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第十七回 ヒマなん句会 FINAL! 「ヒマラヤ苺」等々発表!!
Twitter@himahira19で行っていた句会の結果発表を5日間にわたり行います。5日間の日程についてはこちらをご覧ください。
「ヒマなん句会」に投句された皆様へ
今回は全101句ご投句いただきました!ありがとうございます!
さぁいよいよ最終回の発表となりました!
投句、感想文に併せてたくさんのメッセージをいただきました!
本当にありがとうございます!!
せっかくいただいたのでちょこっとづつ紹介しようかなとも思いましたが、
前もって表に出すという事はお伝えしておらず、勝手に出すなというお声が上がるかもしれないので、ご紹介はしないでおきます。
パソコンのメモ帳に残して時々眺めてニヤニヤしながら余生をすごしますね!
まずは今回の兼題写真をご提供してくださった卯月紫乃様から、
写真についてコメントいただきましたので、ご紹介させてください!
十七回を迎えた「ヒマラヤなんちゃって句会」、今回で終了とのこと。
非常に寂しい限りですが、ヒマさん、これまでこのような俳句の発表の場のご提供を本当にありがとうございました。そして、お疲れさまでした。
その大切なFINAL句会への画像提供をさせていただけましたこと、
非常に光栄です。心から御礼申し上げます。ありがとうございます。
さて、カラフルな壁々に囲まれた家の街並み、お洒落な自転車駐輪場。
これは、北欧ノルウエーのスタバンゲル(Stavanger)という都市にある、オヴレ ホルムゲート通り(Øvre Holmegate)です。
クレイグ・フラナガンが提案した配色に従って塗られたアーティスティックな街並みで、所々楽しいタウンアートなども描かれている、非常に見ごたえがある場所。レストランやパブ、洒落た小物の店などが多く、夜はライトアップも美しく、地元の人々を中心に観光客などが陽気に楽しんでいます。
南北に長いノルウエーは、フィヨルドなど見どころも多く、全土に渡り、清潔でありスタイリッシュ。また、非常にシステマティックな国であります。
機会があったら、ぜひぜひ訪れてみてください!間違いなく楽しめると思います。
卯月紫乃 拝
ありがとうございます!かわいくて爽やかな写真に、
かわいくて爽やかな俳句がわんさか送られてきましたよ!
さあ泣いても笑っても最後の「ヒマラヤ苺等々」の発表です!!
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投句一番乗りの一句!!「ヒマラヤ一番星」は??
ヒマラヤ一番星
ペダルから足を放して夏に入る げばげば
そして全投句のちょうどど真ん中!「ヒマラヤバットマン」です!
ヒマラヤバットマン
夏の空ソラミロドレミミレドソラ 永田千春
ちょうど投句100句目(こちらの事務処理基準)だった句にお送りします!
ヒマラヤ百式
初虹やあなたの好きな色の名前は 髙田祥聖
このみっつの賞は、ほかの賞の候補にもなりますので、 今日も明日以降も要注目です!
それではどんどん行きましょう!「ヒマラヤ苺」の発表です!
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虹の根に立つかのような句座でした 銀紙
この度挨拶句たくさんいただきました。どれもジンときましたがこの句には格別に参りました。きっと「ヒマなん句会」の事を言ってくださっているのでしょう。何故かというと「虹の根に立つ」という措辞が、これから俳句の天辺を目指してゆくボクらの事を指しているようで。目標は高く、空に架かる「虹」という憧れの秀句は美しく。ヒマなん句会はそんな「句座」となり得たでしょうか?こういう句が投句してくださるくらいですから、きっとそうなっていたのでしょう。心から安心しました。自分勝手にですが。
猫カフェを覗く探偵春夕焼 万里の森
「探偵」はなにをお探しなのでしょうか?迷い猫でしょうか?
