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第十五回ヒマラヤなんちゃって句会 「ヒマラヤ龍」発表!
Twitter@himahira19で行っていた句会の結果発表の二日目です。
今日はみなさんの感想文をじっくり読んでみます! 一番感想文の集まった一句には「ヒマラヤ龍」を差し上げます! この賞は他の賞とも重複する可能性があります。
ここでもう一度、当句会の「グランドスラム」というものの説明をさせていただきましょうか。
「ヒマなんグランドスラム」とは、
「ヒマラヤ天」、「ヒマラヤ地」、「ヒマラヤ龍」、「ヒマラヤ苺」を、
それぞれ一回づつ獲った方を指します。
たとえば「ヒマラヤ苺」「ヒマラヤ天」「ヒマラヤ苺」「ヒマラヤ地」と獲ったという方も、一回づつ獲ったらOKですので、あと「ヒマラヤ龍」を獲ったら「グランドスラム達成」となります。
多分何名かリーチの方がいらっしゃると思います。
獲得したところでなんにもないのですが、ちょっぴり自慢できます。して。
ボクが受賞者を控えておけばたちどころに達成状況がわかるかもですが、 ボクがその人のグランドスラム達成を意識して選句してしまいそうですので、あえて把握はいたしません。野放し。
みなさんご自身で何を受賞したかを心に留めて、
「今回でグランドスラム達成したわ!!」という方がもしいらっしゃいましたら自己申告でお名乗りください!お祝いします。
さぁ今回もなかなかいっぱいの感想文がきましたよ!!
「ヒマラヤ龍」発表に参りましょう!
(俳句の俳号、感想文投稿いただいた方の敬称は略します。絵文字は化けるのでカットしました。本文は基本原文ママです。
が、俳句の番号で他の句を引き合いにしている場合は、番号の代わりにその句の作者名を入れました。)
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感想文1件
あかつきを待つ足裏に貼る懐炉 ツナ好
⛄足裏に貼る懐炉がリアリティ。
思わず足裏を見てしまいました。 永田千春
流離えば右も左も冬木立 宮坂変哲
⛄それは遭難。 鷺沼くぬぎ
摘出のビー玉に罅窓の雪 ギル
⛄上五中七がパワーワード過ぎ!
なんなんすか、摘出のビー玉って、子供が誤飲したのかなあ?それともアホな男子が鼻の穴に詰めちゃったとか?(ありそう)、その辺が一切分からないからこそ、この句はとても面白いと思いました! みづちみわ
雪道や木々を数えて一万歩 長嶋佐渡
⛄いつもの散歩道が雪景色に滑らないよう緊張しながら歩いてたら
けっこうな歩数になってたんですね。。。 正念亭若知古
街路樹に小さき三羽の寒雀 鳥田政宗
⛄地味だけど好き。 穂積天玲
チェシャ猫の消えて雪女はひとり 糸川ラッコ
⛄チェシャ猫、雪女より冷たいかも。 鷺沼くぬぎ
虔十の物語読む雪の朝 風早杏
⛄宮澤賢治作「虔十公園林」。
雪の日の朝読書で本好きな男の子が読んでいそうだなぁ。 唯果
雪漕いで両手両足息づかい 冬野とも
⛄腰くらいまでの雪でしょうか、それだけ雪があるとやはり雪が色々な音を吸ってとても静かになりますよね。
そして全身を使って漕いでいると、自分の息づかいだけがやけに大きく聞こえる。今この瞬間一人なんだという気持ちと、生きているという実感と、
大自然の厳しさと、それらがうねって迫りくる感じです。 秋野しら露
雪化粧汚す生き物は人だけ 水蜜桃
⛄確かにそのとおりかもしれません。
ただそれが必ずしも悪いことではないと思います。
人だからこそうして進歩してきたのですから。 山川腎茶
トロイカの急くや吹雪をまつしぐら みずな
⛄「急く」「まつしぐら」の組み合わせがいいですね。吹雪の中をひた走る馬や鞭打つ御者の様子がよく伝わってきます。 秋白ネリネ
鬼は冬落暉だるまさんがころんだ 伊予素数
⛄この句は、全部で18音の字余り、おまけに内容を考えて読むとなると
「鬼は冬落暉」と言う季語を含んだ前半と「だるまさんがころんだ」と言うみなさんご存知のフレーズを取り入れた後半で区切ることになるのでしょう。しかし、ここで敢えて[鬼は冬/落暉だる/まさんがこ/ろんた]もしくは[鬼は冬/落暉だ/るまさんが/ころんだ]などわざとギクシャクしたリズムで読んでみて下さい。これぞまさに子供の頃に遊んだあの「だるまさんがころんだ」ではないでしょうか!?
そしてそれは、冬の落日が、ちょっと目を離した隙にあっとゆうまに沈んでゆく姿と見事に重なるのです。 東京堕天使
煌めきて音を忘れし霧氷林 シルマ☆
⛄音を忘れしの措辞が素敵 日向
処刑台の雪踏み王妃なお凛と 渡辺かや
⛄囚人服を着て、処刑台へ向かうその人はかつて王妃と呼ばれ、
羨望の的だったことでしょう。
今はその頃の面影はないはずなのに、死を目前にしても失われないその凛とした姿に衆人は何を思い、何を感じているんでしょう。 秋白ネリネ
欲しかったひと想い出す冬の道 いなば也
⛄「好きだった」とかじゃなく、「欲しかった」という表現に情念を感じます。石川さゆりさんに歌ってほしい世界観。 ノセミコ
押し黙る真白き樹々やけふ大寒 月岡方円
⛄「押し黙る」と季語で、寒さがより強調されているな、
と思いました。空流峰山
欲しいのは上空百メートルの雪 うからうから
⛄これは!!荒木健太郎先生ではなかろうか? エアロゾル! 直(なお)
結球を待つ言葉たち六花 梵庸子
⛄ひとつひとつの「音」が 17 集まって俳句になる(結球する)のに、どのように組み合わせたらいいのだろう。ひとつひとつの「音」は雪の結晶のように、色んな形でキラキラしているのだから。 空流峰山
まっさらな冬の朝を踏む右足 村瀬っち
⛄最初の一歩の感覚は何故か印象深い 宮本モンヌ
北の空を泳ぎすぐ死ぬ雪虫 山川腎茶
⛄雪虫の動きを「泳ぎ」と表現しているのが好きです。すぐ死ぬけれど、
たしかに空を自由に泳いでいたのだと思える。 おかげでさんぽ
星は綺麗か渋滞の雪原 栗田すずさん
⛄渋滞で動かないと連絡でもあったか。
星の美しさを問うことで外の世界へ目を向ける。 藤白月
感想文2件
雪晴れに見果てぬ夢を完結す まつ毛二億センチ
⛄抽象的ではあるがある手応えのある心情を言い留めている。
「雪晴れ」に救いがある。 穂積天玲
⛄雪晴れと完結すが清々しく潔い感じ 日向
遠き日を踏む音沈む雪の道 楽花生
⛄正直、映像はパッと浮かばないのですが、「哀愁」「過去を振り返らない」イメージを持ちました。ポジティブというよりかは現状を耐え忍ぶ、
でも負けない。そんなイメージを持ちました。 空流峰山
⛄遠き日を踏むという表現がとても好きです。
雪のぎゅっぎゅとした音もきこえてきます 万里の森
シベリアをふるまふやうな冬の朝 麦のパパ
⛄ここ3~4日、本当に「シベリア」を「ふるまわれ」ました、寒すぎます。
ぴったりの表現です。つまりの
⛄このシベリアは羊羹をカステラで挟んだやつでしょうか。
発想のずらし方が好きです。みづちみわ
橇駆るや魔王ここにもあそこにも あなうさぎ
⛄シューベルトのあの曲がずっと頭から離れない。 直(なお)
⛄もうすぐ日が沈む、逢魔が時。
急がないと木立のあちこちからあの甘い声が聞こえてくるのです。 つまりの
音のせぬ全き世界雪の原 秋野しら露
⛄そう、音がなくなるんですよね雪が降りそうになる時にも耳をやわらかくなにかでふさがれてるような、、、ひとり、を、感じます 正念亭若知古
⛄無音の銀世界、人も動物も命あるものがひとつもない雪に覆われた場所は、穢れとは無縁の、畏敬を覚えるほど清浄で完全な世界なのかもしれませんね。 秋白ネリネ
雪晴れの喉の震えやサッポロペッ 阿部八富利
⛄オノマトペに札幌に対するやるせなさを感じてしまいます。
声にならない声。なにをはき出したいのか?
しっとりとした冷たい空気がそれでも少し救いを感じさせます。葦屋蛙城
⛄思わず声に出して笑ってしまいました。着地の「ペッ」が最高です。
景も見えますし、ペッの余韻が素敵です。(笑) 大山和水
犬橇跳ぶや糞を蹴散らし撒き散らし 北欧小町
⛄「蹴散らし撒き散らし」の描写に躍動感を感じます。
そりゃ犬橇の犬も糞するわな……と妙に納得もしました。 ノセミコ
⛄犬橇に馴染みのない人間は勝手に白一色の世界を想像しますが、
言われてみれば雪煙の中に糞だって混じってしかるべき。
だって生身の犬だもの。 岩瀬百
悔恨を幾つ樹氷の白々し たーとるQ
⛄雪国と雪原のイメージに深まりを感じました。 楽花生
⛄悔恨に樹氷の白々しさと冷たさが沁みるイメージを抱きました。 岸来夢
進むべき道はここから初御空 空流峰山
⛄初御空の清々しさと、凜とした惜辞が響きました。 岸来夢
⛄いつだって思い立ったときが始まりのとき。
初心にもどれる初御空の清々しさが際立って素晴らしいです。 秋野しら露
真っ直ぐな道彷徨って冬銀河 日向
⛄冬の夜空を見ながら歩いていたら、真っ直ぐな道なのに彷徨ってしまったのでしょうか。きれいな天の川を辿って歩いてみたいものです。 唯果
⛄「真っ直ぐなのに彷徨う」に共感。道はわかっている、そのまま真っ直ぐ行った方がいいということはわかっているのに、迷ってしまう。
迷って迷って迷って、結果として同じ道に戻ってきてしまったとしても、
迷ったことは無駄ではなく、見上げた先には澄みきった銀河が広がっている……そうであって欲しいと願います。 ノセミコ
暁光へ向ふ衝動寒明忌 おかげでさんぽ
⛄「寒明忌」この季語を見つけた時点で勝利している句なのに、
上五中七も嫌味のない措辞でまとめています。イサク
⛄寒明忌。碧梧桐の忌日なのですね。存じませんでした。
「暁光へ向かふ衝動」に、何か切羽詰まったものを感じる。 穂積天玲
足跡の途絶えて冬木道の謎 みづちみわ
⛄謎を色々と想像出来ました。 でんでん琴女
⛄ミステリーですね〜。
それともスピリチュアルな出来事なのか。 万里の森
冬木立消失点のその先へ 閑々鶏
⛄澄んだ冬の空気感が伝わってきます。
心が澄んで視界まで開けて行くような爽快感があります。 岩瀬百
⛄果てしなく「前」だけを見る視線。
「挑戦」の文字が見えるようです。 空流峰山
七分の一の子探す雪女 伊藤 柚良
⛄七分の一の子探す、がとても引きつけられました。 風早杏
⛄発想が面白いと思います。 でんでん琴女
感想文3件
サモエドもふぁもふぁ雪の原サクサク 秋白ネリネ
⛄サモエドもふぁもふぁ雪の原にまさにピッタリ。 まのわ
⛄もふぁもふぁというオノマトペがサモエドにピッタリです。
雪景色からサモエドへ発想を飛ばせたのもすごい。
サモエドが雪の原を楽しそうに歩いているのが見えます。 平良嘉列乙
⛄サモエドかわいいです。雪と同化してしまいますね。 葦屋蛙城
雪空の底方しうしう余燼かな 有野 安津
⛄雪空の底方って素敵な表現ですね。
雪の冷たさと燃え残り燻っている火の熱、雪の白と余燼の朱色の対比が効いているなと思います。雪空から始まりしうしうが何かと思うと余燼。
語順が良いなとそして空から地上へと景の大きさも魅力です。 三月兎
⛄さっきまでの焚火がまだ燻っている感じを「しうしう」と表現したところが良いですね。焚火を消して旅立った人たちはどうしているのか、
いろいろと想像が膨らみます。 北村 崇雄
⛄陽の落ちる間際の様子を「余燼」と表現し、それは雪空の底方であると捉えていることに驚きました!
