第十四回　ヒマラヤなんちゃって句会　　　　　「ヒマラヤ天」発表！！

2022年12月22日 20:56

Twitter@himahira19で行っていた句会の結果発表の最終日です。

お待ちどうさまです！

ゆとりを得るためにヒマなん句会をふた月に一回の開催にしたはずが、前回だらだらお話した通り地獄のスケジュールになってしまいました。
こんなに計画性もなく思い付きでヘラヘラ色んなことに手を出すもんですから俳句上手くならないんだわ・・・。等と考えて選句作業を進めていたら、目を覚ますような、爽やかで鮮やかな名句をみつけました！
今回「ヒマラヤ天」はわりとあっさり決定させていただきました！

それでは「ヒマラヤ天」を発表しましょうね！

秋天やペーパームーンの上に立つ　阿部八富利

ペーパームーンってなにかしら？
変わった調味料なのかもなぁ。クレイジーソルトみたいな？
そしてその上に立っちゃうとは・・・？立つ？？立てるの？？
なんでも調べてみると理解が深まるのでこれはチャンスタイムなのです。
ペーパームーンとは、紙で作った張りぼてのお月さまのこと。ｱﾚ？
その昔、米国ではこの紙の月の上に座って記念写真を撮ることが流行したらしく、そこから転じてペーパームーンには『にせ物』とか、『儚いもの』という意味がある・・・ということでした。
ああペッパーじゃなくてペーパーでしたね。またやっちゃった。
そうやってペーパームーンに理解を深めてゆくと、兼題写真の女神が乗っているような三日月に、色んな家族や恋人同士が記念撮影をしてゆく光景が浮かびます。
そして季語「秋天」です。
無理な力を入れると壊れてしまいそうな月の造り物にそろそろと、あるいは子供、あるいは彼女のように大事な人を大切に大切に乗せて、何の記念なのか分かりませんが写真を撮るのです。壊れてしまうかもしれない美しい月とともに。大事な人や大事な日を写真に写すというのは祈りのような行動に似ていて、なんとも繊細で尊い行動じゃないですか。
壊れそうな偽物であるペーパームーンと壊したくない大切なものというものの対比にも思えてきます。それらをつなげるものは「本物の月」と「本物の月に憧れる気持ち」、「それらを壊れないようにそっと扱う心」と、そして季語「秋天」という、美しいものたち。
ふと思うのです。そんな秋天の空の下、まるで砂の舟に乗るかのように頼りなくも美しいペーパームーンの上にもし自分が立つことができたら、なにが大事でなにが尊いか、たった一人でいても気が付けるのではないかと。
この句によってそんな気がしました。
ボクは体重的に乗れませんけどね。どーせ。俳句なら乗った気分になれるのです。
色んな気持ちをいだいてみあげる秋天がなんとも清々しいことか！
色んな忘れかけていたこと、愛する人や愛する者に対するべき想いに気付かせて下さるような、そんな優しく美しい一句だと受け止めました。

そして、「ペーパームーン」にはこんな意味もあるらしいです。
『紙で作ったものだけど、信じればそれが本物になる。』
ボクらの俳句という無色の祈りは、きっと美しい本物へと近づけるような。
そのいつかを、ボクは信じています。
愛する人を愛して、愛する俳句に励みたいですよね！

そんなわけで第十四回ヒマラヤなんちゃって句会
「ヒマラヤ天」は、阿部八富利さんです！！ありがとうございます！！

感想文をすっかり書き終えたあと、お会いしましたが何度直接言おうかと葛藤しました。というか喉から漏れかけていました。イヤぁ苦しかった！
王様の耳はロバの耳の理髪師の苦しみはこんな感じなんですね。
発表を迎えてやっと楽になれそうです！ﾎｯ
いつか面一本、どんな手を使ってもとってやろうと思ってます。ｶｸｺﾞｰ！

それではまた次回の「ヒマラヤなんちゃって句会」もよろしくです！！
みなさま、よいお年を！来年も「ヒマなん」をよろしくね！

（年始のご挨拶は一応喪中ですのでご辞退いたします。）