見出し画像

第十一回ヒマラヤなんちゃって句会     「ヒマラヤ龍」発表!!


Twitter@himahira19で行っていた句会の結果発表の二日目です。     

今日はみなさんの感想文をじっくり読んでみます!                           一番感想文の集まった一句には「ヒマラヤ龍」を差し上げます!     この賞は他の賞とも重複する可能性があります。 

みなさんご存知ありませんか??
「みんなの句会」というネット句会で、「ヒマなん句会エクストラエディション」という、番外編的な句会が執り行われてるんですよ!!
今回の発表時期ですともう参加できませんが、気が向いた時に無茶苦茶な句会を開きますので、ぜひご参加を!「創作季語」とか、いろんな句を投句できるようになっていますし、「ヒマなん句会」並みにふらっと一句詠んでくださいね!
「みんなの句会」は、色んな方が主催になれるし、色んな句会に参加もできる、超おすすめサイトですよ!あの、いかちゃんの句会も月一回開催しています!!


さぁ今回もなかなかいっぱいの感想文がきましたよ!!
全部読むのに三日くらいかかりそう・・・  

         「ヒマラヤ龍」発表に参りましょう!

(俳句の俳号、感想文投稿いただいた方の敬称は略します。絵文字は化けるのでカットしました。本文は原文ママです。)


感想文1件

葉の奥の奥に咲きたる白躑躅 おとわみ朱夏

🚚咲き方を、見えないところをしっかり描写しようとしているところが好き。 穂積天玲


ダム底の村白つつじに移転す じゃすみん


🚚生まれ育った家や先祖代々の田畑がダム底に沈むのは辛く切ない。その先に美しいつつじが咲いていたら少し慰められますね。新しい暮らしへの希望をつつじに託す思いが伝わります。 夏湖乃


文鳥の墓を覆って白つつじ   キートスばんじょうし


🚚幼少の頃、文鳥を飼っていたこともあり、小さな鳥の墓と白躑躅の取り合わせに実直なあたたかさを感じます。  きのえのき


白躑躅うっせぇうっせぇうっせぇわ 鳥田政宗


🚚わかります!赤より白の方が群れ方が半端ではないですよね。      青居 舞


白ならばいとしき妻へ看護の日 新田ダミアナ


🚚いとしき妻へって措辞が素敵。
こんな言葉を俳句にさらっと詠みこんでしまうって格好良い。
下五看護の日の着地も良い。
無季でも良いではないか。美しい愛の句。  三月兎


三億可アザレアも可のRIMOWAです 巴里乃嬬

   
🚚スーツケースの売り文句のような?なんだか可笑しくて。お札とお花とスーツケース。この組み合わせ最高ですね。  菅井香永

             

アルミバン光る夏のうしろにいる きのえのき

                                                                                                                            🚚シュールな感じで綺麗。不思議な魅力。   充子


目覚ましはトラック5時の白ツツジ やまと風


🚚物は夜動く。 お疲れ様です!  桃園ユキチ


摘んだ子の顔をみている白躑躅 高田月光


🚚深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいている、
というのとはちょっと違いますね。  仁和田 永


躑躅花純白のまま落ちたかろ 苔川イモリ


🚚落ちたかろという希望を持っているということは、                                  純白のまま落ちることはできないことを意味するのではないか。
白躑躅の映像を確保しつつ、人生の生き方などへの訴えも込められた一句だと思いました。  濃厚エッグタルト


白軍の影に抗ふ蓬かな ひでやん


🚚白軍に発想を飛ばして蓬を主役にするという、
とても印象に残った作品です。  岸来夢


一晩中洗えば蓬餅作れるか 万里の森


🚚私は犬を飼っていますので、犬に嗅がせてみて、興味なさそうならセーフ、用を足そうとしたらアウトという判断でやっております。  桃園ユキチ


目交ぜして蜜吸う君よ夏隣 菅井香永


🚚小学生高学年くらいの会話を想像しました。「この蜜知ってる?こうやって吸うんだよ。甘~い」なんてつつじの花をくわえる君。
友達だと思ってるのに、その仕草にドキッとしてしまう。
これから夏が始まる。君が眩しい。  夏湖乃


夜勤明けいつもの道に白躑躅 水蜜桃


🚚こちらも夜勤明けに白色が眩しく映った様子が浮かびました。花咲めだ香

        

微睡みのデコトラの夢白躑躅 月岡方円


🚚ドライバーさんの夢に出てくる躑躅は何を暗示しているのでしょう。    ドライバー焼けしなくて済む柔らかい日射し、排気ガスで汚れていない綺麗な空気の世界だといいな。  鈴白菜実


人以外なに色を見ゆ白つつじ 猫髭かほり


🚚視点の意外性。不思議です 
何色に見えるのでしょう?気になります。  杜乃しずか


公園にこの白靴と同じ白 さち


🚚白靴と同じ白いものはなんだろう?と想像が広がります。  音羽実朱夏


また彼と間違われたよ白躑躅 鈴白菜実


🚚顔がとても似ている人のセリフなのか、双子の片割れの愚痴なのか、    それとも他の花に間違えられて摘まれた躑躅の文句なのか。
発想が広がる一句でした。  濃厚エッグタルト


感想文2件

通学路つつじの蜜吸うふたりっこ 花咲めだ香


🚚子供の頃やりました!躑躅とサルビアの蜜が特に美味しい!       鈴白菜実

🚚放課後によく蜜吸ったよなあと懐かしさが込み上げてきました。             常幸龍BCAD


躑躅かも知れず白旗かも知れず 凪太


🚚躑躅との距離感が気になった。遠くからみて、躑躅か本物の白旗か分からないという意味なら戦場などを思い浮かべる。
しかし、目の前に躑躅が明らかにあって、作者が「もしかしたらこの躑躅は白旗を上げているのかも」と感じているのであればとても面白い視点。        ここは是非後者と捉えたい。  藤白真語

🚚富澤赤黄男、曰く。蝶はまさに〈蝶〉であるが、〈その蝶〉ではない。 この箴言を僕は信じているし、常々そのように詠みたいと思っている。      だから、この句にはとても惹かれた。そうであって、そうでないもの。      しかし、その両方であるもの。心眼により明かされる世界の秘密。
今回の龍田の「地龍」です。  龍田山門


ここはラブホテルだったの白躑躅 Q&A


🚚廃墟?まったく別の建物が? 今「ここ」には何があるのか気になります。 白躑躅の群生地を前にしてこんな言葉だったら、                それはそれでちょっと怖いな……。  みづちみわ

🚚ここからいろんな物語が始まりそうで、
面白い句だなと思いました。  花咲めだ香


五や七の佳き枝(え)を残し剪定す 穂積天玲


🚚主枝を残しながら、成長を見守る日々の手入れが丁寧に気持ちよく響きわたる。鋏の音が透きとおる。  モッツァレラえのくし

🚚剪定と句や短歌などの推敲を重ね合わせるような言葉選び。
割とはっきり意図が透けることに引っ掛かりは感じるのですが、      なるほどとも思う句です。  このはる紗耶


根元から白のまぶしい自己主張 奈瑠太


🚚口を開けば正論を吐く人を想像しました。 頭ではわかるし正しいんだけど、疲れちゃう。もう少し優しくないと腹に落ちないし、反感が高まるだけなのです。  夏湖乃

🚚根元から躑躅の発光するような白さが目に浮かびます  万里の森


仮眠終う点呼今日は立夏らし 灰色狼

                                                                                                                           🚚忙しい仕事の最中、ひとときの仮眠から目覚めれば、目に入る景色はもう初夏だ。花も風も光も夏の気配。                                                                点呼に応える声も今日はちょっと元気がいいぞ。  唯果

🚚泊まり勤務の朝(明け)でしょうか、
朝の空気の眩しさを感じているようで共感しました。  花咲めだ香


駈けてゆく寝癖つんつん山躑躅 でんでん琴女


🚚寝癖つんつんが可愛いらしい。
山を駈けていく元気な子供を思いました。  岸来夢

🚚つんつんが好きです。つつじのイメージが重なります。  日向


好きじゃない白を着させられて躑躅 はぐれ杤餅


🚚好きじゃない白を着せられているのが子供とも読めますが、私はこれは躑躅の台詞として読みたいです。
躑躅は赤や赤紫等派手な色に目が行きがちです。
あっ、綺麗と言って貰えるのはそんな華やかな躑躅たち。何で私は地味な白なの。私だって本当はもっと色が欲しかったわと。  三月兎