「しうしう」が雪と陽にきれいに響きます。 麦のパパ
犬橇の湯気立つ糞も踏みにけり いたまきし
⛄犬ぞり、見たことのない私には夢の橇だけど、犬は生き物なんだ、
と気づかされました。 栗田すずさん
⛄北欧小町さんの句と同じで犬橇の犬の糞に着目した句。
こちらは糞の湿気や温度や踏んだ時のぬちゃっとした感触まで感じさせてくれます。 ノセミコ
⛄そこに犬ぞりがあったら、そりゃ糞も踏むだろう。
湯気も立っているだろう。誰も言わないけれど、多分そうだろう。
と、説得力のある句だと思いました。 青川紅藤子
北国の勤勉凍死のリアリティ 鷺沼くぬぎ
⛄私自身は北国に住んだことはありませんが、寒い日にubereatsをよく利用します。
怠惰に家でデリバリーを待つ私は、時間通りに来る配達員さんのことが心配になったりします。
勤勉な人の方が凍死に近いかもしれません。 青川紅藤子
⛄ひぃ! 灯油買って〜! 桃園ユキチ
⛄極寒の北国で野外でのお仕事だとしたら、「凍死」という言葉が現実味を帯びてきますね。
勤勉だからこそ、仕事をサボるとかズルするとかできなくて、命の危険を感じながらも勤勉に働いてしまう悲しさ。 秋白ネリネ
年の空月がもうすぐ生まれるよ とまや
⛄年越の準備を終えて、大晦日の空を見上げる。
「月がもうすぐ生まれるよ」の措辞は家族や恋人に向けて一緒に年を越そうと呼びかけている温かい言葉だと思いました。 唯果
⛄大晦日、淡い光は月の出の前触れ。
そっと見守るようにのぼりくるそれは、新しい年へ向けての祈りかもしれません。 このはる紗耶
⛄「月がもうすぐ生まれるよ」 素敵です! 空流峰山
冬夕焼今日はピアノ弾きたくない 立田鯊夢
⛄冬の夕焼は十分言い訳になりますよね。 楽花生
⛄きっと毎日ピアノを練習しているのでしょうね。
胸に沁みる冬夕焼。
じっと夕焼けを見ていたい、そんな日もある。 鷺沼くぬぎ
⛄ちょっとすねたような、何かあったのかな、と思わせる力がある句だともいます。季語の「冬夕焼」を信じた句だといえるのでしょう。
私もこんなふうに、季語を信じて詠みたいものです。 村瀬っち
冬暁を真つ直ぐ歩く イサク
⛄シンプルで多くを語らない良さがあると思いました。 充子
⛄山頭火みたい。カッコいい!決意をもって歩いている。 直(なお)
⛄自由律! 潔くて凛とした冬の朝にピッタリの句だと思いました。
素敵です。 村瀬っち
クリスマス「本日ZOOM講義です」 コンフィ
⛄季語とセリフのみのシンプルな構成が良いです。
12月25日当日に「本日」と言われるなら、前日に言われるよりはマシかも?
イサク
⛄まぁ今どきのアルアル感でしょうか 楽花生
⛄今っぽい句。
クリスマスにかぎってのオンライン講義は、嬉しいのか忌まわしいのか。
実は先生に何か素敵な予定があるのかもと噂話も広がりそう。 青川紅藤子
兵馬俑めく雪原の木立かな 濃厚エッグタルト
⛄あ、あの木立は兵馬俑だったのだ、ととてもしっくりきました。
雪が地表を覆って全ての生き物を静かな柩に閉じ込めている。
そしてそこに兵馬俑としての木立。
ただひたすらた真っ直ぐ佇む姿はまさに兵馬俑。
好きです、この句。 秋野しら露
⛄兵馬俑の例えが嵌っています。時代を超えた言葉選び。
かな、から迫力や感情が様々想起され、詠嘆が効果的に機能しています。
青井えのこ
⛄一面に雪の降り積もった木立しかない風景を兵馬俑に喩えることで、
即物的な感じだけでなく、その恐さも併せて表現している点にオリジナリティがある。 北村 崇雄
雪しまく車の下の猫団子 ヒマラヤで平謝り
⛄猫団子という言葉で映像が浮かぶ。
雪しまくって大丈夫かとちょっと心配になってしまうほど。 まのわ
⛄吹雪の中、車の下で猫の親子が身を寄せあっている景がありありと浮かびます。猫団子の中はぬくぬくなんでしょうね。
猫ちゃんに頑張れ〜と声をかけたくなりました。 大山和水
⛄吹き荒れる雪の中、かたまって暖をとる猫たち。
いじらしさとともに外で生きる動物の強さを感じます。 レアレア
感想文4件
雪うさぎ耳の毛は耳護るもの 片岡六子
⛄耳の毛は耳護るもの、納得。鷺沼くぬぎ
⛄雪うさぎが自分で呟いて聞かせてきたような、童話のような想像をしてしまう綺麗な御句です。 おかげでさんぽ
⛄耳の毛に焦点を当てたのが良いと思います。
雪うさぎにはないものですしね。 紗羅ささら
⛄これがもし「うさぎ」の句であれば説明臭さが残りますが、「雪うさぎ」であることで詩になりました。耳は葉っぱでしょうか。
繊毛のある葉かもしれません。雪うさぎの儚い命を護る毛の優しさ。
あるいは、一物ではなく取り合わせと読んでも面白いかもしれませんね。
いかちゃん
寒暁の詫び状まつしろまつしろ 三尺玉子
⛄「寒曉の〜まつしろ」までなら誰もが思いつくかもしれない。
そこへ詫び状を取り合わせる。
ん、真っ白な詫び状?いやそれ謝ってへんやん、知らんけど。 北村 崇雄
⛄朝早くから書いているのか、はたまた書けなくて朝になってしまったのか。なんらか詫びなければならないが、言葉も出てこず白い紙を見ている。外も雪で真っ白である。 青川紅藤子
⛄まつしろまつしろのリフレインが、よっぽど書けない詫び状を際立たせていて、辛い暁が寒いです。 みずな
⛄繰り返しがいいですね。 永田千春
白雪姫も老いてひたすら大根擂る ノセミコ
⛄そうそう。白雪姫だって後日譚は絶対ある筈ですもんね。
でも、大根を掘っている白雪姫、決して不幸ではなさそうな気がします。
鈴白菜実
⛄白雪姫の老後を想像しました。 永田千春
⛄老いた白雪姫が大根を一生懸命すっているという発想がシュールで面白いです。 音羽実朱夏
⛄愛と夢とか...。ええ、ええ、そんな日もあったわね。
でもね、額に汗して働く、今が一番幸せよ。 鷺沼くぬぎ
缶入りのコーンポタージュ冬木立 まのわ
⛄コーンポタージュのクリーム色の缶と冬木立のモノトーンが良い対比になっていると思います。 岸来夢
⛄コーンポタージュと冬木立は動かないですね!
