暴力の連鎖ではなく、お互いの感情を理解し合おうとする関係性の輪を広げたい(プリズン・サークル)
映画「プリズン・サークル」を観ました。
受刑者同士の対話をベースに犯罪の原因を探り、更生を促す「TC(Therapeutic Community=回復共同体)」というプログラムを日本で唯一導入している刑務所「島根あさひ社会復帰促進センター」を2年間にわたり取材したドキュメンタリー映画。
刑務所という普段あまり知り得ない場所で、なにが起きているのか気になって、ポレポレ東中野へ訪れた。日本でも珍しい「TC(Therapeutic Community=回復共同体)」というプログラムについて、何も知らずに映画を観た。
映画で観た刑務所は、なんとなく想像していた刑務所と違った。
受刑者同士が語り合い、笑ったり泣いたりしていて、犯罪を犯してしまった人も、自分と変わらない、人間なんだなと、感じた。
そして、受刑者加害者でもあるが、その多くが暴力の被害者であったとわかった。
家族に大切にされずに育った、母親にギュッとして欲しかった、施設でいじめられて辛かった、周囲に頼れる大人がいなかった、両親に構って欲しかった、食事を出してもらえなかった、
そんな過去の出来事や感情を、受刑者同士で語り合い、社会復帰を目指していく姿が撮影されていた。
* * *
この映画を観て、今、他者の気持ちに耳を傾けることが、どれだけ出来ているだろうかと思った。
身近な家族や友人の気持ちに、耳を傾けられているのか。
会社の同僚の気持ちに、耳を傾け合えているのか。
地域、社会は、他者の気持ちに耳を傾け合っているのか。
家からPC一台で働ける便利な時代になったのに、他者の気持ちに耳を傾ける意識も余裕も全然持てていないと感じた。
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これからの人生、目の前の相手の気持ちに耳を傾け合える関係性を築いていきたい。
暴力の連鎖ではなく、お互いの感情を理解し合おうとする関係性の輪を広げることに、自分を使いたい。