兼題写真の世界では想像つかないような、難解な事件を追っているのか、
はたまた匂い立つような浮気現場を押さえるつもりか。
ファミコン時代に数多ある事件を解決してきたボクなら探偵の気持ちはわかります。「探偵」は日々の胸糞悪い事件の真相を追うことに疲れ、ふと立ち寄ったのが「猫カフェ」なのです。夜からまた闇に紛れての捜査を始めないといけません。束の間の季語「春夕焼」なのですね。
ネーブルを抱えるマダム朝の坂 Q&A
何故だか「ネーブル」と「マダム」って合うと思いませんか?
朝っぱらからよせばいいのにすぐに破れそうな紙袋にいっぱい詰めて、
下り坂でひとつふたつとポロポロ落とすのです。わーお等と呟いて慌てるものですから持っている残りの「ネーブル」も落として、ついには紙袋も破れて、下り坂は「ネーブル」の河となるのです。
親切なおじさんや青年が拾ってくれたり、おばあちゃんがすっころんだり。
西洋版サザエさんですね。日本ではまずお見かけしない光景ですが、兼題写真の町ですと、三日に一度こんな事件が起こりそうですね。
夏の雨ゼリービーンズぶちまけて 桃園ユキチ
兼題写真だけでもカラフルでさわやかなのに、そこにさらに「ゼリービーンズ」めく「夏の雨」が降るとは、なんというファンタジーでしょう。
マンガの世界のような美しさで、それだけではただ「ああ合いますね」だけでしたがそこに、「ぶちまけて」と来ました。このやや乱暴な措辞がなんだか「夏の雨」の短時間で強く降る雨を、そして、それが「ゼリービーンズ」であるかもしれないという事が的確に表現されているように感じられるのです。ほんのり三段切れっぽいところも、また力強さを感じました。
万愚節けふからここが戦場です 赤尾双葉
昔の映画『バトルロワイヤル』の先生のセリフを思わせる中七下五です。
一体どういうことなのでしょう。社会風刺でしょうか、それとも海外のニュースか、現代日本を揶揄しているのか・・・。
学生も社会人も、句会での句友も、『ワタシガワタシガ』と静かに争いだし、車で道路に出てみたら自己流運転マナーで『ワタシガワタシガ』と。
世知辛い世の中ですよね。たしかに「戦場」のようです。
ですが季語「万愚節」。エイプリルフールですって!なぁーんだぁ!
・・・って本当に安心してもいいんですか??
ペダル漕ぎまくれ祭の星足らぬ ツナ好
一体何を焦っているのでしょうか。
「祭」に「星」って必要ですか??そんなにいっぱいいりますか?
「ペダル漕ぎまくれ」という措辞、破調の妙、そして季語が「祭」とも、
七夕の傍題「星祭」ともとれる「祭の星」という言葉を敢えて使うことによって、不思議とこの句に焦燥感が生まれているようです。夏休みにここぞとばかりにいつまでも遊んでいた頃を思い出させますね。
それと、ペダルを漕いでいるのが彦星だったらと思うと笑えてきますね。
臆病な犬へ鼻唄春の月 葦屋蛙城
兼題写真のあの街にも夜がやってきます。あの「臆病な犬」とは、野良犬でしょうか、飼い犬でしょうか。作中主体にばったりと遭って、急に伏し目がちにくぅーんと声を出します。「犬」もきっと人間には多少興味あるのでしょう。立ち去らず吠えたてず。作中主体は「犬」が好きなのでしょう「鼻歌」でもって犬と交流を図ろうとしているのでしょう。なんというあたたかな「春の月」の夜なのでしょうか。犬への愛やそんなあたたかな場面を切り取る作者の優しさ、優しい季語の斡旋に感服です。
うららかや動かぬ驢馬を荷車へ 充子
犬の次は「驢馬」です。この句も優しい一句ですね。
きっと「驢馬」は疲れちゃったんでしょうね。はたと歩みを止めてしまったのでしょう。休憩しても動き出さないのでしょうか、普通ならもう少し休憩するか、お尻を叩くかするかもしれませんが、なんと「荷車へ」乗せるのです。「荷車」がカラなのでしょうか、という事は荷を下ろした帰りなのでしょう。帰宅を急いでるのか、労をねぎらってあげてるのか。馬だったら大きくてそうはいかないでしょう。かわいらしくやさしく、まさに季語「うららか」な昼下がりの微笑ましいドラマですね。
