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第八回ヒマラヤなんちゃって句会     「ヒマラヤ龍」発表!!


Twitter@himahira19で行っていた句会の結果発表の二日目です。     

今日はみなさんの感想文をじっくり読んでみます!                           一番感想文の集まった一句には「ヒマラヤ龍」を差し上げます!     この賞は他の賞とも重複する可能性があります。         

ここで一度、当句会の「グランドスラム」というものの説明をさせていただきましょうか。

「ヒマなんグランドスラム」とは、
「ヒマラヤ天」
「ヒマラヤ地」「ヒマラヤ龍」「ヒマラヤ苺」を、
それぞれ一回づつ獲った方を指します。
たとえば「ヒマラヤ苺」「ヒマラヤ天」「ヒマラヤ苺」「ヒマラヤ地」と獲ったという方も、一回づつ獲ったらOKですので、あと「ヒマラヤ龍」を獲ったら「グランドスラム達成」となります。

今のところ常幸龍BCADさんがさらっとグランドスラムったのが記憶に新しいですが、多分何名かリーチの方がいらっしゃると思います。
獲得したところでなんにもないのですが、ちょっぴり自慢できます。して。
ボクが受賞者を控えておけばたちどころに達成状況がわかるかもですが、 ボクがその人のグランドスラム達成を意識して選句してしまいそうですので、あえて把握はいたしません。野放し。
みなさん自身でご自分が何を受賞したかを心に留めて、
「今回でグランドスラム達成したわ!!」という方がもしいらっしゃいましたら自己申告でお名乗りください!お祝いします。歴代グランドスラム達成者だけ集めた句会とか面白そうですね。

長くなりましたがグランドスラムの一番の難関、「ヒマラヤ龍」発表に参りましょう!


(俳句の俳号、感想文投稿いただいた方の敬称は略します。絵文字は化けるのでカットしました。本文は原文ママです。)


感想文1件

雪山に潜むをんなの名は小春 はっしー


❆雪女にも親はいるんでしょうね。
親の願望が見える名前、「小春」なのでしょうか。 面白いです。    空流峰山


雪の道行く夜があり絵の女 雷(らい)


❆雪の降りしきる夜、人通りも少ない道、明かりの灯った窓の向うに飾られた女の絵。忘れたつもりの女の顔が浮かんだ。鷺沼くぬぎ


あんなとこに女の人が冬の山 Q&A


❆こちらもいい死亡フラグですね。
助けに行ったが最後戻ってこられないという、まさに雪女の性質を表している一句だと思います。 濃厚エッグタルト


哲朗は何処へ行ったの冬銀河 宮坂変哲


❆哲朗は999読みならば、哲郎なのかなと思いました。
銀河鉄道999の主人公。私も再放送を朧げに覚えています。
やっぱり哲郎はいなくならないでほしいですね。銀河鉄道999のこととして捉えなくても、いろんな景で読むことのできる句です。 里山子     

                                                           

ビジュアル系のモチモチはキツい冬 万里の森


❆某R氏を想像…げふんげふん(涙) 日向こるり


心中に取り残されて霧の花 げばげば


❆吹雪の夜、心中を謀ったはずなのに目覚めてしまった翌朝。
隣には彼の遺体。自分だけ生き残ってしまった絶望に天を仰ぐと霧の花。  朝日に煌めく霧の花に希望を見出して欲しいです。 月波


雪しまき一度だけのデートした たまのねこ


❆とても切ないです。私の勝手な想像ですが、この主人公は人間ではなく雪女ではないでしょうか。雪女が一度だけ人間となって、好きになった人と一度だけ出来る(雪女界の掟がある)デートをし終え、雪女に戻り雪しまきの中を帰っているのところではないかと……
切ない物語がいろいろと膨らみました。 新開ちえ


波の華掬う水子の笑みだから 染井つぐみ


❆自分の詠むときは雪女郎でない発想で物語までを!と思っていましたが、あー、やられましたねー。 「波の華掬う」と来て、絵の光景がしっかり見えた上で、女性が掬う理由の着地に胸を突かれますね(^^♪ 水子の「笑み」というところに、この女性の痛烈な過去の苦しみと逃れられない悲しみと、そして少し前を向こうという希望とが入り混じって。
もうこの絵をみたら、そうとしか見えない。俳句的嘘のようで、この絵にもない女性の物語までが見えてくる、佳句ですー(^▽^)/   げばげば


ポケットへ打ちかけLINE虎落笛 鳥田政宗

                                                                                                                            ❆言いたいこと全部言えたらいいのに。そう思うことって一度や二度ではありません。短文メッセージでは伝わりにくい感情。推敲しても推敲しても誤解されるのではないか、と思ってもういいやってスマホはポケットへ。
虎落笛は自由に鳴いています。 DAZZA


雪さえも化けて出るほど静かな夜 岩瀬百


❆雪はもう止んだ。戸を開けて夜の世界に飛び出してみると、静寂と闇の世界に一面の雪だけが横たわっている。生きているのか死んでいるのか分からないような雪。怖くなって戸を閉めた。戸を叩く音がする。こんな夜に訪ねる者など、雪が化けて出たに違いない。
寒さと恐怖に震える一夜を追体験した気分だ。 葵新吾


白鳥へファミマチキンのデリバリー 巴里乃嬬


❆白鳥に同族喰いさせるところにゾッとしました。 濃厚エッグタルト


メルヘンな彼女の部屋で気になる絵 れなにそ

                                                                                                                            ❆それは気になりますよ。激しく気になります。 まぐまぐ


モノクロの吹雪の中へウォーキング 弓原トーヤ

                                   ❆強烈な風を伴う降雪の中雪女は自分が誰なのか分からずに混乱していきます。益々混乱していく雪女。私は貞子なの?それとも一体だれなの?そして雪女は猛吹雪のなかへ軽装で飛び出していきます。いや、これはウォーキングなのです。なんてシュールなんでしょう。そして、そしてバックミュージックには「負けないで」が流れています。
永遠に答えはでないのでしょうか。 万里の森


朧夜やバンシーの眼の冥き紅 みづちみわ


❆バンシーはアイルランドの 死を予言すると言われている不吉な妖精。
その不吉な妖精は火のように真っ赤な目を持っている。
春の夜の柔らかい月夜との対比が面白いと思いました。 唯果


雪をんな天青色を知らぬまま 山川腎茶 

                                                                                                                           ❆雪をんながいる。天が青色なのをしらないままに。 自分としては今回のベスト句。雪女が現れるのが、吹雪の中であるとするならば、確かに、空が青いことをしらないままにいることだろう。天文の季語、かつ、妖怪でもあるという雪女の句としてすとんと来た句。
ラフカディオ・ハーンの「雪女」など、人間と交流を持った雪女は、青空も知っているかもしれないが。 千代 之人


夜の国ここは冬の虹のたもと 猫髭かほり


❆不思議な句。夜に虹は掛からない…はず。なのに、夜の国に虹のたもとがあると言う。考えるうちに、偶然だろうし深読みのしすぎだが、この「夜の国」が今のウクライナのように感じられて仕方がなくなった。明けない夜はないし、春の来ない冬はない。
今世界中から救いの、そして祈りの虹が掛けられようとしている。 葵新吾


銀漢の砕け伊邪那美引き返す このはる紗耶


❆イザナミは確か、約束を破って逃げるイザナギが間を大岩で塞いだために会えなくなったのだったと思いますが、「銀漢が砕けたから」としているところがかっこいいと思いました。
(解釈違っていたらごめんなさい) 木ぼこやしき


まっくろな夜へ白雪の痛みかな 夏風かをる

                                                                                                                            ❆闇に降る雪の白さが際だつ表現で素敵。
凍てるほどの寒々しさが、痛みという言葉で伝わってくる。 猫髭かほり

                
                                             

薄雪に恋文描く一人旅 レーコ


❆旅句好きです。恋文を「描く」だから、もしかして恋文のイラストを落書きしている感じかなとも思いました。
薄雪だから、竹箒とかで掃かれてすぐに消えてしまいそうですが、それも全部含めてお茶目に思えました。 里山子


私はたれ貞子それとも雪女 亀田かつおぶし

                                                                                                                            ❆雪女はさらに悩む。私は生まれついての雪女?いやノリでしょ?と益々雪女は迷ってしまいます。「私はたれ?貞子?いやそんな恐ろしい存在になった覚えはない。」と困惑している雪女。貞子も恐ろしいけれど雪女はもっと恐ろしい。どちらにしても彼女に平穏な日々はこないのでしょうか。
私は一体だれなの? 万里の森


さまよえど夢に届かぬ雪明かり 杜乃しずか


恵勇の勝手に特選コーナー 二席
この句の評価のポイントは… 中七「夢」の使い方…の是非です。 夢という言葉ほど、類想ワードや凡人ワードの常連はいないのではないでしょうか。眠りの夢でも、未来への夢でも、どちらを選択したとしても、です。しかしながら、この句はやってのけました。これはどちらの夢にも該当しない、第三の夢です。もうこの時点でそわそわします。第三の夢とは?何を言ってるの?と言われても、感想文は続きます。
この句に出てくる夢とは、厳密には眠る方の夢を指しています。しかし、普通の夢とはかなり違います。なぜか…?
雪山だからです。雪明かりがあるおかげで、舞台は雪山だと分かります。  雪山で夢を見る、それは即ち死に直結する行為です。
そこで、夢に届かぬ…と言ってるので、この主人公はまだ生きているのです。死に場所を求めて彷徨っているのかもしれないのに、彷徨っても彷徨っても、夢には届かないのです。 悲しい物語を想起させつつも、最後に雪明かりを灯すことで、主人公はまだ生きていられるのです。今回は兼題画像が物語性のあるものなので、俳句そのものがそういうテイストになって然るべきなのですが、この句は素晴らしい物語を想起させてくれたばかりか、
ちゃんと季語を立てる事に成功しています。何も言うことはありません。
現在の俳号に変えてから、これがダントツで一番良い句です! 恵勇


