【インド・コロナウイルス】2か月に及ぶロックダウン生活を経験して感じたこと

インド現地採用2年目のあじさいです。

ロックダウン生活が始まって、ちょうど2か月が経ちました。
ロックダウン自体はまだ終わっていないのですが、一度ここで今回の経験を通して感じたことを振り返ってみました。

■ 増加し続ける感染者数への恐怖

新型コロナウイルスの大流行が深刻化している中、インドでも累計感染者数が13万人を超えました。特にここ数日間は、一日あたり6,000人超もの感染者が増加しており、歯止めが効かない状態が続いています。

日本では少しずつ感染者数が減っており、緊急事態宣言も解除され、日常生活が戻ってきているようです(もちろん第二波が発生しないよう、油断は禁物)。

しかしインドの感染状況を見ていると、一向に収まる様子はありません。むしろ一日あたりの増加幅を考えると、本当の感染爆発はこれからではないだろうか、とすら感じます。
改めて、目に見えないウイルスへの恐怖を感じています。

■ ‐3月24日‐ インド政府によるロックダウン第1弾発表の衝撃

インドではすでにロックダウンは3回延長されており、現在は4度目のロックダウンとなります。
何よりも印象に残ったのは、やはり第1回目のロックダウンを発表した3月24日のモディ首相によるスピーチです。

3月下旬と言えば、すでに新型コロナウイルスが世界でも大流行しており、入国制限を決定していた国も多かったと思います。

インドでは3月24日時点の国内累計感染者数が約500人程で、この頃にはすでにマスクやサニタイザー(消毒液)が入手しづらくなっていました。

そしてその日の夜、モディ首相は全国民に向けて「3月25日より21日間のロックダウンを行う」と発表しました。
「今から4時間後にロックダウン開始します」――この突然の発表に、私自身もかなり衝撃を受けました。他の国と比べても、インドはかなり早い段階で発表していました。

しかし13億人の人口を抱えるインドは、一度感染が広まると、歯止めが効きません。
ましてや国民の半分以上が貧困層で、十分な医療体制やインフラが整っていないことを考慮すると、この決断は正しかったと私は思います。

■ コロナ対策 : 何が正解なのか

しかしながら、結果的には感染拡大の抑止にはつながりませんでした。感染者数は今もなお増加する一方です。

そして、何度も延長される封鎖措置は、当然国民の生活を直撃します。
多くの労働者が職を失い、住むところを追い出されていること
地方からの出稼ぎ労働者が、職を失ったまま各地に足止めされていること
炎天下の中、数少ない通行人を見つけては、その日の飲み水をねだる子どもたち
などなど・・・

※特に出稼ぎ労働者の足止めについては社会問題となり、地方政府が帰郷のためのバスを手配したところ、数え切れないくらいの人達がバスターミナルに押しかけ、密集空間をつくってしまったほどです。

今では地域ごとに経済活動が緩和されてきていますが、まだまだ以前の生活に戻るまでは程遠いです。

今回のロックダウン措置は、経済よりも人命を優先した上での決断でしたが
その一方で、大量の失業者やその家族が、生活に困窮し、飢えていることもまた事実です。

もちろんインド政府も貧困層向けの補償や経済政策を発表していますが、間に合わずに命を落とした人もいるでしょう。

一体何が正解だったのか。
答えのない問いかけが、頭の中をぐるぐると回っています。

■ その国の政府次第で、自分の生活は変わる

今回のロックダウン生活を通して、私が最も強く感じたのは、その国の政府次第で、自分の生活が大きく変わるということです。

これから海外渡航しようと考えている人は、その国のことを多少は調べると思います。
治安や気候はどうか、物価やインフラはどうか、どんな文化があるのか、など…

でもその国の政府について、詳しく調べる人は少ないのではないかと思います。

私は現地採用として自分の意思でインドへ来ましたが、肝心のインド政府や政治について注目していなかった自分に気づきました。

「インドは急に制度や規則がコロコロ変わる」という話をよく聞いていましたが、今回のように実際に身を持って知ったのは初めてでした。

海外で生活している以上、その国の政府の決断は、当然自分の生活にも影響します。
自分の生活がどう変わるかは政府次第なのです。

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