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目からウロコの「十二支講座」⑫
戌(じゅつ) 十二支獣 犬(いぬ)
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戌は「滅ぶ」または「伐る」ことで、万物が滅びゆく状態(10月)を示しています。戈(ほこ)と斧の形から、木が伐りとら草木が滅びゆく様を表しています。
戌を動物の犬に配したのは、犬は飼い主に忠実でよく家を守ることから。また農耕の収穫が終えた後に、狩猟に犬を使ったことから由来しています。
古くから人と親しんできた動物
犬は日本の家畜の中でも、縄文・弥生時代から飼われてきた動物ですね。犬は飼い主に対してはきわめて従順ですが、敵に対しては勇敢に立ち向かうところから、番犬として飼われてきました。
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犬の祖先である山犬やオオカミは、古くは「大口の真神」と呼ばれて、神聖な獣として敬ってきました。山間部の神社では「お犬様」と呼び、神の眷属(親族・従者)として、崇めているところも多く見かけます。
英国では夏の土用(7月3日から8月11日)を、dog dayと呼んでいます。dog starが太陽と共に昇る、暑い日々から命名されたそうです。アメリカでは女性の生理日の俗諺にもなっています。
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犬のお産の軽さにあやかって、妊娠5ヶ月目の戌の日には、妊婦が腹帯を締めるのをはじめ、子どもの誕生直後のお宮参りには、乳児の額に犬の文字を書いたり、枕元に犬張り子を置いたりして、子どもの健やかな成長を祈る風習が残されています。
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犬はまた、人の死などの異変を感じ取る霊感を具えています。犬が痛ましい死を遂げると、人を恨んで取り憑いたり、その霊は激しい祟りを表す(「犬神の霊」)と恐れられています。
戌は怒りにらむ
十二支に戌をもつ人の性格
犬は古来よりいかなる状況下でも、収穫したものを守っていく使命を帯びています。たとえ力不足でも、相手をにらみつけ、威嚇しながら自分の場を動きません。
長所 剛毅 忍耐強い 義理人情に厚い 負けず嫌い 責任感旺盛 清潔
短所 頑固 慢心 喧嘩・論争を好む 融通が利かない 用心深い 怒気
戌の守り本尊は、阿弥陀如来です。
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