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第十回 ヒマラヤなんちゃって句会 「ヒマラヤ苺」等々発表!!
Twitter@himahira19で行っていた句会の結果発表を5日間にわたり行います。5日間の日程についてはこちらをご覧ください。
「ヒマなん句会」に投句された皆様へ
なんという兼題イラストでしょうか。 こんな落書きのようなイラストでさぁ俳句を詠めとはひどい話ですね。
一体これは何の絵だったのでしょうか?
これは、「内職をしている人」のイラストだったんですね!!
内職!!令和の時代にずいぶんと昭和的なテーマ!!
なんと造花を作っていました!!
ですが、今回は答え合わせをしたいわけではないのです。 みなさまにおかれましてはイマジネーションを目一杯膨らませて挑んでいただきたく、この絵を兼題にしました。
今回はちょうどぴったり全100句ご投句いただきました!! ありがとうございます!!
今回も色んな俳句が出そろいました!さっそく各賞の発表をします!!
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投句一番乗りの一句!!「ヒマラヤ一番星」はUFOのひかりが瞬く!!
ヒマラヤ一番星
UFOのひかり人間辞める春 でんでん琴女
そして全投句のちょうどど真ん中!「ヒマラヤバットマン」もUFOです!
ヒマラヤバットマン
春の昼ああUFOにさらわれる 内田こと
ちょうど投句100句目(こちらの事務処理基準)だった句にお送りします!
ヒマラヤ百式
コンパスは機関銃めく寒北斗 磐田小
このみっつの賞は、ほかの賞の候補にもなりますので、 明日以降も、もちろん今日も要注目です!
それではどんどん行きましょう!「ヒマラヤ苺」の発表です!
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おはじきの名まえシールや花曇 栗田すずさん
古今東西、子どもが学校に持っていくものに関して『名前を書く』ということは基本ではありますが、つい最近ネット記事で『おはじきの一つ一つに名前を書く』というルールがあるとのこと。 そしてその専用シールがあるらしい。なんとピンセット付!!これに全部名前書くのー・・・??ふぇぇ・・・。全く関係ないボクでもそんな話を聞くだけで季語『花曇』気分になります。よく取り合わせました。共感句です。
ちなみに俳号は、栗田すずさんさんとお呼びする雰囲気ですかね?
チューリップ螺子の弛みて壊れたり 久助
兼題イラストを『なにやら修理をしている様子』と見たのでしょうか。 兼題意図に近いですよね。季語「チューリップ」に「螺子(ねじ)」があり、それが「弛」んで「壊れ」てしまうという景ですが、あの「チューリップ」のどこか作り物感があってよくよく探したらメガネのフレームのような小さい小さいねじが目立たないようにあるんだと言われたらうっかり信じてしまいそうになるくらい、なんだか変なリアルさを味わいました。
懺悔の膝冷た割ったのごめんなさい かむろ坂喜奈子
子どもの頃というのは、たいしたことでもない悪さをしても、まるで人殺しをしたかの如く思いつめてしまったりしていませんでしたか? しゅーんとして、どうしていいかわからなくて、怒られることもしでかしてしまったことにも怖くて怖くて・・・。この句にそんな子供の頃の気持ちを思い起こさせていただきました。「懺悔の膝冷た」反省の正座をして、その膝が冷たくなっているんですね。
下五の「ごめんなさい」がドスンと効いてきます。ぎゅっと言葉を押し込んだ感が、かえって心のどこかを掴んできます。
月光に一晩さらされて出勤 はんばぁぐ
おかしな世界観の一句ですよね。
どうも「月光に一晩さらされ」なければ「出勤」できない人がいるらしいのです。ひょっとしたらそういう強い謎なこだわりがおありの方がいるのでしょうか。「さらされて」という措辞をみると、「出勤」する人はそれほど積極的に「月光」を浴びることを良しとしていなさそうです。「月光」にいったい何が…。季語「月光」のもつアンニュイな雰囲気と、句の物語の独特のおかしみが絶妙な一句です。
明日売る葡萄の房を描いている 梵庸子
