元手はタダ

 同じことを言うにしても、言葉のチョイスや顔の表情で、相手に与える印象はまるで違うものです。
 ちょっとだけ頭を働かせたり、ちょっとだけ顔の筋肉を動かす。それだけのことで人間関係において劇的な効果をあげるというのに、使わないなんて、なんと勿体無い!

 誰もが、知らず知らず同じ話を二度三度していたり、逆に、相手に言われた話を覚えていなかった…なんてよくあること。
 つい、
「それ、前にも聞いた」
「この間、話したでしょ? もう忘れたの?」
 なんて言ってしまいがちだけど、どちらも悪気はないのです。
 でも、なんだか意地悪な口調になるし、相手も傷ついているでしょう。

「そうなんだってね~? 前にも言ってたよね」
 と、笑顔で頷いてみて。
「あれ? 私、伝えていなかったかしら? ごめんね、もう一度言うね」
 と、何度でも説明してあげてみて。

 誰も傷つけないし、自分も優しい気持ちになりませんか?

「承知しました」
「左様でございますか」
「仰る通りです」

 などなど、ビジネスきれい調の言葉遣いに、感じの良い表情をプラスすれば、職場での評価だって確実に違ってきます。
 人は見た目が九割なんていいますが、残念ながらそのとおり。
 どんなに仕事ができても、感じが悪いと、人の心はついてこない。

 ややこしい勘違いをされると面倒なので、異性へのボディタッチには注意が必要。無意識にやっちゃう人、気をつけて下さいね。
 あくまで言葉遣いと表情で、凛とした、感じの良い人を演出しましょう。

 自分が言われて嫌なことは、人にも言わない。
 言わねばならないときは、より良い言葉を選ぶ。大切な人や身近な人ほど特に。
 意地悪な人・感じの悪い人と思われることは、決して自分の利益にはなりません。

 言葉のチョイスと表情。
 ほんのちょっと頭の中で語彙をこねくり回す作業と、ほんのちょっと表情筋を動かす作業です。
 劇的効果を持ちながら、しかも元手はタダ!

 まゆつば物のダイエットより、やってみる価値ありそうでしょ?

 

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