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ひとは誰もが験(げん)を担ぎます。寺社へお詣りしたときも、おみくじの結果に一喜一憂する姿を見かけます。

大吉を引いたときは、財布の中に忍ばせて幸運が実現するよう祈ります。でも大吉は幸運のピークアウトで、運気が衰退する出発点です。

むしろ、大凶であれば、吉に転じる起点になります。「禍福は糾える縄の如し」といいますが、幸不幸、吉凶はコインの裏表となって同時同所に存在しています。


「大凶旺じて大吉に転ず」という言葉は、「非常に悪い状況が最高潮に達したとき、その後には大きな幸運が訪れる」という意味です。

簡単に言えば、「どんなに悪い状況でも、そのピークを迎えた後には良いことが起こる」ということを示しています。

この表現は、困難な時期を乗り越えた先に希望や成功があることを励ましとして伝えるためによく使われます。

いくつかの具体例を挙げてみましょう。

ある企業が大きな損失を被ったが、その経験を活かして新しいビジネスモデルを開発し、大成功を収めるというケースがあります。

例えば、スティーブ・ジョブズがアップルから一度追放された後、NeXTやPixarで成功を収め、最終的にアップルに戻って再び会社を繁栄させた例があります。
 
個人的な困難や逆境を乗り越えることで、以前よりも強く、賢く、成功した人物になることもあります。

例えば、大きな病気や事故を経験した人が、それを契機に新しい人生の目標を見つけ、他人を助ける仕事に従事するようになることがあります。

東洋の陰陽思想に基づいて、悪いこと(陰)が極限まで進むと、それが良いこと(陽)に転じるとされています。陰が極まると陽に転じ、陽が極まると陰に転じるという考え方です。
 
仏教では、苦しみや困難が悟りや解脱への道を開くと考えられています。試練や苦難を通じて、人は精神的に成長し、最終的には幸福や平和を見つけることができるとされます。


「大凶旺じて大吉に転ず」は、一見すると不幸や失敗が、最終的には幸運や成功に繋がるという希望と勇気を与える言葉です。この考え方は、どんな困難に直面しても前向きに取り組むための心の支えとなるでしょう。

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