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とうとう人生行路が変わった(第5章)

 そして部屋に入るなり一言。
「あなたはパワハラをしている。このまま放置することはできない」と告げられた。
 言い返そうと思ったが、まあ取り敢えず話は最後まで聞こうと黙っていた。
 それから一枚の紙切れを見せられた。

 そのなかに書いてあった内容は、

 「精神障がい者の気持ちを理解するために、精神保健福祉士等の資格を取得するよう命ずる」と書かれていた。

 要するに、今の管理職の職を辞して資格を取得することである。そして出勤せずに大学か養成学校に通い勉強しなさい。ってことである。
 因みに、給料は今まで通りで出勤扱いで変わらない。
そして、入学金、授業料は会社負担で、本人の持ち出しは基本”0”である。
話だけだと、とっても良い条件と思えるだろう。

 因みに読者の皆さんならどうだろう?
ラッキー!か、堪らない!か

 僕は最初見せられ、聞かされた時は「後者」であった。
それゃあ通勤しなくて仕事せす、給料が入るのは有難いだろう。
 しかし、そもそも精神保健福祉の興味も無ければ知識も全く無い。それにこの歳で一から勉強って無理があるだろうと思った。それに試験に受かる保証は全く無い。

 その話は金曜日だった。即答出来ないので週明けまで待って欲しいと伝えた。

 帰宅して、妻にその内容を伝えた。妻は元々、福祉の大学を出て、今もその関係の仕事に就いている。
知識も当然持っているので、レベル感は安易に理解出来たと思う。「やれば出来んじゃん」とあっさり。

 しかし、繰り返すが僕は全く興味も関心も無いわけである。それに仮に勉強して落ちたら目も当てられない。
 もう会社辞めよかな。無駄だし。そう考えるのは僕だけでは無いはずである。

 そして、土曜日が過ぎ日曜日になった。

 その時ある事が起こった。それは現在も続いている世界中で歴史上に残る出来事である。

 それは読者もご存知の「コロナ」である。

 既にこの1ヶ月くらい前から、TVやネットで騒がれて毎日その話で持ちきりだ。海外では大変な事になっている。欧米ではロックダウンも起きている。日本も首都圏を中心に日増しに感染者が増えている。
マスクの買占めや消毒液も品薄で、とにかく不要不急の外出は控えるよう、政府もメディアも報じていた。

 そして、会社も全社員出勤停止し、テレワークの方針が出た。
と言う事はそもそも会社に行く必要も無くなったわけである。
ある意味、好都合である。
 しかし、興味が無い事は変わりない。日曜日に死ぬほど考えた。無職で当ても無く、この状況下で探すか。嫌々でも勉強するか。二択しかない。

 あえて言う。僕への通告とコロナは全く関係がない。
偶然重なったのだ。

 結論から言う。
結局勉強する事にした。そして腹をくくった。
僕は、例の会社の精神保健福祉士が人間として嫌いだ。今も嫌いだ。
だけど僕も子どもじゃない。
そんな嫌な奴が取れた資格なら僕でも取れるだろう。
曲がりなりにも学生時代にそこそこ勉強できたし、それなりの大学にも入った。
 そんな資格程度なら取ってやる。あいつを見返してやる。ただ受かるんじゃない。ぶっちぎりで受かってやる。
そう思った。
30数年ぶりの勉強だ。
当時、どうしても入りたい学校に行くために、好きだったバレーボールの部活も途中で辞めた。
 塾も行った。国立大学の院生に家庭教師もお願いした。
その時の勉強に比べたらどうって事無いわ。って思い、そして福祉大学の2年生入学をした。

次章へつづく。。。

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コロナ禍の時に、僕の考え、環境、生活が変わりました。 ただコロナの影響ではないです。たまたまです。 記事をまとめてマガジンにしました。 コンビニで缶ジュース買うと思って購入して貰えたら嬉しいです。

僕は現在、一応精神保健福祉士ですが、支援も活動も一切してません。 むしろ今までは、ゴリゴリの営業マンでした。 訳があって、資格とりましたが…

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