🚚友達は皆かわいい服を着てるのに、私だけ(泣)。
ピンクとか赤い服が欲しいのお母さん、、と乙女で鑑賞しましたが、          違う設定でも読ませてくれる「懐の深さ」がいいですね。  まんぷく


花ごとに違う白色白躑躅 閑々鶏


🚚200色の白を見分けられるらしいアンミカが降りてきそうな白躑躅     仁和田 永

🚚同じ花色でも微妙に花色が違う気付きが凄いです。日向


春惜しむ膝をさすりて座る母 山川一露


🚚景が浮かびます。 散歩の途中かしら。白つつじの美しさを見ていたくて、座るのが少し辛くてもベンチに座ってみようとしているお母さん。それを見守る作者の優しい眼差し。  まぐまぐ

🚚膝が痛くても近くで見たい気持ちが伝わりました。  日向


白躑躅を背に別れ話の車内 草臥れ男


🚚白躑躅の街路樹の側にクルマを止めての別れ話。
話し合うのが、車内と言う所にドラマがある。
人目を忍ぶ関係なのだろうか?
かなり冷めたドライな関係?私は不倫のカップルの別れと読みました。        さぁ、すんなり別れられるか、
これから修羅場かと想像が膨らみます。  三月兎

🚚白躑躅のそばの別れ話…片方が相手の冷たさを嘆いても、相手は聞き流して、「早く終わらせてーなー」とか思っていそう  鈴白菜実


排気ガス黒き粒子となり躑躅 平良嘉列乙


🚚躑躅は道端に植わっていることが多く、
こういう光景よく見ます。  でんでん琴女

🚚排気ガスが人体に良くない影響を及ぼすことは有名です。
この句の良い所は最後の「躑躅」で全てを包み込む美しさと悲しさだと感じました。 躑躅と言えば、道路沿いに咲く花というイメージが東京に住む身としては強いです。 きっと、そんな所に咲いている躑躅は排気ガスを1番吸っているはず。 そう思うと、切ない。
けれど躑躅は綺麗に今日も咲き続けているのです。  嶋村らぴ


父の夢を見たと笑む母白つつじ 仁和田永


🚚なんかいいなぁー、すごくいいなぁー、と読むごとに思いが深まった句。きっと子どもたちも素敵な家族をもつんだろうと想像しました。 猫髭かほり

🚚このお父様は単身赴任か、あるいは亡くなっているのか、お母様の愛情を感じました。  青居 舞


躑躅ですかいいえこれは髑髏です 龍田山門


🚚空目してしまいそうになりました。面白い発想ですねえ! 仁和田 永     

🚚字面で見ると、確かに間違えそう。そういう単純なことのような、違うような。音声だけでこの句を再生したら、ちょっと異常な怖さがある。問う方、答える方。二人の前にあるのは本当は何なのか。狂気の縁に立っているような怖さである。  菅井香永


排ガスを吸込む高さ白躑躅 楽花生


🚚咲いている場所として排ガスを吸込む高さがとてもリアル。
確かに車の往来の激しい場所に植わっているイメージがあります。
白躑躅だけに余計に切ないです。  三月兎

🚚高さへの着目、確かに…!と思いました。  岸来夢


しほらしいとこもあんのよ白躑躅 朝月沙都子


🚚群れちゃうとね、群集心理働くから……。                                                  「あんのよ」って言い回しが面白かったです。 みづちみわ

🚚口語の内容と白躑躅がほどよくマッチしていると感じました。  仁和田 永


銀漢行きバス小人は家出中 伊藤 柚良


🚚宝物を全部詰め込んだ小さなリュックを背負って 天の川行のバスに意気揚々と乗り込んで行く小人さんが見えるよう。                                                ちょっとだけ冒険したら早く帰っておいで。  唯果

🚚とても惹かれました。
小人はまだ銀漢行きのバスには乗りたくないのだろうか。ファンタジーの句であるのに、すごく身近に感じられる不思議さがありました。  里山子


ひだまりの立夏を白にたとえよう モッツァレラえのくし


🚚読んですぐ「好き」と感じました! 「テルーの唄」を思い出しました。         空流峰山

🚚恵勇的勝手に表彰コーナー 三席
一見して、いい!と思うわけですが、性格がねじ曲がっているせいか、  すぐに穴を探し始めました。語順を変えた方が良いのではないか、ひだまりは凡人ワードなのではないか、例えるという動詞は最適なものか、気になるとこがたくさん出てきました。で、もっと良くなるのではないかと思い、あーだこーだとやってはみましたが、どうもピンと来ません。
はい、そうです。これはこのままで、とても良い句なのです。
すぐに気づけなくてごめんなさい。好きです。 ただ一つだけ。
「白」は兼題写真に引っ張られているので、読み手が文字情報のみから到達し得る「白」とは一致しないかもしれません。
でも、そこは想像の余白部分ということで良いのかと思います。  恵勇


感想文3件

シスターの祈り真白きハンカチーフ 冬野とも


🚚とても気持ちの良い句ですね!
突き抜ける「白」が、印象に残ります。お題の写真から、ハンカチーフへ発想を飛ばしていてすごいなと思いました! 里山子

🚚白躑躅の純白は清らかな尼僧の心と祈りを連想します。                          清々しさを感じて好きです。  杜乃しずか

🚚シスターの黒い修道服と白いハンカチーフの色の対比が美しいですね。
     青居 舞


白躑躅囚人服のよく燃える 北大路京介


🚚不穏さがいいですね!好きな句です!    みづちみわ

🚚毒のある躑躅もあるらしく、
物語がふくらむように訳もなく惹かれます。  きのえのき

🚚脱走が成功し人気の無い場所に潜伏している。
この囚人服が燃え尽きれば、俺は完全に自由を手に出来るのだ。
白躑躅だけが真実を知っているようなワンシーンが最高でした。  まんぷく


荷下ろしが白く気まずい躑躅です 雷(らい)

                                                                                                                            🚚荷下ろしが白いってのが面白いし、それが理由で躑躅が気まずいって、    なにそれ?てなりました。 この擬人化は成功してると思います。みづちみわ


🚚引っ越し、入居の様子かなと想像しますが、引っ越し中に何かがあったのか、それとも別居の引っ越しなのか、ちょっと気持ちがざわざわする句だなと思いました。  木ぼこやしき

🚚この句、「荷下ろしが気まずく白い躑躅です」ならば戴かなかった。 「荷下ろしが白く」で句に謎と奥行きが生まれたと思う。俳句は言葉の絵画であると認識されている方の句であろう。詩は言葉の配列からも生まれるのだ。龍田の「人龍」です。  龍田山門


「夕暮れの白つつじ怖っ」という件 麻きなり


🚚この作者はもしや…。 この白つつじの下には死体か何かが埋まっているという事を言いたいのか(笑)    唯果

🚚面白い。町内会の議題かな?会議中の様子も浮かぶ。  充子

🚚辺りが暗に包まれる前のひとときほの白く浮かぶ白躑躅に何となく不気味さを感じること、経験があって共感しました。  杜乃しずか


父親のおじぎ参観日の躑躅 まんぷく


🚚この子にとって、参観日に父親が来るというのはどのような心持ちなのでしょう。嬉しいのか、嫌なのか、誇らしいのか、恥ずかしいのか。
僕は、この「おじぎ」が普段見せないような礼節なのではないかと思いました。あんな親父が、ここではあんな「おじぎ」ができるんだ、へえ。みたいな。登校時の「躑躅」は、爆発的に咲き満ちて鬱陶しく、下校時の「躑躅」は、春爛漫の優しいピンク色。
心の変化が、躑躅の印象も変えていくようです。  いかちゃん

🚚初めて見る父親がお辞儀をする様子。
子供にとっては印象的でしょうね。  岸来夢

🚚父親が頭を下げている光景はあまり見たくないものだが、参観日となれば話は別。普段家で偉そうな父親が先生や周りの保護者にヘコヘコしている姿はクスッとしてしまう。母親では描けない、父親ならではの句。  藤白真語


