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第十六回ヒマラヤなんちゃって句会     「ヒマラヤ龍」発表!


Twitter@himahira19で行っていた句会の結果発表の二日目です。 

今日はみなさんの感想文をじっくり読んでみます!                           一番感想文の集まった一句には「ヒマラヤ龍」を差し上げます!     この賞は他の賞とも重複する可能性があります。 

さぁ今回もなかなかいっぱいの感想文がきましたよ!!
「ヒマラヤ龍」発表に参りましょう!

(俳句の俳号、感想文投稿いただいた方の敬称は略します。絵文字は化けるのでカットしました。本文は基本原文ママです。)


感想文1件

バイエルは未だ終わらず蔦若葉 桃園ユキチ 

                                                       🍀バイエル、なかなか終わらなかった記憶が……
蔦若葉が音楽記号のようです。 雨野理多


こいびとはいごねりうれしそうに買う イサク


🍀蔦に覆われた廃墟の色合いが"いごねり"っぽいですかね。
恋人が嬉しそう手にする見慣れぬ郷土食。
自分が知らない、恋人の構成要素にドキドキです。 鷺沼くぬぎ


苔茂る秘密基地めくホテルかな 赤尾双葉


🍀こういうホテルあるなあ。 紗羅ささら


囀に目覚むるケルト遺跡かな 茂木りん


🍀神秘的な景色が見えるようです。 空流峰山

              

鬼さえも住めぬ廃墟か春の雷 長嶋佐渡


🍀鬼すら住めないという表現が好きです。季語は鬼でしょうか。 万里の森


立ち退きの宿舎まばらに蔦青む 久保田凡


🍀立ち退きを急かされているような、古い宿舎をよく見かけます。
どう見ても、もう誰も住んでいないようにみえても、壊されない。
きっと、誰かまだ頑張って残っているのかな、と思うことがあります。
青蔦が逆に淋し気に見えたりもします。 卯月紫乃


友達のトッポ朧の秘密基地 いくたドロップ


🍀トッポというのはお菓子の名前ですね?
朧の秘密基地というフレーズが好きです。 三尺玉子


異動してゆく人もあり春日影 花咲めだ香


🍀異動してゆく人もあれば、異動してくる人もある。
春日影は、日陰ではないけれど、字面に陰を感じてしまう
この異動が本当に春の光でありますように。 唯果


喧噪の絶えて千草の城の黙 おかげでさんぽ


🍀千草の城の黙 の「黙」最後に効いています。 風花美絵


午後五時のレクの根回し猫柳 幸田梓弓


🍀猫柳の咲く頃ですから、新歓レクか何かかな。
誰も見ていないところでそっと、サクラになってくれと根回し?
幹事さんも大変ですね。 鈴白菜実


豆の花ジャックのおうちは空の上 立田鯊夢


🍀物語そのものなのですが、なんか愛してしまう一句でした。 万里の森


蔦の芽の雨だれ辿る星座かな いたまきし


🍀下五「星座」に痺れました。
あの廃墟に浮かぶのは何座だろうか。 有野 安津


蔦茂る廃病院を大鴉 みづちみわ


🍀廃墟のなかでも人気のたかい?病院。
病院とくればただの椅子もなんだか不気味に感じます。
そこに大鴉とくるだけでもうラスボス感が。妄想が広がる句です。さおきち

雲雀鳴く廃虚を終の住処とし 万里の森


🍀廃墟と終の住処に、深い哀しみを感じます。
雲雀の声の生命力が際立つと思いました。 三尺玉子

廃坑に砂金の幽か蔦青し 三月兎


🍀廃坑に忘れ去れたように幽かに存在する砂金。
それはここで金が活発に採掘されていた頃を彷彿とさせると同時に、
廃坑になった現状の侘しさを感じさせる。一方、採掘し尽くされた鉱山にも蔦は青む。尽きることのない自然の生命力を前に、人間の欲深さを改めて感じさせられる一句。 北欧小町

廃墟まだ鬱金香が香ばしい 里山子


🍀明らかに文明や暮らしがあった痕跡を「香ばしい」と表す才能に惚れました。「まだ」の斡旋は流石。 まんぷく


感想文2件

オバキューム備えて春雷の遺跡へ 鳥田政宗


🍀オバキュームって何だろうと思ったら、ルイージマンションね!
確かに写真の廃墟にはお化けがいそう。ルイージ頑張って! 桃園ユキチ

🍀ルイージマンションのオバキュームですね!
ゲームでも雷がピカピカしているので、ドキドキしながらゴーストバスターに挑む作中主体が見えるような気がしました。 鈴白菜実


煉瓦を齧る音蔦紅葉ぞぞぞ 三尺玉子


🍀ぞぞぞがいいと思います。
蔦紅葉が囓るという擬人化も面白いと思いました。 葦屋蛙城

🍀「煉瓦を齧る」のは物の怪であろう。
「ぞぞぞ」が蔦紅葉がそよぐオノマトペであり、背筋が寒くなる表現でもあるところが巧みだと思います。 おかげでさんぽ


脳裏からドラクエ序曲夏隣る 峻


🍀読んだ瞬間、私にも序曲が流れ出しました!
そうか、この序曲はもうすぐ夏、という曲なのか、となんだか納得しました。 レアレア

🍀私の脳裏からも、ドラクエ序曲が流れ出しました。世界観に共感です!   卯月紫乃


明日から廃工場の霞かな 嶋村らぴ


🍀今日までは稼働していたものが、不用になる。労う様に霞が。鷺沼くぬぎ

🍀こちらの句、「工場は明日から廃工場になる。それでも霞は今日も明日も変わらず覆っている」と読みました。
ほのぼのと幽玄な霞が、工場という人為的な営みをおおらかに包み込んでいる様を思い浮かべます。霞の雄大さの描き出し方が見事です! 阿部八富利


蔦青む人類は滅びしと ひでやん


🍀尻切れトンボのような自由律の句ですが、内容とよくマッチしていると思います。 山川腎茶

🍀中五で字足らずだけど、この句は成立しているように思いました。
赤尾双葉


お花見へ抹茶のカップケーキ焼く 明 惟久里


🍀あれをカップケーキと見立てることのできる作者の想像力に拍手を送りたいです! 鈴白菜実

🍀美味しそうです。この兼題から抹茶は考えたけど、きちんと句にしたのはさすがです。 栗田すずさん


春雨や人為絶へたる果ての果て 岩瀬百


🍀「人為絶へたる果ての果て」という表現が味わい深い。
この十二音に具体的な景は無いが、「春雨(≒主観の現在地が屋外)」から
廃屋・廃墟・終末世界」を強く思わせる。
創造主たる人間の手を完全に離れて終末を迎えようとしている物たちに降り注ぐ春雨は、悲哀だろうか、それとも慈愛だろうか。 ヨミビトシラズ

🍀"果ての果て"の誘なうような響き。きっとそこでは春のやわらかな雨が降っているばかりなのだろう。 長谷川水素


廃旅館ずらずら朧どろろどろ たーとるQ


🍀廃旅館と言う言葉を初めて見ました。
ずらずらと言う言葉を私は廃旅館がたくさんつながっている。
まるで田舎の温泉街のような気がします。
そこに朧がどろろどろと広がる。昔の人の活気ある状態から、
廃旅館になってしまった無念のようなどろどろとしたものとつながっているのかなと思いました。 風早杏

🍀朧を表現するオノマトペとしての「どろろどろ」が面白いです。
対句がいいですね! 里山子


ありし日の団地土筆野より生ふる 月岡方円


🍀土筆の生命力を感じました。 赤尾双葉

🍀今はだれも住んでいない団地後に、今は土筆が生えているんですね。
野より生ふるという措辞により、時間の経過と、一面に土筆が生えている感じがして上手いです。 栗田すずさん


千金の夢はまぼろし苔の花 充子


🍀大きな夢を追い求めるが、追い求めた結末が散々。
そんな時に気づいた、小さな幸せ。 苔の花にも心癒されるように…。
そんな勝手な解釈をしました。 空流峰山

🍀季語の斡旋が良いなと。
苔の花だけがひっそりと咲いている景が時間を感じさせる。 三月兎


青蔦の石棺ここにぼくらの前世 緒方朋子


🍀前世ってロマンチック。新海監督の世界観。 赤尾双葉

🍀RPGの世界に一気に迷い込む感覚。
ここに、の指示語。ぼくら、の一人称複数形。そして前世。
引き込まれました。なんて巧いんだろう。くううー。 青井えのこ


オリオンの秘か天馬の飼葉桶 丁鼻トゥエルブ


🍀景が壮大で素敵です。
オリオンが飼っている天馬なら、あれくらい大きな飼葉桶も必要でしょう。天馬の咀嚼音さえ聞こえてきそうです。 鈴白菜実

🍀あの建造物が飼葉桶に見えた?
オリオンが天馬の飼葉桶のようにも思えるし、天馬が飼葉桶の草をむしゃむしゃしている背景にオリオンが見えているようにも読めて壮大できりりと冷たい冬の夜が感じられて素敵です 平良嘉列乙


廃線は深雪の中や転出日  阿部八富利


🍀雪深い土地。線路は雪の下に埋もれ、自分もここを出ていく。
寂寥感が冷たく美しい。 紗羅ささら

🍀雪国の景だと思いました。深雪は何もかも閉じ込めてしまいます。
廃線も相次ぐような田舎の町でしょう。
転出とあるので、暖かい地方へ移動になったのかな。 みずな


岩燕こんな大人になってまで 恵勇


🍀これは登っちゃってますねー! 元野おぺら

🍀中七下五に対して、気持ちとして共感します。その後に続く言葉は何なのかな。岩燕のイメージともしっくりきます。 里山子


サインする納品先の蔦女郎 ヒマラヤで平謝り


🍀職場での仕事の日常。今日は外回り。
楽しい遺跡への妄想が止まらない。「納品先」があの遺跡だったら…
やはり「サインする」のは「蔦女郎」か。(どんなだ?) 明 惟久里

