ポジティブな要因を追求する「振り返りのフレームワークL-KIT」とは?(米国人エグゼクティブから学んだポジティブ・リーダーシップ)
渡辺誠著「米国人エグゼクティブから学んだポジティブ・リーダーシップ-やる気を引き出すAI」を読みました。
ネガティブな要因を無くす
普段の自分の思考、職場の会議では、「出来ないこと・上手くいっていないこと」の改善にエネルギーが注がれていることが多いと感じます。
このように、ネガティブな要因を無くす・ムダを1つ1つ潰していく考え方は、高度成長期、いかに効率的に大量生産をするかが重要だった頃には友好的だったのではないかと私は感じました。
例えば、「カイゼン」によって、徹底的に「ムダ」を無くすトヨタ生産方式はネガティブな要因を無くすことを重視した思考法だと感じます。
ポジティブな要因を追求する
本書でまとめられていた「AI(アプリシエイティブ・インクワイアリー)」とは、チームのポジティブな側面・メンバーの強みを組み合わせることで目標を設定するという考え方です。
戦後、人口も経済も成長をする時代は終わり、今は、大量生産よりも小規模多品種、個別最適な製品やサービスが求められる時代だと思います。また、コロナ禍にあり、多くの人が変化を強いられているように、これから更に変化が激しく、変化が予測出来ない時代だと思います。
このような状況下では、ネガティブな要因を無くすことに注力するよりも、「出来ること・上手くいっていること」の要因を追求することの重要性が高まっているのではないかと思います。つまり、個の強みやチームの強みを伸ばすこと、活かすことが大切だと思います。
振り返りのフレームワーク「L-KIT(エル・キット)」
本書では、著者の造語「L-KIT(エル・キット)」という振り返り手法が紹介されていました。
「L-KIT」とは、Lerning(学んだこと)、Keep(続けること)、Improve(改善すること)、Try(次に挑戦すること)の4つの頭文字です。
これまで私は、振り返りを行う際、KPT(Keep-Problem-Try)やYWT(やったこと-わかったこと-次やること)などフレームワークを活用することで、次に何に挑戦するかを考えていました。
しかし、「L-KIT」では、KPTに加えて、「Learning(学んだこと)」という項目を独立して設けていることが新鮮で印象的だと感じました。
KPTやYWTと比較して「L-KIT」はより個人の強みやチームの強みを伸ばし、活かすことに役立つ振り返りの手法だと感じました。
まとめ
本書を読んで、ポジティブな要因を追求するAIの考え方の中でも「L-KIT」という手法を知ったことが大きな学びでした。
日々の業務やプロジェクト、また自分自身の長期的な目標を考える際に、「学んだこと」を意識した振り返りをしようと思いました。