ハムスター、男の証
※ご注意※
この記事には、お下品な画像と表現が含まれます。
お下品なものが苦手な方、お下品なものなんか見たくないという方、
潔癖症だという方は、ただちに記事を閉じることをおすすめします。
なんかカッコつけてるタイトルですが、内容は全然カッコよくありません。
期待してはいけません。
それでは、
お下品なネタくらいどうってことない!
ハムチャンのことなら何だって受け入れられる!
という方は、続きをどうぞ。
はじめに
本記事の協力者
我が家には現在、16代目のハム様がおられる。きれいなまんまるフォルムとふわふわの絹毛から「モフ大福」の異名をもつ、スノーホワイトのオスである。
特に病歴はなく、好き嫌いもほとんどなく何でもガツガツ食べ、とても元気でむっちりとしたボディなのだが、お迎え当初からお目目の周辺と左耳にはちょっとした異常が見られる。おそらく幼少期に喧嘩で負傷したのだろう、左耳は欠け、お目目の周囲も薄毛で地肌が見える。お目目に関しては病院で診てもらったが、処方された抗生剤の目薬をさしても治らなかったので、体質的な問題で治らないものなのだろうと判断し、現在は治療をしていない。無駄にお薬ストレスを与えたくないからである。
本記事執筆時点では1歳を過ぎ、このようにご立派なオッサンになられた。通院も服薬もしていないが、相変わらずお元気である。
本記事は、このオッサンが落とした”あるもの”について探っていく。
未確認白色物体 X
ケージ内の落とし物
時は少し遡る。この子をお迎えして5か月ほどが経過したある日、ハムハウスの前にウンコと一緒に見慣れぬ白い塊が転がっていた。
「あれ? ごはん粒なんてあげていないのに、何だこれ?」
こんなものは初めて見る。見た目はごはん粒のようだが、ごはん粒ではない。しかしごはん粒のように、ちょっとねっとりしているように見える。この未確認白色物体 Xの周囲が湿っていることからも、かなり水分を含んでいるようである。
ハムケージ内に変なものが転がっていると、飼い主としては無視できない。見た目が見た目なだけに、何らかの病気という可能性も否定できない。この白い塊は何なのか、早速ネットで検索してみた。
落とし物の正体
答えはすぐに出た。
「男の証」
一言でなるほどと思わせる的確さ、かわいいハムチャンらしからぬ渋い表現。誰かが言ったこの言葉に爆笑した(以来、私はこの表現を気に入って多用している)。
もし16代目がマドモワゼルだったら何かしらの病気が疑われるところだが、幸いにも16代目はムッシューである。そして特に変わった様子もなく、毎日ごはん皿を空っぽにするほどガツガツ食って、ゴロンとひっくり返って寝ておられる。お腹もきれいで変なできものもない。なめらかな手触りのお毛毛は上質なシルクのようである。お目目は前述のとおり少々周辺が薄毛ではあるが、この白い塊がお目目から出たとはさすがに考えられない。ウンコとセットでポイされていることからも、この白い塊は「男の証」(排泄物)とみて間違いないだろう。
かれこれ16匹のハム様をお世話してきて、この「男の証」を見たのは16代目が初めてである。飼育書にも載っていないこの物体は、ウンコと違って水分が多く、箸で押すとわずかに弾力もあり、コロッとしていておもしろい。
歴代のムッシューたちは、こんなふうにウンコと一緒にプッと外に出さなかった。しかし今思えば、先代に関してはハムハウスのお布団に乾いた米粒みたいなものがくっついていた。この画像ほど大きくなかったので隠しエサの一部だと思っていたが、あれも男の証だったのかもしれない。
白色物体、再び
モフ大福がまた男の証を出していた。今回もウンコとセットである。
この男の証、飼育書に記載がないので、いつ、どうやって出すのか、どうしてできる(作られる)のか、さっぱりわからない。さすがに毎日は出てこないが、1週間くらい経ったらまた出てきたことがあったので、週一ペースで出てくるのかと思いきや、出ないときはまったく、何週も出てこないこともある。何を食べるとよく出るというような、これといった傾向も掴めない。まさに謎の物体である。そこで、今度男の証を見つけたときは、ちょっと拝借して観察してみることにした。
そして8月某日、チャンスは訪れた。