🍀廃墟への納品は何だったのでしょう?
すごく気になりますし、律儀にサインしてくれるその名前も気になります。
秋の物寂しい中にも滑稽さを感じます。 つまりの



感想文3件

さえずりの祠きみはぼくの勇者  モッツァレラえのくし


🍀僕にとっての勇者である君、どんな姿をしているのでしょうね。
鷺沼くぬぎ

🍀少年に勇気と希望を与える、さえずりの祠、友のように大切に感じていた。鳥なのかそれとも…
映画のキャッチコピーのようで、ちょっと哀しく惹かれました。オキザリス

🍀これは胸キュン
さえずりの祠で、きみはぼくの勇者。たまらん。 中村すじこ


女王蜂ほどの栄華が善し無窮 鷺沼くぬぎ


🍀女王蜂の栄華がいいですね。 永田千春

🍀激しく同意。栄華が大きすぎれば、失った時の反動が辛い。
ささやかな幸せで十分、高望みはしたくない。
最後の「無窮」が、それは過去も未来も同じ理屈であるという哲学を表しているようですね。 鈴白菜実

🍀なんとなく蜂の巣を連想させる画像である。
「女王蜂ほどの栄華が善し」の措辞が面白く、説得力を感じる。
「無窮」も上手いと思います。 おかげでさんぽ


さすみどり僕へ優しい網となり 秋野しら露


🍀優しい景色。「網」 とは? 新緑の世界、木漏れ日のさす影の様子を「網」とされたのかな? 景が浮かびます。 空流峰山

🍀美しい情景が印象的でした! 花咲めだ香

🍀優しい網が詩的。思いつきそうでなかなか出てこない表現。
ゆったりと気持ちの良い時を感じる。 三月兎

満室のマタタビ・インや猫の恋 有野 安津


🍀マタタビ・インが満室って、とても良いですね。 幸田梓弓

🍀「マタタビ・イン」が可愛すぎます!ここは猫たちのホテルだったのでしょうか。こんな発想が出てくるのは凄いです。 みずな

🍀あそこに全部恋猫が!?でもいそうな気がする。写真だから声は聞こえないけど、ハートマークが漂うオーラを感じる。 鈴白菜実


水替のいまを眠れる海市かな 長谷川水素


🍀休日、作者の飼う魚類の水槽の掃除。「水替」で中の水苔だらけの置物から写真へ発想が飛んだ。あの廃墟も「いまを眠れる海市(=蜃気楼)」だったのかもしれないな。 明 惟久里

🍀土木工事的な水替と読みましたが、大丈夫かな
人の手に操作されつつ海へ注いだ川もまた夢のように海市となる みずな

🍀自然現象を躍動させることばたち。
「いま」を取り入れた感性にシビれました。 まんぷく


蛙の目借時いざ唱ふバルス 風花美絵


🍀わかります。私も今回の兼題写真を見て真っ先にラピュタを思い浮かべました。 ノセミコ

🍀ラピュタネタだけど……「蛙の目借時(≒睡魔)+バルス」って、授業中にみんなが寝てるから先生が「バルス」するのか、仕事中に睡魔に襲われて自分で「バルス」するのか、既に寝ていて寝言で「バルス」するのか。
……俳句としてどうなのかは分からないけど、色々と読めて面白い句。
ヨミビトシラズ

🍀ラピュタの世界観、私も最初イメージしましたが句には出来ませんでした。クライマックスのシーンが蘇ってきそうです。 赤尾双葉


果樹植う日たとへ明日が来なくとも まんぷく


🍀自分がやろうとおもったことを やり遂げようとする 強い意志を感じます。実りとか結果とかではなく今行動を起こすことに強い意義を感じていると思いました。 立田鯊夢

🍀なんだか見過ごせない句でした。 イサク

🍀希望を見捨てていない前向きさが好きです。 永田千春


花燈るロボット兵の指の先 冬のおこじょ


🍀ロボット兵といえば、天空の城ラピュタですね。
とぼけた表情に長い腕、肩に鳥が止まったりするようなコミカルなキャラクターだったので、指先に花が燈っても不思議ではない。
のほほんとした春の雰囲気に合うなと感じました。 北村 崇雄

🍀花燈る が素敵 風花美絵

🍀ラピュタ句のように読めますが、自分は、人と見分けがつかないようなアンドロイドのようなロボット兵、あるいは現代社会でロボットのように働く人を思い浮かべました。そう考えると、心を発露する場面として、自然詠のモチーフの代表とも言える花を指の先に載せて灯すというのは、合理的で情景を連想しやすかったです!
ベタといえばベタかもですが、ロボット兵には王道展開のベタさがぴったりに感じます。 阿部八富利


選鉱場朽つるや蔦の犇めけり 伊予素数


🍀蔦のひしめき具合から建物の朽ち果てた様子を描写できているところがいい。金や銀を掘り出していた当時の選鉱場の喧騒も聞こえてくるようです 北村 崇雄

🍀兼題写真を的確に描写。蔦の存在感が印象的。 三月兎

🍀兼題写真の景をそのまま素直に詠んだ句ですね。ヒマなん句会でのこういった句は、かえって目立つので好きです。 山川腎茶


いにしへの鉱山跡を朱鷺の飛ぶ 山川腎茶


🍀かつては賑わった鉱山跡。人の気配もたくさんあった時には赤鷺なんか近づかなかったのかもしれません。今はその赤鷺が飛来するように。
人が居なくなったこと、開発された場所がまた廃れ、自然に戻りつつあること。 時の流れを感じられる御句だと思いました。 空流峰山

🍀佐渡金山の鉱山跡ですね!私は、「もしドラえもんがタイムマシンに1回だけ乗せてくれるとしたら、江戸時代に行って、朱鷺が普通に里山を飛んでいるところを見てみたい」と夢見るバードハイカーなので、この句は脳内でそれを実現してくれたようでとても嬉しくなりました! 鈴白菜実

🍀この写真に朱鷺を飛ばせて色味を与えるなんて素敵すぎる。
美しく飛ぶ時とこの写真の背景のマッチアップとは。
美しいお句です。 丁鼻トゥエルブ


春月夜小人のくつの糸ぽぽぽ 栗田すずさん


🍀絵本のひとこまみたい。愛らしい句ですね。 三尺玉子

🍀「ぽぽぽ」の余韻がたまりません。 永田千春

🍀春の月夜のもとで、小人がくつに刺繍でもしているのでしょうか。
「こびととくつや」のお話しを思い出しました。 唯果


感想文4件

蔦若葉リストカットの痕擦る ヨミビトシラズ


🍀あの写真から、リストカットに!
心象風景なのでしょうか。実景でも良いですね。 茂木りん

🍀蔦に覆われた廃墟から、リストカットの連想が良いと思います。
「若蔦葉」から若い人も連想させます。 おかげでさんぽ

🍀蔦とリストカットの取り合わせが 擦る で安心しました。 風花美絵

🍀過去に辛いことがあったのですね。しかし。蔦若葉という季語のおかげで希望がみえてきたのでしょうか。 栗田すずさん


下萌ゆる古代遺跡に猫の神 渡辺かや


🍀猫の神、見てみたい! 赤尾双葉

🍀古代には猫がまつられていたのでしょうか。
ロマンですね〜。 花咲めだ香

🍀鬱蒼とした遺跡に巨大な猫の像、その大きな目を感じます。 紗羅ささら

🍀人間の気配がなく、古代遺跡に猫の神様がレリーフみたいなもの?となって祀られていそう。
季語の生命力と対比されてより静かさが際立つような気がします。 里山子


春浅し離人感めくうすみどり 新田ダミアナ


🍀措辞の感覚がとても好きです。少しひんやり、どこかよそよそしい。
芽吹いたばかりの淡いみどりを想像してもいいし、浅春を色彩で表すならという発想としても好きです。
空の色にもこんな色が混じっていそう。 このはる紗耶

🍀「離人感めく」実感あります。分かります。
私もこのような感覚を伝えたいです。 茂木りん

🍀「めく」という表現から、季節が進んで緑が濃くなるほどに離人感が強まっていくのかもと思いました。 雨野理多

🍀掴み所がなく苦しい「離人感」と、春浅しは合うと思いました。
うすみどりの着地も軽やか。 三尺玉子


朽ちゆくよ厚き囀り従えて このはる紗耶


🍀朽ちてゆくものは、ひとりでは寂しいからたくさんの
囀りを従えていくのでしょうか。 唯果

🍀ヒトが滅びて、建造物が廃墟となる中、鳥はまだ生き残るでしょうか。
厚き囀りという言い方が、映画の一場面のような音の広がりを思いました。   みずな

🍀何世紀にもわたる大樹の一生。
栄枯盛衰を短詩に再現された知性に感服です。 まんぷく

🍀囀りとともに朽ちていく。華やかな終焉。 三月兎


囀や深き眠りの巨神兵 直


🍀巨神兵を目覚めさせてはいけない…。 ノセミコ

🍀巨神兵とあるけれど、ついラピュタのロボット兵をイメージしてしまいました。生の喜びである明るい囀りと、破壊と殺戮の兵器の沈黙の取合せが印象的でした。 緒方朋子

🍀巨神兵、いそうですね。 永田千春

🍀「巨人兵」は「ナウシカ」の巨人兵でしょうが、私が最初に思い浮かんだのは「大魔神」です。いずれにせよ壮大なストーリーを想像させる句だと思います。 山川腎茶


惑うより縛られたくて蔦を飼う 青井えのこ


🍀蔦を飼う前に込み入った何かがあったのでしょうか。
蔦を飼っているようで、蔦に飼われているような、共依存と言いましょうか…… 雨野理多

🍀縛られたい。そのために蔦を「飼って」いる…すごい。
でも共感できる。「どっちがいいかなあ」と優柔不断な男より、
「決めた!だからついてこい!」とグイグイ引っ張ってくれる男の方が頼りになる、というあの感じではないかな? 鈴白菜実