白躑躅たそがれどきの薄明かり 杜乃しずか


🚚美しい句。でんでん琴女

🚚我が家の庭にもその実景があるので、よく分かります。  青居 舞

🚚躑躅の白さが際立っているように感じました。  日向


天国の国旗を描き夏の宵 せり坊


🚚「天国の国旗」という発想にしばし考えさせられる。  穂積天玲

🚚天国の国旗とはどんな旗なんだろうと想像させられた一句です。
夏が天国のイメージに合っていてよかったです。  濃厚エッグタルト

🚚天国の国旗って面白いな、どんなんだろうなと楽しみました。
「宵」という時間がイメージとして明るすぎず暗すぎず丁度いいのかなと思いました。  平良嘉列乙


ぎこちなく手繋ぐ夫婦白つつじ 新開ちえ


🚚この男女、どうして夫婦と思ったのかな。
どれくらいの年齢の男女なのだろう。ぎこちないのは、どうしてだろう。 とか、この句の背景に興味がわきました。  菅井香永

🚚夫婦の初々しさと躑躅がぴったりですね。  日向

🚚「ぎこちなく」は、初々しさとも、壊れゆく暗示とも取れますが、   白つつじの効果で、明るい未来が感じられ、かわいい夫婦の姿が見えます。
幸せそう。  せり坊


白つつじ紫煙とともに消えた嘘 太平楽太郎


🚚なにか良い結末を迎えられたように思いました。  空流峰山

🚚相手の嘘を責め立てても、相手は煙草をふかして何となく誤魔化してしまったような気がします。
紫煙が躑躅の白に吸い込まれていくようです。  鈴白菜実

🚚男女の別れの時の嘘を感じました。大人な雰囲気です。  まぐまぐ


10分のつもりが日暮れ昼寝して 唯果


🚚目が覚めてがく然としますね。寝なきゃよかった、と自己嫌悪に陥ります。 でもそれくらい、身体が睡眠を求めていたということ。普段の頑張りが疲れをためていたのかもしれません。  夏湖乃

🚚分かります。 こうして貴重な休日が消えてゆくのです。  桃園ユキチ

🚚昼寝あるあるですね。気持ちいいけれど     栗田すずさん


白ごはん高菜梅ぼし春の暮 はちご仔拾


🚚豪華な食事ではないけれど、何だかとても美味しそう。
句のリズムも良い。  唯果

🚚3段切れではあるけども好きな句でした。
並べてあるのが 歯切れよくて好きです  伊藤 柚良

🚚「白ごはん」と言ったところがいいですね!リズムがよくて、おいしそうで、最後春の暮で終わるのがとても良いなと思いました。  里山子


白躑躅うち一割が白髑髏 毛糸


🚚字面ネタの句は他にもありましたが、この句は「一割」て数詞がよく効いてると思いました。   みづちみわ

🚚白躑躅うち一割が白髑髏 不思議と、そういうこともあるかもしれないなと思わされる句。異様なほど群れ咲いている白躑躅にはこういうことを感じている人もいるのかもしれません。  凪太

🚚躑躅と髑髏って字が似てるってずっと思ってました。                              なるほど~、あの中の1割が髑髏なのですね。                                           
色が白なので混ざっていても気がつきません。納得!  夏湖乃


ピンク本棄つ輩おり白躑躅 青木りんどう

                                                                                                                            🚚確かに街で見かけそう+色の名の面白さ。  充子

🚚街路樹にはよく何か捨てられている。菓子パンの袋とか煙草の箱とか。捨てられているのがピンク本と言うのが上手いですね。ピンク本の俗な感じと白躑躅の控えめな美しさ、ピンクと白の対比が絶妙。
リアルなあるある感が好きです。  三月兎

🚚確かに躑躅の根元には雑誌類が捨ててあるイメージあるなぁ。ピンク本とかもありがち。  唯果


新緑やパプリカ唄う遊歩道 千代 之人     


🚚3つのフレーズが気持ちいいです 個人的には「唄う」という字をみてFoorinではなく米津さんバージョンが先に浮かびました   コンフィ

🚚何かがきっかけで歌いたくなるときがあります。例えば新緑の眩しさを目にしたとき。そんな気持ちの動きが伝わってきました。  菅井香永

🚚可愛い子供が目に浮かびました。  でんでん琴女 


その中に銀製の花五月来ぬ いかちゃん


🚚あの白い躑躅の中に銀で出来ている花があるなんて素敵です。
それを隠すために躑躅はあんなにたくさん一度に咲くのかもしれません。
ちょっと探してみたくなります。  つまりの

🚚発想の詩性に驚かされます。痛々しいようでもあります。  穂積天玲

🚚背景に静かな祈りを感じる句です。聖五月とも呼ばれる時期、     銀製の花には讃美歌の音質が宿っているような気が。  このはる紗耶


トラックは北へ白躑躅は南 ヒマラヤで平謝り


🚚写真を見なくても景色が見える句。
起点としているのが白躑躅という鮮烈さがあり、一見単純な事実をなぞったようでありながら、ドラマを感じる。  穂積天玲

🚚方角に視線を持っていったのが良かったです。  でんでん琴女

🚚北の逆の方角である「南」をわざわざ言うということは、トラックを見送る視点ではなく、運転手として詠んだのだと分かります。
運転手視点でありながら、トラックと躑躅を両方見る、俯瞰の眼を持っているのですね。
トラックが北へ行けば行くほど、躑躅は南へ動いていくように見える。
この把握と北・南という大雑把な表現がダイナミズムを生み、遥かなる旅路の物語を読んでいるかのような感覚になります。遠目にも分かる色として、「白」にも説得力がありますね。  いかちゃん


ボクの句に感想文ありがとうございます!
ちなみになんですけど、
「一般審査員代表(ただの俳句シラネの同僚)」の選もいただきました。
「今回難しかったっすけど、なんかわかりやすかったっす!」という事です。もちろん、作者の名前を隠して選んでもらっているのですが、
何気に初めて選んでいただけました!ヤッタネ!
ボクの句だと伝えるのも気恥ずかしいので、伝えてません。
なにやらいつまでも余韻に浸ってくれていたので、
彼はいまでもまだ見ぬ俳人に思いを馳せていることでしょう。うん。

さぁあなたの俳句はまだ出てませんか??続きをどうぞ!

感想文4件

姉ばかり綺麗と言われ白躑躅 三月兎


🚚姉妹あるあるですね〜。家族のこと、生まれつきのこと。
飲み込むしかないどうしようもないことに対して、ふと立ち尽くす心情、に共感します。白躑躅が優しい。  穂積天玲

🚚あるあるだし、季語も合っていると思います。  仁和田 永

🚚回想から当時を振り返っているように解釈しました。
嫉妬とは憧れ、憧れは生きていく原動力。
本句の何処かにそんなメッセージ性を感じました。  まんぷく

🚚妹の秘かな劣等感。 きっとお姉さんは華やかで目立つ美しさなのでしょう。 私は清楚な白が好きですが。  杜乃しずか


白つつじ何も無き日のお赤飯 レーコ


🚚何も無いことのありがたさを最近感じるようになりました。
何もない平安な日々はお赤飯ものです。
白つつじの白とお赤飯の色と対比も利いています。  菅井香永

🚚白と赤の対比が目に浮かぶが、日常の平穏という意味で上手く繋がってくる。何も無き日にお赤飯を食べていけないことはない。
むしろ毎日がハレの日と思えば、幸せだろう。  藤白真語

🚚分かります。時々急にお赤飯が食べたくなる。
今はコンビにでもおにぎりに して売っているし。
白ツツジの白とお赤飯の赤の対比が素敵です   万里の森

🚚そうなんですよ~、突然赤飯出てきて、どうしたの?と聞くと              「ただ食いたかっただけだ!」ってね、
赤飯=特別な日ってのはナンセンスなのですね。  いその松茸


白つつじ顔も知らずに恋をする 嶋村らぴ

                                                                                                                              🚚そういうこともありますよね。ありましたよね・・・・・・(遠い目からの涙目) 顔を知らずとも、顔がないものにも、いくつになってもドキドキしていいと思います。  菅井香永

🚚純粋な感じがストレートに胸にグッときました。  充子

🚚つつじの清らかな白と、恋のイメージがすごく合っていると思いました。句の軽快さが好きです。
これは「白つつじ」じゃないとダメですね!  里山子

🚚今どきですね。 ツイートの言葉とか、音声での交流で恋をしてしまう。白つつじのような美しさを相手に想像しながら。  夏湖乃


影送りしよう春と手を繋いで 登りびと


🚚わたしの影がゆっくりと空へ昇ってゆく。
春は悲しくて優しい。
調べのゆったりさが、句の内容とこれでもかと響き合います。  里山子

🚚理科の時間を思わせる前半と詩的な後半がさらりと繋がっていて、        春闌のファンタジックな時空を感じます。物語の冒頭のよう。 このはる紗耶

🚚春と手を繋いで、がかわいいです。   音羽実朱夏

🚚はぐれ的一席句! 一読して、あまんきみこさんの「ちいちゃんのかげおくり」を思い出しました。小学校の時の国語の題材として読み、そのあと友達と何度も実際にやってみたことが鮮明に思い出されました。
実体がない「春」と手を繋ぐという措辞も、影送りと見事にマッチしていると思います。  はぐれ杤餅


