ファントムリベラリスト 803M+RSBのシーバス実釣インプレ
ロッドを買った経緯
シーバスとの格闘を日常にする私にとって、メインロッドはまさに戦友。長年にわたり、信頼を寄せてきたスコーピオン17113Rは素晴らしいパートナーだったが、最近、バラシが目立ち始めていた。魚の俊敏なランを支えきれず、手にするごとに「もう少しロッドが仕事をしてくれれば……」との思いが募るばかり。
7.6フィート以上のロッドを探し求めはや数ヶ月。グラスコンポジットのしなやかさにも一瞬心動かされたものの、長さとパワーがスタイルには合わず、選択肢から外れた。
候補は次第に絞られ、Fishmanとバンタムに期待を寄せたが、心を奪われたのは「ファントム リベラリスト」という名のRSテーパーロッドだ。
硬めのティップと柔軟なバットが、シーバスのあらゆるアクションを完璧にトランスミットしてくれると感じた。
そしてダイワのロッド。
これまで一度も使ったことがなかったため、新しい可能性に心が躍った。さまざまな選択肢を比較検討した結果、最終的には新しい釣り体験への好奇心が決め手となり、ダイワのロッドを新たな選択として迎え入れることにした。
はっきりしたRSテーパーで慣れが必要
良くも悪くもRSテーパーであることがはっきりしている。
最初のキャストは「だるくねっ!?」と感じた。
こう感じる人はたくさんいると思う。
最近の釣りの傾向として「軽いルアー + 先調子ロッド」の組み合わせが多く、シャキっとしたテーパーのロッドが市場には溢れているからだ。
こういう背景の人にはあまりおすすめできない。
先調子を愛用してる
胴調子を使う理由がない
例えばブラックバサー。
クランク引いたり、シェイクしたり。
そういうティップの味は持ち合わせていないようだ。
ロッドを手にして最初に感じるのは強い胴調子だ。「何でもロッド」と銘を打ってるが、特化した道具にはかなわない。
しかしはっきりとしたRSテーパーデザインがわかるということは明確な目的があれば武器になる。
ダルさ=悪いというわけではないので注意。
バラしの原因をロッドに求めるなら最適解
バラしがかなり減ったことは実感できた。
自由に走り回る魚にしっかり追従してくれるのもわかる。
ベリーが気持ちよくベントを描いてくれる。
これが、リベラリストの最大の特徴ではないだろうか。
シーバスにはもってこいのロッドだ。
口が柔らかく俊敏に動き回りエラ洗い。
ロッドの追従性はこれらをうまくいなしてくれる。
バラしが多いアングラーへオススメできる。
ルアーが水を受ける抵抗が感じづらく、新しい感覚を身につける必要がある
ロッドの素材は100%カーボンだ。
これを見ると、めっちゃ感度いいのでは?と思うが、実際はちょっとだけ違う。
ドリフトの釣りを多用するが、ルアーが左右に振れる感覚はまったく伝わってこない。
あれ?エビってる?
感じるのはロッドにかかる水圧だけ。
ロッドの先端はプルプルと左右に振れてるにそれは手元には感じられない。
今のところ解決策は感覚を身につけるしかない。
ルアーを目視できる範囲に流し、その泳ぎとロッドへの負荷を体に覚え込ませる。
ただ、勘違いしないでほしいのは、このことがロッドが不躾に感度く釣りにならないというわけではない。
ルアーがボトムノックする感触や魚のバイトなど、ルアーに直接、個体が触れる感度は十分にあるので安心してほしい。
3/4oz以上のルアーしか投げたくなくなる
公式サイトにもあるように硬めのティップということで、1/2oz以下はキャストし辛い。表記上は7g〜 となっているが信用しないほうがいい。
1/2oz以下を投げるにはコツがいるし飛距離がでない。
22 ジリオン TW HDを装備しても難しい。
5/8ozが境界線になる。ミノーのようなシステムが組み込んであるものは、ルアーを選ぶ。バイブレーションやシンペンのような単純構造のものは気持ちよく飛ぶ。
ほとんどのルアーが気持ち良くキャストできるのは3/4oz以上になる。
気持ちいいだけでなく、飛ぶルアーはより飛ぶという感じ。
ベリーからバッドを曲げて飛ばす気持ちよさを体感したら、それ意外は投げたくなくなる。
なくなってもまた買う1本
整理整頓術の1つで、「それをなくしたら、また買うか?」と問いかける方法がある。
このロッドが無くしてしまったらまた買うか?
ずばり買うと断言できる。
3ピースロッドで持ち運びも便利。軽量で先おもり感もない。EVA,コルクグリップのおかげか、少しリアヘビーなバランスで振り続けても疲れない。
ロッドのテーパーに困惑することはあったが、適材適所の視点からロッドの特徴を理解すれば、実は神スペックであることに気づく。
このロッドの釣果を紹介
ここからはこのロッド釣り上げた釣果を紹介したい。
最初はボテボテに太った丸太シーバス。
水深40cm前後のシャローフラットで、エラ洗いが連発したが、ロッドがキレイに追従しキャッチできた。ロッドに救われた1本だといえる。
先ほどと同じくシーバスの釣果。
これも同じシャローフラットでエラ洗い連発のうえキャッチ。
70cmちかいナマズ。
このサイズになれば、機敏さよりもドッシリとしたファイトになる。
首振りの幅が恐ろしく広かったが、これも素直にロッドが追従してくれた。
シンペンのボトムドリフトでキャッチしたシーバス。ボトムを擦ったらロッドを立ててほんの少し巻きをいれてボトムから剥がす。
泥底でもボトムタッチの感度がなければ成り立たない釣りにも対応できる。
サイズは60cm弱とふるわなかったがロッドはキレイにまがりバラしの心配もなくキャッチ。
最後に
ここまで紹介したのは釣果の一部。
これらの他にもブランクスが優秀だと思うシチュエーションはなんどもあった。
はっきりしたRSテーパーのロッドはクセがあり決して万人うけするロッドではないかもしれないが、設計者の造詣の深さとこだわりを感じる1本なのは間違いない。