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あやふやさの美学—流れゆくコミュニティと受け流す技術「hima-3 暇人RADIO(仮)コミュニティと人の器の大きさとその広げ方 コミュニティ編 後編」
こんにちは、宮川・岡田です。この記事では、「暇人ラジオ(仮):hima-3 暇人RADIO(仮)コミュニティと人の器の大きさとその広げ方 コミュニティ編 後編」での対談内容をまとめています。前回の「人の器を広げる」という問いから、さらに深く掘り下げた対話の記録です。
(この記事の内容はこちらから聞けます!)
目次
前編・中編のおさらい:器を広げるという問い
岡田:前編と中編では、コミュニティについての話から「生きることの優先順位」へと進み、宮川さんの写真の仕事を通じた「今ここ」の大切さ、そして心が動く瞬間に直感的に従うことの価値について話しました。
宮川:そうでしたね。そこから非言語コミュニケーションの重要性や、言語化されない感覚の共有について話し、「言葉以上に感じること」を受け取るための「器」をどう広げるかという問いが生まれました。
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万能なものは存在しない:固定観念を手放す
岡田:器を広げていく前提として大事なことは、「万能なものは存在しない」という認識だと思います。言語化というものが万能だと信じることも、音楽が万能だと信じることも同じ落とし穴です。
宮川:なるほど、確かにそうですね。すべてのものが万能ではない。それぞれの場合に適した受け取り方があって、言語や音楽など、万能ではないものを組み合わせて伝えていくことが大事なんですね。
岡田:そう、万能感を捨てることが器を広げていく前提なんじゃないかと感じています。
決めすぎないことを決める:流動性の価値
宮川:言語化しすぎたり、カテゴライズしすぎたりすることで、何か枠にはめてしまう。でもその枠が大きければ、はめ込む余白ももっと生まれるし、もっといろんなものを感じられる。
岡田:優先順位も固定ではなく、流動的でいいんですね。決めすぎないことを決める。実は、物事をひとつに定めようとすること自体が不自然なのかもしれません。元々、多様性があったり、刻々と変わっていくものなのに、それを理解しやすいように固定することに無理があるのかも。
岡田:それって仏教的な「諸行無常」の感覚ですね。すべてのものが移り変わるという。人間の体も10年前と今では細胞レベルで全く違うものになっている。
Web3とバンドのような新しいコミュニティ
宮川:そう考えると、前編で話した「ゆるいコミュニティ」はWeb3的な発想かもしれません。垂直型ではない組織。ジャズバンドみたいなコミュニティというか。
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岡田:そういうコミュニティができている企業は強そうですね。好きにアウトプットできて、直感的に思うことをするから、すごくいいものができる感覚があります。
宮川:目に見えないような繋がりがある人たちが何かをする。それが企業の作るものになるのかもしれない。
岡田:最近読み始めた「ビジョナリーカンパニーZERO」というスタートアップの本でも、そういう思いで集まっている企業は強いという話がありました。
愛と好きという繋がりの本質
岡田:コミュニティのオーガナイザーに大事なのは「惚れる力」だと思うんです。いかに人を好きになる力があるか。
宮川:確かに。その人の心が動いて、好きっていうのが本当に出ている感じですね。写真で言えば、シャッターを直感的に押しちゃう人。好きってやっぱり大事ですよね。
岡田:好きなやつだけで集まって「発展性がない」という風潮もありますが、そもそも発展性が必要なのかという疑問もありますよね。
宮川:結果主義に寄りすぎているのかもしれません。ゆるいコミュニティはそれを持たなくてもいい繋がり。家族が最も繋がっている理由は「愛」だと思うんです。子供がどうであれ、何歳であれ、ずっと好きでいられる。
受け流すための用水路理論
岡田:じゃあ器を広げるというより、手放すことが大事なのかもしれないですね。断捨離のような感覚。スティーブ・ジョブズも「新しいことをやるときに最初に決めることは、やめることだ」と言っていましたね。情報が多すぎる時代だからこそ。溜めていくというより、流していくための用水路を作っていくイメージでしょうか。
宮川:そうですね!水道の蛇口から下に落ちていくことくらいと思っておけば。詰まっていたら掃除する。
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岡田:いろんなものを流せる用水路を作っておく。泥水でもOKな用水路も、きれいな水しか流れない用水路も。いろんなバリエーションを用意して、振り分けられる余白がある人は強いかもしれない。
宮川:流れていく、消えて変わっていく。変化をポジティブに捉えて、変化が当たり前だと思うことが前提にあるといいですね。
岡田:変化を当たり前と思って受け止める。受け流す。
当たり前に気づくためのアンテナ
宮川:器というよりも、アンテナのようなもの。感覚というか、ピンとくる感じ。感情をもっと受け止められるように、埋まっていない状態、余白のようなものかもしれません。
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岡田:人って当たり前のことほど気づかないという性質がありますよね。変わっていっているのが当たり前すぎて気づかない。空気があることにも気づかないように。
宮川:魚も水があると思って生きていないんですね。
岡田:当たり前のことに気づくことが、もしかしたらアンテナなのかもしれません。目詰まりしていると、当たり前に流れていたものがわからなくなる。
まとめ:ゆるく繋がるコミュニティの未来
岡田:コミュニティの話から生きることの優先順位、非言語の重要性、そして変化を受け入れることの価値について話してきました。結局、いろんな用水路を用意して、フィルターを作っておくことが大事なのかもしれません。これがどんな人に伝わるのか、ちょっとわかりませんが(笑)
宮川:暇人だからこそできる会話ですね(笑)。でも結局、流れていくことを前提に、緩く感覚を共有したり、愛し合えるというか、好きなもの同士で楽しめる関係性が、平和で良い社会なのかなと思います。
岡田:どういう仕組みでコミュニティを作ると、権力が偏らないのか。いろんな試行錯誤の末に今の民主主義ができているのかもしれませんね。
宮川:この番組自体もゆるいコミュニティですよね。ここに参加してくれる人を募集して、また面白い人たちと面白い話ができたら良いですね。
▼この記事を書いた人
岡田:様々なベンチャーの立ち上げに関わるフリーランス。知らないことは全部楽しいをモットーに活動中。ゲーミフィケーションを使って仕事を楽しくする。社労士、精神保健福祉士、公認心理師、キャリアコンサルタント、行政書士、保育士、宅建士等に合格の謎パーソン。
宮川:熊本在住。「毎日新しい自分になるのが好きな人」として、様々なプロジェクトに関わっています。デザイナー、映像制作、フォトグラファー、HP制作運営、居住空間学YouTubeチャンネル運営中。
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