🍀「惑う」「縛られ」「飼う」という三つの動詞の表現するものが何なのか、読み手によって様々な解釈が可能な気がします。 山川腎茶

🍀この感覚おもしろいなぁと思いました。縛られたいんですね
蔦に束縛されている、という句はよく見るけれど、縛られたい、と望むことがおもしろいなぁと思いました。 村瀬っち


貯水庫を這う蔓の吸う春の水 濃厚エッグタルト


🍀〜這う蔓の吸う〜と繋がっていて、春の水に着地するところが意外性があって、、となりました。 まのわ

🍀自然の強さと人間の無常さが感じられます。 細川鮪目

🍀写真から「貯水庫」を発想。「這う」「吸う」と動詞をたたみかけて
「春の水」に今を問うている。 明 惟久里

🍀蔦の生命力の表現が素敵だと思います。 茂木りん


未解決事件蜥蜴と謎解きを 中村すじこ


🍀小説の一節のようですね。洋館の外壁にじっと張り付いている蜥蜴。
蜥蜴がぴぴっと逃げていくときにふいに閃く探偵。 片岡六子

🍀あの写真から 推理小説に発想を飛ばしたのが面白い 風花美絵

🍀どんな事件なんでしょうね。少年探偵とか出てきそう。 唯果

🍀名探偵登場の前場面、少年探偵と蜥蜴の図、の様な。 鷺沼くぬぎ


感想文5件

卒業やひとりひとりの武器ひかる 簗瀬玲子


🍀写真を見ないで、俳句だけの鑑賞であっても、好きな句です。
その場合の武器は「精神的な強さ」や「自分の好きなこと」「特技」などと取るかもしれません。 茂木りん

🍀武器=個性。同じ制服を着ていても、ひとりひとり光る個性がある。
卒業後もそれぞれの個性を活かして活躍してほしいという応援の句と感じました。 ノセミコ

🍀この句にとても惹かれました。ひとりひとりの武器は、鋭く光っていたり鈍く光っていたり、又はキラキラ光っていたり。
ひかる、という平仮名表記もやさしくて良いと思いました。
どの卒業生にも望む未来が拓けるよう祈っています。 幸田梓弓

🍀学業を終え、それぞれの学びを武器として社会に出て行く若者を思う事もできるし、徴兵の年齢に達して戦場へ駆り出される者の冷たい武器と読めば恐怖です。 みずな

🍀ひとりひとりの武器が比喩なのか戦地なのか。
色々と考えさせられました。 万里の森


蔦の芽や千の髑髏の笑う墓 清水縞午


🍀廃墟の中は、無数の「髑髏」の眠る墓だった。
彼らはここを遺し次に伝えて欲しいから、作者を「笑」って歓迎し、
「蔦の芽」にこの遺跡のメッセージを託した。 明 惟久里

🍀上五の蔦の芽の「生」と中七下五の「死」の世界のとの対比が面白いと思いました。髑髏に笑われても蔦の芽は頑張って一生を全うしてもらいたい
ものです。 唯果

🍀「千の髑髏」がいい。
今回のお題画像を的確かつ詩的に詠んでいる一句と思いました。 有野 安津

🍀不気味さと生命の神秘さとを合わせて表現された感じを受けました。
季語との取り合わせがよかったと思います。 山川腎茶

🍀骨のカタカタぶつかる音や不気味な笑い声が辺りに広がっていく・・・
怖い。 大山和水


緑陰や戦場跡へゴスロリ来 葦屋蛙城


🍀戦場跡へゴスロリ来、字面もリズムも合っていて、好きです。 まのわ

🍀撮影だろうか。尖った素材だけれども然し、木々の盛んな緑は圧倒的かつ暴力的に主張してくる。ゴスロリだろうが連獅子だろうが呑まれるだろう。大きな景としては「これはこれで」になる。それもまた可愛らしいと思うのだけどゴスロリ的には不満かも。 長谷川水素

🍀緑陰とゴスロリの取り合わせがいい。戦場跡は意味のあったはずの無意味、ゴスロリは意味なき華美の中に見出す美的価値観か。 清水縞午

🍀ゴスロリ、強そうです。理由はないのですが強そうです。 雨野理多

🍀おしゃれな海外ファッション誌の表紙みたいな句。ゴスロリって可愛いです。緑陰と合わせたことによってより景の広がりを感じます。 里山子


巣鳥やかましゴーレムは森のいろ ツナ好


🍀不思議句。「ゴーレム」を教えてくださりありがとうございます。
興味深かったです。 天玲子

🍀ドット絵にも見えるこの建物の写真を見て、ファミコン時代のゲームを思い出した方も多いはず。
しかもドラゴンクエストに出て来たゴーレムとは?巨大な敵でしたが、
そこに鳥の巣まで作られては可愛くなりすぎてますな。 北村 崇雄

🍀ゴーレムはもう動かなくなって久しいのでしょう。
森の守護神のように佇んで、苔むして。
鳥の巣から聞こえるのは親鳥の声か雛の声か。
命あふれる森の景、定点カメラで様子を見ていたくなります。このはる紗耶

🍀巣鳥やかましに、音がわぁっと溢れてきます。
森のいろもいい。音と色。 まのわ

🍀やかましい巣鳥と森の色という取り合わせが好きです。 万里の森


ポンペイの硬き記憶よ春の風 レアレア


🍀「硬き記憶」にとても惹かれるし、硬質な古代都市とわらかい春の風の取り合わせも好きだなぁ。 有野 安津

🍀廃墟ではなく、遺跡と捉えたところからの発想がいい。
「ポンペイの硬き記憶」で、石の文化が育った時代のイタリアに思いを馳せながら、観光をしている光景が目に浮かびます。 北村 崇雄

🍀硬い記憶も柔らかい春の風によってきっと癒されるだろう。
対比が素敵。 まのわ

🍀硬き記憶というのが、滅びた時の悲劇の記憶だろうか?
と色々想像しました。
春の風がすべての過去を優しく包んでくれているかのようです。 充子

🍀火山噴火によって埋もれた古代都市ポンペイ。
遺跡には当時の生活の様子が驚くほど明瞭に保存されており、人々の記憶は降り積もる火山灰に封印されたようにも思えます。
長い時を経て発掘が進み、封印が解かれていく。
厳しい冬を耐えた裸木に春の風がそよぎ、やがて芽が出てくるように。
悠久の歴史を感じさせる好きな句です。 北欧小町


燕来る洞窟教会の窓に オキザリス


🍀洞窟教会と言う言葉で反応してしまいました。しかもツバメが来。
美しい自然。教会の美しさ、ツバメは変わらず尋ねてくる。
でも、なぜ、洞窟に教会を作ったのか?
長崎に住んでいる私は宗教の難しさを思い出しました。人は違う考えを持つものを異端として迫害する。そんな人とは関係なく、来る、ツバメ。
そのように感じました。 風早杏

🍀キリスト教の燕は復活の象徴なのですね。
暗い洞窟協会に、窓から光と祝福が注がれるようです。 雨野理多

🍀一読してキリシタンが弾圧されていた時代を思いました。
燕の巣作りを確認できる程度の小さな覗き窓しか作れなかったのでしょうか。敬虔な信者たちがどうか見つかりませんように。 北村 崇雄

🍀課題の写真を見た時に「キリスト教伝来の前の土俗の宗教の教会」について詠みたいと思いましたが「洞窟教会」という言葉が出てきませんでした。分かりやすいですね。 茂木りん

🍀洞窟教会!まさにそんな雰囲気ですね。燕に安堵します。 卯月紫乃


風光る行くぜぼくらの秘密基地 空流峰山


🍀「行くぜ」をやりすぎと思うか否かで判断が分かれるとは思いつつ、
私は思い切って「行くぜ」を入れた事で勢いが出て明るく楽しい句になったなと思いました。「風光る」の斡旋も活きていると思います。 嶋村らぴ

🍀王道ですね。爽やか。
明るくて好き。こんな頃に戻りたいです。 みずな

🍀元気があっていいです。
いくつになっても、「ぼくらの秘密基地」で遊びたいですね。「いくぜ」が、誘われているように感じられてうれしくなりました。 村瀬っち

🍀好きな要素ばかり!
「行くぜ」に人物が見えるようでそこもいいなと思います。 里山子

🍀「行くぜ」に惹かれました。ついていきます^^ 永田千春


感想文6件

春宵のエッシャーの絵をさかさまに 天玲


🍀季語がとても上手に使われていると思いました。
とても面白いですね。 充子

🍀だまし絵を逆さにしたら、真実が見えるのか?
騙されても仕方ない、春の宵だから、エッシャーだから。 オキザリス

🍀季語をひっくり返してしまう俳人の視点
俳句の可笑しみを最大限に感じました。 まんぷく

🍀エッシャーの不思議な絵と「春宵」が合うと思います。
豊かな時間の使い方ですね。 とまや

🍀エッシャーの不思議でちょっと不気味な絵、それが逆さまなのと春宵の少し艶めいたムードが妙に合う気がします。 紗羅ささら

🍀エッシャーの絵を思い起こしている事に驚いた。
不思議なエッシャーの絵をさらに逆さまにした、春の宵の幻覚のような時間を思う。 おかげでさんぽ


子雀よ遊べ限界ニュータウン 藤白月


🍀うちのマンションも子供世代が減ってきています。
場所は沢山あるのに、小雀さえ遊んでいない。
小鳥でも子供でも、声が聞こえるとほっとする。 片岡六子

🍀限界集落ではなく、限界ニュータウンというところに別の意味の悲哀を感じました。子雀の可愛らしさとの対比が良いです。 幸田梓弓

🍀ドラゴンボールの次回予告みたいで面白ーい^^  元野おぺら

🍀きっと半世紀くらい前までは、ニュータウンとして商店街や学校、病院などがあって町として機能していたのだろう。が、今や高齢者ばかりの限界集落。人影もなく、今はもう子雀が飛びまわるくらい。
せめて子雀たちよ、賑やかに遊んでおくれという気持ちかな。 唯果

