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鼠蹊ヘルニアを発症。バンコクで惑う。
2024年12月頃だろうか、膀胱の脇にコブ状の膨らみが出来ている事に気がついたのは。
最初はあまり気に留めていなかったので、いつから発症したのか、はっきりとした日にちの記憶も定かではない。疲れかストレスで炎症を起こしているのかな、等とあまり真剣に考えることもなかった。
しかし、年が明けてもこのコブは収まらない。
色々と調べてみるとどうやら鼠蹊ヘルニア(脱腸)という病気のようだ。いや、鼠蹊ヘルニアで間違いないだろう。幅8cm、高さ1.5cm程のコブが、ちょうどほっぺたを膨らませたようにぷっくりと隆起している。
現在、痛みや違和感はないが、長期間放置していると嵌頓(かんとん)という重篤な症状に陥る可能性があり、そうなった時は生命にも関わるという。
薬では治療が出来ず、手術しか治療方法がない。
どうしたものか、まだ結論は出していない。
59歳でリタイア生活を始めた時、将来病気に罹患した時には手術は行わず、入院も極力避け、痛みがある時のみ病院で緩和的処置をしてもらえれば有難いかな、と漠然と病気に対する態度を決めていた。
もし重篤な病に侵されて死の淵に追いやられたとしても、少しずつ食を細くしていけば、大きな痛みや苦しみもなく、枯れ木が朽ちていくように、私も朽ちていく事が可能ではないかと夢想していた。
更にタイでは医療用、嗜好用大麻が容易に入手できるので、これもまた黄泉路への慰みとしては有用だろうとも期待していたのだ。
この時、私が想定していた病気の第一は癌だ。
治療は一切行わず、我が身が朽ちていくのを眺めながら、残された時間を半睡半醒の状態で過ごしたいと願っていた。
しかし今回の病は残念ながら癌ではなかった。
鼠蹊ヘルニアは手術さえすれば、かなり高い確率で完治が望めるらしい。
では手術をせずに放置した場合はどうなるのか?
最悪の場合、嵌頓状態となり、腸が壊死する。そうなるとかなり痛みもあるだろうし、大麻位では誤魔化せないだろう。緊急手術をせざるを得ない状況も十分に考えられる。
嵌頓がいつ発症するかも分からないという日々の畏れとも付き合う必要がある。
更に手術で完治させない限り、セミリタイアをした10年前から続けてきた筋トレがかなり制限されてしまう。
鼠蹊ヘルニアが発症する原因の一つに、重い物を日常的に持つ、というのが挙げれている。勿論、筋トレも含まれる。
私はついこの間までバーベルベンチプレス100キロを目指して、少しきつめに筋トレに取り組んでいた。これが発症の原因になったとも考えられる。
より良き死を望んで始めた筋トレが原因でこの病気に罹患したとしたら皮肉なことだ。
発症した後は、腹圧がかかるものは止めなければならない。腹圧によって、腸が外に出る力が強く働き、重症化する可能性がある。
先ず腹筋は絶対にダメだろう。
バーベルスクワットはウエイトを軽めにすれば大丈夫か?
バーベルベントオーバーロウも軽めにすればなんとかなる?
ベンチプレスを初めとしたその他の上半身の運動も、今までは80から90パーセントの力で挙上していたものを、50から70位に抑えたほうが安心か?
と、現在は色々と考えながら試行錯誤し、不安を抱えながら行なっている状況だ。
手術をした方が良いことは自明だろう。
では手術をタイで受けるか、日本で受けるか。
色々調べてみると日本には鼠蹊ヘルニアの専門クリニックが多く存在する。
そのHPを覗くと懇切丁寧に色々と説明されており、中にはここなら安心して任せられそうだ、というところもある。
タイには残念ながらまだそういう所は見つかっていない。
言葉の問題もある。日本語通訳のいるバンコク病院等もあるが、費用が法外な額で最初から論外だ。
一般的なタイの私立病院だと25万円から100万円前後とかなり幅がある。勿論、公立病院だともっと安いだろうが、現在のところは公立病院は選択肢に入れていない。
日本であれば健康保険が使えた場合は15万円位で済むようだが、全額負担だと50万円。渡航費を考えればタイと大差は無くなってくる。
タイか、日本か、まだ結論は出ていない。
不本意で中途半端な筋トレ、日常生活の中で模糊とした不安感が続く事を思えば、早いに越したことはない。
年内には何とかしたいと思っている。