感想文2件

あの世にも季節のあれば春に旅 まぐまぐ

                                  ❆詩的です。そんな風に考えたことなかったから新鮮でした。
楽しい発想です。断定に説得力があります。
「に」が素晴らしいと思いました! 里山子

❆虚の世界に遊んでて好きな句です! みづちみわ


大みそかマッチたくさん売れるかな どいこい


❆妙に気になる一句。お題の絵がなくても、一人で佇んでいそうな景を想像できますし、何か経済の冷えを象徴しているコメントにも思えます。
可愛いだけじゃないダークさ、好きです。 凪太                          

❆大晦日に沢山マッチが売れなかったときの事を考えると、切なくもなりますが、ちょっとまって、絵の女(?)はあまり若くなさそうだぞ。とすると、「マッチたくさん売れるかな」と言っているのは彼女ではなく、その先に見えないだれか幼子なのか?その幼子がマッチを売っていて回収しに行くときの鼻歌?いやいやそれとも、じつはマッチを売っているのは化けた雪女で、その女からマッチを買うと雪山に連れていかれるのか?謎は深まるばかり。可笑しくも少し恐ろしい一句と感じました。 万里の森


魂を求め果てなき雪女郎 渡辺かや 

                                                                                                                            ❆魂を求めてずっとさまよっていることが雪女郎たる所以なのかもしれません。もしも雪女郎が自身の魂を見つけてしまったら、姿かたちまで変わってしまいそうな怖さがあります。 里山子

❆魂を求めて、果てることがない、雪女郎。 雪女郎は雪女よりさらに性悪で残酷な存在だという。それが「魂を求めて、果てることがない」というのだから、どんな寒波の大吹雪が各地に訪れているのだろう?生死に関わる自然の事象に、人間は悪意を感じることもある。それが、雪女郎が魂を求めている(ここでは、贄としての魂)と読んだ。
中七の「果てなき」をどう読むかで、私以外の読み方になるかもしれないし、上五の「魂」が誰のものかと考えると、雪女郎自身が自分自身の魂を求めて果てなく行き来しているとも読めるかもしれない。 千代 之人


通せんぼそやつをよこせ雪女郎 伊藤柚良

                                                                                                                            ❆誰の台詞なのか問題が若干残るのですが面白さでいただきます。三段切れを解消すれば問題は解決するのかも?? かむろ坂喜奈子

❆中七の「そやつをよこせ」が面白いです。
通せんぼをしているのは雪女郎?それとも? 唯果


複眼のひとつのわたし石鹸玉 上峰子


❆昆虫の複眼をまじまじと見つめたらひとつひとつの眼に自分の姿が映り込みそうですね。全て同じはずなのにひとつだけ違う自分を見つけてしまったというのはファンタジー感があって好きです。ホラー感ではなくファンタジー感が出るのは石鹸玉の効果ですかね。 染井つぐみ

恵勇の勝手に特選コーナー 一席
複眼と聞いて思い出すのは、やはり蜘蛛です。最近では鬼滅の刃での鬼役で、蜘蛛をモチーフにしたキャラがいましたね。兼題イラストの人物は雪女であるというのがスタンダードな読みだったでしょうが、あの人物が複眼であるという着想に、まずは驚かされます。
そして、その複眼がたくさんあるうちのひとつ、そのひとつに「わたし」か宿されている…この発想も素晴らしいです。「複眼のひとつに」とあれば、特定の目玉にわたしは宿るわけですが、「ひとつの」とあるので、もしかしたら、隣の目にもわたしはいるのかもしれません。でも、おそらくそれを窺い知ることは叶いません。石鹸玉がその姿を映すことなく割れてしまうからです。
この句は動詞を省いて仕上げることで、読み手がそれぞれ好きな動作を脳内で補助して映像再生することができます。どんな動作を想起したかによって「わたし」の運命が変わっていくようです。
果たして、石鹸玉が消える瞬間を「わたし」はどう捉えるのでしょうか。 恵勇 

                                                             
        

マッチ売り助けるつもりが雪女 ペラ男


❆マッチを助けるつもりで精いっぱいの「善」の部分を発揮して、きっとこの子を助けよう!って思っていたのに。気が付いたら雪女になっている。まるで、どいこいさんの一句の序章のよう。だまそうと罠を張る雪女。気が付かない鴨。マッチを買ってこの子を助けてあげよう、何ならうちに連れて帰ってあげようか。と思っていたのに、実は罠で化けていた雪女に連れていかれて、自分も雪女に!なんて恐ろしいのだ。
「つもりが」が全てを語る一句だと感じました。 万里の森

❆面白い でんでん琴女


消えたくて消えられなくて雪の夜 村瀬っち


❆自分を消してしまいたいとき。あの時こうしていれば上手くいってたのに…。あの場面は思い出す度に恥ずかしい…。 雪に紛れてどこかへ行ってしまおうか。雪と一緒に溶けてしまおうか。 それでも結局生活は続くのです。消えたい思いを抱いたまま。 夏 湖乃

❆分かる感覚だなあと思いました。
この世界から消えてしまいたいと思う時が私にもあります。
でも、消えてしまうことなんてできません。雪の夜を彷徨ってみても、      やっぱりできません。そして、消えたいと思う気持ちも消えません。
でも、きっとこの句も私の中から消えないでしょう。消えたいと思った時、この句を思い出して生きようと思います。 夏野あゆね


腰痛の湿布を買いにゆきおんな 麻きなり


❆私は雪女に猫背のイメージを持っていたので、この句には納得がありました 確かに彼女は腰痛めそうです 「腰痛の湿布を買いに行くかのように見えた」と比喩で読んでも面白いです 田舎のコンビニかな? はんばぁぐ

❆句を見た瞬間にこんな人間臭い雪女いられてたまるか!
ってツッコんでしまいました。 濃厚エッグタルト


吹雪く夜や米寿の女優のなきぼくろ じゃすみん

                                                                                                                              ❆吹雪く夜にドラマか映画を観ていたのでしょうか。
往年の大女優をよくよく見たら小さななきぼくろがあることに気付いたという、実景を感じさせる一句でした。女優さんは誰だろう?
と好奇心も掻き立てられました。 岸来夢

❆「泣きぼくろ」に可愛さを感じました。吹雪く夜なので、家でドラマを見ているのでしょうか。泣きぼくろはきっとこの女優さんのチャーミングポイントなのでしょう! 里山子


ゆきをんなの髪いつぽん弐萬圓 ギル

                                        ❆ゆきをんなの髪ってどうなっているんでしょうか。髪の毛一本一本が凍っているのでしょうかね。いずれにせよ一本2万円もするんだと妙なところで感心してしまいました。「弐萬圓」という表記も好きです。 山川腎茶

❆恋愛成就のお守りとして売られてたりして。                                                こういう胡散臭い世界観好きです! みづちみわ


孤独以上ひとり未満とは六花 恵勇  


❆雪とは、ボッチではない、しかしひとりにも満たない…なんとも想像に難しいけれど、気になって仕方ない句。 猫髭かほり

❆孤独とひとりがイコールではないと気付かされました。寂しさを感じる惜辞でありながら、六花という季語が美しく綺麗で、救いがあり、慰めてもらえた気がしました。 岸来夢


なよ竹のかぐやよ月に雪降るか 高田祥聖

                                   ❆かぐや姫=今は疎遠になってしまったけれど忘れられない人と読むと、    切ない恋歌になって胸に迫ります。 唯果

❆黒と白を巧みに。月に雪降るかに翁の寂しさ、
雪にやさしさをかんじました。 モッツァレラえのくし


感想文3件

くらくてもへいきもうすぐ春だもの Tomo


❆平仮名がこの楽観主義を生かし愉快。 充子

❆雪女が歩んでいく雪の下には土があり、そこには春を待つ種たちが眠っている。今は暗い所にいるけれど春の気配はちゃんと感じている。その声なき声をひろいあげたような優しい句だと思います。 このはる紗耶

❆…小さな強がりに聞こえて、心に響きました。 空流峰山


品川の踏切を待つ雪女 内田こと

                                                                                                                            ❆品川って固有名詞がめっちゃ効いてますね! 五反田でも日暮里でも新宿でもなく、品川じゃないと、この怖さと可笑しみのバランスは取れなかったと思います! みづちみわ

❆開かずの踏切なのでしょうか?   鷺沼くぬぎ

❆今回、ダントツでこの作品が良いと思いました。
「雪女」の句は、メルヘンあるいはホラーが上滑りしがちなんですが、      この作品の「品川」は実直かつ絶妙な距離感で、新しい形の詩になっています。日常に入り込んだ「雪女」の姿を、淡々と当たり前のように書くことで、かえって季語の怖さを引き出せていますね。 いかちゃん  


雪女郎胸に真白な炎抱き でんでん琴女

                                                                                                                            ❆ひんやりとしたイメージのある雪女郎に炎を出してきたところがいいなぁ、と思いました。心の中は情熱であかあかと燃えているのでしょう。(古語禁止のヒマなん句会なので、「真白な」は、古語の「真白」ではなく現代の「真白だ」でしょうから「真白な」は大丈夫でしょう) 村瀬っち