どちらもドラマチックな言葉で、お互いを引き立てていて情感があり、
物語の広がりを感じます。 里山子
⛄熱々の缶飲料は直ぐには飲まず、手を温めてからその時を待つ。
大事そうにプルダブを明け、少しずつ味わう感覚が伝わります。
そして飲み干す先にはさっきと違う冬の空がある。
視点誘導と五感に訴える、まさに冬の句でした。 まんぷく
⛄朝、自販機で缶入りのコンポタを買って、缶で手を温めながら駅の階段を駆け上がって行くサラリーマンを思い描きました。 唯果
墓場まで連れてゆく嘘鎌鼬 幸田梓弓
⛄自分の嘘なら「持ってゆく」。誰かの嘘だから「連れてゆく」。
そんなところから切るなんて。避けられない。
鎌鼬って季語はこう使うのですね… 片岡六子
⛄墓場まで連れていく嘘と決心はしているが、心はふいに血を流すような切なさか? 充子
⛄触れてはならぬもの。 鷺沼くぬぎ
⛄墓場まで持って行く、つき通さなければならない嘘だけど、
それは身を切るような苦しさでつき通す嘘なのだろうと想像します。 唯果
宮線を添ふやシベリアより帰還 ひでやん
⛄宮線を添ふと言う季語を初めて知りました。
シベリアより帰還との取り合わせが深いと思います。 唯果
⛄時候の季語の選択がフレーズに合っています。
帰還という書き方が事務的、仕事的なものを連想させます。
もしかしたら戦争かも、、 コンフィ
⛄「宮線を添う」で季語。その昔宮中で日影の長さ測って、日脚の伸びを確かめたことに由来するらしい。シベリアから帰国するのを待ち続けた時間の長さを思うと胸に来ますね。 北村 崇雄
⛄宮線を添う、なんて季語初めて聞きました。勉強になります。 穂積天玲
さあ発とうこの風花を答辞とし このはる紗耶
⛄少しの不安と期待。決意に満ちた顔が見えた 日向
⛄とても希望にあふれていて上手い句だと思いました。卒業式でしょうか。風花を答辞と捉える感じ方が魅力的でした。 充子
⛄「風花を答辞と」する感覚が素敵です。 うからうから
⛄どこへ出発するのでしょう。
送辞を受けて、それに返す答辞が風花だという。カッコいいです。
簡単には帰らない強い気持ちを感じます。 みずな
朝活の読書を雪の声かすか 久保田凡
⛄教室の静けさ、本のページをめくる音、柔らかく静かに降る雪、
情景がはっきりと見えます。「雪の声かすか」の措辞が詩的で美しいです。とまや
⛄しんとした時間が流れます。雪は音も無く気づかぬうちに存在をあらわにします。聞こえないはずなのに気配が音として感じられます。わたしは寝ているときの無音に雪を感じることが多いですね。 葦屋蛙城
⛄読書の声のつつましさと雪の静かな感じが交差している美しさが好きです。 充子
⛄朝のしんとした空気を感じます。 岸来夢
モノクロの世界が好きと綿虫は 三月兎
⛄北海道では雪が降る前兆と言われていて傍題の雪虫と一般的に呼ばれています。雪を降らせるのはモノクロの世界が好きだからなのか。 中村すじこ
⛄詩的でいいと感じました。 永田千春
⛄綿虫は黒い躰に白い綿(蝋)を纏っており、まさにモノクロの装い。
それを雪虫自身が好んでいるのだという擬人化、あんなにも小さく儚い存在が自分を取り巻く広い世界に対する美意識を抱いているという表現に詩心を感じます。 緒方朋子
⛄綿虫に心が有って思いを伝えてきた発想が面白いです。
モノクロの世界が好きと言うのも納得できます。短い期間しか姿を見せない綿虫らしい呟きです。 おかげでさんぽ
感想文5件
哀しみを吸って霧氷は透きとおる 岸来夢
⛄美しい句と思います。 でんでん琴女
⛄ひたすらに綺麗です 栗田すずさん
⛄霧氷の透明感は哀しみを吸った故なのか、成程 日向
⛄感受性が素晴らしいと思います。
悲しみを吸うほどに透きとおるのでしょうか。
美しさが残る句末の余韻もいいですね。 青井えのこ
⛄「霧氷」という名曲がありましたねぇ。
句にも詩が感じられます。 山川腎茶
『こどものとも』に雪原だけの写真集 新田ダミアナ
⛄絵本ではなく写真集。北海道、美瑛の雪景色が浮かびました。白銀の世界に子供は何を思い描くのだろう。 オキザリス
⛄うまく言えませんが、大変好きです。
そして、私の両膝に乗る娘達の重さを思い出しました。
ありがとうございます。 つまりの
⛄『こどものとも』にはずっとお世話になり続けている。
こんな本きっとある。 直(なお)
⛄毎月楽しいシリーズが読める「こどものとも」には、雪原だけの写真集の回もあるのかもしれません。
表紙の映像が一瞬で飛び込んでくるような句。 里山子
⛄懐かしく「こどものとも」を子供に読み聞かせていた頃を思い出しました。こういう科学的な号もあって、写真の様子を見ながら、親子で、「あ、うさぎさんがいるね」「お日様がきれいだね」とか話し合うんですよね。
字がなくても、長い時間1冊の本を堪能できるんだなと、「こどものとも」に教えられました。 鈴白菜実
耳鳴りは火の眠る色六花 DAZZA
⛄耳鳴りが火の眠る色だったとは!火と雪の対比。 伊予素数
⛄音を視覚的に描いていて秀逸。ざわざわするものを感じる。 穂積天玲
⛄火の眠る色と耳鳴り、六花ともう詩です 風早杏
⛄周りには聴こえないものを色で定義した強い言葉、それと対比するような静寂と純白のバランスが良いと感じます。
原因不明で発生する病と、必然性を伴い現れる雪とに哲学を見た気分です。 まんぷく
⛄幻想的な世界に吸い込まれ、ただ、ただ、素敵としかいいようのない大好きな句。いつか私にも、このような句が詠める日が来るのだろうか。
この句に出会ったことに幸せを感じました。 モッツァレラえのくし
しばれたる朝はきれいで少し泣く さおきち
⛄なぜ涙が出てくるのでしょう。 楽花生
⛄感覚としてすごくよく分かります。
清少納言が昔々「冬はつとめて」と言ったように、冬の朝の特別感をしっかりと描いています。 里山子
⛄この涙の美しいこと。しばれたる朝に方言の感じもあるのかな?
素敵な句です。 丁鼻トゥエルブ
⛄しばれるほどの寒さだからこの美しさはある、そして泣ける。共感 日向
⛄しばれたるが季語でしょうか?調べたのですがよくわからず。
句の美しさに惹かれました。あまりにも美しいものを見ると少し悲しい気がします。仮名表記、調べの柔らかさが良いなと思います。 三月兎
神さまが好きで雪螢に生まれ 嶋村らぴ
⛄神さまが好きで雪螢に生まれるんだ。詩的できれい。 まのわ
⛄柔らかく優しい句で好きです。
雪蛍が見える日はそばに神様がいるのかも。 とまや
⛄池田澄子さんへのオマージュと共に、輪廻の美しさが際立つ作風にやられました(笑)
これから冬になることを告げる仕事を命ぜられた小さな小さな命たち。
言いさしで終わらせる「余白」や「余情」も好きでした。 まんぷく
⛄とても惹かれました。雪蛍になれると神様のそばに行けて、お話とか出来るんでしょうかね?うん、きっと出来るんでしょうね!
雪蛍はみんな神様が好きなのかも?と思うと、わくわくして来ます。
素敵なファンタジー俳句、妄想がどんどん広がりました。 大山和水
⛄なんかもう、神聖な気分になりました。「雪蛍」という響きが素敵。
「綿虫」ではなく「雪蛍」を選択したセンスにしびれました。 村瀬っち
霜日和M-1敗者復活戦 北村 崇雄
⛄鳥さんっぽいなーー違ったらすみません
句全体から季節感が漂い、敗者復活戦の選択が面白いです。 コンフィ
⛄毎年なぜか寒い野外で行われる復活戦。
笑いに対する熱い想いは大気中に溜まり、やがて…
いや、井口君に怒られそうなので、この辺で。 片岡六子
⛄毎年寒い中での漫才が印象的なM-1敗者復活戦。
面白いけど、切ない。
切ないけど、面白いですね。 うからうから
⛄敗者復活戦を控えた朝を思いました。
もしかしたら最後の挑戦なのでしょうか。やる気は漲っているけど心がとても静かな様子が感じられます。 レアレア
⛄M-1敗者復活戦、みんな実力があって、でも決勝に行けるのは一組だけ。
その日一番持ってるコンビが決勝に行ける。まさに、霜日和ですね。
決勝に行けずにM-1を去ったコンビがどれだけいるのか。
そんなM-1戦士たちにも大きな拍手を贈りたい。 里山子
※ボクは投句してくださったみなさんに大きな拍手を送りたいです! ヒマ
クリスマスツリーになれず前を向く 花咲めだ香
⛄そもそも樅の木はクリスマスツリーになりたいのか?
木々同士でマウントを取り合ったりするのだろうか? ……と、今まで考えたこともない疑問に気づかせてくれた一句です。 ノセミコ
⛄ちょっと切ない句ですね。ツリーになれなかったもみの木のつぶやきでしょうか。でも、前を向いているなら、次の希望に顔を向けているはず。
「がんばって!」と励ましたい。 鈴白菜実
⛄もみの木になりきっててすてき。 穂積天玲
⛄他の木はきらきらの電飾やお星さまをつけて貰って華やかに。
本当は羨ましいのに、いいもん、あんなちゃらちゃらしたの邪魔だもんいらないもんと拗ねて他の木を見ない様に前を向いている。
そう考えたらめっちゃ可愛い。 三月兎
⛄いいよ!クリスマスツリーになんかなれなくても。
下を向かずに前を向いているところがカッコいい! 直(なお)
雪女郎たましい留める風が好き 葦屋蛙城
⛄たましい(=スカーフ)、風(=ブローチ)と置き換えて読んでみたらクスッと笑えました。雪女郎は意外にオシャレさんかも。 唯果
⛄たましいを留める風、妖しいですね、雪女郎にぴったり。 伊予素数
⛄「たましい留める風」が好きです。 でんでん琴女
⛄たましい留める風という表現がとてもいいなと思いました。 レアレア
⛄着地の「好き」がなにやら神々しい。
「留める」は「とどめる」と読みたい。 イサク
降る雪とレモンケーキとニルギリと 唯果
⛄ティータイムの窓から見える雪はどこか軽やか。
雪の日の和み、素敵です。紅茶もレモンケーキもおいしそう!このはる紗耶
⛄降る雪を眺めながらレモンケーキとニルギリおいしそう! まのわ
⛄紅茶とせずニルギリとしたのが効いています。香り高く優雅な時間。
紗羅ささら
⛄レモンケーキとニルギリから暖かいカフェから見る雪景色が見えた 日向
⛄ニルギリって紅茶の高級銘柄なんですね。
窓辺でレモンケーキを食べながら紅茶を飲む。
暮らしぶりのなんと上品なことか。 北村 崇雄
雪道の奥の奥には陽の寝床 でんでん琴女
⛄雪道の奥は陽の寝床明るい希望がみえてきます。すごいです。 風早杏
⛄1部だけ日の当たる所のように感じた、こう言う感覚は好き 宮本モンヌ
⛄景がすぐに目に浮かびました。「奥の奥」といふ繰返しが雪道の長さと冷たさを感じさせますが、下五に太陽の寝床が出てきて驚きました。
雪の本質を突き詰めると「陽」に似ているのかも、と様々な空想を楽しめました。 三尺玉子
⛄「陽の寝床」が素敵です。 「奥の奥に」ある陽の寝床。
ほっこりするひだまりなんだろうな、と思いました。 空流峰山
⛄発想がおもしろかったです。
「陽の寝床」って、壮大でいいなぁ。 村瀬っち
初雪だよノーマルタイヤだよ宿だよ 平良嘉列乙
⛄1泊2日のドライブ、準備なく走っていたら雪が降り出して、ちょっと投げやりになっていたけど無事に宿に着いた、ということかな?
「だよ」の連呼が楽しい。 鈴白菜実
⛄「だよ」の畳掛けが楽しい一句。
初雪の感動とノーマルタイヤの焦りと早く無事に宿に辿り着き、温泉に浸かりたい…が分かる分かる。 オキザリス
⛄このユル〜い畳みかけ、好きです。 みづちみわ
⛄さあ、どうするよ、と最後につきそうで、情景が見えて楽しくなった
日向
⛄「〜だよ〜だよ」と畳みかけるのが、雪道を行く緊張感を思わせる。
「宿だよ」の着地にホッとする。 おかげでさんぽ
感想文6件
左とは右の手かげん雪合戦 登りびと
⛄なるほど〜と納得大人と子供か 宮本モンヌ
⛄「左とは右の手かげん」とは何と上手く言うのでしょう。
雪合戦の最中の誰かの言葉でしょうか。自分の心の声でしょうか。
賑やかな雪合戦での冷静な語り口が面白いです。 おかげでさんぽ
⛄濁音が3つ入りながら、なお美しさを韻律に留めているのが凄いですね。
雪礫を作る工程や全体を俯瞰するようなカメラワークを感じました。
まんぷく
⛄利き手ではない方の不自由さは手かげんであったのか。
そう思うと多少のもどかしさまで愛してしまいそうです。
ありがとう左手。明日からご飯は左手で食べます。 DAZZA
⛄措辞と季語の取り合わせがとても良いなと思いました。雪合戦の玉を投げる手の瞬間がくっくりと浮かびました。 三月兎
⛄上級生と下級生が混じった雪合戦。上級生は手加減するために左手で投げるルールにして仲良く雪合戦をしている場面を想像しました。
少ないワードで複雑な場面を連想させる手腕、お見事です! 阿部八富利
イルミネーション点灯を待ちおでん 千代 之人
⛄このイルミは、クリスマスのイルミネーションだろうか?
