【超ショートショート】(268)~グッバイ&サンキュー ぼくらの新しい関係~☆『ASKA書きおろし詩集』☆
僕らは 小さな囲いの中に入り
今日を 誰かとして 生きている
まさか 自分が 小さな囲いの中に
入れられてるなんて 忘れている
みんな それぞれに 誰かとしての
コンプレックスを持っている
ある誰かは 自分の体形を
また別のある誰かは 自分の健康を
僕らの誰もが 自分にとって
お気に入りの小さな囲いを
与えられているわけではない
じゃあ 小さな囲いが不幸せか?
と 問われたら
必ずこういう人たちがいる
「小さな囲いの中のほうが幸せだった」
と
小さな囲いの中が幸せだったという人たちは
残念ながら 小さな囲いの中から
もうすでに 解き放たれている
ある意味 自由な世で生きている
そんな囲いの外の人たちが
囲いの中が幸せだったというのか?
囲いの中でしかできないことがあるからだと
人々は話す
食べること 話すこと、手をつなぐこと
囲いがあるから感じることができる
感触は 囲いの外にはない
そんな感触が 喜怒哀楽の心の感動を
いつも与えてくれた かけがえのない存在だった
「どうしても会いたい人がいる」
と 囲いの外の人が言う
「どうしても会いたい人がいる」
と 囲いの中の人が言う
「いつかまた会える」
と 誰かが言う
「いつか」は 誰かの
「さようなら ありがとう」
と
「おめでとう」
が 一緒になったとき
どこかで生まれる再会がある
僕らは 小さな囲いの中に入り
明日も また 生きている
(制作日 2022.3.22(火))
※この物語はフィクションです。
2020年3月22日
ASKAさんの35年ぶりに発売された
『ASKA書きおろし詩集』
きのうで発売から「3周年」になりました。
この散文詩集発売記念で
ASKAさんが尊敬する詩人谷川俊太郎さんと
「奇跡の対談」をしています。
今もYouTubeで公開中です。
この映像の中で、
ASKAさんのお母さんのお話がありました。
お母さんが紙に書いた言葉
「さようならありがとう」
この言葉と、
詩集の中にあるお母さんについて書いた詩
『母』を参考にして
このお話を書きました。
お話の「囲い」は「肉体」
「囲いの外」は「天国」となります。
ここまで書いて思い出すASKAさんの曲があります。
アルバム『Too many people』に収録されてる
『信じるのが楽さ』。
曲の説明は、また別の機会にします。
今日はBGMとして聴いてみてください。
(ニックネーム)
ねね&杏寿
(旧ひまわり&洋ちゃん)
(Instagram)
https://www.instagram.com/himawariyangchiyan/
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今日参考にした詩集
ASKA
『ASKA書きおろし詩集』
(2020.3.22発売・双葉社)