四十雀小鳥遊宝探しかよ 恵勇


🚚珍しい名前の小鳥遊さん(たかなし)と、四十雀を取り合わせたのですね。そうしたら、黒いネクタイをしめたタカナシさんが、ツツピーツツピー言いながら宝探しをしている句になりました!?   唯果

🚚たかなし君の宝探し!躑躅の奥に隠れている四十雀の巣立ち雛のことはそっとしてあげてほしいな。  鈴白菜実

🚚「か」の音が、テンポ良く、言葉遊びが巧みです。
漢字の並びも楽しいです。  せり坊

🚚四十雀…調べてみました。
私の鳥情報が、少しずつ増えている…笑   猫髭かほり


信玄の強さの秘密白つつじ 染井つぐみ


🚚甲府の躑躅ヶ崎館を思いました。信玄はここを拠点に勢力を拡大していったのですよね。荒々しい戦国大名の力の元が清らかな白つつじというギャップが楽しいし、風流を解する人物だからこそ慕われて、最強の家臣団を組織できたのかもしれません。  夏湖乃

🚚白躑躅から信玄への発想に、なるほど…と思いました。
天守閣のある城を持たず躑躅ヶ崎館で過ごした信玄の強さから、時を超えて想像が広がりました。  岸来夢

🚚武田信玄は強かったイメージがありますが、そんな信玄と、柔らかいイメージのある白つつじを取り合わせているのは、面白いと思いました。 里山子

🚚信玄の強さの秘密って信玄餅じゃないんですか!? とりあえず食べたくなったので買ってきます。  桃園ユキチ


感想文5件

トラックが欲しい白躑躅を売って 梵庸子


🚚お仕事大変です      栗田すずさん

🚚年季の入った高価な盆栽?それとも庭の大株を掘り上げる?                   トラックが買えるほどの白躑躅を色々想像しました。
でも本当は手持ちの白躑躅なんて無いのかも…                                                ただただトラックが欲しいだけで。
とにかく様々な想像を掻きたてられました。  内田こと

🚚トラックが欲しい白躑躅を売って 「トラックが欲しい/」で切れているのではなく、「トラックが欲しい(ほどの量の)白躑躅」ということかと思いました。売ってという着地も素直で可愛い句でした。  凪太

🚚ナンセンスな感じがいい。一体何があって「トラックが欲しい」のかな〜、とたずねたくなります。それにも意味はないのかも。  穂積天玲

🚚この作中主人公にとってはトラックはロマンや夢のあるものだったのでしょうか。
可憐な花とのあまりの対比に最初「え?」と思いましたがそこがこの句のうまさなのですね。
白躑躅は売れるものではないし、売ったところで値段のバランスは全然取れないけれどどちらも主人公にとって大事なもので、その代償を払ってでも、という気持ちが伝わってきました。発想がステキで賞。  かむろ坂喜奈子


白く咲き零れてはつなつのピアノ このはる紗耶


🚚「ピアノ」の句は星の数ほどありますが、この句の展開の意外性は新しいと思いました。「はつなつの」まで、植物の話かと思っていたら、いきなり「ピアノ」とくる。咲き零れる花の映像が頭に残りつつ、比喩の解釈が頭を巡ります。
白鍵のことか、あるいは音の印象か、はたまた取り合わせと読んでも良し、「ピアノ」が実際に咲くというファンタジーを思い描いても面白いですね。「はつなつ」は様々な読みを可能にする季語として、力を発揮しています。いかちゃん

🚚白く咲き零れるのは躑躅かと思ったら、はつなつのピアノのメロディですか!!なんと美しい句でしょう。好きです。  じゃすみん

🚚句の美しさに惹かれてしまいました。初夏のピアノはどんな音でどんな曲を演奏しているのでしょうか。想像が膨らみます。  染井つぐみ

🚚句から音を感じられます。具体的に何が咲き零れてか言ってないのに、 音がぽろぽろ美しく零れてゆきます。  里山子

🚚白い花が咲く句が多い中で、これはピアノが咲き零れているというオリジナルな表現にも読めて、習い始めたばかりのピアノが嬉しくて弾きまくっている子供を思い浮かべました。逆にプロの音色に当てはめても良さそうです。人によって見える景は違うのではないでしょうか。  木ぼこやしき


カルピスの一途なこころ白躑躅 山川腎茶

                                                                                                                            🚚甘さと白さでリンクする、一途さの象徴たるカルピス。
ちなみに我が家のカルピスは薄かった。
白躑躅の色くらい濃いカルピスが飲みたかった……    桃園ユキチ

🚚カルピスと白躑躅って良い感じ。さわやか最強タッグ!  充子

🚚カルピスの白色は、白躑躅と通じるものがあるのですね。
カルピスを「一途なこころ」と言い切っているところがいいなぁと思いました!好きな句です!  里山子

🚚こころの平仮名表記がカルピスと合っていそうですね コンフィ

🚚心の素直さが躑躅映えして懐かしくなります。  きのえのき


心臓に暗闇ひとつ白つつじ 亀田かつおぶし

                                                                                                                           🚚心臓の句は印象に残りますね。
心臓にある闇という不穏さと躑躅の白の対比が鮮明です。  仁和田 永

🚚心臓に暗闇がひとつあるならば、白躑躅は世の中の暗闇の裏返しなのかもしれないと思いました。白躑躅の塊をじっと見ると得体の知れないメッセージを感じるかもしれません。 楽花生

🚚じわじわ来ます。  日向

🚚この捉え方は好き。身体感覚というよりは、自分では見ることのない自分の(あるいは人の)心臓、生きている限り絶え間なく動いていて、        まさに自分という生命を生命たらしめている臓器の中に、ひとつの暗闇がある、という詩的断定に、白つつじの「白」が響き合う。
「つつじ」がベストかはわからないけど、ひとまず。  穂積天玲

🚚心臓の暗闇はそうか、そうであったのか!と私が納得したから名作じゃ! 以上、私の理解力が乏しいゆえに見過ごした名作が多々ある気がしますが、ごめんです。  充子


つつじつつじオリジナルのぼくはどこ つまりの


 🚚オリジナルのぼくはどこが切ない。
同調圧力に屈し個性を殺し無難な日常を送っているうちに自分が本当は何を考え何を望んでいるのか見失ってしまったのではないだろうか?淡々とした語り口とシンプルな表記が好きです。三月兎

🚚「つつじ」の季語は、灌木にびっしりと同じ形状の花をつけるという点で、この「オリジナルなぼくはどこ」という人間存在の核心に触れる疑問を提示したフレーズと合っている、と自分の中で決着した。
「さつき」と比較したとき、花のぽってりとした大きさ、そこから発するみずみずしさという点でもやはり「つつじ」なんだ、と。  穂積天玲

🚚「つつじつつじ」のフレーズが、おまじないや呪文のようで可愛い。そしてそれに続く「オリジナルのぼくはどこ」の措辞。 ぷわわと咲くつつじ・つつじの中で1番綺麗なつつじを探しているような、 そしてそのつつじの中で自分の存在も迷子になってしまったような、 楽しさと美しさと儚さと不安が同居した素敵な一句だなと感じました。  嶋村らぴ

🚚マンモス産院の新生児室いっぱいに並ぶ赤ちゃんの中から、我が子を探すのが大変だったことを思い出しました。  青居 舞

🚚一読してなるほどと思いました。
たしかに、躑躅は他の花以上に同じ株に咲いている花同士がよく似ています。中七下五はそこからの発想なのかなと思いました。
「オリジナルのぼくはどこ」と訊いているのだから、作中主体はきっとオリジナルではない存在。
オリジナルに会ってどうするつもりなのでしょうか。  髙田祥聖


感想文6件

むらに咲く躑躅硝子化する記憶 上峰子


🚚むらを離れて、そこに咲くつつじの記憶は日々遠くなる。
でも、不意に澄みきった硝子にぶつかるように衝撃的に思い出す記憶。      故郷への複雑な思いでしようか。  まぐまぐ

