オリンポス12神、アテナ
【アテナの誕生】
女神メティスは、最高神ゼウスの子を身篭ります。しかし、ゼウスは、ガイア「大地」の予言によって、息子によって王位を奪われるとされていました。それを恐れたゼウスは、メティスごと飲み込んでしまいます。その後、ゼウスは、原因不明の頭痛に悩まされることになりました。そのため、鍛冶屋の神ヘパイストスに、斧で自分の頭を割らせみます。そこから、完全武装した姿で踊り出たのが女神アテナです。
【知恵の女神】
アテナは、全知全能の神であるゼウスの頭から生まれたので、知恵の女神となりました。アテナは、梟のように大きな輝く灰色の瞳をしていました。そのため、梟がアテナの聖鳥です。この梟は、知恵のシンボルとされます。知恵の女神として、知的な活動を守護者し、人々に啓示や霊感を与え、賢くするために尽力しました。
【アイギス】
アテナは、頭にカブト、手に槍と円盾を持っています。胸には、黄金の胸甲「アイギス」をつけていました。だだし、アイギスは、盾とされる場合もあります。防具として、アイギスは、保護、勝利、貞潔などの象徴です。貞潔の象徴であるアイギスを持つ女神アテナは、永遠の処女神でした。アイギスには、英雄ペルセウスから贈られたメデューサの首がつけられています。メデューサは、アテナと美を競い、その罰として石化能力のある眼を持つ怪物に変えられました。防具アイギスは、英語読みでは、イージスです。その他の装備品としては、身を隠すことが出来るハデスの帽子があります。
【戦いの女神】
アテネは、武装した戦いの女神です。騎士の女神と呼ばれ、軍隊の指揮官には、戦術を与えました。自らが選んだ英雄たちには、知性面から指導します。戦いの女神として、勝利の女神ニケが従者です。ニケは、戦場を駆け回ることが出来る翼を持っていました。その翼は、勝利の象徴です。
【トロイア戦争】
有名なトロイア戦争では、ギリシャ側に味方します。特に、オデッセウスやデオメデスに助力しました。知将オデュセウスに、トロイの木馬の計を授け、トロイ城を攻略させます。その後、オデュセウスの帰路の航海をも助けました。勇将デオメデスには、助太刀して、トロイ側の軍神アレスを撃退させます。
【都市の守護者】
アテナの戦いは、どちらかと言えば、知的で守備的な戦いです。同じ戦いの神として、暴力的で破壊的なアレスとは、対極にあります。アテナは、都市アテネの守護神であり、異名である「パラス」には、都市の守護者と言う意味がありました。
【オリーブ】
アッティカの領土を巡り、叔父のポセイドンと対立しました。二人は、どちらが人間にとって有益なものを生み出せるかで、勝負をします。アテナは、オリーブを生み出し、ポセイドンは、馬と塩水の泉を生み出しました。この勝負は、アテナに軍配が上がります。そのため、オリーブがアテナのシンボルとなりました。その他の植物では、ヤナギやポプラが聖木であり、スミレが紋章です。
このアッティカの地は、女神アテナにちなみアテネと名付けられました。この勝負に納得のいかない、海神ポセイドンは、たびたびアテネを洪水を起こしたとされます。アテナ信仰の中心地は、アテネ市です。アクロポリスの丘にあるパルテノン神殿のアテナ像は、5年に一度、聖衣を着替える風習があります。
【技芸の女神】
アテナは、技芸の女神でもあります。手芸、機織法、染織、刺繍、陶芸、治金などの守護神です。アラクネという若い娘は、自身の織物の腕に自信を持っていたので、慢心していました。この娘は、どちらが優れているか、女神アテナに織物の技術勝負を挑みます。アラクネは、神々の醜聞を織り、アテナは、世界の創造の場面を織りました。結果は、アテナが勝利し、アラクネは、敗北します。神を侮辱した罰として、アテナにより、アラクネは蜘蛛に変身させられてしまいました。
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