🍀限界ニュータウン、まさにそんな感じですね。
子雀に遊べ、と声をかける主人公の殺伐とした、
そして諦めた心がまた悲しいです。 卯月紫乃

🍀もし"子雀の遊ぶ…"なら諦観しつつも明るさの残る句になるが、"遊べ"から滲むのは虚勢だ。戯れている子雀は居ないか、居たとしてもそう見えていない。暮らせない程ではないが日々募る焦慮
"限界ニュータウン"的鬱屈を際立たせて巧みと思う。 長谷川水素


創られし物みな朽ちて春来る 永田千春


🍀創られし物みな朽ちての言葉に引かれました。
あの写真を見たとき、それが言葉として私には出てきませんでした。
また、春来るの季語も自然は巡っている、人間は置いておかれてもというふうに私は思いました。 風早杏

🍀人間が創ったものは朽ち果てて、結局自然だけが残る。
春を享受できるのは自然だけ。いつかそうなるんだろうなぁ…という予感めいた句だと思います。 ノセミコ

🍀創られし、という人智を超えたところに言及している空気感、
そして、春来るへの着地が良いと思いました。 幸田梓弓

🍀たしかにそうかも。
形あるものはいつか壊れる。そう思った時「春来る」が、ぽんと下五に着地する。確かにみな朽ちる。けれど、またそこに命が生まれるかも…と思えるのは季語の救いですね。「春来る」によって句の世界がぐんと広がったような気がしました。 嶋村らぴ

🍀季語の取り合わせの感度が新鮮で好きです。
季語の力よって上五中七の捉え方をいろいろ考えさせられます。 里山子

🍀これは本当にそう思います。
人間の作ったものが朽ちることが自然につながっていくような。 万里の森


感想文7件

夏草やかつて人なる魔物あり 水蜜桃


🍀夏草といわれたら、強者どもが夢のあとと思いました。
しかも人なる魔物ありと続く、もう人間が絶滅した未来なのでしょうか?
戦争を繰り返す、自然も破壊する、人は魔物かもしれません。
とてもすごいと思いました。 風早杏

🍀人 魔物が 不気味で面白いです。 風花美絵

🍀街中にいる人でなしも。 鷺沼くぬぎ

🍀古事記では、人間の登場は「青人草」でした。
つまり、人だった魔物はもともとは植物のような存在だったのです。 唯果

🍀人なる魔物!しかも人滅んでる!
どうしたらこんな視点が持てるのか驚くやら楽しいやら。夏草の草いきれが現実味を足していて、よりその未来が迫ってきます。 青井えのこ

🍀「かつて人なる魔物あり」にすべて言い表わされる人間の本性。
季語「夏草」がその措辞を全部受け止めてくれているように思います。
山川腎茶

🍀季語と魔物の取り合わせが絶妙だと思いました。
中島敦の「山月記」のような雰囲気もあり、好きな句です。 里山子


其処此処に仔鬼の嗤う春の夢 つまりの


🍀仔鬼、がいいです。笑うではなく、敢えて、嗤うとしたところに作者の意図を感じます。好きな句です。 幸田梓弓

🍀鬼が嗤う が 春の夢を不気味に感じさせて 凄い。 風花美絵

🍀儚さとは神代の名残りか、、
わらべ歌のような詩の世界観に酔いしれました。 まんぷく

🍀「仔鬼が嗤う」はお見事! 有野 安津

🍀人が済まなくなったあの場所に仔鬼が住み着いたのです。
10匹はいるでしょうか。
姿は見えませんがこちらは見えているのでしょう。 さおきち

🍀しばらくその遺跡に佇んでみた。「其処此処」から「仔鬼の嗤う」声が聞こえるようだ。彼らもこの国の現状を憂えているのだ。
「春の夢」の秀句。 明 惟久里

🍀兼題写真からこの句が生まれるその発想がすごいです。
たくさんの小鬼が入る景が見えてきて、想像したら、ふふっと笑ってしまいました。 村瀬っち


狐火を孕む産所は石の家 楽花生


🍀写真の場所はいかにも何かが出てきそうで、
狐火を孕んだものが産所として石の家をいかにも選んだような場所に思いました。やられました。 風早杏

🍀物凄く心引かれました。 いい! こんな句を詠んでみたい。 三尺玉子

🍀狐火出生のコアな部分を詳述しているが虚のモチーフだから説明的にならない。謎めいていて面白い。 長谷川水素

🍀「狐火」という季語に心惹かれます。
「孕む」の表現も巧みですね。 茂木りん

🍀狐火は孕むものなのだ。とその発想が新鮮。
産むのは大変そうだ。 三月兎

🍀怖い怖い。こうやって物の怪は増えていくんですね…。 鈴白菜実

🍀「狐火を孕む」のは人ではない。産所となる廃墟を「石の家」とする簡潔な表現も上手いと思います。おかげでさんぽ


青蔦は垂直に伸び逆行す さおきち


🍀廃墟の壁面を覆い、光りつつ「垂直に伸び」そこから「逆行」し涼しさを提供する「青蔦」の写実だけなのに、
その先に広がりがちゃんとある。明 惟久里

🍀一物仕立てが見事だなぁと思いました。 赤尾双葉

🍀この句は、もしかしたら素晴らしい写生句なのでは。
青蔦が実際そうなるかは知らないけれど。 天玲子

🍀中七から下五へのダイナミックな展開が素晴らしい。 有野 安津

🍀垂直に伸びる様子、そしてそれはやがて逆行するという表現が青い蔦の勢いを感じました。 万里の森

🍀いやいや蔦は垂直には伸びないでしょ…ん?そうか確かに垂直の時だってある!その丁寧な描写と発見に惹きつけられました。
逆行の言葉も選びも印象的。 青井えのこ

🍀蔦の様子をよく観察していますね。
蔦ってまさにそんな感じです。 栗田すずさん


廃鉱で百物語あと三話 新樹番人


🍀それは盛り上がり、震え上がりですね。 鷺沼くぬぎ

🍀97話も語ったり、聞いたり…。ふたつの数詞
リアリティを感じさせます。語った人も聞いた人も凄い! 唯果

🍀何人で語っているのでしょう。廃鉱には自分たちのほかにも百物語を聞いているモノがいそうですね。あと三話終わった時何がおこるのか。
夏なのに震えが止まらなくなりそうです。 つまりの

🍀百物語、もう97話聴いたんですね……
怖いような、でも聴いてみたいような。 花咲めだ香

🍀97/100 の「今」を認識した瞬間、ぞわわ...としました。
数詞が効いている。 有野 安津

🍀廃鉱と百物語からは、不穏な空気、不気味さが漂いますね。
「あと三話」が効いていると思います。 山川腎茶

🍀この廃鉱の中での百物語は最高に怖い。
「あと三話」の迫り方も上手いと思います。 おかげでさんぽ



ケルヒャーに耐える蝸牛の親子 大山和水


🍀あ〜〜面白い。 天玲子

🍀ケルヒャーに耐えているのが、ただの蝸牛でなく親子というのが心に沁みました。 充子

🍀今回、日常を詠んだ句が比較的少ないように感じましたが、
この句は自分の経験からの映像の想像ができました。 イサク

🍀天気の良い休日は、家の外壁を高圧洗浄。
ふと、あの遺跡でこの「ケルヒャー」を使ったらと考えた。
必死で水圧に「耐える蝸牛の親子」が浮かんだ。切ない。 明 惟久里

🍀蝸牛の親子を応援したくなります。
ケルヒャーの水圧に負けないで! とまや

🍀突風に耐える蝸牛の親子、アニメっぽい絵柄で頭の中に出現しました。か、かわいい…
震える体、その表情までありありと想像させられました。 青井えのこ

🍀景がありありと思い浮かびます。
ケルヒャーにも耐えるとは。 中村すじこ


青蔦に埋もれた未来だった過去 村瀬っち


🍀青蔦に写真の風景を閉じ込めた句。潔し。  清水縞午

🍀それは、輝かしいはずだった21世紀の姿かも。 鷺沼くぬぎ

🍀そうか 過去は 埋もれた未来だったのですね。納得。 風花美絵

🍀チェルノブイリや福島の原発を想起させます。
じっくり味わいたい一句。 三尺玉子

🍀課題写真によくあっていると思います。
「時間」の表現が伝わってきました。 茂木りん

🍀大きな時流の流れで人生を振り返っているようです。 永田千春

🍀未来だった過去の措辞にやられました。
素晴らしいお句です。 丁鼻トゥエルブ


感想文8件

青葉風ひやり 失う準備など とまや


🍀ひとつひとつの言葉の透明感に心惹かれます。
余韻のある好きな句です。 茂木りん

🍀爽やかな青葉風ですがその中にも何かを失ってしまうという冷えた感覚が存在するのですね。 紗羅ささら

🍀初夏の風を感じて覚悟を決めたのでしょうか。 オキザリス

🍀「失う準備」そう、私たちはそれとは知らず、日々営々と失う準備をしているのかもしれない。
そのことにふと気づいた瞬間、「青葉風ひやり」と感じるのかも。
「など」が何気に効いている。 天玲子

🍀爽やかな季語に「ひやり」【空欄】「失う準備」「など」季語が爽やかであればあるほどあとの音との対比が出てくるなぁと思いました。 空流峰山

🍀昔はこういう句が好きでした。
最近は理屈っぽくなって「風景が・・」とか言い出してしまって取らないこともありますが、今回はとらせていただきます。 イサク

🍀失うかもしれない大切なひとの家に向かって林道を歩いているのか。
木陰に入って感じる冷たい風が、諭してるのか、ちゃんとしろと叱咤しているのか。 片岡六子

🍀青葉風なのにひやりとする。何かと思えば、失う準備など、…。
この措辞に強く惹かれました。一字空けはなくても違和感ないですが、
どうしても空けたい想いがあったとお察しします。 青井えのこ


しづかなる福音として手折る梅   鈴音(りん)