出たてホヤホヤの男の証はやっぱり水分多めで、ツヤツヤでしっとりしている。ごはん粒のようにも見えるし、砂糖菓子のようにも見える。新鮮な男の証を収穫できたので、余っていた100均のクリームケースに移した。
こうしてケースに入れると、よりわかりやすいと思う。出たてホヤホヤの男の証は、触ると指に水分が付くくらいに湿っている。『ドラゴンボール』のピッコロ大魔王が口から吐き出す卵のごとく、水気を帯びている。しかしベタベタヌメヌメまとわりつくような感じではなく、ややサラッとしたあっさり水分感。似たような質感のわかりやすい例が思い浮かばないが、化粧水以上・乳液未満といった感じだ。
指で触ってみると塊自体は乾いたウンコくらいの硬さに感じたが、指でつまむには小さすぎるためこの感覚は正確ではないかもしれない。箸でつまんだときはもう少し弾力のようなものを感じたからである。
においは全然しない。さすが、ウンコも臭くないハム様である。
こうしてゲットした男の証は、このままクリームケースに入れてしばし様子を見てみることにした。
観察
1日経過後の様子
1日でかなり水分が抜けたようだ。ひょっとすると、くっついていたペパーレットに水分が吸収され、乾燥が早く進んだのかもしれない。
ツヤと透明感がなくなり、白く濁り、少し小さくなっていた。 出たてホヤホヤだとツヤツヤ砂糖菓子みたいだったのに、乾いた米粒みたいになった。 しかし乾いた米粒ほどの硬さではなく、わずかに弾力があってなんとも不思議な感覚。乾燥したお団子と表現するほうが近いかもしれない。そしてもう一つ、大きな変化があった。
くさい。思わず「くさっ」と言ってしまいそうなほど、前日と違って臭うのである。ただし、鼻を近づけるとそれくらいニオイを感じるというだけで、おそらくケージ内に転がっている程度ではニオイを感じることはないだろう。わざわざ拾い上げて、鼻の前に持ってきてクンクンしなければよいだけのことである。
私は香りや嗅覚のプロではないので、それがどんなニオイかをうまく伝えることができない。何と言ったらよいのかもわからないが、いかにも分泌物というような”微弱だがちょっと変なニオイがする”あの感じで、正直ちょっと気持悪い。好奇心や調査・研究目的があるのならともかく、そうでないなら嗅がないことをお勧めする(普通は嗅がない)。
わずかではあるが、時間が経つとニオイが発生するようなので、気になる人はケージ内に男の証が転がっているのを見つけたらすぐ捨てるとよいだろう。
2日経過後の様子
写真が暗くてわかりづらいかもしれないが、2日経つとさらに縮んで硬くなった。1日経過後に比べると、またわずかに縮んだようにも感じる。乾いた米粒くらいのカチカチ感で、ちょっと黄ばんできて、相変わらず臭い。ウンコは時間が経っても臭くないのに、男の証はなぜ臭いのか。
3日経過後の様子
3日経った男の証は、もうすっかり乾ききっていてコロコロ転がるほどだった。
2日経過後と3日経過後とではほとんど見た目に大差ないが、実は明確な違いがあった。不思議なことに、3日経過後は臭くないのである。いかにも分泌物といった感じの、なんとも言えない変なニオイがしない。ニオイを分析する機械か何かで調べれば、もしかしたら悪臭成分が検出されるのかもしれないが、一般人の鼻ではニオイは感じないのではないだろうか。
4日経過後の様子
4日経過後の男の証は3日経過後とほとんど変化がない。ニオイはやはり感じられないし、これが最終形態なのかもしれない。
ちなみにこのとき、写真を撮ってほどなく新たな男の証がプッと出てきた。わずか4日で新たな男の証が出てくるとは思わなかった。次のサンプルを提供してくれたというのだろうか。だとしたら、ちょっと早すぎるよ~。
5日経過後の様子
5日経過後もやはり、これといった変化はない。挙げるとすれば、乾燥が進んだせいなのか、ひょうたん型だった形状が真ん中の細い部分で割れてしまっていることくらいだろう。
初日と比べると、かなり小さくなっているのがわかる。時間の経過とともに水分が失われ縮んでいったのだろうが、そう考えるとこの男の証に占める水分の割合はかなり高そうである。「あんな塊出して大丈夫?」と思ってしまうかもしれないが、ほぼ水分だと考えると、ウンコよりもスルッと楽に出てくるのかもしれない(ウンコはここまで縮まない)。
男の証はおいしい!?
