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またママに会いたいなあ。ぼく、ママのことが心配で死にたくないんだ


森下重信(ガンを患い八歳で旅立った男の子)

 胸が締めつけらる言葉ですが、わが国では0歳から14歳の子どものうち、1年間に2,000~2,300人が小児がんと診断されています。これは子ども約7,500人に1人の割合となります。

 幸い医学および医薬品の進歩により、小児がんの70〜80%は治る時代となりましたが、その一方で、長期入院を経験した子どもたちは、うつ病や不安障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などを抱えるケースも少なくありません。


 世界有数の医療レベルを誇る日本においても、長期入院における患者の心理的サポートという面では立ち遅れているのが実態です.

 森下重信君は幼少期にガンを患い、病気と闘う日々を過ごしました。彼の闘病生活は、医療の進歩や家族の支えがあったとしても非常に過酷なものでした。

 彼が入院中、治療や検査、痛みとの闘いは大人でも耐え難いものであり、特に母親がその支えとして常にそばにいたことで、彼の精神的な支えとなっていました。



 幼い重信君にとって、母親は最大の支えであり、安心できる存在でした。彼の言葉からも分かるように、重信君は母親に対して非常に強い愛情と感謝の気持ちを抱いていました。

 母親も息子のために全力でサポートしていたことは、言うまでもありません。かれの心の中では、母親の存在が大きな安心感と勇気の源になっていたのです。


 「またママに会いたいなあ」という言葉には、病気と闘う中で感じる孤独や不安を和らげるために、母親の存在を求める気持ちが込められています。幼い重信君にとって、母親は唯一無二の存在であり、その存在が彼にとっての安全地帯でした。

 「ぼく、ママのことが心配で死にたくないんだ」という言葉には、彼の命に対する強い執着と、母親を悲しませたくないという思いが表れています。

 重信君は自分が亡くなることで、母親がどれだけ悲しむかを想像し、そのことが彼にとって大きな心配事であったことが伺えます。


 この言葉は、病気と闘う子供たちやその家族にとって大きな共感と感動を呼びました。重信君のように病気と闘う子供たちの現状や彼らが抱える不安、家族の支えの重要性が広く認識されるきっかけとなりました。

 さらに医療従事者やボランティア、そして社会全体が、病気と闘う子供たちとその家族を支えることの大切さを再認識する契機にもなったのです。

 森下重信君の言葉は、単なる幼い子供の発言を超え、人々の心に深く刻まれるメッセージとして、今もなお多くの人々の心に響いています。

#森下重信君 #小児ガン  

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