❆真白な炎が素敵な表現。炎なのに赤でなく、マックス高温の青でもない。雪にピッタリの色選び。 猫髭かほり

❆黒い闇は雪女には淡い光であり、彼女が抱く情念は白くひんやりと男の首筋をなでるのかもしれません。
それは束の間、人間実のある恋心だったのでしょうか。 きのえのき


AIにテロメアは無しゆきおんな 蝦夷野ごうがしゃ

                                                                                                                              ❆染色体の先端がないAI。つまり無限に繋がり進化する。 では、ゆきおんなは?遺伝するの?子を宿すの?それとも進化し続けて継承されていく?? 染色体の勉強をし直しました。 猫髭かほり

❆肉体の有限性とは救いであると思います。 鷺沼くぬぎ

❆蝦夷野ごうがしゃ
本句から人間とは違うことの悲哀と共に、限りなく人間寄りである雪女のあたたかみを感じました。余談ですが『テロメア』をググってたら癌細胞の記事に辿り着きました。
不老不死の境界を探る人間へのアイロニーが隠し味だとすれば、重厚な詩のひろがりに驚くばかりです。 まんぷく


羊水の鼓動はまほろ春の雪 モッツァレラえのくし


❆羊水を通して伝わる母親の鼓動は胎児にとってまさにまほろばなのでしょう。春の雪のやわらかさが響き合っていると思いました。
綺麗な句です。 染井つぐみ

❆綺麗 でんでん琴女

❆春は兆し、萌え、まほろ♡  鷺沼くぬぎ


星も雪もいっしょ親から逃げる夜は 平良嘉列乙


❆「親から逃げる夜は星の夜でも雪の夜でも同じぐらい辛い」と「親から逃げる夜は星も雪も一緒にいてくれて一人ではない」と二通り鑑賞しました。後者であってほしいです。 濃厚エッグタルト

❆今回の龍予想句です。輝かしい前半に対して、この後半の着地。希望と絶望を乗せやすい季語だとは思いますが、その両方をいっぺんに乗せて重すぎないのはさすがです。 凪太

❆何故逃げているのかはわからないけれど。 一人で逃げているのか、誰かと逃げているのかもわからないけれど。 「星も雪もいっしょ」に、救いを感じて素敵な句だと思うと同時に 星はやがて燃え尽きて消え、雪もいずれ解けて消えるものなので、 救いのようでいてとても危うく、けれどその瞬間はとても美しく永遠のように見えて、 悲しいけれどそれがこの句の魅力だなと感じました。 あとリズムが好きです。 嶋村らぴ


可惜夜の恋とは蝶の希死念慮 嶋村らぴ


❆可惜夜だけじゃなく、希死念慮! しかもそれが蝶!いいなあ! 
朴念仁の私には逆立ちしたってこんな恋愛の俳句作れないです! みづちみわ

❆兼題から可惜夜に飛びそして蝶への展開が素晴らしいと思います。詩情の豊かさを感じます。 楽花生

❆一番刺さりました。 可惜夜と希死念慮だけでもすごい取り合わせだと思いますが、蝶がブリッジになっているところに唸りました。  仁和田 永


雪しまく罪は子どもを捨てたこと 唯果

                                                                                                                            ❆雪女郎と言わなかったところが現実の女性である可能性も残すことになり句を冗談(フィクション)にしていなくてじわじわ地味に怖いです。 かむろ坂喜奈子

❆なんでこんな目に〜と浮かぶ罪の数々か? 充子

❆捨てたことに後悔して真夜を徘徊。
黒と白に感情が託されていて素晴らしく。 モッツァレラえのくし


ゆきをんな黒を祈りの色として 夏野あゆね

                                                                                                                            ❆祈りの色が黒。孤独を感じるとても素敵な句。 猫髭かほり

❆中七下五の措辞に惹かれます。ゆきおんなをひらがな表記にしたことで黒が引き立ちますし、雪といえば白ですから、自然に、白と黒の対比を思わせます。ゆきおんなの祈りは、どんな祈りなのかなぁ。イラストのイメージと合わせて想像を楽しめる句でもありました。 村瀬っち

❆かつては白が喪の色。雪女にとっては今もそうなのかも。
人が恐れる闇は彼女からすれば祈りに満ちた空間。
発想の転換にハッとさせられる句です。 このはる紗耶


玄冬のピアノ純白の旋律 岸来夢


❆今回、最も好きな句でした。純白の旋律、何の曲でしょう。
個人的にはシベリウスなんかいいのではないかと思いましたが…。実際に冬にピアノを弾くのは辛いですけど、俳句にすると素敵です。    木ぼこやしき 

❆どんなメロディなんでしょう、気になりました。 みづちみわ

❆美しい でんでん琴女


感想文4件

心中で凍死やめます寒いので 七瀬ゆきこ    

                                  ❆脱力してしまう面白い句とも読めますが、人間の生存本能を考えるととてもリアルに響く下五だと思います。 死にたいと思っていたのにいざ死のうとすると寒いし痛いしそう簡単には死ねません。人間て強いとこもあるし弱いとこもあると改めて感じました。 常幸龍BCAD⚾️

❆面白い でんでん琴女

❆そう寒いから心中はやめた方がいいです。凍死は寒いし投身自殺は痛いし、毒は苦しいし、私もやったことはありませんがやめた方が良いです。 そしてこんな風な句詠んでみたいです。 じゃすみん

❆一緒に腹を決めたはずなのに、寒いというくだらない(?)理由でそれをやめると言われるともう何も信じられなくなります。
なんなら他の方法でこのセリフを吐いた人を殺して自分で生きていくまであります。 濃厚エッグタルト


さすらひて雪の匂ひのサキソフォン きのえのき  


❆「さすらい」という言葉が使われているだけで、テンションが上がります。好きな言葉です。さすらいの途中どこかの町で出会ったサキソフォン。雪の匂いのするサキソフォンはどんな音が鳴るのでしょうか。
動き、匂い、音。楽しい句でした。 里山子

❆美しい でんでん琴女

❆雪の匂ひという言葉にハッとさせられ、さらにサキソフォンという下五に楽器の手触りや音色が重なって、
五感を刺激される作品だと思いました。 岸来夢

❆サキソフォン一つを相棒にさすらいの旅。今日の泊まりは北国の小さな酒場か。降りしきる雪を潜り抜けたサキソフォンに唇をあてがえば、鼻腔に冷たい雪の匂いが。息を吹き込めば、熱を取り戻したように温かい音が酒場に広がり、雪の匂いは優しく溶けてゆくのだろう。
程よい省略が想像する楽しみを与えてくれる。 葵新吾


結婚を迫る年増の雪女 たま走哉


❆「もうコイツでいいワ」と結婚を迫る年増。しかもその女は「雪女」なんです。迫られる方も焦りますよね。結婚という現実と雪女というファンタジーを合わせて詠んだ意外性が面白いです。 山川腎茶

❆あはははは! こういう雪女も居ますか、楽しい! みづちみわ

❆怖い でんでん琴女

❆雪女になってもうどのくらい経つでしょう。
すっかりと年をとってしまった。でも、そんな私にもようやく「この人!」て思える彼が出来ました。「絶対逃がさない!!」雪の中結婚を迫っている雪女が走っているかと思うと恐ろしいやらおかしいやら。しかも、若くない年増。年増という言葉にいささか過剰に反応はしましたが、雪女にとって年齢は関係ない。だって長生きだから。描かれてはいない狙われた男の恐怖の顔も、年増のという言い回しのせいか、気の毒ですが可笑しく感じました。「ご愁傷様でございます。おとなしく雪女のものになってください。」      と伝えたい。  万里の森


皸のように記憶が繰り返す 龍田山門

                                  ❆皸が視覚的に痛覚的に刺激されているという実感が記憶というものと共に表されている一句だと感じました。
悪い記憶の方が鮮明に覚えているというのが人なんだと思いますが、季語の力によって感覚的に刺激されしかも見るたびに或いは疼くたびに繰り返すというところに共感させられます。 けーい○

❆水仕事の後の皸は見た目も痛そうだし、実際に痛い。なかなか治らず繰り返す。痛そうな記憶とはどんな記憶なんでしょうか!! じゃすみん

❆何度も何度も切れて痛みを伴う皹のように、何度も何度も辛い記憶がより一層記憶を刻んでぶり返すのでしょうか。
つらさで心がギュッと潰されるようです。 空流峰山

❆自分が心中に取り残されちゃった句を詠んだので、何だか勝手にその続きの人生のような気がして、、。
兼題の絵が取り残されて命からがらの記憶で、毎年、皸の度に、あの日の記憶がよみがえってくる。 「皸」が比喩的のような措辞なのに、手の痛みとともに心の痛みがありありと届く秀句です~(^^♪ げばげば


黒鍵の屈めば寒風の猛る 凪太 

                                                                                                                            ❆ピアノの黒鍵を押すのと天候が荒れるのとは関係がないはずなのに、
そこに関係性を見出す感性が羨ましいです。  濃厚エッグタルト

❆「黒鍵が屈」むのだから、鍵を押して戻らなくなったくらいに取るべきか。黒鍵が戻らなくなるほど練習されたり演奏されたりする曲、それがどんな曲かと考えると、暗い曲や不安定な曲調を想像するのは素人の偏見だろうか。しかし、その偏見そのままに読んでいくと、寒風が猛ってくるのである。練習を重ねた不安定な曲があって、黒鍵が壊れた、曲調も相まって、  外の寒風が猛るのもひとしおに感じた、そう読んだ。 千代 之人

