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ファイル整理で脳のキャッシュをクリアにする

「あのファイルどこだっけ?」「あのスクショどこだっけ?」まだ、デザイナー歴が浅かった頃は日々、ファイル探しの旅に出かけていました。1日、数十分の旅行ですが、これが1ヶ月、1年になると膨大な時間になっていました。

サラリーマンデザイナーを辞め、会社を設立してから、この小旅行がクリティカルな問題になりつつありました。本業のデザイン業は、もちろんのこと、総務、経理、営業、など多岐に渡るエリアも自分で対応していかなければならなくなり、扱うファイルも増え、気がつくと累計で相当な時間をファイル探しに費やしていることに気がつきました。

とあるリポートによると、Microsoft社の平均的な従業員がファイル探しに費やしている時間を、年間に換算するとなんと74時間費やしているらしいです。

数年前から、ペーパーレス化に力を入れたお陰で、グッとデジタル資料が増え、PC内は様々なファイルでひしめき合っており、デスクトップは目も当てられない状態になっている時もありました。そんなカオスフェーズの中、とても参考になるファイルの整理方法に出会い、今日はそのお話を出来ればと思います

サンフランシスコを拠点とし、生産性向上トレーニングサービスを提供するForte Labsの代表ティアゴ・フォルテ氏が提案するP.A.R.A.システム(以下、パラシステムと呼ぶ)を導入することによって、ファイルを扱うストレスがだいぶ改善されたことを実感しています。もう5年以上このシステムを継続して問題なく運用出来ています。

P.A.R.A.とは、Project(プロジェクト)、Areas(エリア)、Resource(リソース)、Archives(アーカイブ)の4つの単語の頭文字を取ったもので、仕事や私生活にある、ありとあらゆる情報を仕分けするための4つの器のようなもの。

よくある片付けの裏技記事に出てくる「収納場所は定位置を決めるルール」がありますが、パラシステムは、これのデジタル版だと自分は解釈しています。

簡単にそれぞれのカテゴリーを説明すると以下のようになります。

●Project(プロジェクト)とは、スタートとゴール(締め切り)があり、ゴールにリンクした一連のタスクのこと。例: 今月末に公開するブログ、今年の夏のインドネシア旅行、9月ローンチのECサイトデザイン案件

●Areas(エリア)とは、締め切りという概念がなく、時間をかけてメンテナンスされる活動範囲。例: 経理、趣味、健康、旅行、両親、友人、業務効率化

●Resource(リソース)とは、継続的に関心のあるトピック、テーマ、アセット。例: 関心(UX/UIデザイン、ブランディング、DIY)、テーマ(心理学、リーダーシップ、ビジネス)、アセット(ストックフォト、タイポグラフィーのリンク、デザイン素材のリンク、デザインテンプレート)

●Archives(アーカイブ)とは、他の3つのカテゴリーの非アクティブなアイテム

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私の場合は、デスクトップに散らかっていたほとんどのファイルはリソースのカテゴリにどんどん収まっていきました。プロジェクトに関しては、このパラシステムを使用していきながら徐々に増えていった感じです。エリアに関しては、初めは概念の理解が難しく抵抗がありましたが、徐々に経理周りのファイルや、事務所に関するファイルを整理していくうちに、このシステムの機能の理解が出来ました。

このパラシステムを提唱した、ティエゴ氏の好きなパンチラインがあります。

"私たちの脳は、一度に複数のアイデアを保存することはできません。脳はアイデアを生み出すもので、記憶するためのものではありません。"

このパンチラインは、今読んでも痺れます。このシステムを知ってから、なるべく脳のキャッシュはクリアにしておき、アイデアを生み出しやすいように心がけています。

具体的にどのようにこのシステムを運用しているかは、次の記事でまとめていこうと思います。

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