🍀廃墟にもたらされる福音が、一枝の梅。
明るい静謐を感じます。 鷺沼くぬぎ

🍀美しい句。静謐な空間を思いました。梅と福音は似合います。
何だろう桜では違う気がしました。 みずな

🍀梅の凛とした雰囲気と、宗教との取り合わせがよく合うと思います。
手折ることができるくらいなので、細い枝でしょうか。
静かな空間の中に、枝を折る小さな音が聞こえてきます。 雨野理多

🍀生命のバトンを手渡されたような感覚。
多難な現代を生きる我々の祈りや願いが叶いますように。 まんぷく

🍀「福音として」の意味を深く考えました。
「福音」とは良い知らせのことを意味するようです。
梅を切ることは良いとされていますが、「手で折られた梅」は大丈夫なのでしょうか?ここは諺にはありません。そこから翻って、この句の「しづかなる福音」は本当に良い知らせなのでしょうか・・? イサク

🍀福音として手折る梅、かっこよくて、やられました! まのわ

🍀手折る梅、が梅であると同時に優しき女性のように思えました。
卯月紫乃

🍀おしゃれな句。きれいで惚れてしまいます。 村瀬っち


オラも見たつぺ髪が若布で足が蛸 元野おぺら


🍀さてこのような妖怪がいるのでしょうか?
単に蛸が若布をかぶっているだけとも思われます。
季語を考えると蛸か若布かどっちがメインか迷ってしまいます。
「オラも見たつぺ」という措辞が大胆だと思いました。 葦屋蛙城

🍀一体何を見たのか……
語り口調も不思議な民話のようで面白いと思いました。 花咲めだ香

🍀まさかのタコ人間上陸! 桃園ユキチ

🍀インパクトがすごい!
第1村人へのインタビューがはじまりそう。 とまや

🍀このセリフを言っているオラの表情まで見えてきました。 レアレア

🍀優勝!と言いたくなるくらい笑っちゃいました。
髪が若布まではまだ構えていましたが、足が蛸でもうダメでした。
想像したら結構怖い気もするのですが、上五に引きずられますね。つまりの

🍀あそこは化け物の巣窟だったのか!何か、ドラクエで海に出てくるモンスターにそんな体の奴がいたような。 鈴白菜実

🍀ただただ大好きなお句です。
B級SF映画の吹き替えのような措辞(めちゃくちゃ褒めてます。)最高です。こういう句を私も詠みたい、素晴らしいと思います。 丁鼻トゥエルブ


扉開けないで星が飛んでっちゃう 髙田祥聖


🍀星飛ぶという季語がこの句の場合、成立するか微妙かと思いましたが、
口語が面白く、無季でもいい感じがしました。
扉がもっと具体的なものであればもっと良いかもです。 葦屋蛙城

🍀兼題写真からの離れ具合が好きです。
可愛い句だと思いました。 幸田梓弓

🍀そうか、あの廃墟には星をしまっているのか。いまは出す時ではないから大切に大切にしまっておこう。いつかその日が来るまで。 さおきち

🍀まだ夜空を飛んでいない星ながら、季語の本意を感じました。
ヒマなんならではの突き抜けた表現を活かした詩に。
いやぁ感動しました。 まんぷく

🍀星が飛んでいくかも、という発想と真剣味に惹かれます。
この子にとっては、それが今この時の実感であり、切実な願い…。
その背景や心情を想像するともう。 青井えのこ

🍀なんてなんて可愛いことを。
ネバーエンディングストーリーを思い出しました。 中村すじこ

🍀すごい世界観。
この世の果てを思わせるような写真ですが、ここまで壮大なスケールになるとは思いませんでした。
星が飛んでいかないように世界を守っている扉があるのはこんな場所なんだろうなと。
扉を開けたら簡単に星が飛んでいってしまい、「開けないで」という軽く聞こえる言葉に星の命運がかかっているという儚さ、とても美しいと思います。 細川鮪目

🍀作者の居場所がややわかりにくいですが、
口語がよく効いていると思います。 山川腎茶


感想文9件

桜蕊降る喘息の予感する 青川紅藤子


🍀とても美しい季節なのですが、喘息の予感がする。
私は喘息はもっていませんが、なんだかこの季節の危うさを言い表している気がして好きです。 風早杏

🍀喘息の予感と儚くも美しい季語「桜蕊降る」の取り合わせ、素敵です。
 とまや

🍀桜蕊が降るとき、少し寂しくて幾らか不穏な感覚もあるので、喘息の予感という言葉に共感を持ちました。 みずな

🍀花の時とは違うざらざら感。この措辞に繋がるとはという驚きと同時に妙に説得力があり、喉から気管支が不穏さに包まれていく感じがしてむずむずしました(褒めています)。 このはる紗耶

🍀桜蕊がひらひら降る美しさと喘息の震え儚さが呼応しています。
紗羅ささら

🍀桜の季節が終わるころ。季節の変わり目で体調を崩しそうな予感。
「る」の韻の踏み方にリズムを感じました。 空流峰山

🍀蕊の降る頃は暖かかったり寒かったり気候が不安定で、喘息が始まりそうな時は「あ、来るな」とわかるのです。不安な気持ちと桜の蕊の降りしきる様子が不思議と合う気がします。 つまりの

🍀取り合わせが美しいの一言に尽きます。
喘息になった、のではなく「喘息の予感する」という視点に特に惹かれました。桜蘂が降る事と喘息はたぶん関係が無いと思うけれど、作中主体は「予感」をしている。そしてこの「予感」はほぼ確信だと思います。
自然のリズムと自分のリズムの呼応、自然と人体の美しさと儚さを感じます。 嶋村らぴ

🍀喘息持ちからすると、感覚的にすごく共感できる句。
発作が起きる前の気配は、花の季節が終わり否応なく進んでいく季節の移り変わりの気配に似ている気がします。 ノセミコ


感想文10件

三月のコンクリ尻湿る二人 片岡六子


🍀三月はあたたかいようで、まだ、寒さも残っていて、二人座って話をしているのかな?と思いましたが、尻が湿るというのも、なにか、ゆっくりはなせないもどかしさみたいな、春にある景を視点を変えて表していると私は思いました。 風早杏

🍀ドライじゃない関係。 鷺沼くぬぎ

🍀三月の季語に青春がよく似合う  清水縞午

🍀三月のコンクリ、が、その場の情景を全て表していて上手い句だなと思いました。
尻を湿らせてしまった二人の関係性をあれこれ想像しました。 幸田梓弓

🍀この二人。どんな二人かを想像する楽しみがある。
「尻湿る」のリアリティー。 天玲子

🍀コンクリに二人で腰掛けていたら、何らかの真剣な話や雰囲気が想像されます。でも、尻は湿る。そして三月。
このリアリティが愛おしくさえありました。描写も巧いなあ。 青井えのこ

🍀コンクリに長い間座って二人は何を話しているのか。
それとも別れを惜しんで黙しているのか。 紗羅ささら

🍀三月は季節の変わり目、天候や気温も不安定な時期。
にわか雨の後なのかも。新しい環境に移るシーズンでもあり、ちょっとだけと思って話し始めたけれど名残惜しくて腰を下ろして。
貴重な語り合いのひとときのような気がする句でした。 このはる紗耶

🍀三月のコンクリはまだ冷たいでしょうに。
そこに座って二人は何をしているのかなあ。
何かを待っているのかもしれないですね。 栗田すずさん

🍀この2人はたぶん友達以上恋人未満 中村すじこ


廃墟なる島の文献読む日永 Q&A


🍀「廃墟なる」写真を久しぶりに見て、
調べたりしたなぁと「島の文献」をぽかぽかの南側の部屋で「読む日永」。
慌ただしい毎日の癒しのひととき。 明 惟久里

🍀廃墟の島の文献、何が書いてあるのでしょう。わくわくします
宝の地図とか出てくるかも。 とまや

🍀読んでいる文献はなんだろうと想像が広がります。
先の大戦の軍の廃墟を想像しました。
まだあの時を知っている人が生きているのに建物は廃墟。そんな時間の流れをゆったりとした感じで読んでいる状況が見えます。 さおきち

🍀「文献」を紐解くという発想が素敵だと思いました。 茂木りん

🍀廃墟の島の文献はシリアスだが差し迫ってはいない
そういうものを読むのに日永はふさわしい。 天玲子

🍀ついつい写真の中のことを詠んでしまうのが句作の性。
しかしそこをうまく離れて、書物に掲載されていている写真と捉え、
その周りのことを詠んだ点に独自性があると思います。 北村 崇雄

🍀読む度にゆったりした気持ちになりました。
文献を読む日永、を過ごしたい。 三尺玉子

🍀しっかりと作られた句ですね。季語が日永なので、趣味で楽しく文献を読んでいるのでしょうね。 栗田すずさん

🍀文献が効いていて日永感ありますね。 三月兎

🍀廃墟の島に眠っていた埃まみれの文献でしょうか。
島に人が踏み入れ、文献に触れたとき、久しく止まっていた島の時間がゆっくり動き出すような雰囲気を感じました。 細川鮪目


花の雨モルタルにはじまりの罅 雨野 理多


🍀「はじまりの罅」と書くことで、罅ができるまでの時間が描かれます。「花の雨」との取り合わせがきれいです。
外国の風景にも思えます。 とまや

🍀花の雨と後半が上手くひびき合っていると思いました。 充子

🍀最初は小さな罅だけど、
いつか全体を朽ちさせる罅。深い。 秋野しら露

🍀咲き切った桜は脆い。雨が降っただけで散ってしまう。
モルタルに入った小さな罅は、長い時を経て、建物を瓦礫に変えてしまうのかもしれない。 桃園ユキチ

🍀「はじまりの罅」という単語だけを見れば卵の孵化か何かかと思うところだが、モルタルの罅なので老朽化の事であり、つまりは「終わりのはじまり」の事。「花の雨」も同じく「(桜の)終わりのはじまり」なので、季語も(ちょっと近いかも知れないが)悪くない。 ヨミビトシラズ

