ただいま、エッセイストの私
この本の冒頭を読んだ私は、部屋を片付けはじめた。
誠意を持って向き合いたかった。
この本と、私自身と。
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去年の夏、私はある人の言葉をきっかけに、エッセイを書きはじめた。
日常の景色が色鮮やかで、
食べ物が美味しく沁みて、
身の回りの物事すべてが"特別"に感じた
エッセイを書いている頃の私は豊かだった。
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私は数ヶ月エッセイを書くことから離れていた。
"考えること"と"言葉にすること"をサボった。
そんな日常は、どこか物足りず、心が寂しかった。
豊かさを感じていた時間と引き換えに
モヤモヤと悩む時間が増えていた。
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急遽やってきたインフルエンザによる6日間の夏休み
「この夏休みにはどんな意味があるのだろう」
とぼんやり考えながら、積読していた本を手に取った。
私はこの本を、綺麗に片付いた部屋で、姿勢を正して、丁寧に読んだ。
そこには私の理想の生き方が詰まっていた。
私は"エッセイストという生き方"をしたい。
エッセイを書き続けたい。
私の言葉を受け取る人にあたたかい気持ちを、
小さな幸せを届けるエッセイストになりたい。
今から私はエッセイストとしての人生を歩み続けると決めた。
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夏の暑い日差し
昨日までの私は顔を顰めていた。
でも、エッセイストの私は笑顔で言う。
「今日も素敵な一日がはじまった」
ただいま、エッセイストの私
2024.7.20 向日葵