読者の想像を裏切るおでんとのギャップが面白い。
赤提灯ではないのね。 唯果
⛄シャンパンとか指輪ではなく「おでん」というところにくすっと笑ってしまいました。
イルミネーションを見ながらのおでん、おいしそうです。 とまや
⛄「イルミネーション」と来たら、普通は次に「ケーキ」とか「ワイン」とかが来るだろうが……まさかの「おでん」。
季語の関係もあってそうなったのだろうが、このミスマッチ(?)は句に程良いほんわか感を生み出しているような気がする。 ヨミビトシラズ
⛄なんだかこころに残る一句でした。東京の広めの歩道橋の隅当たりに構えているおでん屋さんが浮かびました。 万里の森
⛄おでんの着地が面白いです。 永田千春
⛄綺麗なだけで終わらない、おでんの落差とリアリティがいいですね!
みづちみわ
感想文7件
寒林に遠近法を生むひかり オキザリス
⛄ひかりへの着地がいいです。 紗羅ささら
⛄寒林がずっと続いている。この人物は寒林を眺めているのか、
描こうとしているのか。ふと気づいたのだろう。
あのひかりが遠近法を生むのだと。俳人の目ですね。 三月兎
⛄寒林は寒々しくて、無彩色のひと塊りに見えてしまうけど、ふと差し込んだひかりによって、林の奥行きや拡がりが見えて立体的に見えたのかもしれません。遠近法という言葉が寒さに響くようでした。 みずな
⛄「遠近法を生むひかり」が好きです。 でんでん琴女
⛄まっさらな雪原の奥の光が、広がりを運んできたのですね。 伊予素数
⛄一番素晴らしい俳句だと感じました、寒林の中に光を入れるだけではなく遠近法という言葉を用いることで読者への創造を掻き立てるような俳句です、今年のプレバトの水彩画の査定が楽しみになってきました 鳥田政宗
⛄読み終えたとき、モノクロだった世界に、ぱーっと光が差してきた気がしました。 村瀬っち
タイムスリップまぁかまくらでも作るか ぞんぬ
⛄え?せっかくタイムスリップしたのに、もっと別にすることがあるでしょ?と思いましたが、アニメ映画の「時をかける少女」の真琴も、タイムリープしても殆どが大したことしてないんですよね。この大らかさに惚れました! 鈴白菜実
⛄タイムスリップしてるのに「まあ」「でも」「かまくら」動じてない、、達観してる、、 銀紙
⛄どこかよくわからないところにタイムスリップして、着いたのは銀世界。
人はいないし、家もなくて、どこが道かもわからない、さて、どうしようか。と悩んだのはほんの一瞬で、こんな雪に出会うことなんて今までなかったし、どうしてここに来たのかとか、これからどうするかとかは後回しに、まずは遊ぶ!
元世界では作ったことのないかまくら体験ができるし、いいじゃないか、
って感じでしょうか。 秋白ネリネ
⛄タイムスリップした感があったら、足掻いても仕方ない。 藤白月
⛄ひらきなおりっぷりが突き抜けていて思わず笑ってしまいました。
かまくらが作れるほどの量の雪に負けない、
ゆるっとポジティブ。 このはる紗耶
⛄おいおい、そんな悠長な事言ってる場合じゃないでしょと思わず突っ込みたくなる。
でも案外こういう人は強い。好きだなぁ、この人物。 三月兎
⛄この句に俳句らしい趣があるかどうかと聞かれると困るけど……
「タイムスリップ」という俳句になりそうもない突拍子もない単語を句に組み込んできたその勇気を、私は買いたい。 ヨミビトシラズ
骸抱く樹氷は朝を濾過しつつ レアレア
⛄骸の風景が見えてきます。 楽花生
⛄朝を濾過しつつ、がいいですね。 永田千春
⛄樹氷が骸を抱くというよりは、木の根元あたりに骸があると想像しました。濾過された朝に送られた魂はきっと幸せに生まれ変わる。 このはる紗耶
⛄冴えざえと美しい。ダイヤモンドダストが見える。 直(なお)
⛄息絶えてしまったものの魂と、厳寒の中咲いていく雪の結晶に荘厳な物語を感じました。
音のない世界を存分に描ききるスタイルが好きです。 まんぷく
⛄朝を濾して輝く樹氷のなかには何の骸が抱かれているのでしょう。
それはとても静かで美しい死であるような‥‥ つまりの
⛄骸抱く樹氷、素敵な表現ですね。
しかも、朝を濾過しつつがうまいなぁと思いました。
一日のはじまり、澄んだ空気の朝を濾過するとなると、残るものは一体!?
美しく煌めく氷の世界が浮かび上がりました。 大山和水
樹氷林きれいな死へと続く道 大山和水
⛄「きれいな死」にどきっとしました。 うからうから
⛄綺麗なものに永遠はないのかもしれない。やがて消えゆくものにきれいな死というのは、一番の措辞なのかもしれない。 モッツァレラえのくし
⛄雪原の静寂や白一色の世界は、不思議と死後の世界を思わせる。
また、句景や句意は違うのだが、青川紅藤子さんの句とどことなくリンクしている句のようにも感じる。 ヨミビトシラズ
⛄樹海の奥深くを目指して、樹氷林のキラキラした美しさに
「ああ、こんな綺麗なところで、綺麗に死ねるんだ」って、誰の足跡もない雪道を歩いているのかな。 秋白ネリネ
⛄「きれいな死」という表現に惹かれました。きっと血も涙も涎も糞も垂れ流さない、瞬間冷凍のような死なんだと思います。 ノセミコ
⛄きれいな死とは何だろう。
樹氷林の存在感が大きく感じられました。 音羽実朱夏
⛄最後に見える径はこんな道なのでしょうか 万里の森
窓を開けプレパラートに新雪を 桃園ユキチ
⛄きれいな雰囲気が好きです。「プレパラート」というワードを持ってくる言葉の選び方も素敵だと思いました。 花咲めだ香
⛄雪が降る中、学校での授業でしょうか。
雪がとても軽やかに見えてきます。 レアレア
⛄ああ、プレパラート!情景が見えました。 永田千春
⛄理科の授業で顕微鏡を使っていろんなものを見ているんでしょうね。
「あ、雪」と気づいた途端、雪の結晶を見るために勢いよく窓を開けてプレパラートを突き出している男子の姿が浮かびます。 秋白ネリネ
⛄授業中に雪が降って来たので、よし窓開けろ雪を取れと先生が言ってそう。もしくは生徒が好奇心から窓を開けて取っているのかも。
理科の先生ってそういう好奇心をうけいれてくれそうな気がします。
そういうワクワク感がいいですね。 秋野しら露
⛄実験室で集中していると雪に気づきます。ちょっと気持ちが安らぎますね。さて一息入れて実験の続きです。 葦屋蛙城
⛄大好きな句です。プレパラート、顕微鏡の長方形のガラス板ですよね。
それを窓の外に出す。なぜを思うと初雪ですよ。
雪の結晶を顕微鏡で見るんですよね。
書いてないけれど、六花という季語も連想してしまいます。
初雪の喜びがびしびしと伝わってきました。 栗田すずさん
この先は修善寺ですよ雪女郎 いその松茸
⛄人間の世界にすっかりなじんだ雪女郎の明るい表情が見えました。
「この先は修善寺ですよ」と言っているのは雪女郎なのか、地元の人なのか、いろいろ想像して楽しかったです。
いずれにしても「修善寺」という固有名詞が効いていると思いました。 とまや
⛄修善寺という地名がなんとなく艶っぽく、美人の雪女郎さんにしっくり合っていて好きです。 幸田梓弓
⛄鎌倉殿のせいで、伊豆はなんだか怖い。第三者的な口調が怖い。
ホラー映画の最初と最後に出てくるテラー役のような。 片岡六子
⛄迷子の雪女郎?それとも覚悟を決めた雪女郎。
固有名詞でますます妄想が膨らみます。中村すじこ
⛄雪女郎が親切に道案内をしているのか、それとも取り合わせか?