❆一見何の因果もないのに、黒鍵を押した途端に寒風が吹く様が想像でき、なんなら寒さも感じられる。 錆田水遊

❆たった半音の違いに変わりゆく曲調。楽器は異なりますが、本句にじょんがらが聴こえて来ました。初代高橋竹山の世界観は大好きです。
 ※独りよがりな鑑賞ですいません。 まんぷく


銀河鉄道モノクロームの汽笛冱つ ひでやん   

❆銀河鉄道という言葉で夜空に浮かぶ星とそこを昇り行く機関車が浮かびました。そこに響く「モノクロームの」汽笛にとても魅かれました。
汽笛の音と白黒の色彩が重なり、
凍っていくイメージが広がった作品です。 岸来夢

❆「銀河鉄道」という言葉は、俳句で詠んでみたくなるワードです。こういう句大好きです。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」や、松本零士の「銀河鉄道999」、またいろいろな作品で銀河と鉄道は描かれてきました。この句は、そんな銀河鉄道への憧れが全部全部詰まっています。十七音の中に今にも動き出しそうな「銀河鉄道」が確かに存在しているのです。 里山子

❆銀河鉄道の色彩は、やっぱりモノクロで寒そうなイメージがあります。汽笛冱つというところが、冷たさを伝えると同時に、凍ってキラキラと輝いているようなイメージとなり、美しいです。 木ぼこやしき

❆昔々、普通に蒸気機関車が走っていたのを見たことがあるのですが、      記憶はモノクロームです。 鷺沼くぬぎ


鬼は外片方が重い天秤 つまりの  


❆鬼は外と豆まきをしているとき、水平でバランスが取れているはずの天秤の片方だけが重いという不思議な光景。見えない何かが片方に乗っているのか、天秤のバランスが崩れてしまっているのか・・・節分という節目には何か不思議なことが起きてもおかしくないと思えました。 岸来夢

❆いかにも心に何か抱えていそうな後半の措辞に、それを振り払いたそうな季語。振り払いたくても振り払えなさそう、でもそれを受け入れているような体言止め。好きなダーク感です。 凪太

❆トーホク生まれでして、蝦夷は討伐の対象、
我々は鬼の子孫かと。 鷺沼くぬぎ

❆美輪明宏さんがいつも言っている正負の法則でしょうか。
鬼はよくないものだが、駆除してしまうと正負のバランスが悪くなり、      それはそれで悪いことが起きそうです。 濃厚エッグタルト


二ン月やティムバートンは白が好き まんぷく

                                                                                                                            ❆ジョニーデップの白塗りですね!取り合わせとして好きです。反芻していくうちにどんどん好きになりました。
ティムバートンって俳句になるのですね、すごいです。 里山子

❆よくわからないのですが深い意味はないと思っていて(あったらすみません)目を瞑ってパッと印象だけをアウトプットしたらできたみたいな感じが逆に素直で好感を持ちました。ティムバートンのイメージとしては黒、青、グレーみたいな感じですがほんとは白が好きだったのか!そうだったのか!となる説得力。全句作者を見ないで選句したのですがまんぷくさんだったのですね。さすが遊びもお上手! かむろ坂喜奈子

❆ゾンビ女の子の映画があったような?リズムが好き。 充子

❆ティムバートンといえばナイトメアビフォアクリスマスが出てくるひとが多そうですが、この句の季語は敢えてのニン月。
このニン月が、彼の作品のなかのコミカルなリズムを感じさせる。
また措辞の「白が好き」というところも、ゴシックカラーもしくはビビットカラーの世界感をつくりあげる彼なら……、と思わず頷ける。 髙田祥聖


感想文5件

雪しぐれ小袖に包む殿の首 月硝子

                                                                                                                           ❆こわ!こーわ!こーーーーわ!フィクションですからね、このくらいの勇気がいいです。素晴らしい! かむろ坂喜奈子

❆敵に落とされた殿の首。そのままにも、敵に渡すのも口惜しい。
小袖に隠し持って逃げる忠臣を思いました。また逆に落とした敵の殿の首を早急に主へと持ち帰る姿も思い浮かべました。 空流峰山

❆怖い。ただひたすら怖い。でも怖いだけじゃなくて、物語の背景を想像できるところが良いです。 錆田水遊

❆時代劇好きとしてドラマ感じます。 充子

❆現実的に考えると凄惨な映像なのですが、雪しぐれと時代背景がファンタジーのような美しさと切なさを感じさせます。 小袖の主は殿を愛している。晒し首を雪闇に乗じて取り戻して来たところ。見張りの役人の目をくぐり抜けて、やっと二人になれた嬉しささえ感じられます。 夏 湖乃


タクシーは深夜料金わすれ雪  里山子 

                                                                                                                            ❆「は」が良いですね。中島みゆきを思い出します。深夜のタクシーと忘れ雪、ただ事象を並べただけなのにこの切なさ。 閑々鶏

❆タクシーの運転手は雪が深いことに気を取られたのか。はたまた、雪の中へ向かうお客さんに同情して深夜料金にしなかったのか。
「わすれ雪」の解釈が分かれると思いますが、私は平仮名表記にしたことで、「わすれ/雪」と切れがここに入るようにという作者の意図なのだと解釈しました。 DAZZA

❆残業で帰る頃にはこの時期にはめずらい雪。
深夜料金を払う時間帯に乗る人の疲労感も感じられます。 空流峰山

❆タクシーが深夜料金になるくらいの遅さまで、お別れをしていた感じか。タクシーに深夜料金があると知っている、いい大人がわざわざこの措辞を置いていたとして、そこに忘れ雪が来る。本当に名残惜しいくらいの恋がそこにあったのかもしれない。 千代 之人

❆夜更けの街でタクシーを捕まえて、一人で乗り込む情景が目に浮かびました。しばらくすると雪が本格的に降ってきたようです。深夜料金という言葉と季語「忘れ雪」が合わさって、夜の寂しさとひとりである孤独感が表わされていると思います。 山川腎茶


3カメ、はい雪女郎の嗚咽を抜いて 登りびと

                                                                                                                            ❆勝手に拙句にも似たものを感じました。(たぶん登りびと大先生の方が先に投句されたと思います。すみません)拙句よりも登場人物が多くて広がりがあるところが素晴らしいです。                                                                    たった17音なのに、と改めて思わされます。 かむろ坂喜奈子

❆季語として雪女郎が機能しているのか?という賛否はありそうですが凄く面白い一句です。
雪女ってすごく冷徹な心を持っていて人間を襲うイメージがありますが、
雪女自身も精神的に辛くて辛くてしかたないのかもしれません。 けーい○

❆いつでも冷静、冷たいはずの雪女郎が嗚咽しているところにギャップを感じ、さらにそれを同情するのではなく、機械的に3カメで抜くところに笑っちゃいました。 濃厚エッグタルト

❆映画の撮影での監督の指示なのですね。この場面の発想は驚きました。「、はい」が大変効果的です。 山川腎茶

❆雪女の面白い句たくさんあったのですが「3カメ」の言葉の経済効率が良すぎて笑いました。
カメラが止まったら絶対真顔でしょこの雪女郎。「3カメ」から広がるコメディな世界が好きです。あとリズムも好きです。  嶋村らぴ


失くしたるピアス一粒ざらめ雪 夏 湖乃

                                                                                                                          ❆ざらめ雪のような大粒の雪の中に一粒ピアスを落とせば、確かに見つからないだろうなと思いますが、それでも探しているのは、きっと大事なピアスだったのだろうと思いました。絶望感が伝わります。 木ぼこやしき

❆このピアスは戻って来ないのでしょうね。
でも、失くしたピアスの片方がありありと見えて、私もざらめ雪を掻き分けて探してあげたくなりました。最近、私もとても気に入っていたアクセサリーを無くしたばかりなので  唯果

❆ざらめ雪が良いですね。雪に手を当てて探してる印象が湧きます。
片方とかでなく一粒と表現したのもざらめ雪と合っていて好きです。 閑々鶏

❆小さなダイヤか真珠のピアスを想像しました。
ざらめ雪の粒が、そのピアスの輝きと、失くした心のざらざら感ととても合っていると思いました。 岸来夢

❆もしかして、わざとなくした、そんな風にも思えた句。              女心がみえてくる気がしました。 猫髭かほり


冬珊瑚直に戻ると言ふたきり 暖井むゆき


❆大切な人を案ずる情が溢れてきます。明るさと幼さを捉える視点に母性も感じました。
初めて出会った季語でしたが、一生忘れないと思います。 まんぷく

❆悲しい でんでん琴女

❆紅珊瑚の玉簪をさした若い女性を想像しました。
直ぐに戻ると言ったのにもう何年も帰って来ない…。 唯果

❆冬珊瑚が揺れている。少し冷たい風がふいていて冬珊瑚の横に佇んでいる人がいる。「彼女は直ぐに戻ると言ったのに」という声が聞こえてきそうです。彼女は自分の意思でいなくなったのでしょうか。それとも…。
一体今頃はどうしているのか、長い時の流れも感じます。昔一緒に植えた冬珊瑚もすっかりと育っている。そんな風に感じました。  万里の森

❆それっきりで音信不通。未練、心配、仕方なし、諦め…。
その人はどういう理由があって「言ふたきり」なのか。待ってる人もどんな思いなのか。色々想像できて面白いです。 空流峰山