🍀繁栄と滅びの気配。大きな景から罅までぐっと寄っていくカメラワークが映像的な句だと感じました。
美しさと不穏さのバランスが絶妙です。 このはる紗耶

🍀花の雨の下五でなく、あえてリズムを歪に「罅」着地にしたことに意図が強く感じる。はじまりの罅ってなんだろうか。
どんな物語が始まるのだろうか。 げばげば

🍀"花の雨"に感傷が匂わなくて気持ちがいい(評者はぶっちゃけ桜があまり好きではなく)。"はじまり"という言葉が明るい。
モルタルの罅にも万物流転の法則が顕れる。
一切は移ろうモノ…との天啓を得ていっそ快い雨だ。 長谷川水素

🍀何にでも始まりはあるのだなと。
しっとりとした春の雨がはじまりの罅に静かに降り注ぐ。 三月兎

🍀はじまりの罅を見つける視点が素晴らしいと思います。
この写真の起点のような感触をもつその感触を花の雨という季語が物語をくるんでいるようです。美しいお句だと思います。 丁鼻トゥエルブ


感想文11件

遺跡とは哀しき予言草萌ゆる 紗羅ささら


🍀遺跡とは哀しき予言という、長い時または時を遡るような、無のようでもある時間の不思議。過去のはずなのに、未来のこと?みたいな不思議な感覚が魅力的です。 まのわ

🍀「遺跡」とは「哀しき予言」との詩的断定が素晴らしい。
一気に広がる時空間とドラマに痺れました。 有野 安津

🍀妙に納得してしまいました。先人の遺言でもありますね。 赤尾双葉

🍀遺跡とは昔の建築物などがのこされたものと思っていたら、哀しき予言とくるので遺跡のように、今も鳴ってしまった現実が広がっているのかなと思いました。今は繁栄しているように見える現代も何かのきっかけでこの遺跡と同じ運命をたどる。
人間の居ない自然だけが続き、草萌えると。
遺跡とは哀しき予言、にひかれました。 風早杏

🍀遺跡は確かにその文明の終わりをさらけ出している。
これが「予言」とは。考えるほどに怖い言葉です。
春の芽吹き、新しい何かの始まりを予感させる季語ですが、
同時に何かの終わりを示唆しているようです。 つまりの

🍀滅びるために生まれてきたの 
などとシータが言ったような気がしました。
真っ直ぐで美しいことば。 まんぷく

🍀400年前からの「遺跡」。比してヒトの一生の僅かなこと
この意味をしかと考えよという「哀しき予言」だぞと「草萌ゆる」の締めの秀句。 明 惟久里

🍀慣れ親しんだ建物もいつか遺跡になってしまうというハッとするような現実を「遺跡とは哀しき予言」というこれ以上ない素敵な措辞で表現されているのが衝撃的でした。
「草萌ゆる」はこんなに絶望的な言葉になるんですね。 細川鮪目

🍀歴史は繰り返すとは言えど、遺跡が予言とは!
ゾッとするような、当たり前のことを言われているような。
哀しき、と季語の響き合いも好き。余韻も素晴らしいですね。 青井えのこ

🍀なーるほど!と手を打ちました。これは納得の措辞。 恵勇

🍀「哀しき予言」という措辞から、平家物語の冒頭部分、盛者必衰の理、奢れる者も久しからずただ春の夜のごとし、というフレーズが頭に浮かびました。「草萌ゆる」という春の季語によって、盛衰が一度きりでなく繰り返されてゆくようなイメージとなっています。 緒方朋子


月夜の廃鉱在位六十年金貨 北欧小町


🍀昭和俳句に惹かれました。
昭和と言わずに、在位六十年としたことで、
発行された頃の、がきんちょのくせに60年は長いなあなどと思っていた自分の記憶が蘇りました。 片岡六子

🍀今回は、廃墟の類を詠んだ句が多くありましたが、それらの中ではこの句が最も心に残りました
在位六十年金貨という中七下五が良かったです。 幸田梓弓

🍀在位六十年金貨は昭和六十一年に発行されたもの。
それから四十年近く経ち、昭和どころか平成も終わってしまった今も廃鉱に残され、たった一枚月夜に鈍く輝いている光景は、寂しいけれど綺麗ですね。 ノセミコ

🍀月夜である、廃鉱なのでたぶんもう人気は無いと思う。
なのに在位六十年金貨があるということで私は今の時代よりずっと未来の世界のような気がしました。そんな時代もあったよね、今はもう昔。
廃墟。のような。すごい、取り合わせと思いました。 風早杏

🍀月夜なる永遠の丸、廃坑というかつての存在に貴人を祝した金貨の丸が取り合わされて、独特の光。 清水縞午

🍀佐渡として読む。かつて東洋の大金鉱。廃鉱に掛かる月が美しい。
しかしながら昭和天皇在位六十年記念硬貨の、原材料の金はアメリカから買ったのだという。黄金のジパング遠くなりにけり、トホホ…な苦味もまた宜しき味わい。 長谷川水素

🍀在位六十年金貨が目からウロコでした。 風花美絵

🍀取り合わせがお見事!
在位60年金貨って、1万円なんですね。 天玲子

🍀廃鉱に金貨があるというだけの句ですが、天皇陛下御在位六十年記念硬貨は、昭和天皇の在位60年を記念して、1986年(昭和61年)(一部は1987年(昭和62年))に日本で発行された記念硬貨だそうです。
しかも一枚十万円するそうです。さらに金貨大量偽造事件が1990年(平成2年)1月29日におきています。偽造された金貨の枚数は10万7946枚に上り、額面が10万円であったため被害額は107億9460万円という巨額であったそうです。
という事実を鑑みるとドラマが生まれます。 葦屋蛙城

🍀ボロボロの現在の廃鉱、金貨が買えた時代の廃鉱の華々しさ、在位60年の君主の華々しさの対比が素敵です。権勢も命も無常であることを廃鉱から出てきた一枚の金貨が物語り、月だけがその頃から何も変わらず空に輝いているのが素敵だと思います。 細川鮪目

🍀昭和61年と62年に発行された天皇陛下御在位60年記念10万円金貨ですね。佐渡の金山とも響き会っていますし、
季語の月夜ともよく合うと思います。 山川腎茶


感想文12件

パン生地をこねたら春をひとつまみ コンフィ


🍀明るいキッチンでのパン作り。のどかな感じは春ですね。
調味料として春をひとつまみだけ加えましょうという心持ちが楽しいです。
「こねたら」の言い方がすこし気にはなりますが、気持ちのいい句だと思いました。 葦屋蛙城

🍀美味しくなる魔法ですね! 元野おぺら

🍀春をひとつまみ が なんとも童話的。 風花美絵

🍀ふっかふか(※ふかふかではない)のパンになりそうです。
ひとつまみでも効果がありそうなのは、春という大きな季語だからでしょうか。 雨野理多

🍀「春をひとつまみ」 この措辞が効いていると思いました! 空流峰山

🍀春というスケールの大きな季語を、隠し味のように効かせているセンスが良いと思いました。好きな句です。 幸田梓弓

🍀「春をひとつまみ」という表現が良いと思います。
春のパン祭りみたいでわくわくする。 ノセミコ

🍀この句は可愛いの一言に尽きます。「春をひとつまみ」って。
絶対このパン美味しい。食べたい。そう思った一句です。
やっぱり食べ物の句は美味しそうな句が正義。 嶋村らぴ

🍀この句の「春」って何だろう。
塩? 砂糖? それとも本当に春の光を入れているのかな? 桃園ユキチ

🍀春の気持ち良い日にパンを焼こうとしている。
春を入れたらどんなパンが焼きあがるのか、そのパンを誰とどこで食べようとしているのか。想像すると楽しくなってきます。 水蜜桃

🍀写真からどうやってたどり着いたのかお聞きしたいですが、
パン生地と春は相性いいですね。
ほんのり冷たくてほんのり暖かくて丸くて千切れて春っぽいです 平良嘉列乙

🍀隠し味は春。こんなパン食べたいです。 中村すじこ


感想文13件

夏野ゆく少女の銃はみづのいろ みずな


🍀下五への展開が上手い!「少女」「銃」と来てドキリとさせられましたが、「みづのいろ」の着地に一気に夏が到来しました。 げばげば

🍀「女の戦争には、男のそれとは違う生々しい「色」がある」というニュアンスの言葉を聞いた事がある。清々しい景の中に、えも言われぬ重い影を感じる句。ただし、「銃+みづのいろ=水鉄砲(≠リアルな銃)」とも読める、
危うい句でもある。本来の句意が前者の場合、後者で読まれると大損の予感……要注意。 ヨミビトシラズ

🍀少女たちは、銃を持ち、戦いに向かうのでしょうか。
世界の戦場を思うと心が痛みますね。 茂木りん

🍀水鉄砲を抱えて走り回る少女の姿が目に浮かびます。
子供達の秘密基地なんでしょうね。 北村 崇雄

🍀水鉄砲かホースの水撒きか。あどけない少女らが水遊びしている景と読みました。「みづのいろ」の美しい響きが好きです。 有野 安津

🍀銃なのになぜか爽やかなイメージ。
夏野ゆく、みづのいろ、の効果でしょうか。SFファンタジーなアニメの1シーンのようにも見えて、実は少女の銃は水鉄砲なのかな?とも。
どちらで読んでも素敵な景。 まのわ

🍀爽やかな印象を持ちました。そこに不穏な「銃」の文字。
でもそれは「みづのいろ」だから、もしかしたらこれは水遊び、
水鉄砲のことかな?と思いました。 空流峰山

🍀現実離れしたゲームの世界観を想起いたします。
わたしはやらないのですが、RPGなどゲームでは、みずいろの銃というのははあるのでしょうか?実際の戦争も日本にいる私たちにとっては現実離れしているのですね。同じ世界では悲惨な戦争があることを考えると不思議で恐ろしい。 葦屋蛙城

