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ビックバンとは何か?


【膨張する宇宙】 

  宇宙の大きさは、永遠に同じではありません。 銀河は、たがいに遠ざかっており、遠い銀河ほど、高速で地球から遠ざかっています。それは、宇宙空間そのものが膨張しているからです。しかも、その膨張は現在も続いています。 1929年に、ハッブルがそのことを発見しました。宇宙の膨張を遡れば、凝縮されたはじまりの一点に辿り着きます。宇宙は、この一点から始まりました。狭い空間に凝縮された宇宙は、非常に高温、高密度になります。高温、高密度状態では、原子を構成する電子や原子核などの素粒子は、バラバラになって、自由に飛び回っていました。 

 【インフレーション】

  ビックバン理論のいくつかの矛盾的を解消するために考え出されてのが「インフレーション理論」です。138億年前、誕生直後の宇宙は、真空のエネルギーが高く、お互い押し合う力「斥力」が働いて、インフレーションが起きました。インフレーションとは、宇宙誕生直後の加速的な膨張のことです。超短時間で、極小だった宇宙が、急激に膨張し、真空の相転移が起きました。真空の相転移とは、エネルギーが高い状態から、低い状態に移行することです。インフレーション理論の正しさは、宇宙背景輻射という昔の電磁波を観測することなどで証明されてきています。 

 【ビックバン】 

  真空にもエネルギーは、存在します。真空の相転移によって、膨大な真空のエネルギーが熱エネルギーに変換されました。エネルギーとは、相互に変換が可能なものです。真空の相転移の熱エネルギーが、超高温、高密度の熱い火の玉となります。その火の玉が、ビックバンという大爆発を起こしました。これが「ビックバン理論」です。ビックバンのなごり熱は、現在でも宇宙のいたるところから観測されています。ビックバン以前の状態でも、密度や温度には「ゆらぎ」がありました。ゆらぎとは、濃淡のことです。そのため、膨張後の宇宙の大規模な構造においても、銀河が多い所と少ない所、温度が低い所と高い所が存在します。ビックバン以降の膨張は、緩やかになりました。 

 【宇宙の晴れ上がり】 

  38万年後、膨張によって、宇宙の温度は下がります。それまで自由に飛び回っていた電子が原子核にとらえられて、原子が出来きました。電子は、光子「光」を邪魔するものです。電子の邪魔がなくなった光子は、自由に直進できるようになります。光「電磁波」が遠くまで届くようになったことで、宇宙の見通しはよくなりました。この瞬間が、「宇宙の晴れ上がり」です。その後も、宇宙は膨張し冷えていきました。現在では、絶対温度3度まで冷えた状態です。宇宙が冷える過程で、水素、ヘリウムの原子が出来き、恒星、銀河などを作りました。


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