初虹やあなたの好きな色の名前は 髙田祥聖
「虹」って、何色が好きなんでしょうね?みなさんは「虹」の何色が好きですか?虹色という答えはだめですよ?季語になりませんし多分。
ひょっとしたらこの句は「ヒマラヤ龍」への挨拶句なのではないでしょうか?ボクの句は毎回成績は芳しくありませんが、たくさんの秀句に添えられたきらきらした感想文を拝見させていただくのはボクも大好きでした。
ボクから「ヒマラヤ龍」を通してたずねる「好きな色の名前は」。
なんだかこの字余りも相まって、もっと続けたくなっちゃいそうですね。
下五を「名」ではなく、「名前は」とあえてしたのには、優しい問いかけのようです。ボクはもちろんですが、作者もきっと優しく「ヒマなん」を見届けていてくれていたことでしょう。
この空を比喩しつくせば夏近し ギル
古今東西、所謂俳人と呼ばれる人は何人いたでしょうか?
短歌でも詩でも詞でももうなんでも、一体幾億の人が「空を比喩」してきたでしょうか。みなさんも心当たりないですか?空に浮かぶ雲を動物に喩えたりとか?きっと誰もが一度や二度「この空」を見て、心を奪われて、自分の言葉で紡いだことでしょう。しかし何億の詩歌をもってしても自分が見たあの「空」を言い表せず、そして、季語「夏近し」の頃の落ちてしまいたくなる澄んだ青空を見て、宿題が増えてゆくが如く伝えたい空を思い知るのです。「この空」をみて雲をみつけ、動物に喩えるのもなんてかわいらしい俳人魂なのでしょうか。その俳人の心にきゅんとさせられます。キューン
目的地などあるものか春の蝿 ノセミコ
一見絶望的に見えてものすごく希望に燃えた一句だと思いました。
今こうして最終回の原稿を書いている段階でも、ボクは決して『すべてやり切った』『極めた』などと言い切ることはできません。むしろ始めた頃と全く同じ『途上』であるなと思っています。ちょびっとは成長できたかな?
まさにこの句の言う通り、この「ヒマなん句会」は「目的地」ではありません。ボクにとってもみなさんにとっても。季語「春の蠅」は越冬をし、夏に向って準備運動しているような状態です。ボクもみなさんもまだまだ「春の蠅」。「目的地などあるものか」です!!ガンガン俳句を詠みましょう!「蠅」として!いや、俳人としてですよ!
旅終へて傷のカラフル晩夏光 平良嘉列乙
ボクの「ヒマなん句会」という大冒険は、今週いっぱいで終わります。
人生始まりがあれば終わりがあります。思い出せば色んなことがありましたよね?いいこともそうでなかったことも。それが「カラフル」に思い出されるのです。「傷は」等ではなく、「傷の」という助詞のおかげでたくさんの傷をいっぺんに語っているのではなく、一つ一つの傷を愛おしく眺めている印象になります。「カラフル」なだけに、色んな痛みも今や懐かしい。
夏休みに行った旅先でできた怪我を笑って話せるくらい、たまにつく傷もいい思い出となるのです。季語「晩夏光」の眩しさが、この句会を見守ってくださっていた皆様の笑顔のように眩しく照らしてくれているようです。
色んな色の傷、「晩夏光」の眩しさの元でしたら本当にいい思い出です。
以上になります! 明日は皆さんの感想文をご紹介させていただきますので お楽しみに!!
第十七回 ヒマラヤなんちゃって句会 FINAL!!
「ヒマラヤ龍」発表!!
「ヒマラヤ地」発表!!
「ヒマラヤ天」発表!!
ヒマラヤなんちゃって句会 アーカイブ
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