どちらにしても面白いなと。他の地名でなく修善寺が良いですよね。
修善寺と言うと天城越えの情念が浮かびます。
なので雪女郎がすとんと腑に落ちる気がします。 三月兎
⛄雪女に対しての注意喚起の句なのか。まさかの温泉案内なのか。
「修善寺」がなんとも絶妙です。 山川腎茶
⛄洒脱な句に引き込まれました。
雪女郎のファンタジーと現実の修善寺を雪がさらっと力まずに繋げている感じが、なんとも魅力的。 三尺玉子
ほだされて雪が止むまで聞く話 里山子
⛄これは惚れている方から詠んだ句かも。
「ほだされる」が利いているし、表記を平仮名にしたことで読後も柔らかな印象が残る。 北村 崇雄
⛄雪はそう簡単には止まなそうなので、やはりほだされた相手は雪女では…ゾッとしました。奥行きが思いの外ある御句ですね。 青井えのこ
⛄雪で電車が止まったりしているのでしょうか。
帰れるようになるまで、話に付き合っている。
この二人の関係性は、友人か恋人か同僚か。 青川紅藤子
⛄以前付き合ってた相手(元カノ?)から、泣きながら電話かかってきたのでしょうか。
明日も仕事あって早く寝たいんだけど、仕方ない……
そんな妄想がふくらみます。 みづちみわ
⛄どんなシチュエーションなのか、色々想像が膨らんで面白いと思いました。
雪やんだら帰るから、と友達の愚痴でも聞いているのかな。 音羽実朱夏
⛄雪が止むまで話を聞くというのがいかにもありそうで、しみじみしてしまいました。 紗羅ささら
⛄雪が止むまで聞く話。涙、涙の相談話かなぁ。
雪が止んでも帰れそうにないですね。
新雪が全てを覆う頃に、心も穏やかになられるといいですね。 空流峰山
感想文8件
雪を見るなら丸窓のある喫茶 簗瀬玲子
⛄「雪を見るなら〜」と断定が楽しく、話し言葉のように軽やかだ。
丸窓を想像するのも、メルヘンの世界に入るようだ。 おかげでさんぽ
⛄丸窓のある喫茶というのが映像として浮かび、雪を見るならというフレーズに共感できました。 岸来夢
⛄この句のあとに唯果さんの句が来そうだと思いました。偶然の面白さ。
この句のように思える時の心はきっと穏やか。 このはる紗耶
⛄丸窓がいいです。 でんでん琴女
⛄雪を見るためのスポットが喫茶なんて面白いしおしゃれ。
そんな素敵スポットを知っているなんて、とても素敵だなと思います。
里山子
⛄丸窓から雪に振るのを見ている喫茶店。
想像しただけで絵になりますね。 山川腎茶
⛄カウベルの音が聞こえてきました。丸窓から一枚の絵のような雪景色。
温かいコーヒーの色と香りを感じながら、独りでゆっくり眺めていたい。
オキザリス
⛄調べが滑らかで自然。丸窓から雪を見ている人の満ち足りた表情がはっきり見えるようでした。 三尺玉子
緋角巻ひとりに夜はひろすぎる げばげば
⛄ひとりの夜が静かとか寂しいとかではなく、ひろすぎるという表現。
孤独感がより強まって伝わるのが素敵です。 秋野しら露
⛄詩的断定がうつくしい一句。
角巻の緋色がとても効いていると思いました! みづちみわ
⛄緋色の角巻を深く被り雪道を一人歩く夜。
「夜はひろすぎる」という措辞が緋角巻ときれいに対比されていて素敵な句です。 麦のパパ
⛄措辞が良いなと。夜の黒に対して緋角巻の色が鮮やかですね。
寂しげな女性と物語まで浮かんできそう。 三月兎
⛄角巻の広がりと、夜の心許なさの響き合いが素敵です。
ひらかなの句末に残される切ない余韻も好きです。 青井えのこ
⛄緋角巻で始まる景が鮮やか。「夜がひろすぎる」から、空を含めて全てが広すぎるのだろう。夜の闇の中の緋色が悲しい。 おかげでさんぽ
⛄出掛ける前の、角巻を畳に広げて三角に折ろうとしている情景が思い浮かびました。 片岡六子
⛄読んだ瞬間、電撃が走った句。
「孤独=自分を小さく感じる」というのは定番だが、それを「夜はひろすぎる」という視点・描写で書いたのが非常に斬新。
しかも、角巻を巻いている(被っている?)女性は輪郭的にも心理的にも小さく見えるのでさらに効果的。緋角巻の赤と冬(雪原)の白のコントラストも見事で、「ひ」の頭韻三段韻も地味に良い。
「に」か「の」で迷うが、「に」の方が「ひとり」が恒常化しているように読めるので、これはこちらの方が正解か。個人的特選。 ヨミビトシラズ
冬晴が誘うからそっちにはいかない 藤白月
⛄そっちはどっち。冬晴れの方、ではない方、んー 栗田すずさん
⛄「そっちにはいかない」だけ読むと、何だか淋しいけど、「冬晴が誘うから」なので、ああ、暗いほうには行くまいと、闇の誘いを断ち切っているのだと安心しました。
一度闇落ちした人が、冬晴のよさに改めて気付いて、だからもう戻らないよと宣言してるのかもしれませんね。 鈴白菜実
⛄お墓参りを想像しました。
「そっちにはいかない」は「今は」ということではないかと。
前を向く気持ちが季語に託されていると思いました。 このはる紗耶
⛄誘われてそっちにはいかないから、冬晴れが引き立つわけで、
この加減の懐の深さが冬晴れの気持ちよさをよりいっそう際立てる。
モッツァレラえのくし
⛄「そっちにはいかない」の意外性。
何があったんだろうと気になり、引き込まれました。他の季節ではなく、「冬晴」が切なくていいです。 とまや
⛄柔らかい気持ちになる句です。友達や家族、恋人などのを振り切ってまで誘ってくる この冬晴はさぞかし美しいのでしょう。 丁鼻トゥエルブ
⛄「妙に晴れた冬の日は雪山が人間を呼んでおるんじゃよ」とかいう古老の語る怪談を想像してしまいました。聡明な判断をしたこの人は無事でしょうか? 岩瀬百
⛄「そっち」とはどっちだろう。誰かに誘われていてそっちのほうへは行かない、という意志なのか、それとも、「雪晴れに誘われたって雪晴れのほうにはいかない」とひねくれているのか。
どちらにせよ「雪晴れ」を理由にしているのが好きでした。 村瀬っち
植林も街も生真面目冬木立 万里の森
⛄植林も生真面目といわれてみればそうだ、と思いました。
発想がすごい。 風早杏
⛄生真面目の表現にやられました。
街路樹の枝の一本一本に生命を感じます。
ビル群の直線も生真面目に見えてきますね。 青井えのこ
⛄生真面目という捉え方が面白い 日向
⛄生真面目、がいいですね。 永田千春
⛄この冬木立は整然と等間隔に木々が並んでいるのでしょう。
こんな木立にするためには、まずは整然とした植林が必要。
整然と植林をする生真面目な住人とその街が浮かびました。 みずな
⛄碁盤の目に整備された街に、整然と植林された樹木が並んでいる大きな景を思い浮かべました!
街と植林を「生真面目」と形容したところが好きです。
またそれらの潔癖さを演出する季語として、冬木立もピッタリなように思います! 阿部八富利
⛄生真面目という言葉に惹かれました。
きちんとし過ぎている事には寂しさを感じますね。 充子
⛄林業が盛んないなか町を想像しました。
でも「街」だという。町興しのために少し背伸びして「◯◯の街」なんて名付けたのかしら。そんな、きっと素朴なひと達と、山の杉と共に真っ直ぐ生きていくことを改めて決意したような句と感じました。 片岡六子
母めく雪 雪めく母とありにけり 髙田祥聖
⛄母めく雪。温かい雪なんでしょうかね。ずっとそばにいてくれる雪。
そんな雪があったら良いなぁ。雪めく母は、ちょっとドキッとしますね。
消えてしまう、冷たい、真っ白...
なんだか、考えこんでしまいました。
読者によって、印象がだいぶ変わりそうですね。 大山和水
⛄母って何なんでしょうね。 穂積天玲
⛄あたたかくて儚い。もしかすると冬に旅立たれた御母様を詠まれたのかなとお察し致します。
この世には二つしかないと思った心情に共感し、かつ永遠に薄れない誓いのようなものに感じ入りました。 まんぷく
⛄母のや優しさと、生命が終わりに近づいている切なさを感じました。
充子
⛄ちょうど私も、こんなことをやってみたいと思っていました。
この句はすごいなと思いました。
そこに確かな作中主体が存在することがこの句の芯になっていて、読み手によって自由に景を描けることがこの句の懐の深さなのかなと思います。
「母めく雪」はあたたかくて、「雪めく母」は切ない。 里山子
⛄母めく雪 雪めく母でもう素通りできませんでした。 風早杏
⛄静かで美しく、呼んでいる様で冷たく暖かい。 鷺沼くぬぎ
⛄述べ方が巧みですよね。母とともに雪がある、つまり主語は「雪」のほうであって、季語が主役に立てています。
そのうえで、「雪」と「母」が混ざり同一視されていく不思議な感覚があります。老いた母でしょう。じっと雪を見つめるその姿は、雪の静けさそのもの。余情の深い一句です。 いかちゃん
氷面鏡拗ねた松葉の尖り方 恵勇
⛄氷の中で寒さで縮こまって妙ちくりんな格好になっているのは想像できるが、拗ねた尖り方ってどんなのだろう? 北村 崇雄
⛄松葉が尖っているのは拗ねているという。
氷面鏡との取り合わせで、キリッと冷たい空気の中の松葉が見えてくる。
おかげでさんぽ
⛄中七下五の措辞が良いと思います。 でんでん琴女
⛄拗ねた松葉の尖り方、という表現が好きです。 永田千春
⛄松葉が拗ねている、というの好きです。 伊予素数
⛄「拗ねた松葉」ってなんて可愛いのでしょう。
どんな尖り方をしちゃったのかなって気になります。
拗ねることだってあるよね、松葉も。
大きな季語の中に擬人化が自然体です。 里山子
⛄なぜ拗ねたのかわかりませんが松葉の尖り方を拗ねていると捉える感覚にやられました。氷面鏡と抜群に響いていると感じます。 青井えのこ
⛄氷面鏡の中に松葉が入っていると読みました。
なんといっても「拗ねた」という表現が好きです。 麦のパパ
感想文9件
行く道は君と違ってふゆあかね 穂積天玲
⛄切なくて美しい句だと思いました。
「ふゆあかね」の色とよく合っているところと、人生を受け入れているように感じるところが好きな句です。充子
⛄本当は同じ道を行きたかったのかしら?
いや、私は違う道を行く!という潔い決意だ。
だって「ふゆあかね」だもの。直(なお)
⛄互に別の道を進むという別離の場面で、夕焼けが切なく美しいと感じました。 レアレア
⛄下五のひらがな表記が複雑な心境の吐息のよう。
それでも君はやっぱり大切な人……なのかも。 このはる紗耶
⛄行く道が君と違うことは寂しいはずなのに、それでも冬茜という鮮烈な季語そして冬茜のひらがな表記によって、そんな寂しい気持ちも大きな冬茜で包んでくれるような感覚になりました。
それでも寂しさはちょびっと残って。
そんなこの繊細な句が好きです。里山子
⛄行く道が違う…ずっと平行線を辿って行き着いた場所はふゆあかね。
二人を雪を空をあかく染めて美しくそして切ないがどこか希望の兆しを感じる句で素敵です。 丁鼻トゥエルブ
⛄恋人だった人か、親友か、家族か。
ともかくも君と一緒に行きたかったですね…。
ふゆあかねの赤色が沁みる。 秋野しら露
⛄ずっと君といたいけど 進みたい道進むべき道が違う・・・
お互い志を高く持っていくべき道をいこうという前向きな別れのシーン 冬茜の空が痛いほど美しい
嫌いで別れるわけではない
どちらかというと無器用で純粋なふたりのように思いました 立田鯊夢
⛄君と違ってが切ない、ふゆあかね が合っていると思いました。 風早杏
百円の聖書めくれば冬の月 雨野 理多
⛄コンビニ感覚の信仰とさえざえとした空の月を因果でつないだところに詩があります。 げばげば
⛄確かに古本屋の百均棚に聖書ってありますね!
そんな聖書をぱらぱらめくる冬の夜、月が超然とした冷たさで煌煌と照らしている……
もうこれだけで詩になりますねー、取り合わせ上手いなあ。 みづちみわ
⛄百円の聖書を見た事はまだ無いのですが、その昔、街角で無料の聖書が配布されていた事がありました。冬の月がきれいですね。 みずな
⛄払ったお金の大きさで信仰の篤さが計られる‥わけないですね。
冬の月は冷静で平等。百円の聖書を照らしています。 つまりの
⛄古書店かフリマで手に入れたのでしょうか。
季語が深い思索と切実さ、
そして静かな心の痛みを連れてくる気がします。 このはる紗耶
⛄聖書という存在が百円で手に入ること。
めくればその中身とリンクして存在感の際立って感じられる冬の月。
素敵です。 青井えのこ
⛄「百円の聖書」を「貧乏」とみるか「信仰心の薄さ・にわか信者」とみるかは読みが分かれる。
また、「冬の月」も「月の光は平等に降り注ぐ」と「月が寒々しい」の2つの読みがあるが、これら2×2=4通りの読みはどれで読んでも味わい深い。読みの幅が抜群に広い句。 ヨミビトシラズ
⛄クリスマスがらみで、百円の聖書を古本屋で。
吹き込む風の寒さに外を見やれば月が。 鷺沼くぬぎ
⛄ドラマを色々連想させられ惹かれました。
100円の聖書とあるところが、なぜ買ったのかとか主人公の状況を想像してしまいます。 充子
ファルコンで向かつてゐます初句会 月石 幸
⛄初句会への期待感が半端ないのが伝わる 藤白月
⛄「ファルコン」がいいです!初句会に向かううきうきした気分、一刻も早くたどり着きたい思いがよく伝わります。 とまや
⛄ファルコンで向かわれたら、もうそこは果てしない句会なんて素晴らしい句会でしょう 万里の森
⛄なんとリッチな!