🚚硝子化という措辞が良いと思います。  青居 舞

🚚ガラス化という表現が素敵ですね。  日向

🚚透明だけど固い硝子になった記憶。ハッキリと覚えているけど、二度と取り戻せない思い出でしょうか。  鈴白菜実

🚚二物衝突がかっこいいです。硝子化する記憶、というのはどういうことだろう、とずっと考えています。いつでも見られるように透き通ったガラスとしてしっかり固体化されるということのか、忘れたくてあえてガラスという堅いものの中に記憶を封印するのか、はたまたいつ割れてもいいと思えるくらいどうでも良くなっていくのか。村の記憶がどういうものかによって、 鑑賞は変わりそうですが、言葉の使い方が好きな句でした。  村瀬っち

🚚硝子化する記憶に惹かれました。
ぼんやりと思い出す記憶の中の美しい躑躅。記憶が曖昧でもそのイメージだけはくっきりと心にあるのかと。美しい句ですね。   三月兎


こんにちはきのふとおなじけふですよ 髙田祥聖


🚚あのお題写真から、こんな句が出てくるという驚き。
この句を読んで、あの写真をもう一度見ればなるほど。
感覚として分かる気がします。昨日と同じ今日がまたやってくる。
それは良いことなのか、悪いことなのか。飄々としながら、でもしっかりと今日はひょっこり生まれるのかもしれません。  里山子

🚚変わらない毎日でも、こんな風に言われると素敵な日になりそう。   音羽実朱夏

🚚そのままのあなたでいいんですよと、やさしく語りかけてもらっているようで安らかな気持ちになります。  きのえのき

🚚状況説明と魅力的な景を描こうという気持ちを完全に見えなくして読者任せなのがいいなと思いました。穏やかにあっけらかんと告げられる事実。  どんなに良い・嬉しいことが繰り返されるとしても次第に怖くなります。      ライトホラーと言ってもよいのでは。好きです。  このはる紗耶

🚚アレクサやSiriのような、人間らしく近づけた機械的な声がひらがなと合ってるように思いました。 感情がこもってるんだかこもってないんだか…。 聞いた時はなんだか複雑な気持ちになるような気がします。  空流峰山

🚚全部ひらがなで語りかけられた感じが心地よかったです。でも、個人的には昨日と同じ今日はなんとなく嫌かなぁ(笑)  村瀬っち


感想文7件

しろつつじって言えない二歳の吾子 いくたドロップ

                                                                                                                              🚚キュン!かわいいな~私もシとチがごっちゃだったな…共感。  充子

🚚カワイイ!確かに言い難い。  でんでん琴女

🚚2才の子のたどたどしい おしゃべりが聴こえてくるようでした。   可愛いですね  伊藤 柚良

🚚躑躅を最近覚えた子が、白い躑躅をみて驚いている場面を想像しました  いつも見ている躑躅はピンクだけれど、白い躑躅もあると、お母さんに教えてもらったのでしょう 「つつじ」だけではしっかり言えるのに、「しろ」の二文字が加わると、なぜか「つつじ」の部分がうまく言えない...                  それが「白」という色の持つ、無垢ゆえの怖さのようなものを表しているのかも...   はんばぁぐ

🚚確かにいえませんね~、
小さい子は、そんな私も飲み過ぎた日には言えません。  いその松茸

🚚しろちゅちゅじとか言っちゃうのかな、かわいい。  みづちみわ

🚚可愛い!多分、「ちろちゅちゅじ」とか言ってそう!!  鈴白菜実


先生先生つつじ轢かれちゃった 常幸龍BCAD


🚚遠足の場面でしょうか。
子供のピュアさが出ていて好きです。 でんでん琴女

🚚小学生が通学途中に発見したのでしょうか、
花が潰れてしまっていることが大事件で、一番に先生に報告する子供の純真さに心ひかれました。  杜乃しずか

🚚どんな状況で躑躅が轢かれるのだろう?状況はわからなくても、先生先生のリフレインから慌てた子供達の姿が浮かびます。軽妙な口調が何とも可愛いらしく、ポップな雰囲気が好きです。  三月兎

🚚集団登下校でしょうか。蜜を吸ったつつじを、誰かが捨てる。それを轢いていく車。「先生先生」の切迫したリフレインが、この“轢死”がこの子にとっては大変な事態であるということを物語っています。
それは即ち、季語「つつじ」への愛なのです。  いかちゃん

🚚道路側に散った花びらの上を次々通ってゆくタイヤ。
花びらが轢かれたと感じるこの子の心が愛おしく眩しいです。
ああ、でも、助けようと道路には飛び出さないでね、
危ないよ。  このはる紗耶

🚚こういう場面ありそうと思わせてくれるところがすごいです。
きちんと先生と生徒が道路を歩いている光景が浮かんできます。
季語もしっくりきました。  染井つぐみ

🚚クルマが突っ込んできたんだろうなぁ。 轢かれたのがつつじで良かった。 運転手も無事でしょう。
無事じゃないのはつつじだけ。合掌。  桃園ユキチ


咲ききって雲になれないつつじです 探花


🚚咲きはじめのみずみずしさ 爽やかさとは裏腹に咲き終わりの無残さ  惨めさに 哀れを感じ ます。  杜乃しずか

🚚童話のような味わいがあります。
つつじは、雲になることを諦めたのではなく、あえて花として地上に残ることを選んだのだと思います。  せり坊

🚚これはやはり白つつじですね。満開の白つつじはもくもくと夏雲のようですが、このつつじは雲になれなかったようで寂しい。  じゃすみん

🚚つつじって、ピーク時は本当にびっしりと咲いて、もこもこなんですよね。その姿を雲になれないのだという詩情が素敵です。
あの眩いまでの白は空への憧れの色なのですね。  このはる紗耶

🚚満開の白躑躅。国道の植え込みなどに群れ咲く様子はさながら雲のようだが、決して雲にはなれない。諦めにも似た重い芳香が鼻に広がる。
独白のような口調も胸に迫る。  藤白真語

🚚そうなんだ。とはいえこのつつじはとても美しそう。  穂積天玲

🚚つつじが雲になれないのは当たり前なのに、なんだかつつじと一緒に残念な気分になっちゃいました。  村瀬っち


白つつじ咲いてるとこに埋めました げばげば      

                                                                                                                           🚚アイデアすごい。ドラマも広がる。  充子

🚚さあ、一体何を埋めたんでしょう?タイムカプセル?初恋?それとも‥‥ちょっと怖い想像もしてしまいます。とても好きです。  つまりの

🚚なに埋めたんだろ…… 犯罪の証拠とかかな?   桃園ユキチ

🚚何を埋めたかを一切語らないのが魅力です。華やかで明るいイメージもあり、寂しいイメージもあり。読者が自分の感覚に合うものを想像して思いを馳せられる、思い切った余白の句。  このはる紗耶

🚚何を埋めたんでしょう…怖い。  花咲めだ香

🚚いきなり自白したー! しかもめっちゃ大雑把だー! ミステリ好きとしてはつい取りたくなっちゃう一句でした。  みづちみわ

🚚何を埋めたのか気になります。  栗田すずさん


ピン10本倒れて跳ねるサマードレス かむろ坂喜奈子


🚚デートの彼女のはしゃいだ顔にぼうとしていますね。  栗田すずさん

🚚「ピン10本倒れて」からはボーリングのストライクである事が分かりますし、「サマードレス」という着地も人物が見えて良いです。ボーリングをサマードレスを着てするのはなかなかやりづらそうですが(笑)。  多木紫蝶

🚚普段はあまりボーリングなどしない大人しめの女の子が予想外にうまく10ピン倒して、お上品に喜んでいる景を思い浮かべました。  青居 舞

🚚白躑躅からサマードレスに飛ぶ発想が凄いです。  日向

🚚なるほど、白つつじの花の広がりが、サマードレス(きっと、スカートはサーキュラー)です。溌剌として、弾けるような白さがいいです。  せり坊

🚚リゾート施設内のボウリング場を想像します。ストライク、飛び跳ねて喜ぶのが可愛いです。
この後誰かとハイタッチしていそう。明るい夏!  このはる紗耶

🚚華がある…!と惹かれた作品。白躑躅がピン10本の白さも思わせますし、サマードレスを着た女性の裾も思わせます。
ストライクをとって燥ぐ様子が浮かびました。  岸来夢