ではなくて、生まれついての雪女 月波

                                                                                                                        ❆手練れ!こういう季語にはこういう余韻や謎を残す措辞がいいですね。   センスがきらり。 かむろ坂喜奈子

❆句の前の会話が想像できて楽しい。雪女だと正体をばらしたあと、
相手が信じてくれなくて一生懸命説明してるよう。 錆田水遊

❆一旦傾聴してからの否定に大人の対応を感じます。まして雪女なればの説得力に沈黙してしまいます。
一体相手は誰なのか、ドラマはどう展開していくのか、、、
Season2に期待(笑) まんぷく

❆途中からの雪女もあり?想像が膨らみます。 充子

❆「ではなくて、」の前にどんな言葉があるのでしょう。
誰かが、「あなたは後から雪女でしょ」とでもいっているのでしょうか。いや違う!そうか!何かあってあとから雪女になったわけではなくて、私は生まれついての雪女!もともと雪女だったのよ!そこらへんにいる、何かあって後から雪女になった奴らと一緒にはしないで、私は本物なの!永遠に!  と力説している様を勝手に想像しました。
ユーモアがあって大変楽しい。 万里の森


手袋を買うのわたしもさみしいの 太平楽太郎                                  

                                  ❆人はみなそれぞれ寂しさを抱えていると思います。でも、素直に寂しいと言ったり人に甘えたりするのは案外難しいことです。
そんな自分のために手袋を買う。「わたしもさみしいの」と呟いてみる。 そんな時があってもいいよね、素直にさみしいって言ってもいいよね、
と思わせてくれる素敵な作品だと思いました。 夏野あゆね

❆手袋を買う行為と寂しさの間に現実的な相関性は多分ない。ないけれども、この納得感は何だろう。詩的現実において手袋の本質は寂寥であるからに他ならない。モノが持つ真性を視ることが出来る人の佳品。 龍田山門

❆いつも手をつないでいた相手と離れてしまったのかなと想像しました。 口語であることでいっそう感情が伝わってきます。
明るい色の手袋を買って気分が上がると良いですね。 日向こるり

❆手袋って手しか温めないようでいて、あるとないでは感じる寒さが随分と違いますよね 助手「も」を読むに、他者から頼りにされていた負担のようなものがあるのかもしれません 作者は心の寒さを紛らすべく、小さな手袋を求め歩くのでしょう はんばぁぐ

❆これも雪女かなと思いました。さみしいから手袋買ってみようかな。指先だけでもあたためたら、少しさみしくなくなるかも。そのかわり消えてしまうのかもしれません。いつか雪の上に片方だけ落ちている手袋を見たことがあります。雪女が残していったものでしょうか。
ふかふかなかわいい手袋だったな。 つまりの


感想文6件

歌います「負けないで」元雪女郎 かむろ坂喜奈子

                                                                                                                              ❆元雪女が「負けないで」をバックに走っています。私たち世代にはバイブルのような歌。そしてやはり24時間テレビのマラソンを思い出します。ゴールに近くなった走者はヨレヨレになりまさにモノクロの中のあの人物が浮かんできます。しかも、雪女郎ではなく、元!雪女でもいられなくなった女性の悲しい現実と楽しく元気づけられる歌が絵と反比例していてなにか切なく可笑しい。 万里の森

❆いきなり「歌います」からのはじまりがおもしろいです。「元」とあるので、今は何なのでしょう?人間でしょうか??もし人間だとしたら、どうやって人間になったのでしょうか?楽しく想像が膨らみます。しかも、選曲が「負けないで」。初めから最後までおもしろくて好きです。 新開ちえ

❆バワーワードしかない十七音!優勝! みづちみわ

❆季語をOGにしていくスタイルに感涙しました。マヂでイベントやCMのキャッチに使えそうなクオリティだと思います。北京オリンピックとダブらせて鑑賞出来たのも印象的でしたね。 まんぷく

❆雪女郎一本だけじゃ食っていけないからスナックで働き始めたんでしょうか。 冷たいはずの雪女郎が熱い「負けないで」を歌っているところのギャップにやられました。 濃厚エッグタルト

❆なんと言っても「元」が面白い!今は結婚して幸せな家庭を築いています的な人物を想像しました。現役の後輩雪女郎を応援するような元気な選曲。のど自慢大会と雪女郎の意外すぎる取り合わせに惹かれました。 月波


雪刺さる私の声が聞こえない 梵庸子

                                                                                                                            
❆叫んでも叫んでも強く降りつける雪で声が届かない。
悲痛な叫びを感じました。 空流峰山

❆自分の声が聞こえないほどの雪が刺さる悲しみと絶望。でもそこで何故かギリギリ踏ん張っているような気がします。 楽花生

❆上五の「刺さる」という感覚が生々しい。吹雪のような雪だろう。実景とも心理的描写とも読める中七下五が胸に迫る。
私の声は誰にも届かない、そして自分自身でさえ本当の自分の声が分からなくなっているのではないか。
刺さってくる雪の痛覚だけが生きている証のように感じられる。 葵新吾

❆激しい雪の中を1人で彷徨うというのは、きっとこういう感覚なのだろうと思いました。「雪刺さる」という措辞がお見事です。
声を出してみても、激しい雪にかき消されているのか、自分の声帯が疲弊してそもそも本当に声が出ていないのかそれすらも分からない、そんな厳しい吹雪の夜を思いました。 夏野あゆね

❆音が聞こえぬほど吹雪く状態とよくわかる。 充子

❆辛い気持ちがよく伝わってきました。雪って刺さってくるんですよね。
雪が刺さってくることで、弱っていた心が余計傷ついていく。
自分の声が聞こえないほど雪に刺され、最後にはもう声を出すことさえ諦めてしまう。そんな人物が見えてきました。 村瀬っち


人待夜しじまに雪のつのる音 ヒマラヤで平謝り  

❆人を待ってると何もすることがなく来るかどうかの不安もあって周りに敏感になりますよね。
それがしじまを感じ、しじまに雪のつのるささやかな音を拾う。
人を待っている時の心理が情景から伝わってくるとても丁寧な素敵な句だと思いました。 閑々鶏

❆字面から「人待夜」が恋人でも待っているのかと思い、念のために広辞苑で調べてみたが、「人待夜」という言葉は無かった。
そうとくれば、「人待ちの夜」と捉え、誰かが来るのを待っている夜という意味で解釈していった。
「誰か来るのを待っている夜である、静寂に雪が積もっていく音が聞こえる」。では、誰か来るのを待っているのは誰か。
兼題イラストからすると雪女だが、誰がどこで、雪の積もる音を聞きながら待っているのだろうか?
その人物像を思い描きだすと、きっとドラマが始まる。 千代 之人

❆恋しい人を待っている夜と読みました。雪の深夜は街も静か。                  待っている人の足音や気配が聞こえないか、耳を澄ませている私にしか聞こえない雪の降る音。
募る想いが雪の音と重なる、純粋さと切なさを感じました。 岸来夢

❆人を待っている気持ちを雪に託していて、寒さと共に主体のつのる気持ちが伝わってきます。
雪が落ちても音なんてしないのに、美しい音を想像させられます。錆田水遊                                                                                                                             ❆何時でしょうか?静まり返った夜に雪がますます激しくなってくる。      それでも待人は来ず…待ち続ける男。
体の芯から冷えていく感じが伝わって来ます。
待人は 来たのでしょうか? 唯果

❆その音、ほんとうに雪の音なんでしょうか……。
くり返し口にするうちに、自分の“ナカノオト”が大きくなるのに気付きました。人待夜、だからでしょうか……。 どいこい


しかし感想文ってすごいですよねー・・・。
「もうワケわかんねえから俳句やめたらぁ!!」って思っても、
こうしていただいた感想文を読み返すと、
もう少し頑張ろうと現金にも思い直してしまいます。
ヒマラヤで平謝りの句にご感想お寄せいただきありがとうございます!


さぁいよいよ感想文7件頂いた句のご紹介です!
今回もたくさんの感想文が寄せられましたので、まだまだまだあります!
ご自分の句だけで読むのやめてませんか??
2、3日かけて読む覚悟を!!

感想文7件

コンタクト見つからん雪降って来た オペラ座の俳人


❆あああ、あるある。北海道でコンタクトしてたので実感1000%です。
絶望of絶望なんだけどこの口語の雰囲気からなのか明るさがあって好きです。 かむろ坂喜奈子

❆リアルな雪だ。大雪ではない。およそ都会のアスファルトに降る、解けては消える雪だろう。ただでさえ落としたコンタクトレンズは見つけにくい。地面はびちゃびちゃ、日も暮れてくる。視力の落ちた目では見つけることなど不可能に近い。予報通り今夜は冷え込みそうだ。諦めてさっさと帰ろう。そんな雪だ。 葵新吾

❆コンタクトユーザーではないですが、この切実さ、焦り、切なさはとても伝わります。 仁和田 永

❆外でコンタクト落としたら大変なところに雪・・・
寒さもそうですがコンタクトが汚れてしまうしもし積もってしまったらと思うとこれは一大事です。 けーい○

❆金の国というコンビのコントを思い出しました。
喧嘩してる二人が雪の美しさに仲直りするコントで大好きなんですが、      この句も悲惨な状況なのかも知れませんが、状況を変化させる雪の季語の力がとても効いていると感じました。  常幸龍BCAD⚾️