これまた不思議な一句です。あの兼題からどうしてこういう句がお詠みになれるのでしょうか。「明日売る」の「る」と、「描いている」の「る」が声を出して読むと楽しく響いて面白い句なのですが、なぜでしょう「描いている」で終わるこの措辞が、なんとも『寂しさ』『虚しさ』『侘しさ』をわずかに感じさせます。「葡萄の房」だけを「描」くという謎の仕事と、秋の季語である「葡萄」がゆっくり効いてくるからでしょうか。
朧夜の世界征服計画書 染井つぐみ
アニメや漫画で見かける「世界征服」を企む団体って、なぜだか貧乏くさいところで会議やってることが多かったなぁと気づかされました。 なんだかすごい気付き!! 全体的に漢字だらけであるところが「世界征服」に真剣に取り組んでいる様子を。季語「朧夜」というところが、なんとなく「世界征服」は失敗を予感させます。悪だくみに雰囲気もピッタリですよね。
明日こそ俺は蛙として鳴くぜ みづちみわ
一体どういった経緯があってこういう決意に至ったのでしょうか。
「蛙として鳴く」という措辞では、季語の力は弱まっているという意見はあるかもしれませんが、上五「明日こそ」に、またしても謎に『哀愁』を感じてしまいました。今日まではきっとそうしたくてもそうできない、のっぴきならない事情なり背景があっての「明日こそ」なのでしょう。
何卒負けたりへこたれたりせず、ゲロゲロと鳴いていただきましょう。
春燈の下で女を組み立てる 龍田山門
一見して『怖い怖い怖い』となりました。
色々何かを組み立てるという句はありましたが、なにがどうしてこうなったのか「女を組み立てる」という衝撃の措辞!!その際の灯りは、季語「春燈」というなんともぼんやりした灯りの下、どんな「女を組み立てる」のでしょうか・・・?プラモ?紙?それとも自分でバラバラにした女を組み立てるとか・・・?なんとも不気味な一句です。
寒の雨塗膜より車種突き止めよ このはる紗耶
鑑識捜査官と思しき人物を詠んだという句は唯一無二でした。 車両事故の捜査にかける労力と時間の膨大さを、季語「寒の雨」が見事に表されているようです。その上その作業の過酷さもしっかりでていますよね。 たったの十七音で、車両事故が起きたこと、捜査が行われていること、 詳しくはわかりませんが、『警視庁24時』等でみられるような細かい細かい作業を思わせるという事、そして「突き止めよ」の措辞が捜査員の真実を突き止めようという情熱、信念のようなものを無理なく入れ込んであって驚きです。
花冷えや手紙は拝啓で止まる まぐまぐ
「拝啓」とはこうも美しい言葉なのかと改めて感じさせていただきました。
この句はつつしんで申し上げるという、手紙の書き出しのこの言葉で「止まる」のです。どういう相手にどういう内容の手紙を書くところでしょうか? 恋文でしょうね。そう思わせるのは季語「花冷え」のせいかもしれません。
挨拶状や謝罪文では絶対ないでしょう。そんなのすぐ書いてしまいますし。 季語の斡旋含め、美しい余韻のある一句でした。
亀は鳴くいいなにんげんっていいな 常幸龍BCAD
よっぽど若い方にはわからないかもですが、おそらくなのですが「いいなにんげんっていいな 」というフレーズは、『まんが日本昔ばなし』のエンディングテーマ『にんげんっていいな』のタイトル、歌詞からのものでしょう。この曲に関してイントロから脳内再生されてしまうという方は多いのではないでしょうか?そこに季語「亀は鳴く」を持ってくる驚き!まさにファンタジーの乱反射ですね。とても書ききれないくらいの余韻を頂きました。
以上になります! 明日は皆さんの感想文をご紹介させていただきますので お楽しみに!!
第十回 ヒマラヤなんちゃって句会
「ヒマラヤ龍」発表!!
「ヒマラヤ地」発表!!
「ヒマラヤ天」発表!!
あわせて読みたい!恵勇先生の俳句小説シリーズ!
難しい話?鳥の話?いいえ、愛の話です
ヒマなん句会の歴史のすべて!
ヒマラヤなんちゃって句会 アーカイブ
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選句 本文 編集 兼題イラスト 見出し画像/ヒマラヤで平謝り SpecialThanks/髙田祥聖 カニくん
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