句会メンバーへのラインメッセージでしょうか?それとも電話での通話?
一度でいいから、こんなかっこいい台詞を言ってみたい(笑)。
インパクトがあって良かったです。 大山和水
⛄初句会に向けてのワクワクと、果てしなく広がる空想の世界を初句会に連れて行く大物感を感じました。 レアレア
⛄写真の雪原から橇は思いつきましたが、ファルコンとは!(笑)
桁違いのスピード感が爽快です。そして向かう先が初句会、なんと気持ちの良い句でしょう。丁寧語に旧仮名が使われているのも効果的だと思います。
好感度が高く、どなたの句か楽しみです。 あなうさぎ
⛄ネバーエンディング・ストーリーのファルコンが浮かびました。
だとしたら、どんだけ遠い句会場なんだろう。
ファルコンがいれば、吹雪だろうが、嵐だろうが、はたまたどれほど遠くの句会場でも大丈夫ですね。 秋白ネリネ
⛄この句のファルコンは戦闘機?
それとも某「ネバーエンディングストーリー」に出てくる龍?
どちらにしても好きな感じの大袈裟句です。 イサク
⛄ 一読、飛行機の「ファルコン」を思いました。
初句会に間に合うように大急ぎだな、と。
「ファルコン」を念の為検索かけたら、「ネバーエンディングストーリー」のファルコンもヒット!! こちらのファルコンに乗って行く人の詠む俳句を読んでみたい、とも思いました。空流峰山
窒息の空へ割り入る冬木立 ヨミビトシラズ
⛄なんとなく雪が降ると空気の重さを感じるのですが木立がつんと空に風穴を開けてすっと軽くしてくれてる感じがしました 正念亭若知古
⛄窒息の空、割り入る、の表現がいいなと思います。 伊予素数
⛄窒息の空とはどんな空なのでしょう。比ゆ的なのかそれとも、、。
冬木立では酸素を作れない 万里の森
⛄「冬木立」が「窒息の空へ割り入って」いる。
読んだとたんに、胸の中へスーッと冷たい空気が入ってくる心地よさを感じた。 おかげでさんぽ
⛄重くたれ込む鉛色の空は雪国ならではです。
冬木立は刺すように、抵抗するように天に伸びゆくのです。葦屋蛙城
⛄鉛色の冬空は長引く不況とコロナの閉塞感だとすれば、裸木となった潔さや身軽さに憧れや願いを感じるかもしれません。
インパクトのある言葉と喧嘩せずに季語が立っている詩に出会えました。
まんぷく
⛄「窒息」「割り入る」ともに詩語ですが、「割り入る」が映像的に確かであることで、全体のバランスがとれています。
「窒息」しているのは、実は我々なのかも。 いかちゃん
⛄窒息の空という表現がとても心に響きました。 充子
⛄「窒息の空」て、あまり共感はしないけど、全体的に詩。 穂積天玲
帰りたくないと言おうか枇杷の花 つまりの
⛄きゃ〜、言ってしまおう。 万里の森
⛄枇杷の花の持ち味がとてもよく効いている。
上五中七と響きあっているなあ、と思いました。
これいいなあ、と思いながら何度も読んで飽きませんでした。 三尺玉子
⛄措辞がシンプルながらストーリーが膨らみ興味深い。
好きな相手と一緒なのだろうか。
帰りたくないと言えずにいるのがいじらしい。
控え目な枇杷の花と措辞が響き合うと思います。 三月兎
⛄言いたいけれど言い出せない初々しさともどかしさが、
「枇杷の花」によく似合っている。 直(なお)
⛄切ない逡巡と季語「枇杷の花」の目立たないけど匂い立つ感じが合っていると思いました。 岸来夢
⛄センチメンタルと恋をリードする女性像。
その両方が浮かぶお得なフレーズが上手いなと思います。
季語のデリケートな世界観を損なわないチューニングがいいですね。
まんぷく
⛄枇杷の花の目立たない感じが、どうしようか迷っている胸の内とリンクしてそうです。 伊予素数
⛄琵琶の花が余韻があり良い取り合わせと思います。 でんでん琴女
⛄枇杷の実の瑞々しさまで想像させ、色っぽさも感じる。
先日、季語探しをしたのに、枇杷の花は見つからなかったのも、私がただ鈍感なだけだったのかもしれない。なんて思う。 片岡六子
感想文10件
通学の踵へ青き雪のおと 緒方朋子
⛄入学したての小学一年生だろうか。「青き雪の音」が想像を掻き立てる。
北村 崇雄
⛄雪を踏みつける音を「青き」と表現される上手さ!
新雪に自分の足跡を音で確かめる通学路。
踵へ伝わる雪の感触まで伝わりました。 麦のパパ
⛄雪の音が青いという詩に惹かれました。 岸来夢
⛄「踵へ青き雪のおと」が詩的で素敵です。 紗羅ささら
⛄キックキックトントンと音がしそうと思いました。
寒晴れの通学風景が見えました。 みずな
⛄雪が青いのか、雪の音が青いのか。
密度が濃く湿度の高い雪は青いと思う。
雪質の違いを音で感じ取る感覚。 穂積天玲
⛄雪深い地域に生まれた子供たち、みな、青き雪の音を踵に聞きながら、
一歩一歩踏みしめていくんですね。
延々と続く雪道の険しさ、負けずに歩く子供たちの逞しさ、キュッキュッと鳴る雪の音、色々感じる事が出来ました。 大山和水
⛄雪が重なると青いですね。きれいです。きっと雪国の方ですね。 葦屋蛙城
⛄「踵へ」なので、小走りなのでしょうか。
雪原を駆ける子どもの真っ赤な頬、澄んだ空の色が見えてきます。
そして、雪を蹴り上げる音、静かに降る雪の音も。
とても素敵な句です。 とまや
⛄きれいな句でうっとりしました。
「青き雪の音」と言われると、あのきゅっきゅと鳴る音はなるほど青い音だったんだ、と思えてきました。 村瀬っち
感想文11件
地吹雪が止んで一面選択肢 岩瀬百
⛄「一面選択肢」なるほど〜!と納得させられました。
地吹雪の怖さをずらして表現されているところが、とても独創的で素敵だと思いました。 大山和水
⛄一面選択肢がすごいです 風早杏
⛄下五の「選択肢」が意表を突きました。
一面が前後の言葉に掛かって相乗効果。
いったいどんな選択肢を見つけたのか気になります。 みずな
⛄「一面選択肢」というリアリティとオリジナリティ溢れる表現に圧倒されました。
地吹雪がやんでホッとしたのも束の間、雪が道も田畑も全てを覆い尽くし、どこをどう進んでいけば良いのかわからない恐怖感に襲われたのでしょう。
それでも、「選択肢」という表現に前向きさも伝わります。自分の勘だけを頼りに一歩踏み出すしかないと腹をくくったように感じました。 北欧小町
⛄一目惚れ句でした。長い吹雪が止んで、足跡もなくなった一面の雪原。
そのだだっ広さと白さを「一面選択肢」と言い止めたところに感服です!
「どこに足跡を残そうかな」というような前向きな気持ちも感じられて好きです。 阿部八富利
⛄一面真っ白で、どこにでも一歩を踏み出せる選択肢になったと読みました。銀世界と雪の厚みが浮かびます。 岸来夢
⛄「無音」や「どこまでも続く雪原」をネタにした句はとても多かった。
が、この句が秀逸なのは、その無機質になりがちな景を「選択肢(=真っ白な雪原で、どの方向にも歩いていける)」という前向きな言葉と結び付けたところ。景としては瑛琳さんの句や 村瀬っちさんの句と良く似ているが、切り口がとても斬新。 ヨミビトシラズ
⛄はてさて地吹雪が止んで視界が開けたけれども、いったいここはどこだろう。私はどこへ進めばよいのだろう。呆然としているのにどこかそんな状況を楽しんでいるようにも思える、そんな言葉選びが楽しい。 里山子
⛄一面選択肢の措辞に惹かれました。
地吹雪がよいものわるいものを全て持ち去って、そこは一面の白い選択肢であると、なにをしても許されるのか、許されないのか主人公の心が揺れるようです。 丁鼻トゥエルブ
⛄地吹雪の後は誰の足跡もないまっさらな雪原。
一面選択肢ってすてきな表現ですね。 つまりの
⛄地吹雪が来た、それまであった足跡が消え失せて、まっさらな雪原が出現した。地吹雪って辛いものなんだけど、そのあと希望が見えるのがいいですね。全部無くなってしまったからこそ、新しい一歩が踏み出せるんですね。うわぁ、いい! ユキチ天! 桃園ユキチ
吹雪を歩くあるくあるくあるく あ、ロースカツ いかちゃん
⛄気になります。。 銀紙
⛄吹雪の中歩く時は必死に足元を見て歩く歩く、ふと顔をあげたら「ロースカツ」の看板があったのかな。
笑いをとりながら、リアリティがあると思います。 中村すじこ
⛄凍死寸前に見るおいしい幻、ロースカツ??と読みました。 糸川ラッコ
⛄通り過ぎれなかった句でした笑
歩くがあるくになっているのが、吹雪の中を歩く疲れで頭が回らなくなる感じがあり面白かったです。ロースカツは、もしや幻覚でしょうか。
嗚呼、命の危機で見る幻覚がロースカツとは! 平良嘉列乙
⛄知る人ぞ知るトンカツの名店を見つけたのかもしれない 藤白月
⛄「歩くあるく」の繰り返しで吹雪の中をただ前に進むことだけを考えているのかな、と思ったら、「あ、ロースカツ」が出てきて笑いました。
不意に食べたくなったのか、食べ忘れていることを思い出したのか、
いずれにしてもおもしろいです。 秋白ネリネ
⛄帰宅困難者をイメージしました。
吹雪の中を歩いているときにカツ丼屋を見つけたのかな?
あるくの繰り返しが好きです。 音羽実朱夏
⛄寒々しい世界からの「あ、ロースカツ」の落差で思わず笑ってしまいました。なぜロースカツなのかは謎ですが、美味しい脂に出会えたことを願います。 たーとるQ
⛄ロースカツがうれしいですね。やっとたどり着いた感じ。 葦屋蛙城
⛄ロースカツ!? ロースカツだと!?
落っこちているのはよくあることなんか!?
教えて、雪国の人! 桃園ユキチ
⛄これは!?吹雪を歩いていたら、ロースカツが落ちていたのですか!?
それとも、ロースカツを売るお店があったのですか!?
それともまさか、低体温症による幻!?謎が深まる句。 鈴白菜実
出家しました雪女郎のせいです 中村すじこ
⛄すみません、笑いました。いったい雪女郎と何があったんですか?
出家するほどの出来事だったんですね。
気になります、知りたいです。 つまりの
⛄おもしろい!大好きです。
雪女郎に振られたのか、正体を知ってしまったのか、いろいろ気になります。 とまや
⛄まったく論理的ではないですが、納得はしてしまいます。 山川腎茶
⛄雪女郎のせい、が面白い発想です。 永田千春
⛄素直にこの手の句が好きです。何があったんやろう?