❆外で落っことしたところに雪!大変!
口語ならではの飄々とした味わいですね。 みづちみわ

❆落としたコンタクトを見つけるのは至難の業。
その上に雪が降ってきたなんて、絶望が身に迫ってきました。 じゃすみん


お弁当あたためますか雪女郎 常幸龍BCAD

                                                                                                                            ❆雪女郎はこんな優しい言葉をかけられたら涙しちゃうと思う。
「お弁当あたためますか」に雪女郎という季語を取り合わせた妙味。
あたためますかがひらがななのも上手いなと思います。 唯果

❆面白い でんでん琴女

❆コンビニの入店音、レンチンの音、黒い髪、そっけない?温めますかの
セリフ、外は雪?夜?
細かな映像が想像出来て楽しめる。好きな句です。 銀紙

❆大好きです。「あたためますか」って聞かれたらつい「お願いします」と答えてしまいそう。 でも、あったかいお弁当触ったら溶けちゃうんじゃないか、心配です。
雪の降るな中お弁当抱えて、「あたためますか」って聞いてくる雪女さんが怖いような、かわいそうなような‥‥。不思議な世界です。 つまりの

❆この取り合わせに惹かれます。なんでしょうね、この軽やかさ。軽やかなのに、雪女の悲しみみたいなものまで見えてきてしまうこの感じ。そして、「お弁当あたためますか」と聞いているバイト高校生までイメージさせてしまう。物語のふくらむ句で、羨ましいです。 村瀬っち

❆雪女郎がコンビニでお弁当を温めてもらう様子がなんだか可愛いと思います。 じゃすみん

❆あたためますか?が、誰の台詞なのか…聞かれている側で断るのか、          断らないのか、それとも聞く側なのか?                                                            雪女郎の季語が楽しく想像を広げました。 猫髭かほり


雨男みたいなノリで雪女 山本先生


❆「あなたが雨男なら私は雪女」晴れと雨は言いますが、「雪」は言いませんね。雪男、雪女は別のものを想像するからでしょう。でも今後若者の間ではそういう使われ方もされるような気がします。この作者のことですから、そう感じているような気もします。 山川腎茶

❆こんな雪女も居て良いと思った。スタバ辺りでくっちゃべっていそうだ。外はどんどん雪が激しくなっていく、出て行く気力も失せるほどに。
「どうせすることもないし、あたし雪女だし。」
お喋りも雪も止む気配はない。 葵新吾

❆とにかく軽快で楽しく、
雪女を新しい視点で捉えていると思います。 きのえのき

❆雪女という言葉を使っているのに、描写しているのは本当の雪女ではないという高度なテクニックに鳥肌が立ちました。
口語の軽い感じも素敵でした。 濃厚エッグタルト

❆「また雪かよ、誰だよ雪女は!」「やっぱお前かよ」このノリが雪女に当てはまると面白いですよね。視線の先に恐縮している雪女さんが見えてくる気がします。友達になれそうです。 つまりの

❆雪女は何かを諦めたのか。化粧台の前で出番待ちの雪女がおしろいをはたきながら、「あ~わたし~、雪女だからね。行くと降っちゃうのよ~」と笑いながら話している。「雪女?あ~大したことないのよ、ほらよく雨男っていうじゃない?そんなノリ!」と雪女について、サラッとかわしている。元祖を力説したところでなかなか伝わらないし、ま、雨男的なノリでいいでしょ!という感じが可笑しい。  万里の森

❆こんなふわぁ〜っした雪女の句があるのかと、驚きと感動、、、
雪だから有りかも(笑) 
「寒いの最初だけだから❤️」と口語で話す雪女の台詞が頭を駆け巡ります。まんぷく


口紅を折れば寒月の障る 仁和田 永   


❆口紅を折るのはどんなときだろうか。失恋、いやもっと激しい感情かもしれない。いろんな想像が膨らむ。そして己の負の感情が通り過ぎたとき、寒月の冷たい明かりが心に体に障るのだろう。折れてしまった口紅の赤と寒月の白さが、ズキズキと心に響いてくる。 葵新吾

❆これは、怨念めいたものを感じます。
最初に絵を見た時の、ちょっと怖い感じがまさにこういう怨念の怖さだったように思います。私も少しぞわっとする句が詠めるようになりたいと思いました。 木ぼこやしき

❆正直言って意味は良く解らないのですが、一音足りない不安定さと、  口紅を折るという強く激しい動作が 心をざわざわさせる一句。 唯果

❆ミステリアスなドラマのオープニングのような映像。
さらりとこんなカッコイイ句を詠んでみたいです。 きのえのき

❆「障る」が良い  でんでん琴女

❆折れたのか、折ったのか。大人の事情を感じる展開がニクいです。   作者が男性なのも驚きですが、後半の芸術的なフレーズに、      「島耕作」のようにブイブイ言わせていた仁和田さんを想像したりもしました。 まんぷく

❆解釈も鑑賞もうまく言葉にできませんでしたが、この句の何かに強く惹かれました。いつか理解できるように勉強を頑張ります!     濃厚エッグタルト


心臓が重くて雪の沈みゆく 磐田小


❆心臓が重いという心理的描写と雪を踏むと自身の重みで沈んで行くという物理的描写との響き合いが良い一句だと思いました。 心臓が重いとは精神的に何か辛い事があったのか?心臓に何か病を抱えているのか?雪道が辛くて心臓がばくばくして重いのか?色々想像させられます。 けーい○

❆この心臓は、もしかしたら作者自身だろうか。そして、素直に読めば「心臓が重いから、雪が沈んでゆく」と因果関係に読めそうだが、私はそうは思わなかった。心臓に重さを抱える作者の心が、雪の上に降り積もる雪を「沈みゆく」と捉えたのだろう。そう言えば、この句を読んで三好達治の『雪』を思い浮かべた。太郎にも次郎にも、そして作者にも雪は優しく降り積もる。どうぞ心穏やかに眠れますように。 葵新吾

❆一見心臓を定義しているように見え、雪の柔らかさの所以を論破している力強さが凄いです。
頭脳ではなくハート、詩の深みにもハマりました。 まんぷく

❆鬱々とした心を感じます。なぜ己の心臓は動いているのか。雪に沈む身は心理的にも物理的にもどんどん動けなくなっていく。
毛布と温かな飲み物を持って駆けつけたくなる句です。 このはる紗耶                                                                                                                               
❆心臓が重いとは…つらさの表現の中でも最上級。
読み手の心も一緒に重く沈んでいきます。 日向こるり

❆心臓が重い。実際の心疾患ではなく、ストレスやプレッシャーと言ったものを感じてのことだろうか。そして、「雪が沈みゆく」。 雪とは本当に「沈む」ものである。
積雪があった時、表層部がとけて水になり、その重さで積もった雪が硬くなっていく。沈むというか、締まるというか。
雪が沈んでいく様に、自分の心への負荷を託した句なのだろうが、わたしとしては共感性は高い。  千代 之人

❆心臓が重い。生きることの苦しさそれでも前へ進まなくてはいけない。    そして雪に沈んでいく悲しみが全身を包んでいくようです。 楽花生


感想文8件

息吐けば重き乳房や雪をんな 朝月沙都子 

                                                                                                                            ❆乳房の重さで、雪女という想像上の曖昧な存在が生きている存在なのだと感じさせる。生の実感。 錆田水遊

❆生々しい肉体感覚と雪をんなを取り合わせることで、逆にかそけさや冷たさが強調されるように思いました。吐く息の白さ、白い乳房、雪をんなと、白の濃淡を重ねた技巧的な作品ですね。 月波

❆持つものの贅沢な悩みですね。でも胸の動きや肩の重たい感じが持たざるものにもよく伝わってきてよかったと思います。さらに乳房は子を育むためにあるはずなのに、子を持たない雪女が持っていても意味ないのではという嘆きまで聞こえてきます。 濃厚エッグタルト

❆女って大変なのよ、男には分からんわ...。 鷺沼くぬぎ

❆ため息でしょうか、ここに重き乳房があることを思い知らされる。          雪女の悲しみが感じられます。 じゃすみん

❆雪をんなの乳房という生々しさ。それが息を吐けば重たいというのはどういうことなのか?雪をんなの息遣いが聞こえてくるような句 唯果

❆乳は張るのに赤子がいない…。
そんな情景なのかしら。辛いです。 空流峰山

❆深く息をすれば、なんと思い乳房だろうか。雪女。 初めは「や」がどれだけ効いているのか?乳房と女の距離が近すぎるのではないか?と感じたが、ふと気づいたのが、中七までが下五「雪女」の実感だとして、妊娠していたり、乳飲み子を抱いている雪女が思い浮かんだ。
そして思い出したのが、雪女のこんな話だ。吹雪の中、乳飲み子を抱いた美しい女が現れる。そして、「この子を抱いてくれませんか」と言ってくるそうだ。この子を抱いたが最後、乳飲み子はどんどん重くなる。抱いた人は身動きを取れないまま雪に埋もれていき、凍死するのだ。
己の乳房を重いと感じる雪女がいる。
その深い息は、人間の魂を吸収しないと生きられない業を嘆いているのかもしれない。 千代 之人


あの宿に着けたら鱈場蟹食うんだ DAZZA


❆ちょwそれ死亡フラグwwwwww
こういう遊び心とても好きです! みづちみわ

❆これヤバいやつじゃん、フラグ立ってる! と他人事にもかかわらずヒリヒリしました。 (拙句も少々影響を受けてしまいました。) どいこい

❆見事な死亡フラグを立ててくれました。この一言だけで言った人の状態、周りの状況まで想像できてすごいと思いました。 濃厚エッグタルト

❆これは見事なフラグ。無事に宿で蟹をたらふく食べているシーンと、たどり着けずに雪の中に倒れるシーンの二つを思い浮かべることができます。  倒れたとしても脳裏には鱈場蟹が浮かびますから、翌朝の発見者に「綺麗な顔してるだろ」って言われる…かな。 日向こるり

