二度目のDJ in Chit Chat Vol.20
初めに
前回、DJを行ったChit Chatにもう一度お呼ばれしまして、不肖ツヾキユウ、再びDJをやりました。前回はロシアのニューウェーブをかけていたのですが、今回はご時世的に難しいということで(もちろん音楽に罪はないですが、私の語学的理解が不十分なので、無知に由来して不本意なメッセージを出すことになってしまうのは避けたいという気持ちがありました。)、今回はインターネットアングラをテーマに何となく組み立てていきました。
今回、なんとうれしいことに、配信のアーカイブが残っております。なので、ここの感想をお見せしながら私の(Youthを言い訳にするにはやや厳しい年齢に差し掛かったとは思えない拙さの)プレイを参照することができます。もの好きの方はぜひに。
(2022/05/30追記:S〇NYに怒られてしまったので、国内からは確認できなくなってました…文字ベースの情報は残るので、下記テキストを観ながら気になる作品を聴いてもらえるとありがたいです。)
Plastic Mind - Dead Husband
前回のラストの楽曲を最初に持ってくるという演出。通じえたのは5人だけですが、こういった自己満足はモチベーションアップとして大事だと思うんですよね。今回はBPM140から始めようと思ったので若干スピーディーに。
ENDLESS SWIMMER[true] - 印象派
次につなげたのが印象派のこの曲、ミニマルで静かっぽい印象が、滑り出しとしていいんじゃないかと思ったので。全体的な選曲の基準として、ほかの参加されている方々のテリトリーを侵犯しないようにという発想があるので、ここら辺のバンドサウンド寄りの出自の四つ打ちは重宝しています。(他のDJの方は、完全にダンスミュージックだったり、ヒップホップであったり、R&Bとかのイメージです。)
bronze - グーグールル
前曲を聴きながら、これ合うんじゃない?と思ってつなぎました。グーグールルについては過去記事でさんざん触れているので今更紹介する必要はないかと思います。グーグールルの中ではだいぶ地味というか、わかりやすくハネたりしない楽曲ですが、その分全体の流れで入れると締まる曲って感じがしています。
早速つなぎをミスして、8小節ずれて移行しました。
グーグールルのパブリックイメージとして、わちゃわちゃしたものや、Pickedのようなエモーショナルな楽曲をやってた印象持たれがちだと思っているのですが、こういった一面もあるんだよと声を大にして言いたい、そんな楽曲です。
マカロン - ATOLS
そして、四つ打ちをどうしようかと考えたときに、ふとボーカロイド曲を誰もかけたことがないってことに気づいたのでこちらをかけました。自分が1994年生まれなのですが、ここら辺がflash・ニコニコあたりの文化の功罪を全身に浴びて育った世代かと思われます。インターネットネイティブっぽい感性を見せつけたろうと選びましたが、こういった意図を持つ時点でなんか古臭い気がして、ちょっとアレですね。この曲そのものは大学のサークルで幹事長が教えてくれた曲です。ミニマルでありつつもメロディが光る構成になっていて、全然連絡を取る仲とかそういうわけではないものの、今でも哀調してますね。
元気かなあ。
Ratchet - Bloc Party
これは選曲のシンキングタイム切れでシンプルに好きな曲をかけたパターンです。MVがCyriacって人の作品で、曼荼羅みたいなイメージをキッチュな表象で表現される方なのでおすすめです。Bloc PartyそのものはUKインディーのシーンで有名ですが、この曲はだいぶダンスミュージック寄りのアプローチで面白いですね。前曲も相まってここら辺から二十歳前後のマインドになってきていました。
Baseline Junkie - Dizzee Rascal
もういっそUK繋がりでグライムにしてしまえと大御所であるディジーラスカルのこの曲を。「3コードあれば曲は作れる」ってパンクの文化圏で言われるクリシェがありますが、もっとラジカルに言えば「3音あれば曲は作れる」と言わんばかりの構成が痺れますね。曲のメッセージは「薬物なんていらねえ。俺はベースラインのジャンキーだ」ととてもシンプル。
Lonely lonely Montreal - 校庭カメラガールツヴァイ
ここで、ラップといえばで伝家の宝刀、校庭カメラガールをかけました。個人的な目論見としては、とかくヒップホップの文脈で語られがちなアイドルラップをグライムの方の文脈から牽強付会して主張したかったという。
DJやってて楽しいなって思うのはこういった個人的な文脈を提示できるところですね。
楽曲そのものは解散前に出たアルバムのリードトラックってこともあり、別れのイメージを強く想起させるものになっています。テーマの高低差がえらいです。
今聞くとみんなのこれが圧倒的に「青い」ので、とても切なくなります。
少女の壊しかた - アーバンギャルド
二十歳前後マインドを締めくくる曲は、アーバンギャルドの少女の壊しかた。成長に伴う離別としては、前の曲とは全然違う角度であるものの、おおむね同方向。
音量を上げていくタイミングが少し遅かったというミスがあるものの、それなりの着地とおもったら、ボタン操作を間違えてbpmが140から144に跳ね上がるというミスを犯しています。どこでやったのかみんなも探してみよう。
