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9.二次筆記試験合格その後(その1)

 中小企業診断士の資格取得を目指して勉強していた時、二次試験は筆記の後に口述試験があり、口述試験に合格して初めて「合格」となることを、一次試験を合格するまで知らなかった。

 また、二次試験合格後に、「実務補習」という実際の企業に対し診断業務を行うという研修を3回受けなければ資格取得にはならないということも知らなかった。その他、資格更新研修など、知らないことばかり。ほぼ独学でやっていたためでありしょうがないが、研究不足であったことは否めない。

 今回は、タイトルの通り筆記試験合格後の流れについてお伝えする。もちろん受験案内にも書いてあるが、実体験をお伝えするので、受験を検討している方の参考になれば幸いです。自分が受けた数年前のやや古い内容である事をあらかじめご了承いただきたい。

〈口述試験〉
 二次筆記試験合格者には12月の上旬に合格通知と口述試験の案内がきて、中旬には口述試験というタイトなスケジュール(最近は一月にずれ込んでいる様である)。筆記に合格するかわからないが前もって予定を入れておかなければならない。試験地区は二次試験と同じ。地方に住む自分もそうであったが、交通費も痛い出費である。

 口述試験は筆記試験の内容について聞かれる。筆記試験の問題用紙は持ち込みができないので、あらかじめ頭に入れておかなければならない。二次試験の事例問題全て(4つ)が対象なので、結構なボリュームである。筆記試験後から時間を置かないで、早めに内容を要約しておく等の対応をする必要がある。自分の場合、筆記に受かった気がしなかったので、取り掛かりが遅く11月の下旬からやり始めた。そのため、事例の内容やどのような回答をしたかも忘れていたため、結構苦労した。二次試験終了後に少し休んだら口述試験に備える事を、強くお勧めする。

 試験の時間は10分程度と短い。各種情報によると、ほぼ100%の人が合格するとの事であるが、受けた者としては受験直後はそうは思えない。試験官に聞かれた内容もそれなりに難しかった。例えばSNSを使ったマーケティングを提案すると、「SNSを利用できない高齢者にはどのようなアプローチをするか」など、回答に詰まってしまう事もあった。

 また、試験官による圧力も強い。自分の場合、二人の試験官であったが、特に一人の試験官の圧力が強かった(意図的かは分からない)。営業体制の具体的施策について、「他には?」を繰り返され、複数の回答を求められた。その時は、いくつか答えられたが最後は「以上です」と、ギブアップ気味となり、まずいかな?と思ったが、特に何も言われる事なく次の質問に移っていった。

 一方で、前述したように大半が合格となり落とす試験ではないので、助け船を出してくれる事もある。別の試験官は質問の仕方がソフトで、質問の意図がいまいちわからず、回答につまづいた時に助け船を出してくれた。

 そのようなやりとりをしていれば、あっという間に終わってしまう試験だ。コミュニケーション能力を見られる試験のようなので、回答の内容はそれほど重要視されていないと感じた。しっかりと準備をしていけば問題ない。気をつけなければいけないのは、無言になってしまうこと。緊張して頭が空っぽになってしまう事も考えられる。自分は普段の仕事でお客さんと話す事に慣れていたのでそれほどではなかったが、そうでない方は、想定問答などを準備しておき、沈黙にならない様に工夫する事も必要と感じた。

 終わった直後は「やばいかも」と思った。他の終わった人たちからも「思った以上に上手く答えられなかった」という意見も聞かれた。それでも自分を含めほぼ全員が合格していたので、これから受ける方は、事前準備をした上で、自信を持って、気楽に受けていただければ問題ないと思う。

 こうして、口述試験に合格すると晴れて「二次試験合格」となる。しかしこれだけでは「中小企業診断士」にはなれず、「実務補習」の受講が必要となる。これについては、また長くなると思うので、次の機会に紹介したい。

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