❆ひたすら鱈場蟹のことだけを考えて宿に向かう人物。
その背景にあるものはなんでしょうね。俳句っぽくないのかもしれないけれど、こういう17音、好きです。 村瀬っち

❆『かまいたちの夜』を思い出しました。たどり着けるか、着けないか、絶妙なラインですね。「ずわい蟹」ではこうはいかない。
漢字のインパクトも効果的です。 いかちゃん

❆遭難したら最後は食欲か?面白くて過酷さを想像させる。 充子

❆実経験から思わず笑った句。
若いころ、海に沈む夕日を見たく、また、鱈ちり鍋を食いたく、                  仙台から山形の日本海側に向かったことがあった。
仙台から山形まで行くには山越えをするが、山間部は雪の量が半端ない。 
この句では鱈場蟹が目的となっているが、
「生きてたどり着ければ旨いものが食える」という思いはメニューが違っても変わりはないものである。 千代 之人


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永遠に一人しりとり雪女 新開ちえ

                                                                                                                           ❆孤独のループ感が好き。 充子

❆雪女に限らず、ひとりでいることは寂しさ以上に自由であるということ。永遠なのに何かしら呑気に楽しもうという気分になります。
私も手持ち無沙汰な時は、スマホのゲームではなく、一人しりとりをして過ごそうと思えたどこかしらキュートな一句です。 きのえのき

❆悲しい、。けれど案外雪女が存在していたら本当にそうなのかもと思わされてしまいました。 誰かが来るまでずっと一人しりとり。
「雪女が永遠に一人しりとりをしている」と読みましたが、雪女ではない人物が、 雪女が出そうな景色を見ながら一人しりとりをしていても面白いなと感じました。化物の雪女の句、というより何となく、生身の人間の人生めいたものを感じました。 嶋村らぴ

❆雪女の存在の孤独さをうまく表されてます。
使いづらい「永遠」という言葉が違和感なく使われていてすごい。錆田水遊

❆雪の中に1人。永遠に一人。終わらぬしりとり。
切なくなってきました 空流峰山

❆雪女って美しく冷酷なイメージがあるが、ここに描かれている雪女の何と寂しいことか。1人でいることは寂しい。
それが永遠に続くなんて気が狂いそうな孤独だ。
1人しりとりには終わりがない。雪の中でぽつりぽつりとしりとりをする雪女の声が雪嵐の中に聞こえてくる気がした。 たまのねこ

❆皆さん静かに一人でやっておられるのが浮かびます。
雪女あるある(架空)を見つけた功績に一票!  かむろ坂喜奈子

❆寂しいから、永遠に続いてしまう一人しりとりを始めてしまった雪女。
寂しさとおかしみを併せ持っていて魅力的だと思いました。 岸来夢

❆考えただけで可笑しい。ひとりで一所懸命にしりとりをしているけれど、ひとりだから終わりがこない。終わらせようと思ったらすぐにでも「ん」をつければいい。ものすごく暇なのか孤独なのか。ちょっとまって、尻二字しりとりでは「んぼ」でもしりとりをしていたぞ。となると、やはり雪女のしりとりは永遠なのか。コストゼロで行える永遠の暇つぶし。いったいどんな内容なのだろう。「ゆき?きつね?ねんねこ?こどく?くるしい…」
あ、負のスパイラルになってきたのでここら辺で。 万里の森


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マカロン・ド・ナンシー春はぽろつと来 いかちゃん

                                                                       ❆マカロン・ド・ナンシーを調べました。マカロンの元祖のようなお菓子で見た目は素朴。 マカロンをかじる食感に春の訪れを感じるところが楽しいし、気付きの嬉しさが伝わります。 夏 湖乃

❆「マカロン・ド・ナンシー」という長い言葉が俳句になっているのにまず驚き。そして他のお菓子ではなく「マカロン・ド・ナンシー」だからこそ「ぽろつと」がとても活きていると思いました。
遊び心も感じられて、感嘆のため息が出ました。 岸来夢

❆マカロン・ド・ナンシーというフレーズが頭の中でリピートされるうちに小さな春が生まれました。
それは柔らかな雪を含む素朴な土のような修道女によって作られたという お菓子。したたかさを秘めて春は優しく歩いて来ます。 きのえのき

❆マカロンはマカロンでもマカロン・ド・ナンシーは 素朴なお菓子なんですね。 表面が固くひび割れているので確かにぽろっと行きそう。
この春は都会じゃなくて田舎の春のような気がします。  唯果

❆マカロン・ド・ナンシーって何だろと思って調べたらお菓子なんですね。食べたことはないのですがいかにも春がぽろっと来そうなお菓子でした。  一度味わってみたいです。
食べるときにこの句を思い出しちゃいそうですね。 染井つぐみ

❆マカロン・ド・ナンシー、調べましたよ!
ナンシー市の、人呼んでマカロン姉妹の焼く、素朴で優しい味の、外はほろほろ、中はしっとりなマカロン。 春の、ちょっと呑気な空気の中で、美味しいお茶を飲みながら、私も、ぽろっと来てみたい。 朝月沙都子

❆何か固く重たいものが解き放たれたような、それでいて何処か儚いものを描かれる力加減に感服しました。
殆どがマカロンの描写なのに「春」を定義づけるのも流石です。 まんぷく

❆「ド・ナンシー」は初耳で、調べてみたら素朴な色合いのフランス菓子でした。兼題の絵から、このお菓子の由来となった修道女を思い浮かべるとは、さすがです。
春が「ぽろつ」と来るという措辞も素朴なマカロンと響き合います。
雪の間からのぞく土、ほころびはじめる蕾なども連想します。 日向こるり

❆まず修道女を連想された想像力たるや。
そして静謐な感じを受ける絵に対し、甘いお菓子とうっかり春になる様子を詠った句のギャップにやられました。マカロンをポロポロさせながら春を待ちたい気持ちになりました。 上峰子

❆最初は取り立てて何も感じていませんでした。だんだん暖かい日が増えてきてそういえば春ってぽろつと来るなと感覚が蘇りその時にこの句もまた心に蘇ってきました。同時にお題の絵、マカロンの食感、マカロンの物語も蘇り575でこんなに沢山のことがと。
素晴らしい俳句体験をもたらしてくれました。 閑々鶏


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ふたりって奇数かしらね雪女郎 銀紙

                                                                                                                              ❆一読、心を撃ち抜かれました。ふたりは偶数でしょう・・・と思う常識を覆す雪女郎の問いかけ。問われてみると、数字は奇数と偶数に分かれるかもしれないけど、ふたりというのは人の「数」にしてはいけない気がしてきます。深く、考えさせられました。でも、「かしらね」というのが作品に柔らかさを持たせていると思いました。  岸来夢

❆雪女郎を数える時はふたりをひとりとするのか、それとも影が重なって見えているのか・・・。なんだか気になる句で好きです。 じゃすみん

❆いち二人、に二人、二人を量詞として捉えたところに感心しました。
二人になっても雪女郎は相手を殺すから、
最終的に一に戻るという鑑賞もできましたが、後者は後者で雪女の性質を  上手に捉えていると思います。 濃厚エッグタルト

❆えーっなんでなん! から始まり、句意を読み解く楽しみがありました。
恋中なのか片方の沈黙を揶揄しているのか、、、最終的には赤子を抱えた雪女郎のシングルマザーの目線で鑑賞しました。 まんぷく

❆意味がよくわからないところが面白いです。
理屈を考えると、雪女と二人になったらすぐ凍死するので、二人だと思っても一人になってしまうという解釈もアリかとは思いましたが、そんなことを考えない方が面白いですね。   仁和田 永

❆発想が天才のそれ。
映画一本観たかのようなドラマを感じます。 山本先生

❆偶数じゃなくて「奇数」が効いていると思います。なんとなく惚けた感じで、飄々としていて、そこに季語の「雪女郎」が来ることで、違った角度の不思議感が出てくる。うまいなぁ、と思いました。 村瀬っち

❆これは面白いです。
このセリフを言いながら自分に寂しい思いをさせる男を〇して、結果奇数になるという場面が見えるような...  かむろ坂喜奈子

❆率直に素敵だと思いました。ふたりだけど、ひとつ。でも、そう言える関係性に飢えているのかもしれません。
季語の雪女は振り向いたら居なくなっていそうな儚さもあり、振り向いたら自分の連れを拐かしているような冷たさもあり、
どう物語を展開させてもふたり=奇数の図式を成立させることができ恐ろしいのに優しくて、儚いのに神々しいような気持ちになりました。 DAZZA

❆ついなくなるか知れぬ彼女といるのは一人も同じ。 充子

❆ふたりでいる時の方が孤独を感じると言いますが、
奇数かしらねって耳打ちされると雪女でさえも愛おしくなります。
斬新な十二音が優しく季語をプッシュしています。 きのえのき


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卒業の黒板ちっぽけな復讐 日向こるり

                                                                                                                           ❆今日でこの学校に来るのはもう最後。最後になにか残しておきたいと黒板に書いたもの。 黒板一面に書いたのか、隅に小さく書いたのか。
「復讐」だけど「ちっぽけな」というのが微笑ましいです。 空流峰山

❆今まで受けた仕打ちを告白したのか、それとも他のことを書いたのか、
想像したらゾッとしました。 濃厚エッグタルト

❆なるほど、黒板にも見える!と思った一句です。直接言えないから、ちまちまと黒板に書くことでささやかな復讐をしているこの子がいじらしい、
と思いました。 木ぼこやしき

