旧ソ連圏での飛行機撮影の手引き
「旧ソ連」としていますが、具体的には僕が撮影したことのあるバルト三国(リトアニア、ラトビア、エストニア)、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギスを指します。
難易度が一番低いのはバルト三国、最難関はキルギス
さすがEUに加盟して西側の価値観が浸透してきているだけあって、バルト三国が一番安全に撮影できます。リトアニアのヴィルニュスでは公式の撮影デッキも外周に設置されているほどです。ただ、同じリトアニアでもカウナスでは撮影は合法ですが空港職員が撮影禁止と言ってマイルールを押し付けてくることが多いので、同じ国であっても油断はできません。
逆に撮影ハードルが高いのがキルギスです。カザフスタンのスポッターですらキルギスでは撮影しないと言っていました。キルギスのスポッター曰く、塀(フェンスではなくコンクリートの塀です)に近づきすぎたり、見張り台(櫓)に立っている軍人に見つかると最悪の場合逮捕されるかもしれないとのことです。良くて数時間の事情聴取と画像消去の確認だそうです。外周はこのように厳しいものの、空港内の出発フロアやランプバスから撮る分には大丈夫だそうです。撮影を制止されたらまずは従おう
撮影が本当に違法であるならば直ちに撮影を中止しましょう。しかし、撮影は合法なのに職員が勝手に違法だと言ってくる例がウズベキスタンなどで発生しています。そういった場合もいったん指示に従い、外周で撮影している場合はその場を離れましょう。職員がいなくなってから撮影を再開するか、別のポイントで撮影しましょう。ポイントは、相手を刺激せずに従順な態度を見せることです。「俺は権力を持っているのだ」というのを誇示したいだけなので、一旦従ってあげると満足してどこかへと去っていきます。賄賂は禁止
外国人である日本人、しかも賄賂文化のない日本人が賄賂を渡そうとしたところで成功するはずがありません。これは完全に違法なので、重大なトラブルに巻き込まれる可能性が上がります。絶対やめた方がいいです。リスクが高いスポットでは撮影する瞬間だけカメラを出す
例えば、合法に撮影できるリトアニアのカウナスやウズベキスタンのタシケントには、空港職員や警察に撮影を制止させられることが多いスポットが存在します。そういうところで撮影するときは、ターゲットの飛行機がいい位置に来た時だけカメラを出し、写真を確認するときや撮影しないときは鞄にしまっておきましょう。空港外周のホテルは比較的安全
比較的安全とはいっても、近隣住民や地上の警官などに見つかるとトラブルになる可能性も否定できません。カメラを窓際に置きっぱなしにしたりといった行為は控えた方が良いです。高齢者に注意
高齢者はソ連時代を現役世代として生き抜いてきた人たちです。ソ連的価値観が強く残っている人も多く、特にバーブシュカ(お婆さん)はいろいろなところに口を出してくる人が多いです。カメラをしまって景色を眺めているふりをしたり、近くにバス停があればバスを待っているふりをして怪しまれないようにしましょう。ウズベキスタンのスポッター曰く、空港職員や警察、軍以外でのトラブルは大抵バーブシュカが引き起こすとのことです。首都の空港より地方空港の方が厳しい
このあたりの国は、首都は国内各地から人が集まってきたり、海外との接点も多いといった理由から、首都や大都市は比較的リベラルな価値観を持つ人が多い傾向にあります。実際、街中を歩いている人の格好も宗教色が薄かったり、男の人でも髪の毛が少し長い人を見かけることが多いです。そのため、飛行機撮影についても文句を言われることが少ない傾向にあります。一方、地方都市においては伝統的な価値観を持ち続ける人が多く、イスラム教の宗教色が濃い服装をしていたり、ソ連的価値観が色濃く残っていたりします。そのため、飛行機撮影についてもソ連時代に禁止されていた関係から、今でも禁止と言ってくる人や通報してくる人が多い傾向にあると考えられます。
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