余計なお世話
クラスメイトのSちゃんとKちゃんが喧嘩していた。そばで聞いていたわたしが仲裁に割って入るとふたりから、「あなたには関係ないでしょう」の一言が飛ぶ。うん、よくある風景。良かれと思っても勇み足で釘を刺されてしまった経験なんて山のようにある。あるよね。わたしだけ、かな。
喧嘩や争いごとに第三者が加わるのはよほど慎重にしないとうまくいかない。そんなことは子供のころからわかっているのに、今日もSNSで見知らぬ誰かに干渉してしまう。見えないところで感想する。時に引用してジャッジする。もっと拗らせるとリプで批判する。正しいとか間違いとかいう以前に失礼だという事が抜け落ちる。
東京都の男性がツーリングに出かけ、山梨県で自損事故を起こして緊急入院した話。外出自粛をせず来県を断っている県に入って事故を起こし、ひっ迫する医療に迷惑をかけたとして叩かれた。でも本当は、彼が起こした事故は多くの人にとって何の利害もない不幸な出来事。対応した救急隊員や病院にとっては迷惑行為かもしれないけど、記事に沸いたリプの中で彼自身を批判する立場にあるひとはほんの一握りだったと思う。
世の中のいろんなことを、さまざまな立場のひとが、自分なりの視点で語るのを見るのは面白い。でもそれはあくまでその人の感想で、良いも悪いも外野から当事者を斬ってしまうことは良くないなあって感じている。テレビでお馴染みの芸能人がドラッグに溺れても不倫しても、当事者ではないわたしが言う事は「余計なお世話」なのだ。嫌いになるのは勝手だけど石を投げる権利はないってこと。みんながそれをわかれば、SNSはずいぶんすっきりすると思う。
政治家に対する批判や意見。それは「政治家対個人」なので遠慮なく発信すればいいと思ってる。政策や政治家だけを見て率直に。その政治家を支持する人たちが悪でも正義でも馬鹿でも利口でも、わたしには関係ないという事は忘れずに。