不思議なぬいぐるみ
久しぶりに部屋のかたずけをした。
日頃なんでもためすぎ,飾り過ぎといわれているので、
今回は思いきって整理をしようと決心する。
捨てたものが見えると未練が残るので、黒いゴミ袋を選んだ。
中が見えないように、口を縛ってすぐに外に出す。
翌日、庭に出したゴミ袋に目が止まった。
少し開いていた袋の口から覗く
くまのぬいぐるみと目があった。
買う時、その仕草や表情が可愛くて買ったのだから、
汚れていてもその可愛さは変わらない。
可哀想になって、また袋から取り出してしまった。
「チョット目が回るかもしれんけど我慢してね」といいつつ
ネットにいれて洗濯機に放りこむ。
すすぎ、脱水多めで色白のクマちゃんに変身。
梅干しは3日3晩干すらしいが、クマちゃんは6日6晩、
洗濯バサミでユーモラスな格好で吊り下げられた。
やっと乾いて仕上げにブラシをかける。
目も鼻も取れずによう頑張ったと抱きしめると愛しさが増す。
この子は、何年も前から捨てられては、
いつのまにか又元に戻っていると言う不思議なぬいぐるみである。
これひとつくらい捨てなくても大して変わらないだろうと、
今回もやっぱりいつもの場所に戻ってきた。
家族には「同じ物が同じ位置にある」と、
認めてもらえなかった部屋の片付け。
私としては随分無理をして捨てたつもりだけれど、
小物ばかりが入っている引出しを片づけても、
人には分からないか。
今回はくまもきれいになったことだし、まーいいとしようか。
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