感想文8件

店長に昇進したよ若葉風 紫蝶


🚚若葉風の気持ち良さが、よく合っていると思います。 でんでん琴女

🚚自分だけのような、家族にも知らせたいような、ちょっと友人にも自慢した いような。店長頑張れ!   万里の森

🚚おめでとう 音羽実朱夏

🚚素直さが良い。心地良い。
店長というと小市民的な喜びも感じるが、実際は並々ならない努力の賜物だろう。若葉の生命力が似つかわしい。  藤白真語

🚚…新年度になってまもなく職場で昇進したことを知った若者の喜びと意気込みが白躑躅の爽やかさ みずみずしさを表していて素敵です。 杜乃しずか

🚚若葉風がこの上なく爽やかで、心地よい。
日々のがんばりが見えてくるようです。  猫髭かほり

🚚昇進おめでとうございます。嬉しさと意欲が伝わってきます。  夏湖乃

🚚店長と若葉風の空気感が涼しげで心地よいです。  きのえのき


感想文9件

農協の三等賞や白躑躅 栗田すずさん

                                                                                                                            🚚圧倒的なあるある感。農協が良い。
特賞でも一等賞でもなく三等賞が絶妙。好きです。 三月兎

🚚「や」で切れてるから白躑躅が当たった訳ではないんでしょうけど、          なんかほっこりする取り合わせですね。 みづちみわ

🚚子供のころ農協のお祭りでクジ引きありました!その三等を白躑躅はしっかり見ていた、共感しました! いその松茸

🚚しっくりくるほのぼの感が楽しいです。 きのえのき

🚚何の三等賞か、何が賞品か、はっきりしないがそこがまた良い。
「や」で切れるので、まさか白躑躅が賞品ではないと思うが。
いかにも「農協」らしいなと思ってしまった。
ざっくりとした省略が味わい深い。 藤白真語

🚚農協の三等賞や白躑躅 取り合わせなのか、三等賞が白躑躅なのか。どちらとしても、ちょうど良いと感じる品のある句。「農協」という言葉の効果が後半に重みをもたせているオシャレな仕掛け。 凪太

🚚農協の三等賞がピッタリ。 でんでん琴女

🚚農協のキャンペーンか何かの抽選の3等賞が白躑躅の苗だったのでしょう。1等でも4等でもなく、「3等賞」がリアルだと思います。 多木紫蝶

🚚田舎の農協のくじ引きで躑躅の苗が当たる、ってありそうです。
実景ぽくて、ほのぼのとした感じが好きです。 村瀬っち


五月からペットシーツになるタオル ギル


🚚少し黄ばんだバスタオルの上にかわいい猫の映像が浮かびます。5月の爽やかさがいい    栗田すずさん

🚚ちょっと元気のないタオルだからペットシーツという第二の人生を歩むのでしょう。でも五月という1語で元気なペット(犬かなと)が見えたり、ペットと過ごす嬉しい気持ちが見えました。  平良嘉列乙

🚚使い込んだタオルが目に浮かびます。お疲れ様でした。  音羽実朱夏

🚚物を大切にする、丁寧な暮らしが見えます。
私はすぐ捨ててしまうので、憧れます。  せり坊

🚚ペットを飼い始めたのか。はたまた子どもが大きくなって不要なタオルが出来たのか。二つのドラマを思い浮かべた。五月という大きな季語が、      優しく伸びやかに包み込んでいる。  藤白真語

🚚ペットに気に入られてしまったタオルがペットシーツになったのかな、 と想像が膨らみました。  岸来夢

🚚五月の爽やかな空気。今まで使っていたタオルをペットの犬のシーツにする。今までありがとう!これからは犬の為になってくれよ、と言う気持ちがわかります。  じゃすみん

🚚共感できます。 「いつから」を決めてしまわないと取り替え時のタオルをズルズルと使ってしまいそうで…。  空流峰山

🚚この句は迷わず採りました。経験上ですが、犬はトイレを覚えるのに時間がかかるので、タオルをペットシーツにするというのは良いアイデアだと思います。仔犬への愛情を感じました。  多木紫蝶


感想文10件

 自転車の倒れたかたち白躑躅 桃園ユキチ     

 🚚白躑躅に自転車が倒れたのかな?  音羽実朱夏

🚚見た事ないが見たような気になるありそうな場面、、、いや、見た事はあって忘れていた記憶を薄く思い出したのか。句を読んだ後、しばらく動きを止めてそんな余韻を楽しむ事が出来ました。  雷(らい)

🚚事実と思わせる説得力+ドラマがある。  充子

🚚自分は自転車で生垣に倒れたことがあるので光景がありありと浮かんできます。倒れたところは枝が剥き出しになるんですよね。道路の側にはつつじがあるイメージなので季語もしっくりきます。  染井つぐみ

🚚変形した躑躅の形が見えそうですね。  日向

🚚白躑躅の植え込みが、自転車のかたちに窪んでいる。
事故か、酔っ払いか。何処かの誰かの不運悲運を想わずにいられないが、  この躑躅も紛れもない被害者だろう。  藤白真語

🚚白躑躅の群れの中に自転車の跡が残っている映像がありありと浮かんでくる一句でした。  濃厚エッグタルト

🚚倒れた自転車を 包むように咲いている躑躅を思いました。退かされた後も、そのままのかたちで咲いている躑躅。
可哀想でもあり、逞しくもある。不思議な花です。  つまりの

🚚普段、基本的に自転車移動が主の私にとっては、これはよくわかる情景です。植込みの方に自転車が倒れて、その形にへこんでいるけど、躑躅の方では特に気にもせず咲いている、被害を受けた方の無関心が滑稽に感じられます。  木ぼこやしき

🚚ありそう…と映像が浮かびました。
負けずに花を咲かせる躑躅、頑張れ。  岸来夢


感想文11件

群れてないときは良いやつ白躑躅 岩瀬百


🚚日本人は同調圧力の意識が高いので、誰もがこの句のような事例は経験していると思います 
群がるのが好きではないのでとても共感出来ました  清廉潔白でありたい そう思うと白躑躅との取り合わせが奥深いです レーコ

🚚いるいる! 音羽実朱夏

🚚こういうやつ居る……!超共感……!
高校とか大学の帰り道にあるつつじを思いつつ、群れるように一斉に咲くつつじの姿も思いました。 平良嘉列乙

🚚これはよくわかります。ひとりのときは別に嫌なやつじゃないのに集団の中に入ると嫌なやつになっちゃう人。
季語の躑躅とよくあった措辞だと思います。
「白」のもつ潔いイメージもうまく効いていると思いました。 村瀬っち

🚚面白いなと思いました!躑躅の花が密集して咲く様子とも何だか合っていますね。  里山子

🚚まさに満開の白つつじは全部同じ花に見えて個性が無い。群れている時は悪ぶっているが、ひとりの時はおとなしく良い人なんだね。  じゃすみん

🚚いじめグループのうちの1人が、いじめられっ子に対して、2人きりの時には穏やかで気さくに話しているのかも。  鈴白菜実

🚚群れるとグループの色に染まってしまうんですよね。
上手い取り合わせと思います。  でんでん琴女

個々で見るとね、決して悪いやつじゃなくてしおらしいところもあるんでしょうね~。  みづちみわ

🚚「いるいる、こういうやつ」という句。
気恥ずかしいのか、ワルに憧れる年頃なのか、いずれにしても一人でカッコつける勇気はまだない。
群れ咲く白躑躅のように清らかを芯に持ったまま育ってほしい。  藤白真語

🚚はぐれ的三席句。 こういう奴いたなあ。サシで話をする時は普通だし、なんなら少しキョドっている感じなのに、複数の中にいるとやたらとこっちに対して高圧的になる感じ。どういう心境なのかはわからないけど、根はいい奴なんだろうなあ。あいつどうしてるかなあ。  はぐれ杤餅


感想文13件

よく人に道を聞かれて白つつじ 岸来夢

                                                                                                                            🚚道を聞かれるのは親切な人に見えるからでしょうか?しかも「よく」聞かれるのだから、親切さかにじみ出ているのかもしれません。それを煩わしく思っているのかな。共感してしまいます。 つまりの

🚚こういう人いるよなぁ、と思いつつよく考えてみれば自分もそうだった。旅先で道を聞かれたこともある。よっぽど馴染んでいたのだろうか。
この句もそうだが、今回の句会で「白躑躅」の句に向き合って、
やはり優しい花だと思った。  藤白真語

🚚道を聞かれやすい人っていますよね。まさに私がそう。日本どころか海外でも道を聞かれた事が。
おそらく声をかけ易いオーラを発信しているのでしょう。白躑躅の主張し過ぎない感じが措辞にあっていますよね。共感の一句です。  三月兎

