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第十一回 ヒマラヤなんちゃって句会         「ヒマラヤ苺」等々発表!!


Twitter@himahira19で行っていた句会の結果発表を5日間にわたり行います。5日間の日程についてはこちらをご覧ください。
                                 「ヒマなん句会」に投句された皆様へ


躑躅躑躅躑躅蓬躑躅白躑躅躑躅・・・

「躑躅」という字は長く眺めると、象形文字的といいますか、兼題写真のように咲き誇る躑躅に漢字をつけるならということでこんな難しい字にしたんだろうなと、思わず納得してしまうくらいいっぱいいっぱい躑躅を見て、躑躅という字を見ました。
予選でいただいた句は時々写真公開していますが、筆ペンで手書きしていましてこの字を大分呪いましたが、もう一息でソラでも書けるようになれるかもというところまで習熟するに至りました。もう一息です。(まだかよ)

感想文募集のみなさんの句一覧をご覧いただいたかと思いますが、華やかに俳句が集まりましたよね!

今回はGW真っ最中にも関わらず、全97句ご投句いただきました!!       ありがとうございます!!


今回も色んな俳句が出そろいました!さっそく各賞の発表をします!!


                                  投句一番乗りの一句!!「ヒマラヤ一番星」は目にも優しい一句!!

              

ヒマラヤ一番星

白つつじ咲いてるとこに埋めました げばげば


       


そして全投句のちょうどど真ん中!「ヒマラヤバットマン」は蓬です!     

           
                  

ヒマラヤバットマン

白軍の影に抗ふ蓬かな ひでやん




このふたつの賞は、ほかの賞の候補にもなりますので、          明日以降も、もちろん今日も要注目です!


それではどんどん行きましょう!「ヒマラヤ苺」の発表です!



自転車の倒れたかたち白躑躅 桃園ユキチ

                                  リアリティのある一句ですよね。
ボクは、「自転車の倒れたかたち」というのは、その形どおりにへこまされてしまった哀れな白躑躅と読みました。
実はよく見かけるんですよね。ボコっとなってる躑躅。
路肩で咲き誇ることが多い躑躅は、桜の次に日本人に愛される木ですが、 子供たちったら平気でチャリを寄りかけたりするんですよね。
中七の少し突き放した措辞の余韻が、哀愁を感じさせてくれました。


白つつじ咲いてるとこに埋めました げばげば


一体何を「埋め」たのでしょうか?
そしてこの句は、誰に自供しているのでしょうか??
ミステリー漫画なんかに、死体を「埋め」たところの紫陽花や薔薇は、  そこだけ鮮やかな赤い花が咲きました。それを見た犯人が恐ろしくなって自首した・・・。なんて話があったのですが、この句は「白つつじ」。   死体などではないのでしょうが、好意的にみればタイムカプセルとかなのでしょうか。妄想を堪能させていただきました。


躑躅ですかいいえこれは髑髏です 龍田山門         

                                                                                                                              躑躅躑躅白躑躅躑躅髑髏躑躅躑躅蝋燭髑髏躑躅躑躅躑躅・・・嗚呼
この中で「髑髏」は何個あるでしょう?
確かに似てるなぁって思っていたんですよね。「躑躅」と「髑髏」。
蝋燭とか、邯鄲とか。それを2011年の東北大震災の後、繰り返し流れたACジャパンのCM、「こだまでしょうか、いいえ誰でも」という金子みすゞさんの詩を思わせるフレーズにのせて、季語を「髑髏」と似ているという・・・。なかなかショッキングな一句です。


四十雀小鳥遊宝探しかよ 恵勇


四十雀、シジュウカラ。夏の季語ですね。               小鳥遊、タカナシ。難読苗字。『小鳥が遊ぶくらい自由な空なのは、鷹がいないから。』という由来らしいです。日本の苗字って奥が深いんですよ。
で、「宝探しかよ」という三村風つっこみ。まるで因数分解のような一句です。が、なにより音読するとリズムが気持ちいいんですよね。
夏休みに「小鳥遊」くんに予定を尋ねたら、単身「宝探し」に行くと聞き、「宝探しかよ!」と総ツッコミするという句でしょうかね。       明るく愉快な一句です。

   

よく人に道を聞かれて白つつじ 岸来夢

                                  いますよね。人に道を聞かれやすいタイプ。
花もそういうタイプってあるのかもしれませんね。犬ふぐりは近所までしか知らなそうだし、ヒヤシンスは知っていても知らないと言いそうだし、薔薇はなんだか聞きにくいオーラが出ているようで。
そこにきて「白つつじ」なんて、懇切丁寧に教えてくれそうですよね。
「よく人に道を聞かれ」るタイプの人も、「よく人に道を聞かれ」る花も、人懐っこそうで、優し気でという雰囲気が「白つつじ」に合いますね。
余談ですが、あの、髙田祥聖さんも「白つつじ」タイプです。


三億可アザレアも可のRIMOWAです 巴里乃嬬

                              「RIMOWA」ってなんだろうって調べたら、スーツケースのメーカーのようです。知らんかった・・・。ジュラルミンケース的なスーツケースも。
そうすると「三億」というのは、現金なのだろうと思うと、なかなか生々しいですね。
その「三億」も、春の季語「アザレア」もイケちゃう「RIMOWA」という スーツケースの懐の広さというか、行き交う人々の持っているスーツケース、ジロジロみちゃいますね。「三億」の数詞がガッツリ効いてます。


