14.失敗した勉強方法(論述試験)(その2)
前回は、中小企業診断士二次筆記(論述)試験の内容説明で終わってしまった。今回はその続きで、失敗した勉強方法について。二次試験は6回受けたが、最初の頃はネット等からの情報収集もせず、いろいろと試してみた(その結果、6回も受験する事になった)。振り返ると呆れるような勉強方法も試していたので、失敗の見本としてご紹介する。
1.とにかくテキストを読み込む
初めての一次試験合格が見えてきた頃から二次試験の勉強を開始(その時点で出遅れている)。市販のテキストを購入。あまり種類がなかったが、直感で一番良いと感じた「中小企業診断士 最短合格のための 第2次試験過去問題集」(以下「二次試験テキスト」)を購入した。
4回目まではこのテキストと一次試験のテキストを使用。一次試験のテキストで知識を確認する一方で、二次試験テキストをひたすら読み込んだ。事例の読み込みが重要だと思っていたので、事例の要約ができるように意識しながら読み込んだ。
事例は具体的な企業の歴史や事業活動が書いてあって、読むことが楽しい。実在する企業をモデルにしているのだろうか、リアリティのある内容で、小説を読んでいる感じもするため、苦にはならなかった。その後設問を一つずつ読みながら、模範解答を読み込むという事を繰り返し、初めてのテストに臨んだ。
結果は惨敗。当たり前だが実際に自分で文章を書いていないので書くスピードが遅く、全く対応出来なかった。
2.手を動かす(文章を書く)
上記の結果から、手書きで文章を書く訓練をしなければならないと感じた。日常では、文章を書く事はあってもパソコンやスマホなどであり、実際に手書きする事がなくなっているため、文章を手書きする事に苦労した。事例を読み設問を読んだ後、解答例を見ながら書く訓練を繰り返した。字数制限もあるため、「100字だとこれくらいか」という感覚を身につけるように取り組んだ。また、もともと字が下手で雑であったため、丁寧な字を書くようにも意識した。
このような取り組みをして2回目の試験を受けたが、当然と言えば当然だが不合格。少しは良くなったが、自分で考える訓練をしていないため思考がまとまらず、短時間で整然とした文章を書く事ができなかった。
この時点で最初の二次試験の受験資格がなくなり(一次試験合格から2年間)、また一次試験を受験することになったが、以降は一次試験の勉強をしながら、事例の読み込みなど二次試験対策を並行して行った。二次試験は一次試験合格から2ヶ月後であり、時間が限られているので当然であるが、並行して勉強しなければいけない事にようやく気づいた。
3.解答例を丁寧に確認しない
自分で考え文章を書く訓練が必要な事にようやく気づき開始する。事例、設問を読み自分なりの解答を書き、最後に模範解答を確認するが、自分の解答が何点もらえるか分からないため自分の解答との比較をあまりしなかった。「こんな感じか」という程度。
後に通信講座を受講して知る事になるが、求められている要素を解答にどれだけ盛り込めるかが合格への道であり、模範解答との比較は重要であった。この事が腑に落ちたのは、3、4回目の試験が不合格となり、5回目に向けて通信講座の受講を開始してからとなった。
5回目から通信講座を受講し6回目に合格することができた。やはり予備校の通信講座はわかりやすく、知識面でも必要な事を教えてくれるので非常にありがたかった。添削問題もあったので、自分の解答に何が足りなかったか理解することができたし、文章を書くコツのようなものも知る事ができた。
一方で、通信講座は相応の費用がかかる。一次試験も含め相当な金額を費やした自分としては、最後まで受講することに迷いがあった。もちろん早めに通信講座を受講していれば、もっと早く合格し費用も抑えられたかもしれないが。通信講座を受講した事は正しかったと思う。
4.最大の失敗
最大の失敗は、独学にも関わらず、情報収集を怠った点。独学であっても、今の時代ネットで検索すれば様々なアドバイスを見つけられるのに、それをしなかった事。努力はもちろん大事だが、努力の仕方を間違えない事も重要であると痛感した。
働きながら資格試験合格を目指すなら、効率良く勉強することが大切。独学での合格を目指している方がいらっしゃれば、情報収集の重要性を是非お伝えしたい。それができれば、独学でも合格はできると思う。