 2021.11.25(木))
※この物語はフィクションです。
今日は、
2009年11月25日発売
ASKA カバーミニアルバム『STANDARD』
の収録曲『Smile』をBGMに、
病院の診察を待つ様子を書いてみました。
コロナが今は収まりを見せる中、
病院には、以前よりも、
人があふれていて、
過去に見たことのない受付番号が出ることもある。
今のご時世に限りませんが、
何で病院はあんなにも待ち時間が長いのか?
診察室に入ると短いのか?
そんなことを思って書いてみました。
病気は命に即かかわるものと、
長きに付き合うものとに、
大きく種類別けできると思います。
どんな病気でも、
その人にとっては、
やっぱり大変なこと。
病気はもちろん、
病院の待ちぼうけと
上手に付き合ってほしいなって。
(ニックネーム)
ねね&杏寿
(旧ひまわり&洋ちゃん)
(Instagram)
https://www.instagram.com/himawariyangchiyan/
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参考にした曲
ASKA
『Smile』
※チャップリン作曲
☆収録アルバム
ASKA カバーミニアルバム
『STANDARD』
(2009.11.25発売)
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