しろつつじって言えない二歳の吾子 いくたドロップ

                                  かわいくないですか??『ちろちゅちゅじ』とか言ってるんでしょうか?
お母さんに優しく言い直されたり、クスクス笑われたりしてるんですね。
そして季語「白つつじ」の季節である春なのです。
生命の息づく季節、イキイキしだす季節、成長を感じる季節。
『ちろちゅちゅじ』と言ってる子に目を細めている両親もまた、親として成長を感じる大切な季節。春の大らかで柔らかくて、そして優しい季節を、
暖かくかわいく表現した、優しさに包まれた一句だと感じました。


しほらしいとこもあんのよ白躑躅 朝月沙都子

                                  ちいちゃい子のおしゃまさんな発言でしょうかね。
「しほらしい」は、普通に読んだら『しおらしい』(おとなしく従順で、かわいい。いじらしい。という意)かと思うのですが、「志穂らしい」とも読めます。幼馴染で大人ウケする『志穂』ちゃんの真似しているおてんばな女の子がある日褒められて、「しほらしいとこもあんのよ」なんてドヤ顔してみたりなんかして・・・なんちゃって。
いずれにしてもちょっとはすっぱな女の子がツンと強がっているかわいい女の子が描かれていますね。季語「白躑躅」が爽やかに響きました。

                                     

カルピスの一途なこころ白躑躅 山川腎茶


知る人ぞ知る、というほどの事でもないのですがボクはかなり『カルピス好き』で、某句会で散々『カルピス句』を見たばかりだったのですが(ボクが作らせたようなものですが・・・。)、見飽きることがないですね。
春と「カルピス」って響きますよね。淡いんです。いい創作季語ですよね。
この句の下五が、その『春の淡さ』のがっちり芯をとらえています。
「カルピス」とは季語「白躑躅」のような、純粋な白なのです。
もうそれだけで何気ないドラマの始まりのようで・・・。
余談ですが「カルピス」を飲むと、『尾崎亜美』という歌手の歌を思い出してしまうのですが、分かる方は少ないだろうなと書くのを辞めようと思ったのですが、作者を開けてみますと、きっとボクの気持ちを分かってくれると思います。カルピスフォー・ユーなのです。


白躑躅うっせぇうっせぇうっせぇわ 鳥田政宗

                                  あのヒット曲のフレーズと、季語をボンっとぶつけた、できそうでなかなかできない一句。曲のヒットの理由同様中七下五のインパクトは大きいですよね。「躑躅躑躅躑躅白躑躅躑躅躑躅髑髏躑躅躑躅蝋燭」につぶされそうになっていたボクの選句期間中の偽りない心境を言い表してくださっているようでもあります。ゲシュタルト崩壊しました。嗚呼、崩壊の字も・・・。
季語「白躑躅」も、うるさく感じてしまう辛い時期も、人生ありますよね。
本当にいろいろな角度で楽しませていただきました。


共存の道をさぐって蓬餅 村瀬っち

                                  兼題写真の手前の方の葉っぱは「蓬」だということです。
躑躅と仲良いのだなあと思っていたのですが、「蓬」は「共存の道をさぐって」必死に生き延びているのかもしれませんね。小さい世界の、気の遠くなるような大きな戦いの景です。そういう話好きなんです。
あと「蓬餅」おいしいですよね。何となく調べたら大きな勘違いしていたようです。「蓬」から『餅的成分』を抽出しているわけではないのですね。
なぜ「蓬」じゃなければならないのでしょうかね。ほかの葉っぱじゃだめですか?ボクは「蓬」とも共存していきたいのですが、「蓬」の正体がつかめていません。

バックします虹を作った夏の日に 月波

                                  なんという爽やかさ!!
「虹」と「夏」が両方季語ではありますが、「虹を作った夏」なので、「夏」の句ととりました。
スコールのあとの匂いは、虹の匂いなのかもしれませんね。兼題写真を基にすると、ドライバーはトラックをバックさせ、作業しながら虹の匂いを感じるのです。そして、遠くに虹を見つけ夏を感じる・・・。
ボクからすれば日常の一コマなのですが、こういう俳句になるとキラキラした美しい光景になりました。
俳句ってすごいんですねって改めてこの句で教わりました。



以上になります!                          明日は皆さんの感想文をご紹介させていただきますので お楽しみに!!


第十一回 ヒマラヤなんちゃって句会 
                

「ヒマラヤ龍」発表!!   
「ヒマラヤ地」発表!!
「ヒマラヤ天」発表!!

あわせて読みたい!恵勇先生の俳句小説シリーズ!  

句養物語 流れ星篇                         句養物語 花野篇

難しい話?鳥の話?いいえ、愛の話です

巣立鳥

ヒマなん句会の歴史のすべて!
 
                   
ヒマラヤなんちゃって句会 アーカイブ
PR 『俳句ポスト並盛連盟』(俳並連)発足してます!!!  


選句 本文 編集 兼題イラスト 見出し画像/ヒマラヤで平謝り                  SpecialThanks/髙田祥聖 カニくん   

お試しで作ってみた項目ですので、本当にサポートしていただかなくてもいいのですが、万が一なんとなくそんな気分でしたら・・・!