🍀元は透明なのに、ちょっとしたことですぐ他の色に染まってしまう水のいろは、夏休みの少女のような危うさがあると思います。 ノセミコ

🍀冷え切った措辞に圧倒されました。夏野との対比が又素晴らしい。
みづのいろと表記された感触がいろいろな想像を膨らませてくれて、
すごいお句です。 丁鼻トゥエルブ

🍀起承転結がはっきりしていて素敵です。
「銃」が登場してガラッと物騒になり、下五の「みづのいろ」で辺りの水が澄んでいないことが想像されました。
ディストピアの美しい詩だと思います。 細川鮪目

🍀少女が銃を持っているところに驚きその色がみづのいろという表現がとても好きです。 万里の森

🍀少女の銃はみづのいろ、という措辞がたまりません。
あそこを廃墟にしてしまった悪と戦ったのでしょうか。 
夏野の季語がその少女を救ってくれているようでまた沁みます。 卯月紫乃


感想文14件

ペリペリと冬蔦剥がす浪人生 宮本モンヌ


🍀この浪人生はひとつかふたつの受験結果が出たのでしょう。
いずれもうまくいかなかったように思われます。しかしまだ本命があるのでダメージは少ない、ということを「ぺりぺり」に感じました。 葦屋蛙城

🍀ぺりぺりという擬音に作業感がない。手遊びだろう。
この時期の勉強に身が入らないのだ。蔦の黒い跡が残って見苦しい。
自分は何をやっているのだろう、一切は徒労なのでは…。気持ちはよく分かる。まあひと息入れないかと声を掛けたくなる。 長谷川水素

🍀妙に惹かれる一句です。 有野 安津

🍀浪人生と ペリペリ の取り合わせが 面白いです。 風花美絵

🍀「梱包材のプチプチ潰し」じゃないけど、「手持ちぶさた」とか「呆然自失」とかだと、ついついやってしまいがちな行為というのはあると思う。
この「冬蔦剥がす」というのもそれっぽい物を思わせる……
良い切り口だと思う。
実際にやってたら不審者も良い所かも知れないけど(^o^;) ヨミビトシラズ

🍀枯蔦を剥がすように、この1年間を捨てて新しい年度に向かって進んでいけると思っていたのに、枯れてくれなかった。
まだ青々とした冬蔦でも剥がさないと進む気になれない。
そのときの擬音語は、ぺりぺりくらいがリアルなのかもしれない。
冬蔦=青いを今回調べて知りましたが、青いものを剥がしたい、不思議な句ですね。 片岡六子

🍀この俳句を読んだとき、私は予備校を思いました。あの予備校のレンガ一枚一枚は予備校生の一万円でできていると私は思っていました。
学費はたくさん学校に吸われていくけれど、枯れた冬蔦が校舎には広がっている。ぺりぺりとはがす浪人生。浪人生のやるせなさが出ている感じがしました。 風早杏

🍀オノマトペの絶妙な響きと、
浪人生への着地がよいと思いました。 幸田梓弓

🍀壁から蔦を剥がす感触を追体験できます。
浪人生の鬱屈した気分を「冬蔦」が静かに受け止めていて素敵です。とまや

🍀やりそうな馬鹿っぽいこととしてリアル。 天玲子

🍀ぺりぺりと冬蔦をはがすという行為に驚くとともに、下五まで読んだ時、いいオノマトペだな、と思えました。
「浪人生」の抑えが効いていると思います。 村瀬っち

🍀ペリペリと蔦を剥いでいるのが浪人生と分かるともうその映像に切なさやら、無の感情だったり、若さゆえの悩みや憤りが見えてき素敵な一句だと思いました。 万里の森

🍀冬蔦が、浪人生のまだ整理のつかない心情を表しているようで、
その冬蔦をペリペリ剥がすが絶妙。
まだ痛みを引きずっている心をペリペリ剥がしたら、きっと痛い
でも剥がす。過去をきれいさっぱり捨てて、また新たな目標に向かって頑張っていきたいという浪人生の決意が感じられます。 大山和水

🍀季語は冬蔦。まだ季節は冬。
いろんな気持ちが折り重なって、季語を通して伝わってきます。 里山子


蝉の聲絶えて廃墟の最深部 ぞんぬ


🍀最深部ってどこだろう、夏なのにシーンとしていて涼しそうな印象を受けました。 赤尾双葉

🍀秘密基地や山奥の探検って、進むことに夢中になってしまい、こんなところまで来てしまったああどうしよう、と気づいたときには既に遅し。
音がなくなったことに気づいた瞬間を切り取り、不安な気持ちにさせてくれる句でした。 片岡六子

🍀廃墟の奥深くの静寂と空気の冷たさ、そして少し怖いような雰囲気を感じました。 紗羅ささら

🍀廃墟の外はものすごく大きな声で蝉が鳴いている、そしてここはそれが届かないような廃墟の最深部。うだるような暑さからひんやりとした廃墟へ、この句に連れて行ってもらいました。 レアレア

🍀蝉も聲も届かない廃墟の最深部、謎めいていて、物語のクライマックスのようで素敵です。 とまや

🍀静かな最深部へ連れて行かれる句ですね。
蝉と声という言葉はやはり芭蕉の名句を想起させます。
それがいいのか悪いのかと考えてしまいました。
それを含めての味かなと思いました。 葦屋蛙城

🍀廃墟の最深部には一体何が存在するのか、
いよいよ…想像が膨らみます。 オキザリス

🍀昏い中、暑さも最深部までは伝わってこない。
静けさと、時折どこからか聞こえてくる滴りの音を想像します。
ほんのり漂う怖さ。
ミステリーの序盤っぽさもあって好きです。 このはる紗耶

🍀とうとう蝉の聲も絶えてしまった廃墟の最深部。深く深く潜っていって、ここで終わりかと覗きみるドキドキ感もあり。 まのわ

🍀「蝉の声絶えて」がどれだけ廃墟の最深部であるかを表現しているようです。 空流峰山

🍀自分の句のその後みたいで楽しませていただきました。
蝉の声が聞こえなくなってひんやりとした肌感まで感じます 平良嘉列乙

🍀蝉の声は終末への予兆。聴こえていた声が途絶えると一層静けさが増す。どんどんと音のない世界へ。そして色もなくなる。 三月兎

🍀廃墟に入る前はうるさいように啼いていた蝉。
しかし、奥に入るにしたがって蝉の声は小さくなり、最深部ではもう聴こえない。奥へ進んでいく様子を蝉の声で表現する。お見事です。 
栗田すずさん

🍀ダンジョンみたいな廃墟を思いました。
夏なのに冷んやりした廃墟の再深部。 中村すじこ



いやぁ毎回ちゃんとダンゴレースになるもんですねぇ・・・。
抜きつ抜かれつのすごいレースでしたよ!
この熱戦は編集しなきゃわからないので、どなたかやってみませんか??
あ、もうヒマなん次で終わるんだった・・・。

今回もたっくさんの感想文いただきました!
なんと、全62名の俳人の皆様からいただきました!
投句してくださった方々の三分の二の皆様が「この句イイネ!」と言ってくださってるんだなぁと思うと、ヒマなん句会ってなかなか意義のある句会だったのではないでしょうかね? 知らんけど。

ボクのは早々出てしまいましたが、みなさんの句は出てきましたか?
感想文を寄せて下さった俳句は出てますか??まだですか??

答えはここから読み進めてください!

どの賞よりの権威がある風になってしまった「ヒマラヤ龍」ですが、
第二位と、「ヒマラヤ龍」の発表をしましょうね!!


感想文18件

亡国のロボット兵の手にすみれ ノセミコ


🍀ロボット兵にすみれ。切なくかわいい。 まのわ

🍀今回、ロボット兵やそれを感じさせるファンタジーな句が多くて驚きました。そういったフィクションで俳句を作ろうとするとぼんやりしがちだと思うのですが、この句はファンタジーでもしっかり映像を描写出来ているのが良いと思いました。 嶋村らぴ

🍀無機質な色の世界に可憐なすみれの色が際立っています。 唯果

🍀「バイオレット・エヴァーガーデン」の世界のごとし。すみれを愛しげに見つめるバイオレットの横顔が見えてきました。 有野 安津

🍀ロボット兵の手にあるのがすみれというのが、なんとも良いなあと。
優しい気持ちになりました。 充子

🍀ラピュタを想起させるアプローチの中ではこの句が好きでした。
すみれに着地するところが良かったです。 みずな

🍀たぶんラピュタのワンシーンの事を詠ったと思うんですが、
そうでなくても結構良い句だと思います 元野おぺら

🍀ラピュタの大きなロボットですかね?
すみれが良いなあと思いました。 赤尾双葉

🍀ラピュタをイメージした俳句がたくさんあり、嬉しくなりました。
この句は焦点がどんどん絞られていき、最後に季語「すみれ」のアップが見え、カメラワークがとても上手だと思いました。 とまや

🍀人間がいなくなった後も、ロボット兵は歌壇の手入れをしている。
なんていじらしい。ラピュタにこんなシーンがありましたね。
あの時手に持っていた花はすみれだったのか。 桃園ユキチ

🍀ラピュタが見たくなりました。 村瀬っち

🍀ジブリ系の句が多いなか、1番好きかも。
ラピュタのシーンまんまですが。 中村すじこ

🍀このロボット兵の顔は項垂れていると思います。
そして、その視線の先に手があるんだと思います。 恵勇

🍀鈍色の背景、所々錆や凹みのある巨大なロボットに握られた一輪のすみれ。季語が凄く輝いていますね。手にすみれを持った瞬間、ロボットに何かが生まれて来そうな、そんなドラマを感じさせてくれました。 大山和水

🍀亡国のロボット兵の手のすみれは、犠牲になった人へ手向けられるのか。「すみれ」の着地が胸を打つ。 おかげでさんぽ

🍀今の世界事情を愁うとき、こんな世界になってしまうのでしょうか。
すみれが何とも切ないです。でもすみれって可憐だけれど丈夫な植物なので、最後まで生き抜きそうな感じがします。 栗田すずさん