個人的に、落ちサビの美しさではこの曲がダントツでライフタイムベストです。bpmを上げてしまっているので余韻がいまいちですが、ぜひとも原曲を聴いてください。
ライスとチューニング feat.BELLRING 少女ハート(懺悔 MIX) - HELクライム
あまりにも懐古的であったことと、ここから後半戦に突入するということがあったのでここで時事ネタを兼ねてベルハーの楽曲を入れる。
サブスク解禁時に、半ば大喜利ライクにベルハーの曲をシェアする流れのようなものが発生していて、それを横目に見ていたのですが、私なりの回答はこれです。ポイントとしては、HELクライム名義なのでベルハーそのもののサブスク解禁の数年前から普通に聞けていたという点ですね。
ベルハーとは何なのかについては、知り合いのぎんちゃんさんという方がその後の時系列などについて個人史を踏まえつつ書かれている記事があるので、個人的に紹介させていただきます。とりあえずYoutube止めて、いったんそちらをご覧ください。
ここで160にbpmを上げたのですが、ここから魔のグダグダゾーンに突入します。ここから先のつなぎはすべてイマイチになっております。ご容赦ください。
Balloon Factory - Dandi Wind
Dandi Windはあまり詳しくないですが、ここら辺のエレクトロクラッシュ的な雰囲気が合うのかなとチョイス。結果は…可もなく不可もなく。
ここら辺からエクストリームというか、前衛路線に舵を切り始めます。
(そういえば、昔コウテカ3の頃にちょっと音楽的に尖っていると評されそうなアイドルをまとめてエクストリームアイドルとか呼んでいた方がいたのですが、そもそものアイドルっていう形態の急進性とかを軽視して自分の好きなものを雑にカテゴライズするためだけの浅い言葉選びでめっちゃイライラしていたのを思い出しました。自意識との折り合いご苦労様でした。)
ぽ - 尾丸ポルカ
ここで、やってはいけない雑引用を自分でもかます。正直、VTuberとしてのこの方が何やっているのか全く知らない。人生はわき腹に刺さったブーメランの個数で深みが変わってくるのだ。
ただ、作曲者の立秋って方は文字情報がかなりミニマルかつエキセントリックな楽曲をたくさん作っていて、その中で歌詞が全部「ぽ」のココナツ越えの曲に面食らったのでここでねじ込む。ここら辺から結構何やってもいけるっしょとやけっぱちになっている。
天下一品 (10-1) - 九十九音夢
この次の曲への流れを作るために挟んだ曲。DJ Technorchさんがやっているバンドで、ハードコアテクノ的アプローチとニューウェーブっぽい楽曲構成が融合しているよいアルバムだと思ってますが、その中でも特にやりたい放題やっている楽曲である天下一品をチョイス。
タペータム - ネムレス
今日はこれをかけたかった。
現状での2022年アイドルソングマイベストを2位以下に50m位つけて爆走中の楽曲。驚異のbpm220。どうやってつなごうか考えたのちに、まったくつながないことにしました。
この曲のどこが好きなのかというと、ハードコアテクノのアプローチで始まったり、途中のブレイクビーツであったりというビート的な疾走感とともに、メロディやボーカルは切なく、この個人的には「時速300kmで泣く」感覚がとても心地よい点ですね。しかも、この時速300kmゾーンからビートダウン(220->110)したのち、元に戻った後、ラスサビに入った瞬間のギターのアルペジオと声だけになる瞬間の尊さ!忙しい人はYoutubeでここら辺だけ再生してください。大体40分からです。
君の噓と未来へ - mizuirono_inu
今日はこれをかけたかった。その二。
mizuirono_inuに出会ったのは大体一週間前なんですが、個人的には捻くれたカオスの中で、ままならない感情を爆発させる感じが、いわゆる激情派といわれるジャンルに対して抱いていたきれいすぎる感覚に対してカウンターとしてとても食らったんですよね。また、ポエトリーリーディング系に対しても、大体音楽から逃げていて嫌いだったのですが、このレベルで統合されたものを聴けて、認識を改めました。
10分弱ある曲なんですが、持ち時間60分のところこれを丸々かける暴挙に出ました。でも、自分の愛しているインターネット的世界観をこの後半20分で表現しきるためにはあまりにも大きい存在になっていました。知ったの1週間前なのに。
個人的には、ここでのんたんさんに「ジムジムの選曲が怖ええよ」と言わせられたので、大満足です。
実は、明日の2022年5月3日に渋谷WWWでライブがあるので、それのレポもかけたらなと思ってます。そっちでもうちょっと踏み込んだ話とかできるといいなと思ってます。
スペクトラム - エルリ鳥
これは、エンドロール的役割兼バトンタッチ用の楽曲です。脱法音源を使用したので、詳細については割愛します。贖罪がてら、原曲のリンクを張りますので、そちらをお聞きください。
終わりに
前回、のんたんさんに全体の流れを意識するとよいといわれたので、前回よりもどこでどうするかを意識しました。そのうえで、うまくとっ散らかせたかなと思います。
ただ、三回目来たらいよいよどうしよう。
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