🚚めちゃくちゃわかります。他にも沢山人はいるのに何故か私が声を掛けられ る。脇には白躑躅が咲いていて。  万里の森

🚚何故かよく道を尋ねられる人がいますよね。
私もあるあるなので、道路脇の躑躅の白が目にまぶしく、すんなりと共感を誘う佳句だと思います。  きのえのき

🚚人が道を聞きたくなるような善い人なんでしょうね~
ほのぼのするわ。  充子

🚚柔らかい人柄を想像しました。
白つつじが合っていると思います。  猫髭かほり

🚚私もよく道を聞かれます。 声をかけやすい外見のようです。
主体もきっと純朴な見た目なのだろうなぁ。
ちなみに金髪にすると一切聞かれなくなります。  桃園ユキチ

🚚よく人に道を聞かれる人って、いつも人によく道を聞かれる人だな!と思います! 聞きやすそうな顔をしているのでしょう。きっと優しい人。   白つつじみたいな方なのかなと思いました。  嶋村らぴ

🚚聞かれやすい人とそうでない人がいます。パッと見て穏やかそうな感じだと聞かれやすいですよね。人柄の良さがにじみ出ている証です。  夏湖乃

🚚私の句かと思うほど共感しました、よく道を聞かれるのです。
私もそのことをあれこれ季語を試して句に詠んでます。
白つつじがこの場面に合っていますね    梵庸子

🚚白つつじの句が並ぶ中で、一番季語が動かない、これは白つつじでしょ、と感じたのはこの句。
「よく人に道を聞かれるひと」っていますよね。  げばげば

🚚道を聞かれやすい人はだいたい穏やかなオーラをまとっていると思います。白躑躅も同じイメージに感じるので、そのリンクさ加減が良いと思いました。  多木紫蝶


感想文16件

目的地付近四周目の躑躅 藤白真語


🚚カーナビ、最後まで責任をもって案内してほしいですねぇ。                  「案内を終了します」って言われてからが勝負。  桃園ユキチ

🚚車道と歩道の境に躑躅の植込みって多い。どこへ行っても同じような光景だと、近くまで来ているとはわかっても、ぐるぐると目的地付近を歩いて辿り着けない事も起こる。まさに私がそう。ほぼ漢字の17音が道に迷っている人の困惑も伝えている。  唯果

🚚ナビは目的地周辺で終わってしまうので、時々困る光景。この躑躅見るの4回目だよ…という感じが浮かびました。  岸来夢

🚚方向音痴につき、共感いたしました。  青居 舞

🚚カーナビに「目的地付近に到着しました」と告げられたものの、            目指していたものが見当たらず周辺をぐるぐるしている様子を想像しました。また躑躅の前に出てしまった…と困惑しながら。    内田こと

🚚カーナビの淡々とした「目的地付近です」が聞こえます。
案内やめないで!   音羽実朱夏

🚚道端には躑躅が咲いている。トラックドライバーか?                           道に迷って同じ個所をぐるぐる回っている感じが伝わります。            水蜜桃

🚚経験あります。カーナビで目的地近くになると「目的地周辺です」と言われナビが終わってしまうとどこどこと、探し回ることになる。最後迄案内してよ。ここさっきも通った躑躅のとこだよ~! じゃすみん

🚚ナビが目的地付近到着を教えてくれているけど、どうしても目的の建物を見つけることができず、ぐるぐる同じところを回って、「あ、またさっきの躑躅!」となっているのだと思うのですが、本当にナビは最後の最後で急に投げ出すよね、と共感しました。  木ぼこやしき

🚚カーナビやグーグルの道案内って、詰めが甘くて、最後の最後でなかなかたどり着けず、イラッとする時が実際あって、共感しました。  せり坊

🚚うちの近所は、1丁目の真ん中に幹線道路が通っているせいで、ドライバーさんも道に迷いやすいらしくて、たまに、「ここまで来てるんですけど…」って半泣きの電話がかかってくることがあります。ドライバーさん、いつもお疲れ様ですm(_ _)m    鈴白菜実

🚚どこでしょう目的地は?                                                                             道沿いの躑躅はあなたを応援しています。  栗田すずさん

🚚あるある。目的地付近に着くと、カーナビは案内を終了するんですよね。こちとら駐車場所を探し中なのに。
良い場所がなくてうろうろ「四周」もして、そのたびに「躑躅」の塊が目に入る鬱陶しさ。分かるなあ。  いかちゃん

🚚はぐれ的二席句。 一昔前のカーナビって、目的地付近で案内をやめてしまっていたイメージが。こんなとこで独りにしないで…!と何度心の中で叫んだことか。目的地は近くにあるはずなのに、辿り着けずに、あ、またあの躑躅だ…。なんて声が聞こえてくるようです。なんならもうこの躑躅が目的地でいいんじゃないかとさえ思わせてくれます。  はぐれ杤餅

🚚たまたまナビを頼りに知らない土地を旅した後だったのでこの句が尚更心に響きました。
ナビの通りに進んでもなかなか目的地にたどり着けない、                            もう4回目の躑躅。躑躅がきれいなのはいいんだけどもういい加減最終目的地にたどり着きたい…
ただの諧謔に終わらなかったのは躑躅の効果であることは間違いなく、        清涼剤のように効いています。季語が巧みで賞。  かむろ坂喜奈子


バックします虹を作った夏の日に 月波

                                                                                                                            🚚とても楽しいことがあったか 哀しいことがあったか どちらかなあ? と思って読みました 
なんだか ユーミンの曲のような印象を受けました  伊藤 柚良

🚚「バックします」街角でよく聞くこのフレーズ。
人間の声を録音したようでありながら限りなく無機質な声。
そこから続く「虹を作った夏の日に」。虹を作るって、なんの比喩だろう。「虹を作った夏の日」と言われた時、忘れられていた読み手の一人一人、  それぞれの中にある無数の「夏の日」が目覚め、立ち上がるようだ。
現実の風景から一気に心象へ持っていかれる、
とても印象的な句だと思います。  穂積天玲

🚚虹を作った夏の日を気持ちが通い合った日と読みました。恋人かもしれないし、夫婦や親子かもしれない。でも今は…。
きっとこの人は相当の覚悟で、バックしようとしていると感じるから、      応援したいなと思ってしまう。  唯果

🚚遠い昔、子供の頃に恐らくじょうろを使って虹を作った夏の日。
決してもう戻れないあの日の記憶を「バックします」という音声が呼び起こしたのでしょう。
あの日に帰りたいという願望も込められている句だと思います。  多木紫蝶

🚚とてもいい思い出があるのでしょうね!  空流峰山

🚚脳裏に残る思い出は、人それぞれの分岐点。
だからこそ振り返る。また頑張ろうと思う。  モッツァレラえのくし

🚚「バックします」で大きい車たちが喋るあの声が鮮明に蘇りました。    バスとかトラックの声が聞こえるどこかで水遊びをしたあの日のことを      この声を聞くたびに思い出すのかもしれませんね!   平良嘉列乙

🚚めっちゃロマンティック! バックオーライ!  桃園ユキチ

🚚発想が秀逸で青春の日のエッセンスが香る素敵な一句です。  きのえのき

🚚バックしますがいいですね。
タイムトラベルの引き金が白つつじでしょうか?  日向

🚚トラックらしきものは、タイムマシンなんですね。
SFテイストの不思議な味わいがあります。  せり坊

🚚メルヘンでかわいい。Back to the Futureみたいに戻ってみたくなる。    音羽実朱夏

🚚「虹を作った夏の日」という言葉にみんなそれぞれの夏の日を思い浮かべたことでしょう。泣ける(*'▽')     げばげば

🚚トラックのあの音声が、まさか虹を作るという美しい展開になるとは。 しかも雨のあと清々しく晴れ渡った夏の爽やかな日に。
ハッとする場面転換に痺れました。  上峰子

🚚こんな風に時間も空間も作れるのか、俳句は自由だなと思った句。        勝手に自分の作った枠の中で作句してないでどんどん解き放っていこう!    と思えました。
素晴らしく大きな句です。時空が自在で賞。  かむろ坂喜奈子