🍀灰色のロボット兵にすみれの紫が美しい。 三月兎

🍀この句の中で一番小さいものはすみれなのではないでしょうか。
大きなものから小さなものへと。
すみれが映像としてくっきりと浮かびます。 里山子



そして!なんだか栄えある「ヒマラヤ龍」はこの俳句ー!!(坂上みき風)




感想文19件

廃墟からの電話二月は忙しい 唯果


🍀忙しい時期にいっぱい電話が来ます。
そのうちひとつは廃墟からでした。忙しいから構ってられないですね。
ホラー感があります。二月以外にも忙しい時期はありそうですが、
寒い時期の方が廃墟と合っていると思いました。 葦屋蛙城

🍀不思議な不思議な句でした。
廃墟は表向きの姿で実は何か活発な活動のある機関なのでしょうか。
二月に妙なリアリティを感じて気になりました。 みずな

🍀こんなとこにまで来ても電話。面白みがじわじわときます。 空流峰山

🍀廃墟から無言電話はかかってくるし、二月は忙しいから勘弁してよ〜
ではなく、廃墟の方が忙しいのですね?これは廃墟ツアーが予約でいっぱいなのか、廃墟の中で起きる想像もしないような現象であたふたなのか…
二月は忙しい!が愉快。 オキザリス

🍀そうでなくてもやたらと忙しい2月なのに、廃墟からも電話がかかってくるなんて!たいした要件ではなさそうですが、無視もできない。
微妙なところです。 つまりの

🍀廃墟から?二月は忙しい?なんですけど好きです。 鷺沼くぬぎ

🍀廃墟からの電話・・・今だったら携帯あるから不思議ではないのか〜。
携帯のない時代だとあり得ないから、そのあり得なさと「2月は忙しい」の日常感とのアンバランスが面白いと一読思いました。
(携帯ない時代も長い年齢なので)
「廃墟からの電話」だけでも十分不思議ではあるけど。 天玲子

🍀ありえない設定で面白いなぁと思いました。
私には思いつきません。 赤尾双葉

🍀オカルトなのに喜劇
死んでからも仕事から開放されていない霊魂が悲しすぎる反面、「二月大変やね〜ん」という連絡をしてしまうところが滑稽です。 北村 崇雄

🍀廃虚からの電話、どんな用件なんだろう。
少しずつ春が近づく二月の電話。考えるだけでわくわくする。 げばげば

🍀「廃墟からの電話」も驚きだが、「二月は忙しい」にさらに驚く。
通常、飲食・小売・製造・旅行・結婚・運輸・引越・不動産etc、一般的な商売(特に客商売)の殆どは、二月は閑散期である事が多いのだ。
この時期に繁忙期になりそうな数少ない業種が「病院・葬儀屋」。
冬は寒さや感冒で命を落とす人が多いとの事だが……まさか……。
個人的準特選。 ヨミビトシラズ

🍀廃墟から電話。何か変わったことでも?とばかりに続く後半のフレーズが楽しい!本当にそれが日常の世界なのか、気にしてられないほどの忙しさなのか(そんなことあるのか?) 青井えのこ

🍀この兼題写真を見て廃墟と私も思いました。廃墟は恐らく類想。
しかしこの句は廃墟以降の展開においてその類想感を見事に払拭しています。私は確定申告を思い浮かべました。
想像の深さも素晴らしく最高に面白いお句だと思います。 丁鼻トゥエルブ

🍀廃墟から電話があったらびっくりだし、その謎めいた事象に取り合わせるのが「二月は忙しい」だなんて。
なんともとらえどころのない、絶妙なずれ方が好みでした。 村瀬っち

🍀なんの受付でしょう。二月は繁忙期なのですね。
電話が廃虚からというのが意味深。 万里の森

🍀廃墟から電話がかかってくるほど二月は忙しいんですね。
前半ホラーなのにクスッとしました。 中村すじこ

🍀遺跡を案内するツアー会社のスタッフ間の電話連絡でしょうか。
廃墟と、現在進行形で多忙な日常を生きる人々との対比が興味深かったです。 緒方朋子

🍀廃墟に探検に来た人からの電話。
本当なら、興味深く聞きたいけれど、自分は今忙しいからゆっくり聞けないよ、という感じかなあ。私では、思いつかない発想。 栗田すずさん

🍀廃墟から来た電話に「二月は忙しい」と返事したのではなく、廃墟からの電話がひっきりなしで二月は忙しいのか!!
廃墟からの電話。一体どんな用があるのか?
そもそも誰がかけて来ているのか?この主体はどんな仕事をしているのか?と次々想像したくなります。 大山和水


たんぽぽのわたが脱獄してるなあ いかちゃん


🍀すっとぼけた味わいのある句で、思わず笑ってしまった句。
特に「なあ」の響きがとても良い。
また、「牢獄」という重い設定が句の軽い雰囲気と良いギャップを生み出しており、さらに興味深い。廃墟の牢獄だったら呑気な来訪者、現役の牢獄だったら色々と達観してのんびりと(or淡々と?)過ごしている囚人……
どちらも読めて面白い。「(建物が廃墟にしろ現役にしろ)牢獄の中にたんぽぽなんて生えているのか?」という疑問はあったが、その辺は気にしない事にする。個人的特選。 ヨミビトシラズ

🍀鉄格子の間を抜けるたんぽぽの綿、それを見ている囚人。
ずいぶんのんびりした物言いだ。自分は脱獄できないとあきらめているのか、ぼんやりとしたふりをして、計画を練っているのか。
それにしてもこの人、どんな罪を犯したんだろうね。
あまり悪い人には思えないな。 桃園ユキチ

🍀環境が悪く、牢屋にたんぽぽが生えていると読みました。「してるなあ」と他人事のように綿毛を見ているのがリアルです。 雨野理多

🍀立派な高い塀を持つ近所のお屋敷を、監獄のようだと友達の間だけで呼んでいるのかもしれない。
隙間からは綿毛のたんぽぽが沢山見える。 片岡六子

🍀してるね〜してるね〜 元野おぺら

🍀捻典ワールドの詩がいつまでも沁みます。
生き急ぐ現代人に「ゆっくりでいいんだよ」とたんぽぽが教えてくれているようでした。 まんぷく

🍀囚われて動けない人間を尻目に、たんぽぽの絮は悠々と空を飛んでいってしまう。「いいなぁ、自由で」と思いながら絮を見送る作者のおかしみと切なさを感じました。 ノセミコ

🍀確かに・たんぽぽの綿毛なら、やすやすと脱獄可能。
「してるなあ」の語りでそれを見ている人物を描いていて面白い。 天玲子

🍀この春からは、会社敷地内のたんぽぽの綿毛を見るたびに「脱獄してるなあ」と思うに違いありません。
綿毛になって飛んでゆきたい。 月岡方円

🍀たんぽぽの絮がギリギリ繋がっている感じを上手に表していると思いました。口語の語り口がかわいいです。そうか、脱獄しているのかあ。 とまや

🍀「脱獄」というと、重たい・怖い印象があるのですが、「してるなあ」という他人事すぎる言い方にフッとしてしまいました。
確かにたんぽぽのわたの様子は「脱獄」かもね。
脱獄なのに他人事すぎる言い方。このおかしみが好きです。 嶋村らぴ

🍀脱獄がよいです。たんぽぽは子どもたちを送り出す親のイメージでしたが、看守だったのですね。
監獄の割には「しているなあ」が呑気で面白いです。 葦屋蛙城

🍀たんぽぽのわたのみ脱獄できるんですね。
ふわふわした集団脱獄。 中村すじこ

🍀たんぽぽのわたが飛んでいく様子「脱獄」という表現したところに、
詩的真実があるように思います。 里山子

🍀たんぽぽのわたが捉えられていたのか!脱獄成功を讃えます! 万里の森

🍀ひとりごとのような句ですが、結構深い句だと思います。
わたが飛んでいってなくなったから「脱獄」というのも面白いですが、
下五の「してるなぁ」が何とも味わい深いです。 山川腎茶

🍀脱獄してるなあ、この口調にやられました。
たんぽぽのわた、のひらかなと語感と存在のかわいさが脱獄で引き立ってからの、呑気な感じ。バランスが素晴らしい。 青井えのこ

🍀一つ一つ飛び立つたんぽぽのわたを脱獄と捉えてるのがユニーク。
自由への飛翔。 三月兎

🍀「脱獄」というパワーワードと、「たんぽぽのわた」「してるなぁ」というゆったりした表現の面白い組み合わせに心を掴まれました。
塀の下に咲いているたんぽぽにとっては、塀の中も外も関係ないこと。
春の暖かい風に吹かれてのんびりと飛んでいくたんぽぽのわたを、塀の中から羨ましい気持ちで眺めているのかもしれません。 北欧小町



今回の「ヒマラヤ龍(ドラゴン)」は、いかちゃんさんちゃん、
そして唯果さんのおふたりです!!

あれ?意外にもいかちゃん今回初でしたっけ??
ひょっとしてグランドスラム??
本人あんまりそういうの興味なさそうですけど、
多分グランドスラム達成!かも!?
どなたかご本人にその凄さを伝えてくださいませんか?

ひょっとしたらヒマなん最後のグラスラかもしれませんね!
たくさんの方に愛された名句でした!
おめでとうございます!!


今回は以上です!                          明日はいよいよ「ヒマラヤ地」の発表です!! 

第十六回 ヒマラヤなんちゃって句会


「ヒマラヤ苺」等々発表!!
「ヒマラヤ地」発表!!
「ヒマラヤ天」発表!!


ヒマラヤなんちゃって句会 アーカイブ
俳並連1st句集 「ふんわり」
恵勇先生の俳句小説シリーズ! 
「ほんとはね」 ヒマラヤで平謝り

選句 本文 編集/ヒマラヤで平謝り 
兼題画像/このはる紗耶    
SpecialThanks/髙田祥聖 カニくん


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ヒマラヤで平謝り
お試しで作ってみた項目ですので、本当にサポートしていただかなくてもいいのですが、万が一なんとなくそんな気分でしたら・・・!