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【超ショートショート】(124)~Trick or Love(悪戯と愛)、手に入れるのは・・・~☆CHAGE&ASKA『ロマンシング ヤード』☆

雨の街角、鳴き声がする。

「にゃーにゃー」

ビルの外階段の物陰に置かれた一つの段ボールに、
生まれたばかりの子猫が一匹いた。

幸い濡れずに鳴いていた子猫を、
家に連れ帰った。
人間の赤ちゃんを育てるように、
ミルクから育てたその子猫は、
わずか3歳で亡くなった。

毎日の楽しみでもあり、
自分の子供のように世話をしてきた
その子猫が居なくなり、
ただただ無気力になっていく、
そんな日々を過ごした。

それから半年ほどしたハロウィンの夜、
あの子猫を見つけた同じ場所に、
まだ幼い可愛らしい女の子が立っていた。

「トリック オア トリート」

女の子は笑顔でハロウィンの言葉を話すと、

「ハッピー ハロウィン!」

と返事をして、
買ったばかりのお菓子をあげた。

すると、
「一緒に食べよう!」
というので、
「お家は?」
と尋ねると、
「無いよ!」
と・・・。

とりあえず、家に連れ帰った。
そして翌日警察に相談するが、
そのような迷子の届けはないし、
女の子の公的な記録もないという。

仕方なく、また家に連れ帰った。


女の子が家に来てから半年が過ぎた頃、
仕事を終え家に戻ると、
女の子が消えていた。

置き手紙には、
「楽しかったよ!ありがとう!」

ただそれだけが書いてあった。

それから、
数年後、家の隣に新しい住民が引っ越してきた。

引っ越しの挨拶に来たのは、
まるでモデルをしていそうなほどの美女。

「今日から隣に住むことになりました。
これ!(笑)」

引っ越しの挨拶にくれた手みやげは、
ハロウィンの夜に出会って、
あの女の子にあげた買ったばかりのお菓子だった。

すぐに、玄関に戻り、ドアを開けると、
隣に引っ越してきた美女が笑って立っていた。

「もしかしてきみは・・・」

美女は返事をすることなく、
ただ笑顔のまま、嬉しそうに、
胸の中に飛び込んできた。

「どうしてここに?(涙)」

その夜から、
また一緒に暮らした。


我が家の壁には、
昔、芸術家をしていたおじちゃんが描いたという
絵がある。

その絵には、
おじちゃんの好きな言葉

~~~~~
Have a Dream!
Love is not whispering.
It's a fight that earns dream.
Romancing Yard.
~~~~~

母の解説によれば、
「夢を持て!そして、
愛はささやくようではダメだ!
常に夢の実現のために
懸命になるようなファイトで、
愛を手に入れなさい!
それがロマンというものさ。」


(制作日 2021.10.5(火))
※この物語はフィクションです。

今日は、
1987年10月5日発売 シングル
CHAGE&ASKA『ロマンシング ヤード』
発売から今日で「34周年」になります。

その『ロマンシング ヤード』を参考に
お話を書いてみました。

少し?いや、だいぶ曲の世界観とは
違うかもしれませんが、
主人公のおじちゃんが描いた言葉のように、
主人公の心には、
曲『ロマンシング ヤード』な熱いものがある。
だから、どんな孤独も堪えるし、
全力で目の前の愛を守ろうとする。

愛って何か形を変えながら、
ロマンの道、
そのような道を歩いて来るのかなって。

もし、本当にご縁がある、
または、その愛そのものが真実ならば、
ハロウィンじゃないけど、
返事とともに愛そのものを、
手に入れさせてくれるのかもしれませんね。

だから、いつでも、
ハロウィンを愛バージョンにするならば、
「トリック オア ラブ」
(愛をくれなきゃ悪戯するぞ?)
そして、その返事は、
「ハッピーラブ!」
(愛をあげるよ!)

なんて遊びが生まれたら、
愛の告白も気楽かも。(笑)。

(ニックネーム)
ねね&杏寿
(旧ひまわり&洋ちゃん)
(Instagram)
https://www.instagram.com/himawariyangchiyan/

~~~~~~

参考にした曲
CHAGE&ASKA
『ロマンシング ヤード』
作詞 秋谷銀四郎 作曲 CHAGE
編曲 瀬尾一三
(1987.10.5発売)
☆収録アルバム
CHAGE&ASKA
『RHAPSODY』
(1988.3.5発売)

YouTube
【CHAGE and ASKA Official Channel】
『ロマンシング ヤード』ライブ映像
https://m.youtube.com/watch?v=4UZ46Ke5pTI

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