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【超ショートショート】(302)~声もでない程の・・・~

鼻先で笑われていたのかも(笑)。 
 
秋に、
知ってはいても、 
子供の頃に行ったきりの、
街に行った。 
 
こんなに近くにあったなんて、 
その時初めて知った。 
 
旅もできにくい時に、
ホッと異空間へ運んでくれる、
そんな街の景色に、
心弾んだものでした。

誰かにその楽しむ姿を
見せてあげたいとも思いました。 
 
あの頃には、
もう居なかったんですね。

たくさん心配しました。
毎日お仕事の忙しいスケジュールの中で、
あちこちと動き回るのは大変だろうと・・・。

でも、(笑)、
その大変は、(笑)、
私のほうでした、(笑)。

気づきもしませんでした・・・、
いや、気づかないふりを、
脳がしたのでしょう。
そうしなければ、
私の心が悲しむと思ったから。
脳はちょいちょい、
脳の主をも騙しますからね。

今、
走馬灯のように思う景色がありました。

「なんだ!ヨロシクやってたんだ!
私の言葉も想いも鼻先で笑われてしまうほど、
滑稽で面白かっただろうな。
ちょっとしたサンタみたいな
チャップリンになれていたのだろうか?(笑)」

大事な時間を掛け、
近くにあるものだと思っていた。
けど、そんなモノは幻でした。

同じ世界に住んでいる。
同じ地球に住んでいる。
同じ宇宙に住んでいる。

同じという空間認識が狭かった。
というか、
同じという認識が間違っていたのでしょう。

同じ世界に住んでいても、
住む世界は違う。


楽しかったんです、
ほんの一瞬繋がれたような気がして、
夢を見た。

その夢も、
もしかすると脳に主が騙されたパターンかな(笑)。

それでも、
とてもを付けてしまうほど、
今から思ってみても、
とても楽しかったんですね。

誰かを想えることって、
身体が自発熱カイロになるくらい、
心のぽかぽかが身体もぽかぽかにする。

あの時のぽかぽかに酔う
身体のしあわせな暖かい脱力感。
今は、同じ脱力感でも、
身体の中から、脳の中から、
すべてが空っぽになった、
思い出も、言葉も、夢も、
消えちゃった。

居残る自分の世界をバカにされたようで、
悲しいのに、
なぜか、涙って涙心があるみたいで、
泣く泣かない、泣かせない泣けない、と、
コントロールする。

じゃあどんな思いになると涙心が
コントロールスイッチをonにするのか。

悔しいと心が反応した時。
時間を掛けて過ごして来た頃の思い出、
時間の長さのことではなく、
あの時に込めた愛の分だけ、
悔しいが込み上げてくるよう。

やっぱり住む世界が違う。
同じ場所に真横に居れたとしても、
パラレルワールドの世界のアクリル板に、
お互いの姿を透明に隠され、
会えぬモノなのでしょう。

人に笑ってもらうというのは、
実はしあわせなこと。
人の笑顔は、
誰かの想いを受け入れた証だから。
そう聞いた。

でも、
鼻先だけで笑われる笑顔は、
笑顔の種類が違う。

「それでも、
笑ってもらえていたならば、
いいじゃないか!
その笑った人がしあわせなら」って。

笑いの提供は、
常に捨て身でいいのかもしれませんね。 


あの日に見た背中。
別のお山のお水で出来ていたなんて、
気づきもしませんでした。

今日のこちらの空は青空みたい。
車も洗濯物も、
花粉で幸せに黄色くなる毎日ですけど、
お水がきれいに流してくれています(笑)。

(制作日 2023.3.12(日))

今日のお話は、
今浮かんだ言葉を並べてみただけの散文詩。

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