❆黒板までで一回強く切れるのがいいですね。青春らしさ爆発の瑞々しい句です。ちっぽけな復讐は、たとえ気づかれなかったとしても実行したことに意味があるのでしょう。「ちっぽけな」が復讐の度合いをしっかり表しているところもよかったです。 里山子

❆あの絵を見て黒板の絵として句を作られたことに驚き。
みんなが「ありがとう」とか「また会おう」とか書く中に小さく雪女の落書きをしたのかも。
主体の学校生活に思いを馳せてしまいます。  錆田水遊

❆その人の学校生活が見えてきて惹かれます。
強く生きていくんだろうなあと思います。 山本先生

❆読んだ瞬間、ビビッときました。「卒業の黒板」と「ちっぽけな復讐」の取り合わせがとても衝撃的で、ドラマを感じました。
卒業までの三年(六年?)間に溜まりに溜まったものを、「ちっぽけな」 形で復讐する。どんな復讐なのかはわかりませんし、気持ち的なことなのかもしれませんが、それは読書に委ねられているのです。
好きだなぁ、この句。 村瀬っち

❆兼題イラストの背景が黒いので、黒板を思い描く発想もあると思う。
そしてまた、卒業式の日に、黒板に小さく書かれる、ちっぽけな復讐とはなんだろうか?
想像してニヤニヤしてる自分はやはりおっさんなのだろう。 千代 之人

❆卒業の黒板には、華やかな言葉や桜の絵などが書かれますね。
この「ちっぽけな復讐」はそれらの言葉や絵が書かれる前に夕方、それともみんなが帰ったあと書かれたのかなと想像が膨らみました。
復讐ではこわいけど「ちっぽけな」復讐というのはなんだかいじらしいような「ちっぽけ」でもいいから復讐したかった心の闇のようなものも垣間見れて好きです。 まぐまぐ

❆卒業式の日の朝に、卒業生たちが教室の黒板に重い思いの言葉を書いているのだろう。
それは、「このクラスでよかった!」とか、「最高だった!!」とか、学校生活が楽しかったことが前提で書かれている。そんな中にいてこの句の主人公はそうではなかったのだろう。
かと言って、それを今更周りの大人に言ったり、弾劾したり騒ぎ立てたいわけではない。もう終わる学校生活なのだ。
でも、誰かに自分の思いもわかって欲しくて、わざと書く後ろ向きな言葉。どんなことを書いたのか物凄く気になり惹かれました。 たまのねこ

❆黒板に今までの思いを吐き出してすっきりとした心で卒業する。それをちっぽけな復讐としたところにこの人のやさしさを感じました。   じゃすみん

❆この鬱屈を僕は愛したい。学校だけでなく社会そのものが支配と被支配の構造で成り立っている。そして僕らは多くの場合、被支配者である。俳句を刻む行為は不条理への小さき復讐かもしれない。卒業の黒板。      この切れの後の暫しの沈黙に作者の痛みが滲んでいる。 龍田山門

❆きれいな黒板アートではなく、寄せ書き的なものを思いました。
「ちっぽけ」なので自分、あるいは特定の人にしか分からないことを書いたのでしょう。
喜びとか希望の言葉の中にある、ささやかな復讐の気持ちにリアリティーを感じます。お題の絵からの発想に独自性がありました。  月波

❆高校の時の担任が嫌いで嫌いで。クラスも嫌いで。
クラスのみんなが感動して泣いてる中、今思うと誰も気づいてないと思うけど私はこの人たちと一緒に感動していないという爪痕を残しました。
私の苦くて痛い卒業が鮮やかに蘇り泣きそうです。 閑々鶏



ご覧の通り、今回も多くの感想文を頂きました!
ありがとうございます!

感想文募集開始の序盤から中盤まで、日向こるりさんが単独トップでした!
銀紙さんいかさんちゃんが猛追してくるも、わずかに届かず、
募集締め切り前日まで単独トップでしたが、三名の後方から
まさに疾風のように現れて、あっという間にいかさんちゃん、銀紙さんを
抜き去り、あれよあれよという間にこるりさんと肩を並べたと思いきや、
最終日にとうとう単独トップになりました!!
まさに差し馬!!こるりさん惜しかった!

熱いレース展開を制した、龍のように舞い上がったのはこの一句!!



感想文15件

人間をやめれば雪のあたたかく 探花

                                                                                                              ❆目からウロコの発想でした。
うまく説明できないのですが、前半の悲しさと後半の優しさが絶妙なバランスで成り立っている気がします。読み手の想像を無限に膨らませる御句で、今回一番印象に残りました。 月波

❆視点が好きです。
人間じゃなくなれば雪をあたたかく感じるのではないか? 凍死しかけている時ならこの誘惑にまず逆らえる人はいないでしょうし。 みづちみわ

❆よく、分かります。雪って本来あたたかいんですよね。
俳句人口のほとんどが人間であるのが惜しまれるところですが、      僕にとっては共感の一句です。 いかちゃん

❆なんかドキッとさせられました。 確かに人間を辞めたら今現在抱えている悩みや辛い事悲しい事から全て開放されるかもしれない、そして雪さえもあたたかく感じるのかも・・・すごく共感させられる句です。 けーい○

❆そうかも でんでん琴女

❆人間をやめたからあたたかいという発想が好きです。
何度か低体温症に近い状態になった事があるのですが(遭難ではありません!) 体温は低いのにむしろすごく暑くて、あたたかくて、冷たい飲み物が凄く飲みたくなりました。 (全ての人に当てはまるのかはわかりませんが自分はそうなりました…) 雪山でも、何故か服を脱いでしまう人がいるそうです。 これは「矛盾脱衣」と呼ばれる異常行動らしいのですが、
自分の「体温が低いのにあたたかいので冷たい飲み物が飲みたくなる」も
矛盾脱衣に近いものだったのだろうと思います。 そんな経験からこの句の「人間をやめれば」の言葉にハッとしました。
確かに、低体温なのに冷たい飲み物を飲むのは正常な人間の行動では無いです。 けれどあの時は本当にあたたかかった。汗もかいてた。いま思うと本当に不思議で怖いです。 体温が低くなると、どんどん、人間から離れていく行動を無意識にとってしまう。 そしてその矛盾からとった行動が「快」だったので、本当にヤバいです。
そんな自分の実感から、この句に共感せずにはいられませんでした。 嶋村らぴ

❆色々な人間のやめ方が想像されて刺激的な句でした。
謎の説得力と納得感もあります。 山本先生

❆やめたらあかん? 鷺沼くぬぎ

❆雪女と書かずに雪女を想像させる巧みさ。
そうなって初めて雪をあたたかいと感じる切なさ。人間とは何なのか、
という人間存在についてまで考えさせられる奥深い句です。 錆田水遊

❆雪のあたたかさを人間をやめればと仮定することで、現実と見紛うような不思議な感覚が生まれます。
人間のままでも雪への五感が膨らむ豊かな一句だと思います。   きのえのき

❆「人間をやめれば」ということは以前は人間だったのですね。
人間だったときに冷たかった雪がやめたら雪があたたかく感じる。
唯一の救いなのか…なんだか考えてしまう句でした。 まぐまぐ

❆物語性の高い楚辞から入り、雪について考えを巡らせる本句のシンプルでストレートな世界観が好きです。
画像無しでも浮かんでくる情景も余韻があり、二度惚れ直す句だと感じました。 まんぷく

❆終点の黒。はじまりの白。 色の温度で誘導する詩情。
こんなふうに詠みたいな。 モッツァレラえのくし

❆季語の内に何を「発見」できるか。これもまた佳句を成す条件の一つかと思う。且つそれは詩的な発見でなければならない。俳句の根幹は作者のイマジネーション(個人的見解です)と信じるが、この点において作者は流石の力量である。調べを整える上で「の」が良く効いている点、句の姿のよろしさも高く評価したい。 龍田山門

恵勇の勝手に特選コーナー 三席
はい、最高です。 こういうの大好物。 余韻が冷たいです。
上五が盛大に字余りですが、アンサー俳句を置いておきます。

雪が冷たいぜ俺は人間だったのか 恵勇



今回は「ほしくず研究所」の探花さんが今回「ヒマラヤ龍」受賞です!!
おめでとうございます!!
二度目の「ヒマラヤ龍」ですよね!!さすが王様!!


今回は以上です!                          明日はいよいよ「ヒマラヤ地」の発表です!!  
よろしくお願いいたします! 


第八回 ヒマラヤなんちゃって句会 
「ヒマラヤ苺」等々発表!!
「ヒマラヤ龍」発表!!
「ヒマラヤ地」発表!!
「ヒマラヤ天」発表!!

句集
「艶雪」
「雪哀」
「終雪」


あわせて読みたい!恵勇先生の俳句小説シリーズ!
句養物語 流れ星篇
句養物語 花野篇
難しい話?鳥の話?いいえ、愛の話です
巣立鳥

ヒマなん句会の歴史のすべて
ヒマラヤなんちゃって句会 アーカイブ
PR 『俳句ポスト並盛連盟』(俳並連)発足してます!!! 


集計 本文 編集 兼題イラスト/ヒマラヤで平謝り Twitter@himahira19                  「龍」画像協力/ゆきまち                    SpecialThanks/髙田祥聖 カニくん 

お試しで作ってみた項目ですので、本当にサポートしていただかなくてもいいのですが、万が一なんとなくそんな気分でしたら・・・!