でもこれだけは言える。決して雪女郎のせいではないはずだ。 北村 崇雄
⛄雪女郎と関わると出家することもあるかも、という説得力と物語性。
ちょっと吐き捨てるようなニュアンスがまた良いです。 青井えのこ
⛄雪女郎と何があったのかとても気になります。
出家するほどの何か… 雪女郎は恐ろしいですね。 レアレア
⛄家出ではなく「出家」したのなら、雪女郎と関わったせいであろうと納得してしまう、ぞっとしながら可笑しくなる。 おかげでさんぽ
⛄雪女郎と何があったのでしょうね。
気になってしかたがない。想像の幅が広い句です。 げばげば
⛄雪女さんが一体どんなことをしでかしたのでしょうか……?
こういう世界線、本当に好きです。 たーとるQ
⛄男性版、寂聴さんのような一句。美しい雪女を愛し離れられなくなった男。愛ゆえに女より冷たい息を吹きかけられ息絶え絶えとなるが、逆に熱湯を女にかけて殺してしまう。
二度と会えない寂しさ切なさを雪女郎のせいと言い切る。
己の罪深さに出家の道を選ぶが、愛に生きた寂聴さんとはちょっと違うか。この浅はかさで改心できるのだろうか。 オキザリス
感想文12件
袖少し捲って着せる子のコート 音羽実朱夏
⛄子の成長は早いので、コートなどせめて2シーズンくらい着てもらいたいと、幾らか大きめのサイズを購入したりしました。
お袖を捲ってあげてる様子が可愛くて懐かしかったです。 みずな
⛄何気ない動作に子供の成長という未来への確信が込められて面白いあたたかな句だと思います。
きっとすぐに捲らなくても着られるようになるはず。 岩瀬百
⛄子どもは成長が早いので、少し大きめな物を私も買っていました。
「少し捲って」のリアル、そして、お母さんの優しい視線。
とても好きな句です。 とまや
⛄かわいい。リアルに目に浮かびます。 銀紙
⛄少し大きめのコートなんですね。子育てのリアリティがあります。
こういうなにげない日常、写真では撮れない場面を、俳句で記憶に残すことに共感します。 梵庸子
⛄子どもさんにコートを着せる様子と心遣いが目に浮かびます。
可愛いし。 紗羅ささら
⛄子供はすぐに大きくなってしまうから、大き目のコートを。
長すぎる袖を捲ってあるけれど、これがまたすぐに戻ってしまって、
雪遊びをするには邪魔。 鷺沼くぬぎ
⛄着せてから捲るのではなく、「捲って着せる」ところに親の愛情を感じます。 北村 崇雄
⛄そうそう、少し大きめのコートを買って袖捲って着せてました。
心がタイムスリップします。ああ、かわいい! つまりの
⛄初めてコートを着る子どもなのかもしれませんね。
少し大きめのものを買ったと考えられます。 山川腎茶
⛄子供は外でいろんなものに触れようとするから、出掛ける前に捲っておく。子の無邪気さ・好奇心と、それを見守る親と、どちらも直接表現せずに想像させる。
ああすごい、吾子俳句のお手本にさせていただきます。 片岡六子
⛄子どもの成長は早いからちょっと大きめのコートを着せている。捲った袖から子のかわいい小さい手がのぞく様子が浮かんでくる。捲っている親の姿も見えて暖かい光景。 まのわ
感想文13件
ぼくだけの轍白鳥とぶ夜明け モッツァレラえのくし
⛄前半後半どちらも、真っ新な気持ちや新しい道への決意が感じられます。
白鳥の声だけが耳に届く静けさは凛とした時間。 このはる紗耶
⛄夜明け寒い真っ白な雪道にぼくだけの轍がある。
白鳥がとぶのを一人でみている。なんてきれいなんだろう。 まのわ
⛄夜勤明けでしょうか?帰り道は自分の通った跡だけです。
こうこうと白鳥の声が聞こえます。疲れは残るけれどほっとしたこれからの時間を白鳥が和ませてくれました。 葦屋蛙城
⛄情景が鮮明に浮かんできました。 でんでん琴女
⛄白鳥が飛ぶ美しい夜明けの景色を一人眺めているのですね。静か。
紗羅ささら
⛄静寂の中の美。
実際にその場にいたら美しすぎて泣いてしまいそうです。 うからうから
⛄ぼくだけの轍が今まで辿ってきた道、そして「白鳥のとぶ夜明け」でこれから羽ばたいていく景を思い浮かべました。 岸来夢
⛄ぼくだけの轍、から一旦孤独感などが喚起され、白鳥と夜明けでそれが裏切られる展開に惹かれました。描写の力を感じます。 青井えのこ
⛄このぼくは白鳥に会うために遠路はるばるやってきたのでしょう。
ぼくだけの轍。白鳥にも見てもらいたかったのかもしれない。
ぼくこんなに頑張ってここまで来たんだよ!と認めて欲しかったのかもしれない。
でも、白鳥は明るくなる前にぼくの目の前から飛び立っていってしまった。ぼくの轍を見る事もなく・・・
とても美しく力強い光景に、きっとこのぼくは、轍の事をどうでも良いって思えたのかもしれないなと思いました。
過去を振り返る事なく、前に進んで行けるんじゃないかなぁ。
白鳥が飛び立つように....
ドラマが広がって、とてもとても好きです。 大山和水
⛄「新年」とは書かれていないのですが、新年からの第一歩を踏み出すエネルギーを感じます。 空流峰山
⛄ぼくだけのわだちが好きです。未来を感じます。丁鼻トゥエルブ
⛄一人で雪の中、朝の湖を訪れていたら、白鳥が飛び立つところに遭遇したのですね。
「ぼくだけの轍」って、凄く素敵です。
誰も見ていないけど、自分だけがその美しい瞬間を見ていた。
朝の光、白鳥の真っ白な翼、きらめく雪原を思い浮かべるだけでもう心が震えます。「菜実天」でお願いします!!鈴白菜実
⛄かっこいいです。
自分の生きる道のように、雪原についた一本の轍。
上空には白鳥。大地と空の対比も鮮やかで、好きな句でした。 村瀬っち
饒舌な人ほどさみしラッセル車 まんぷく
⛄饒舌な人とラッセル車が合っていると思いました 風早杏
⛄饒舌な人とラッセル車がぴったり 日向
⛄ラッセル車がどんどん掻き出している雪が、言葉にしか見えなくなった。「淋しいから饒舌」という詩的断定も面白い。直(なお)
⛄除雪車に乗っている二人。一人が喋りつづけ、もう一人は冷めた目で相手を観察している。
冷めていながらも相手の取りとめのない話に付き合ってあげている……
そんな情景が思い浮かびました。 ノセミコ
⛄黙々と雪を大量にかき分けながら進むラッセル車、
本当はおしゃべりなのかな。 伊予素数
⛄ラッセル車うるさいですね。でもさみしかったのかと感じ入りました。
たしかに夜中人気の無いところで一生懸命気を吐いている姿は孤独、孤高を思わせます。 葦屋蛙城
⛄ラッセル車との取り合わせがいいです。 紗羅ささら
⛄「季語に託す」という技法が良く分かる一句と思います。
ラッセル車がうるさいのも、饒舌なあいつがうるさいのも、きっと寂しいから。
そりゃ黙々と雪かきするだけの仕事が寂しくないわけがない。 たーとるQ
⛄取り合わせの感覚が素敵でした。
上五中七の説得力のあるフレーズとラッセル車という意外性のある季語。
パワフルに雪を蹴散らすラッセル車も寂しいのかしら、
と思いをはせました。 平良嘉列乙
⛄この上五中七は出たとしても、ラッセル車と取り合せることの出来る人は少ないと思います!上手いなあ。 みづちみわ
⛄岩瀬百さんの句を上回る、「まさかの視点」の句。
ラッセル車が勢い良く雪を吐き出す様子を「饒舌な人」、ラッセル車は車のいない時間帯に単独で仕事を行う事が多い事を「さみし(=孤独)」とそれぞれ結び付けるとは……
普通は結び付かない、恐れ入った。 ヨミビトシラズ
⛄「饒舌な人ほどさみしい」という感じ良く分かります。
本物のラッセル車は見たことありませんが、きっとがんがん働いた後にはさみしくなるのでしょうね。 うからうから
⛄黙々と雪を吐き出すラッセル車が、
饒舌な人ほどさみしと重なってより迫ってくる。 まのわ
白いまま溶ける雪だと思ってた 青川紅藤子
⛄これは雪国じゃない人にとっては「発見」といえるでしょうね。山川腎茶
⛄雪は溶けると透明になるのが不思議だとこの句を読んで思いました。
音羽実朱夏
⛄「雪は道路脇に追いやられ、真っ黒になって消える物」と思い込んでいた。そんな心の穢れた私には、到底思い付かない句。 ヨミビトシラズ
⛄雪って溶ける時はかなり無残な姿ですよね。
都会のアスファルトでも何故か土が混ざりぐちゃぐちゃに溶けている。
最初は真白で綺麗なんですけどね。溶けた状態を言わずに想像させるのが上手いなと。そしてとてもがっかり感が伝わりますね。 三月兎
⛄確かに、と思いました。口語が効いていると感じました。 岸来夢
⛄平易な言葉で見事に喪失感を言い得ていますね。 穂積天玲
⛄白い雪が溶けて透明な水になってしまうのは本当に不思議ですね。
白い綺麗な液体になってもいいのにと思いました。 みずな
⛄実際には雪解けって汚いですよね、泥にまみれて。
この呆然としている感じが、分かるなぁと思いました。 桃園ユキチ
⛄ストレートだけど好きな句です。
最初に雪を見た時ことは覚えていないし、そこまでは思わないだろうけれど、手のひらで溶けた時どう考えたのかと想像しました。
深く考えるならば、主人公は仕事で嫌なことがあって、雪に無茶なクレームをぶつけている場面かもしれません。 充子
⛄幼少時代ずっと思ってた雪をみて、そう思う自分が今、雪をみている。
前を向いて生きている。 モッツァレラえのくし
⛄どこか切ない詩情溢れる句。
雪を比喩的にも捉えることができるからでしょう。
口語の調べが、より鑑賞を深めてくれます。 麦のパパ
⛄そうでした。雪って白いまま溶けないのでした。
そんなところに気づくってすごいなぁ。 つまりの
⛄気づきの句。この語順が詩を産んでいると思いました。
「白いまま雪は溶けると思った」だと散文的で、なんの含みもなくなります。「白いまま溶ける雪だと」とすることで、目の前にある「雪」に特別な意味が加わって、句を深めていると思います。すごいなぁ。 村瀬っち
ままごとの包丁軽し雪催 銀紙
⛄プラスチックの包丁の軽いこと軽いこと。
その軽い包丁に不穏さを感じる感覚が素敵だと思います。
ちなみにうちの娘は1歳のときままごとの包丁ナメるのが大好きでした。
これからの成長に期待です。 平良嘉列乙
⛄親目線なのではないでしょうか。
包丁を持つ時って、少なからず心や手の筋肉に緊張感があります。
子供が散らかした包丁を拾い上げる時。反射的に本物の包丁とおんなじ緊張感で持ち上げて、その意外な軽さに驚く。
そして驚いて初めて、普段自分が包丁に対して抱いていた緊張感を認識するのではないでしょうか。雪の降りそうな不安定な日のことです。 DAZZA
⛄美しい取り合わせの句ですね。
「ままごとの包丁」の心許ない軽さと「雪催」の少し不安な感じがよく合っていて、素敵です。 とまや
⛄樹氷がきらきらとはわかりますが「骸抱く」がすごいと思いました。
風早杏
⛄好き句でした。プラスチックの桃色の包丁かな。
軽くてチープなおもちゃの包丁と、もったりと重い雪催の雰囲気がふしぎな距離感でした。 みずな
⛄今の子どもの物としてかもしれないが、幼い頃使っていたままごとの包丁を懐かしくこんなに軽かったのかと思い出している光景を思った。
雪催の空気や気配や匂いなどがその頃の記憶を呼び戻す契機となったかのように。 まのわ
⛄ままごとの包丁とはいえ、僅に漂う不穏な空気が感じられました。
その軽さと雪催という季語がぴったりだなあ。
うまく言葉に出来ませんが、ままごとの奥深さ、どの家庭にもある、
影のようなものをじんわり思い出させる凄味を感じました。 三尺玉子
⛄包丁軽しが良いと思います。 でんでん琴女
⛄取り合わせに驚きました。
思ってもいない角度の響き合いなのに、どこか共感するところがあり素晴らしいです。 青井えのこ
⛄ままごとの包丁、どんなに本物っぽくても確かに軽いです。
雪催との取り合わせが良いです。 幸田梓弓
⛄家の中で子供はままごとに興じている。空は暗く今にも雪になりそうだけど部屋は暖か。なんとなく冬ごもりしているような本能的な安心を感じる句でした。 岩瀬百
⛄うっすらとした不穏さ。
包丁を軽いと感じた人は、その切っ先をどこへむけるのか。
サスペンスの序章のような雰囲気。 このはる紗耶
⛄本物の包丁はずっしりと重いけれど「ままごとの包丁」は軽い。
偽物なので軽い。
「ままごとの包丁」は偽物なので何も切れないし傷つける事も出来ない。
でも、「ままごとの包丁」が軽いという事を知っている作中主体は
本当は包丁は重いという事を知っている。
だからわざわざ「軽し」と言うのだ、と思うと
その後に続く「雪催」から、少し不穏な空気を感じる。
そんな視点が好き。 嶋村らぴ
感想文15件
冬木立くらえ十六文キック 丁鼻トゥエルブ
⛄十六文キックでバシッと気持ちよく決まったー。 紗羅ささら
⛄キックした後の惨状が目にうかびます。
だって十六文キックですから、ジャイアントですから、上からは大量の‥‥‥。 つまりの
⛄くらえ、がいいです。リズムもかっこ良くて好きです。 幸田梓弓
⛄……どうでも良い話だが、この句を読んで、中学校時代にそれと知らずに栗の木に十六文キックをかまして痛い思いをしたバカな同級生の事を思い出した。
雪が落ちてくるのを楽しむのは良いが、これをやるなら傘は必須。
ヨミビトシラズ
⛄いるいる!こういう小学生男子スピリットを忘れない人!