🚚恵勇的勝手に表彰コーナー 一席
ひとめぼれです。よく読んだら季重なりでしたが(←遅い)、それは大したことじゃないのです。ないのですが、一応語らせて下さい。
虹と夏、一体どちらが主たる季語か、ハッキリさせなければなりません。 読み手の勝手といえばそれまでですが、自分は「夏」だと思います。
その理由こそが、この句の良さをそのまま示してくれるものだと思うからです。 この句の賛否が分かれる部分があるとすれば、「作った」という動詞の選択ではないでしょうか。意図的に作られた虹(しかも過去の虹)は、季語としての鮮度を失うからです。
しかし、だとすると本来作るものではない虹を、敢えて作ったと言い切っていることで、季語としては虹が一歩引いて、夏が一歩前に出ることができます。虹があろうとなかろうと、夏は存在できるのですが、作者は敢えて虹を作って夏の日に彩りを添えたのではないでしょうか。
虹を生み出すことができるのは、ホースの水を太陽光に翳したり、画用紙などに絵を描いたり、魔導師がガチで天気を操ったりした時くらいのものでしょう。
どんな虹を作ったかは判りかねますが、バックしますという表現からは、  運転席から何かを振り返っていることが感じ取れるので、恐らくその日のことを想っているのだと想像がつきます。そして車を物理的に後ろへ動かした時、きっと時間まで巻き戻せるような気がしたのです。
「あの夏」の記憶をノックする瞬間があったのでしょう。
しかし、実際には車が数メートル後ろに動いただけで、目の前に虹が見えているわけではありません。見えている可能性も微量残されてはいますが、恐らく見えていないからこそ、こういう表現になっていると思います。
でも、だからこそ断言できます。作者に「あの夏」を思い起こさせたのは、今ここにある「この夏」であると。
それを裏付けているのが、「バックします」というセリフと最後の「に」ではないでしょうか。ここが「へ」ではなく「に」であることは必然です。
ここがこの句の最大のポイントと言えるでしょう。
分かりやすくバックしますを「戻る」に変換して話を進めます。
「〜へ戻る」と「〜に戻る」では、決定的に違う点があるのです。前者には「そこへ至る道程」が含まれますが、後者には瞬間的に移動する意味合いも含まれます。即ち、車を後退させるだけなら後ろ「へ」下がるわけですから、そのプロセスを感じますが、作者は今、その事によって開かれた遠い過去の記憶の中の夏の日「に」いるのです。
そして、今日もあの日も共に夏だったからこそ、その記憶は瞬時に開かれたと考えるのが自然なのです。作者は過去の夏の日に戻ることしか書いていないのですが、「バックします」という言葉が作者の「現在地点」を否が応でも我々に見せてくれるのです。過去の事を書いてあるようで、眼前の夏にちゃんと向き合えているのです。
運転席の窓から振り返っているのは、作者が今までに過ごしてきた「夏」のイメージの集合体であり、最新版なのです。「虹」は作者の「夏」のイメージに内包されたモチーフの一つで、記憶に彩りを与える存在だと言えるでしょう。ですから、主たる季語は「夏」の方であると考えます。
長々と失礼致しましたが、以上を踏まえまして、この句は季語「夏」に真に向き合った名句と言わざるを得ません。
素敵な句をありがとうございました。  恵勇



いやぁ恵勇さんのこだわり感想文、どすーん!ってきますよね?
「ヒマなん句会の風物詩」となりつつありますが、
「ええ!!私もこんだけ長く書かなきゃいけないのかしら!?」
なんて思う事はありませんよ?
恵勇さんのこだわり、個性ですから、合わせることはありません。
ただなんだか「帰ってきてくれたんだなぁ」としみじみ嬉しかったのです。

10句まで感想文を受け付けているのですが面白いことに気付きました。
2,3句の方は「少なくてごめんなさい」という方がいらっしゃったり、  フルで感想文を寄せて下さる方は
「多くてごめんなさい」という方がいらっしゃったりするんですよね。
どちらの方も決まり通りなのに、ごめんなさいっていってくださるのって、なんだか日本人的と申しますか、感想文にも個性が出ていて、
編集するときはいつも「ウフフ」と微笑みながらまとめています。


そして今回の「ヒマラヤ龍」は、もう先行逃げ切り!
募集のはじめから圧倒的人気でした!勢いが若々しい!!


最近勢いづいているヤング俳人が今回の「ヒマラヤ龍」受賞です!!



感想文17件

早退の今日はつつじが白かった はんばぁぐ

                                                                                                                            🚚いつもと違う時間に歩くと、いつもと違う表情の景色に出合えた。        つつじ、こんなに白かったのか。という発見がいいですね。 菅井香永

🚚早退の理由は、風邪とか熱とかじゃない、ちょっとした気持ちの沈みなんだろうなあ。この白つつじをどう見たのだろ。好き句。 げばげば

🚚早退の少し後ろめたい気持ちに、躑躅の白は眩しい 栗田すずさん

🚚妙な説得力ありますね! こういう軽さ好きです。 みづちみわ

🚚体調もイマイチだし気分も乗らない。早退してしまった。此処に咲いてるつつじがこんなに白かったなんて今まで気がつかなかった。            やはり今日の自分はおかしいか。早く帰って寝よう。 じゃすみん

🚚躑躅の白を早退した子の顔色に重ねて鑑賞させていただきました。         空流峰山

🚚早退する今日まで気づかなかった白は、美しくも寂しさや哀しさを含んだ白のように感じます。内田こと

🚚早退する後ろめたさと晴れやかな気持ちが伝わってきました。     音羽実朱夏

🚚白かったの惜辞に諦めにも似たひょうひょうとした明るさを感じます。 きのえのき

🚚早退の帰り道ってどうしていつもの景色が違って見えるんでしょうね?躑躅も何割り増しか鮮やかに見えます。
早く帰れるうれしさとちょっとの後ろめたさ‥‥。 つまりの

🚚早退のときはいつもと違う時間を歩くのと、体調が悪かったりするので、街が違う景色になる…
その感じがとても伝わりました。 岸来夢

🚚早退の理由は体調不良か家族の不調か、何か不安なことではないでしょうか。もやもやした気持ちを抱えながらの帰路に白つつじが明るく咲いている。こんな日に見るとやけに眩しくて、いつまでもそれだけを覚えていたりします。 夏湖乃

🚚今日も明日ももしかしたら昨日も、このつつじは白いはずなのに、  「早退の今日は」とするところが意味深でよかったです。
早退の理由も含めて、この人物の内面に迫りたい、
と思わせられる句でした。 村瀬っち

🚚早退した時に、躑躅の白さが目に入ったのでしょう。 でんでん琴女

🚚普段何気なく通っている道も早退した今日だから気づいたつづじがやけに白かった。 モッツァレラえのくし

🚚敢えての「今日」という強調。「白かった」という言い止め。この二つのコンビネーションが「早退」の背後にあるドラマを連想させる仕掛になっている。この句会の条件である現代語縛りをクリアしつつ詩情を生む力量。  今回の龍田の「天龍」です。  龍田山門

🚚 恵勇的勝手に表彰コーナー 二席
語順を変えてみたらどうかな〜などと勝手に考えたりしましたが、時間の無駄でした。これもやはり練り込まれた一句です。
「今日」は不要にも思えて必須。「早退した今日という日」という書き出しにはなっていますが、実質的には「つつじの白く咲く景色に気づけた日」だと思います。昨日も明日も、つつじは白いんですよね。
しかし私は「今日」それに気づいたのです。ここには白いつつじが存在しているのだと。早退して普段より早い時間に見たこともあり、その白さが目を通して心に飛び込んでくる。作者の脳裏に浮かんだ白は、さっきまでいた保健室のシーツかもしれないし、黒板のチョークの色かもしれないし、職場のホワイトボードかもしれない。でも、今日一番白かったのは、今ここにあるつつじである。早退した理由なんて、もはやどうでもいいんです。
今日という日は即ち、つつじが白かった日なのですから。
背景に様々な物語を擁する名句です。 恵勇



いやぁおめでとうばぁぐくん!!
色んな人に愛される俳句をお詠みになりました!!
正直意外でした!



今回は以上です!                          明日はいよいよ「ヒマラヤ地」の発表です!!  
よろしくお願いいたします! 


第十一回 ヒマラヤなんちゃって句会

「ヒマラヤ苺」等々発表!!
「ヒマラヤ地」発表!! 
「ヒマラヤ天」発表!!

あわせて読みたい!恵勇先生の俳句小説シリーズ! 

句養物語 流れ星篇                         句養物語 花野篇

難しい話?鳥の話?いいえ、愛の話です                 

巣立鳥

ヒマなん句会の歴史のすべて!                    

ヒマラヤなんちゃって句会 アーカイブ
PR 『俳句ポスト並盛連盟』(俳並連)発足してます!!!  


選句 本文 編集 兼題画像 見出し画像/ヒマラヤで平謝り                   SpecialThanks/髙田祥聖 カニくん

お試しで作ってみた項目ですので、本当にサポートしていただかなくてもいいのですが、万が一なんとなくそんな気分でしたら・・・!