男の証の観察を終えてしばらく経ったある日、モフ大福がまたまたまたまたウンコと一緒に男の証を出していた。
「あ~、また男の証出してるぅ~」
そう笑いながら見ていたら、「なに笑ってんだよ。バカにするなよ」とでも言うかのように、ハムハウスからヒョコッとお顔を出して、ウンコを一つプッと吐き捨てた。かわいい。それはいい。問題はその次である。
ウンコをプッと捨てたそのお口で、そこにあった白い塊をパクリ。そしてモグモグ。なんと、男の証を食べてしまったのだ!
驚きながらその様子を見ていると、男の証を食べ終わったのか、また一つウンコをプッと出してきた。そのウンコが妙にツヤツヤしていた。
カメラを構えながら見ていたわけではなく、一瞬の出来事だったので、さすがにその決定的な瞬間を撮ることはできなかった。証拠写真というには物足りないが、一つだけウンコに光沢があるのがおわかりいただけるだろうか。あの水分豊富でツヤツヤしている男の証を食べた直後だからこそ、ウンコまでツヤツヤになったのではなかろうか。
それから1週間後、夏のモフ大福は絶好調なのだろうか、またまたまたまたまた男の証が転がっていた。
「あぁ~、またモフ大福が男の証出してるぅ〜。男の証プッて出して、ごはん食べてるぅ〜」
ごはんを食べ終えると、のそのそとトイレに向かわれた。スッキリしておうちへ帰ろうとしたそのとき、モフ大福が立ち止まった。
パクッ。
モグモグ……。
く、食っておられる……? まさか、また男の証を食っておられると?
ない。男の証がなくなっているではないか。くっついていたウンコチップもなくなっている。これはもう「食った!」としかいえないだろう。
実はXの相互の方から、男の証は食べられるという話を聞いていた。おいしそうに食べていたという証言を得ていた。しかしモフ大福はいつもウンコと一緒にポイしていただけだったので、まさかその現場を見られるとは思いもよらなかった。あるいは、食す前に私が気づいてポイするほうが早かったのか。
男の証というのは、ハムチャンにとってそんなにうまいのだろうか? 放っておくと食ってしまうようだ。もしかすると、今まで男の証を全然見かけなかったのは飼い主が見つける前にハムチャンが食ってしまっていたから、という可能性も否定できない。
決定的証拠を得るには、24時間フル稼働の監視カメラを設置して観察しなければならないが、あいにく私にはそこまでできる環境がない。環境が整っていて興味のある人はぜひ観察してみてほしい。
まとめ
最後に、ハムチャンの男の証についてその特徴をまとめてみよう。
視覚的特徴
白い(時間が経つにつれ色が濁って黄味を帯びてくる)。
出たてホヤホヤのときは、ごはん粒や砂糖菓子のような色ツヤがある。
大きさはまちまちだが、だいたいウンコと同じくらい。
ひょうたん型をしていることが多い。
触覚的特徴
見た目ほどのプルプル感やプニプニ感はなく、ちょっと硬い。
箸でツンツンすると少し弾力があるのがわかる。
嗅覚的特徴
無臭(ただし1日経つと、なんとも言えないニオイが生じる)。
その他の特徴
いつ、どうやって出すのか、どうしてできる(作られる)のかは不明。
比較的短い間隔(数日くらい)で出るときもあれば、しばらく出てこないときもある。
何を食べるとよく出るというような、これといった傾向は掴めない。
食べられる(放っておくとハムチャンが食ってしまう)。
おいしい? かどうかはハムチャンにしかわからない。
私は「男の証」という呼称を気に入ってそう呼んでいるが、正確な名称はわからない。ヒトでいうところの精子(液)なのだろうが、液体ではないし、精子というと最小単位を指すようで少し違和感もある。となると、精塊? それもなんだか変だ。やっぱり「男の証」でいいような気がする。
16代目がなぜこうも頻繁に男の証を出すのかはわからないが、モノがモノだけに、男の証は妊孕性の目安にはなるのかもしれない。詳しい調査・研究結果を待ちたい。
それにしても、もうかれこれ20年以上もハム様のお世話をしてきているのに、未だにわからないことや新たな発見が多い。そして外見は大差なくても、性格や行動には個性がはっきりと表れる。ハム様はやっぱりおもしろい。