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貧しい老婆の怨念が宿る「姥ケ池」

ハイキングコースに不似合いな、パワースポット

「粥占い」や「お笑い神事」でも有名な、古社・枚岡神社の鎮守の杜は、大阪市内が一望できる「金剛生駒線泉国定公園」につながっています。

季節を問わず、老若男女のハイカーで賑わっていますが、ハイキング道脇に一か所だけ、空気の流れに異変を感じる場所があります。

平成23年2月に、市民ボランティアの会、「ひらおかの森を守る会」が、土砂に埋まった池を復活させた、「姥ケ池」です。枚岡神社の拝殿のすぐ側にありますが、小さな池に気を止める人は少ないようです。

この池に老婆が投身自殺したと、立て札に記されていますが、コの字型の池は淀んだ水たまりで、人が溺死するほどの水量はありません。

老婆が身投げに追い込まれた訳が知りたくなり、Wikipediaをはじめネットで情報を漁りました。以下の文章はこれらの孫引きで綴ったものです。

生活苦から灯籠の油を盗んで、村八分に

生活に困窮した老婆が、枚岡神社の灯籠から、油を盗んで売っていたのを神官に見つかりました。暮らしの糧を得るための、やむに止まれぬ犯罪でしたが、地元でウワサが広がり、老婆は村八分にあって行き場をなくし、池に身を投げたのです。

悲劇が起きたのは、600年前の平安時代までさかのぼります。

姥の火の玉に触れたものは、3年の内に死に絶えた

老婆が身投げしたその日から、雨の夜になると池に青白い火の玉が現れました。「姥ケ火」と恐れられましたが、その火が肩をかすめただけで、3年以内に死んだと言うのです。

江戸時代の戯曲家・井原西鶴の、西鶴諸国はなしのなかで、「姥ケ火」は「身を捨て油壺」で登場しています。
この絵はWikipediaから拝借しましたが、戯曲の挿絵でしょうか。

今では「姥ケ火」を見た人はいませんが、もし火の玉に襲われたときは、「油差し」と叫ぶと、姥ケ火は消えたそうです。私は愛犬の散歩でこの池が近づくと、油差し、油差しと呟いて、難を逃れています。

長引くコロナ禍で、失業や生活苦で傷ましい自殺者が増えている昨今ですが、せめて死者の霊魂だけでも、天国に召されますように。


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