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雑録:小説Aについて(5)

当初、明治維新の前後の設定で考えてきましたが、やはりどうもこれといったモデルが見当たりません。面白そうな人物は二、三発掘できたのですが、掻き立てられた興味の中身は、どうもこちらの話とは馴染みそうもありません。

それに、本来であれば今回の作品のスプリングボードになるものと期待もしていた、以前に手掛けたことのある習作の存在が、むしろ今回の試みの障害になっていることに思い当たったのです。

その習作というのは、古代を舞台に、今回試みようとしたのと似たような建付けで書いてみたものでした。当初は、それにテーマ的な接続を保ちながら、維新前後の時代設定で、という狙いが、無意識のうちにあったのだと思います。ところが、そうするとそもそも習作の存在を宛にすることになるのですが、習作そのものが不完全なため、屋台骨のしっかりとしていないところに屋上屋を重ねるような格好になってしまいます。

というわけで、ここは根本的に方針を改め、今回の試みの暗黙の前提となってきた習作を作品のレベルに引き上げることを目指すことにしたいと思います。

さて、あの下書き、どこにあったかなあ! PCを探ってみましたが、乗り換えの最中に行方知れずとなっていたようです。まあ、何とかなるでしょう!