人間にとって最高の幸福は、一年の終わりにおける自己を、その一年の始めにおける自己よりも、遥かに良くなったと感ずることである。
トルストイ
夏至がすぎて2024年の半分を終えました。年の瀬には、過ぎ年への悔恨を伴うものですが、わたしは人生の節目ごとに、文豪トルストイのこの言葉を噛み締めています。
レフ・トルストイ(1828-1910)はロシアの作家で、彼の代表作には『戦争と平和』や『アンナ・カレーニナ』があります。
彼の人生は多くの変化と内省に満ちていました。若い頃、彼は裕福な貴族として享楽的な生活を送り、ギャンブルや女性関係に溺れることもありました。しかし、次第にそのような生活に虚しさを感じ、深い宗教的・哲学的探求の旅に出ることになります。
トルストイは自己の内面と向き合い、人生の意義や目的について考えるようになりました。
彼はキリスト教の教えに基づく禁欲的な生活を選び、土地を農民に分け与え、シンプルな生活を送りました。この過程で、彼は個人の道徳的成長と内面的な改善が真の幸福に繋がると確信するようになりました。
この言葉は、トルストイの信念である内面的な成長が重要であるという考えを反映しています。一年を通じて、個人が自己改善に努め、道徳的・精神的に成長することが幸福の源であるというメッセージです。
これは、物質的な成功や外的な評価ではなく、自己の内面を豊かにすることが真の幸福をもたらすという考え方です。
一年の終わりに(半年)自己を振り返り、過去の自分と比較して進歩を実感することの重要性を示しています。
これは、日々の生活の中で自己を見つめ直し、改善点を見つけ、それに向かって努力することの大切さを教えています。トルストイは、人生は常に学びと成長の連続であり、その過程で得られる充実感が最大の幸福であると考えました。
この言葉は、幸福の本質が内面的な充実感と自己成長にあることを強調しています。これは、現代の私たちにとっても重要な教訓です。物質的な豊かさや外部からの評価に依存するのではなく、自分自身の内面を豊かにし、成長し続けることが本当の幸福に繋がるというメッセージです。
彼が伝えたかったのは、外的な成功や物質的な豊かさではなく、自己の内面を見つめ直し、成長し続けることが真の幸福であるということです。この教えは、現代の私たちにとっても大いに参考になるものです。
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