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マムアン・レート。サイのツノを持つマンゴーに淫する。

マムアン。日本での呼称はマンゴー。
日本では高級果物であるが、タイでは安価で手に入るため、旅行者、在住者問わず人気の高い果物だ。

しかし、特に観光地で旅行者向けの店舗で販売されている品種はほぼ全てと言っても過言ではない程、マムアン・ナムドクマイで占められている。
屋台や大衆店舗では、これにより安価な品種であるマムアン・ゲオカミンが加わる。

2024年3月現在のキロ当たりの価格は、
ナムドクマイ 50バーツ
ゲオカミン 30バーツ
程度か。

ナムドクマイは滑らかな肉質が特徴、ゲオカミンは繊維質が多い。
両者共にそれぞれ美味しいのだが、決定的に欠けているものがある。
香り、に乏しいのだ。

本来のマムアンは熱帯の密林を想起させる程の強烈な芳香を持ち、更に口に含んだ際には口内をその芳香が満たして、えも言えぬ多幸感をもたらすものだ

その品種名を挙げると、チョクアナン、サンルドゥー、マハーチャノク等の原生種が挙げられる。それぞれ、食する前から部屋を満たす程の豊かな香りを放っている。
これらの味を知った後では、ナムドクマイが何故あんなにも人気があるのか理解できなくなるだろう。

そして私が一番に推すのは、
マムアン・レート
だ。
レートはタイ語でサイ。サイのツノのような突起が特徴。
未熟の状態では酸味が強く、未熟を好んで食べるタイ人も多いらしいが、熟した後は甘く豊穣な香りを放つようになる。
個体差もあると思うが、市場でこのツノのあるマムアンを見かけたら是非試して欲しい。
ツノを持ったその愛嬌のある外見からは想像も出来ない程の強い香りが口内を満たし、その香りはあなたの頭頂まで及び、脳内の幸福物質の分泌を促さずにはおかないだろう。
その多幸感はまさに淫する、と表現するに値する。

原生種であるため価格も安く、キロ30バーツ前後で売られている。難点は滅多に見かけないことか。


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