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やっぱりクオータ制?"女性らしさ"と"マッチョさ"の「ダブスタ」を打ち破れ(日経xwomanブログ )
日経xwomanのアンバサダーブログを更新しました。
テーマは 「やっぱりクオータ制?"女性らしさ"と"マッチョさ"の「ダブスタ」を打ち破れ」 です。
女性リーダーが「自分らしく」いられない現実
2024年は、女性リーダーやジェンダー平等を巡る課題が鮮明になった一年でした。アメリカ大統領選ではカマラ・ハリス氏、日本では東京都知事選や自民党総裁選で女性候補が注目されましたが、女性リーダーに求められる期待にはいまだ矛盾が存在しています。
「優しさ」や「共感力」といった“女性らしさ”を求められる一方で、「強いリーダーシップ」という”マッチョさ”も求められる。
このダブルスタンダードが、多くの女性リーダーに不必要な負担を強いている現状があります。
リーダーシップは「女性的」「男性的」に分けられない
リーダーシップとは本来、その人の資質やビジョンによって発揮されるべきもので、「女性的」「男性的」といった枠組みで語られるものではありません。
しかし、現実には多くの女性リーダーが、社会が押し付ける「女性像」や「リーダー像」に適応するため、自分らしさを抑えているのが現状です。
こうした固定観念を崩し、女性が自然体でリーダーとして輝ける社会を実現するためには、本質的な変革が求められています。
クオータ制で公平性を確保する
「女性だから」「女性なのに」といった偏見を払拭し、女性が公平に挑戦できる環境を整えるには、クオータ制の導入が有効な選択肢の一つと言えます。
クオータ制は、一定割合の女性リーダーを強制的に確保する仕組みです。一見、極端な手段に思えるかもしれませんが、これによって女性が活躍しやすい環境が整い、社会の価値観や組織の文化が変化するきっかけを作ります。
事実、欧州の多くの国々では、クオータ制を導入した結果、女性リーダーの割合が着実に増加し、多様性のある意思決定がもたらされるようになりました。
クリティカルマスが組織を変える
集団の中でマイノリティの割合が30%を超えると、「マイノリティがマイノリティではなくなり、組織の文化が変わる」と言われています。
これは「クリティカルマス」や「黄金の比率」と呼ばれる考え方で、女性管理職比率の目標として30%が掲げられる理由にもなっています。この変化は、単に人数が増えるだけでなく、組織の中に多様性が根付く大きな一歩となるはずです。
もちろん、クオータ制は万能ではありません。強制力が一定の抵抗を生むことも事実です。しかし、クオータ制は、単なる数字の調整ではなく、組織の文化を変え、多様性を根付かせるための第一歩となります。公平性の仕組みを一度整えることで、やがて強制力を必要としない未来が訪れるでしょう。
女性リーダーが自分らしく輝ける社会を目指して
私たちが目指すべき社会は、女性が「男性的な強さ」を無理に演じる必要も、「女性的な優しさ」を過剰にアピールする必要もない環境です。
リーダーシップは個人の能力と個性によって評価されるべきであり、「女性だから」「女性なのに」という枠組みは不要です。
クオータ制は、その実現に向けた一つの選択肢かと思います。
クォータ制を含めた議論をまず始めることが、女性だけでなく誰問が自分らしくリーダーとして活躍できる社会を切り開く鍵となると考えています。
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