そして枝から落ちてくる雪に埋もれて、自分が雪だるまになっちゃうんですよね〜。 鈴白菜実
⛄この取り合わせが好きです。特に「くらえ」がいい。
十六文キックなら木の一本くらい倒すことができるでしょう。 山川腎茶
⛄雪が降り、はしゃぐちょっと大きな男の子を想像しました。
「十六文キック」やから、だいぶ大きな男の子かな?笑
ビクともしない木なのか、積もった雪を全部落としてしまう木なのか、
キックのあとの景色も見えてくるようです。 空流峰山
⛄確かに、この木々たちに、十六文キックをして、雪を落としたい衝動に駆られます! 伊予素数
⛄プロレスを見ての朝、顔は馬場になってるはず 宮本モンヌ
⛄力強いし、面白さと逞しさがいいなぁと思いました。 花咲めだ香
⛄このキックから始まる、雪遊びの思い出が噴き出しました。 片岡六子
⛄あはっ、楽しいです!やんちゃな男の子が、木に横蹴りしている景が見えました〜。そのあと雪がパラパラっと落ちてくるかもしれませんね。
十六文キック、お利口さんは真似したらいけませんね(笑) 大山和水
⛄十六キックとはプロレスの技なのですね。
ジャイアント馬場の必殺技。
冬木立に子どもたちのきゃっきゃと楽しい笑い声がどこまでも響くようでした。 里山子
⛄十六文キックが何なのか分からなくて調べました。
プロレスの蹴技なんですね。木立の木の幹を勢いよく蹴ると、梢の雪がどさっと落ちてくるので、それをおもしろがって少年が次々と木の幹を蹴っていく様が浮かびます。冬木立という季語を使いながら動きのある元気な句に仕上がっているところに独創性を感じました。 緒方朋子
⛄優勝!私が選ぶなら天は文句なしこの句。
木を蹴って枝の雪を落とそうとしてるやんちゃな男の子がこの十二音でありありと浮かびました。 みづちみわ
さぁみなさん。お待たせいたしました!
感想文、なんかいっぱいありましたよね??
今回はですね、なんと!74名の俳人の皆さんから感想文をいただきました!
延べ人数ではありません!本当に74名!フィータイヘンダッタ!
![](https://assets.st-note.com/img/1675676737097-ThrRRgRYT6.jpg?width=1200)
ご覧ください!このアナログ感!!
フォームから送られてくるみなさんの感想文はPCのメールとして届きます。
一つも漏らすわけにはいかないので、ひとりひとりの感想文のナンバーを控えて、二重三重チェックをし、ご覧の形になっていきます。
一番シンドイ作業ですが、一番楽しい作業かもしれませんね。
なんてったって気楽。誰が「ヒマラヤ龍 DRAGON」になるか、
レースの行方を見守る気持ちで集計してます!
(自分の句常にレース圏外)
そして今回ですが、
モッツァレラえのくしさん、まんぷくさん、青川紅藤子さん、銀紙さん、
そしてそして丁鼻トゥエルブさん!非常に惜しい!!
五名のみなさんは大混戦のレースでした!!
世が世なら、「ヒマラヤ龍 DRAGON」でもおかしくはない感想文の量
でしたが、今回はもう募集開始から圧勝!!
ぶっちぎりのレース!!
こりゃ相手が悪かった!!
この一句に「ヒマラヤ龍 DRAGON」決定です!!
![](https://assets.st-note.com/img/1675676480245-WlgRDevWoG.png?width=1200)
感想文19件!!
裸木はたぶん踊っている途中 常幸龍BCAD
⛄人形が持ち主が寝静まった夜に遊んでいるように、裸木は人気のない雪原で踊っているのですね。そう思うと、寒く厳しい冬の森も、自然界の者にとっては楽しい世界なのかもと思わされます。 鈴白菜実
⛄「木や枝の形→踊っている」という発想は比較的あると思うけど、
「裸木(冬)+途中」というのが良い。
寒くて動きが止まったのか、それとも人の視線に気付いて恥ずかしさや気まずさで凍り付いたのか?(^o^;) ヨミビトシラズ
⛄葉を全て落とした裸木は、もの悲しく生を失ったかのように見えるもの。
それを「踊っている途中」とした生命力溢れる表現が面白い。
確かに、葉を落としたのも木自身だし、これから枝を伸ばし葉を生み出していくのも木自身。そう考えると木はまるで踊っているかのよう。
今はゆっくりと踊っている最中の一瞬の姿でしかないのだ。 北欧小町
⛄加トちゃんが頭の中にこびりついて離れなくなってしまいました。
「ちょっとだけよ」という声が遠くから聞こえてくるようです。
素敵で楽しい句という鑑賞になってしましました。 丁鼻トゥエルブ
⛄自分はこういう諧謔句が好きなのかもしれません。
あまり狙って多用すると「またか」と飽きられる形ではありますが。 イサク
⛄木の枝って割と面白い伸び方や捻れ方をしてたりしますね。
それを踊っている途中(たぶん)としたのが面白いと思いました。 みづちみわ
⛄踊っている”途中”なんです。
なので、ポーズが決まっていないんですね。 鷺沼くぬぎ
⛄おしゃれなセリフと、読み手を詩へ誘う樹々の枝。
一本(ソロ)でも木立(舞踏会)でも聴こえてくるメロディーが素晴らしいです。ラストダンスは明るめの曲がいいですね。 まんぷく
⛄雪を枝に抱えすっくと立ち並んでいる木々は、じっとしていたのではなかったんですね。 伊予素数
⛄独特の見立てですが、納得させる力があります。
「たぶん」ととぼけている味わいも好き。
「裸」の一字が愉快に働いていますね。 いかちゃん
⛄裸木が悲しい発想しかなかったのですが、踊っていると言われて、
好きになりました。 風早杏
⛄裸になってハイになっているようですね。
眠ってはいません、春に向け気分が上向いてきています。
踊りの終わりはどんな様子なのでしょうか?
疲れを知らない勢いや生命力が感じられます。 葦屋蛙城
⛄裸木が踊っている、しかも途中というのが楽しくて好き 日向
⛄一読、その把握の可笑しさにウケてしまいました。
ダンサーさんは指先まで髪の毛の先まで踊るのだと聞いたことがあります。
裸木の細い枝の先まで髪を振り乱して踊っているのかと思うと。
葉っぱがないことで先の先までキレッキレのポーズを決めてるように見えません?見えますよね! DAZZA
⛄枯木(裸木)が踊っているという視点が面白い。
風で踊らされているのだろうか?途中と着地した事でその先を想像する余地があるのも良いと思う。 唯果
⛄冬の樹木の美しさをユーモラスに、リズミカルに表現している。
裸木を踊らせている音楽も感じられて、聴覚も刺激されました。 三尺玉子
⛄裸木は踊っている途中だったのだと納得しました。多分、コンテンポラリーダンスじゃないかと思います。 水蜜桃
⛄踊っているがいい!
すっきりと落葉して風も陽も全身で浴び、小躍りしたくなる気分。
新しい芽が出るまで踊り続けるのか。
通勤途中で見る街路樹も確かに踊っているようだ。 オキザリス
⛄「たぶん」と「途中」が効いた一句!
ふふっと笑ってしまいました。
どんな踊りだろうな、と想像するのも楽しいです。 村瀬っち
今回の「ヒマラヤ龍 DRAGON」は、 常幸龍BCADさんです!!
これで二回目だったでしょうかね??
ボク唯一とれる権利のある重賞ですので、欲しいんですけどねー。
羨ましいなぁー・・・。おめでとうございます!
今回も本当に素晴らしい感想文たくさんたくさんいただきました!!
ありがとうございます!また次回もよろしくね!!
今回は以上です! 明日はいよいよ「ヒマラヤ地」の発表です!!
ヒマラヤなんちゃって句会の今後について
第十五回 ヒマラヤなんちゃって句会
「ヒマラヤ苺」等々発表!!
「ヒマラヤ地」発表!!
「ヒマラヤ天」発表!!
ヒマラヤなんちゃって句会 アーカイブ
俳並連1st句集 「ふんわり」
恵勇先生の俳句小説シリーズ!
「ほんとはね」 ヒマラヤで平謝り
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