itertoolsを使わないABC C問題 Count Order
今回やらせていただく問題はこちら。
問題文の方はリンクから直接参照いただきたいです。
問題文をざっと説明すると、
例えば、A = 1, 2, 3みたいな数列があり、これを適当に並べ替えた数列がP、Qとなります。ここでは便宜上、P=1,2,3 Q=1,3,2とします。但し、数列の要素は重複しないものとします。A=1,2,2,3というものはないということです。
P、Qの数列は、それぞれ、数列Aの数字を並べ替えたときの一つの候補ですよね。数列Aの並べ替える通り数は、今回の場合、数列の要素が3つあるので3!個つまり6個あります。その6個の数列を辞書順に昇順で並べ替えたとき、PとQは何番目に位置するのかを調べます。Pの位置をa、Qの位置をbと置くと、出力する値は | a - b| となります。
ここで辞書順について説明します。
今回は P=1,2,3 Q= 1,3,2 としています。そこでP、Qをそれぞれ左から見ていったときに、数列の2番目の値から異なっていますね。Pの2番目は2となっていて、Qの2番目は3となっています。2<3のため、辞書順ではPの方が小さく、Qの方が大きいということになります。
今回は小さい順に並べるので、それぞれの数列を左から見ていって異なる数字が現れたときに、その数字が大きい方が辞書順の後ろ側にくることになりますね。
A = 1,2,3 の数列の並びを辞書順に列挙するなら、
[1, 2, 3] , [1, 3, 2] , [2, 1, 3 ] , [2, 3, 1] , [3, 1, 2] , [3, 2, 1] となります。
Pは左から1番目にあるため、a = 1 、Qは左から2番目にあるため、b=2となります。よって求める答えは | a - b | = | 1 - 2 | = 1 となります。
めちゃくちゃ長くなりましたね。
こういう問題はさっきやったように全て数列の候補を求めて、PとQの数列が何番目にあるかを求める方がよさそうではあります。
数列を並べ替えた候補を列挙する関数として、c++ではnext_permitation、pythonではitertoolsというものが用意されているようですが、僕は正直この二つの使い方をイマイチ心得ていません。なので、今回は全候補を列挙せずに問題を解いていきたいと思います。
解法を説明するうえで例を挙げます。P=1, 2, 4, 3みたいな適当な数列があるとします。全体の数列の並びは4!=24通りあります。
あらかじめ、Pの辞書順を格納するため変数result=0を用意します。
これの辞書順を求めるときにまず先頭から見ていきます。
まず最初の数字は1です。先頭の数字が固定されると、後ろの3つの数列の並びは3!=6通りしかありません。また先頭の1という数字は1,2,3,4の数列の中では一番小さいため、この段階で考えられる辞書順は1~6番目ということになります。
先頭の数字に1が来た場合→ 数列の辞書順が1~6番目
先頭の数字に2が来た場合→ 数列の辞書順が7~12番目
先頭の数字に3が来た場合→ 数列の辞書順が13~18番目
先頭の数字に4が来た場合→ 数列の辞書順が19~24番目
この手前の数字をresultに足します。先頭の数字が1の場合は辞書順が1~6番目のため、0を足します。先頭の数字が2の場合、辞書順が7~12番目のため、その手前の6を足します。先頭の数字に3が来た場合は同様に12を足すといった要領です。
数列の先頭はP[0]と表せるので、これを式にすると
result = result + (P[0] - 1) * 3! のような感じになります。
よって今回はresult+0 = 0となります。
そして便宜上、先頭の数字より大きい数字が後ろの残りの数列にある場合、その値から1を差し引きます。
今回はP=1,2,4,3で2,4,3が先頭の1よりも大きいため、1,3,2になる感じです。
P=1,1,3,2となります。
次は先頭から2番目を固定すると、3番目以降の数列の並びは2!=2通りとなります。
先ほどのような式で表すと、
result = result + (P[1] - 1) * 2!
依然としてresult= 0ですね。
そして3番目以降の数字の中で、2番目の数字よりも大きい数字から1を引きます。
するとP=1,1,2,1となりますね。
そして同様に
result = result + (P[2] -1) * 1! をするとresult = 1 となります。
そして最後にresult += 1 をすることでresult = 2 となり、Pは辞書順で見ると2番目にくることが分かります。
イマイチうまく説明できませんが、このようなやり方で順番を求めています。
次からはコード紹介をします。
def kaijou(num):
result= 1
for i in range(num):
result *= (i+1)
return result
def subtract(num, List):
resultList = []
for lisNum in List:
if num < lisNum:
lisNum = lisNum-1
resultList.append(lisNum)
return resultList
def find_order_in_dictionary(List):
result = 0
for i in range(len(List)):
result += (List[i]-1)*kaijouList[i]
List= subtract(List[i], List)
return result
N = int(input())
P = list(map(int, input().split()))
Q = list(map(int, input().split()))
kaijouList = [kaijou(N-i-1) for i in range(N)]
result =0
P_order = find_order_in_dictionary(P)+1
Q_order = find_order_in_dictionary(Q)+1
print(abs(P_order-Q_order))
まずは関数たちから
def kaijou(num):
result= 1
for i in range(num):
result *= (i+1)
return result
こちらは関数名の通り階乗を求める関数です。
def subtract(num, List):
resultList = []
for lisNum in List:
if num < lisNum:
lisNum = lisNum-1
resultList.append(lisNum)
return resultList
こちらは先ほどの説明の中でもやっていた、i 番目の数以降の数字が、i 番目の数よりも大きかった場合、その数字から1を差し引くという処理です。
def find_order_in_dictionary(List):
result = 0
for i in range(len(List)):
result += (List[i]-1)*kaijouList[i]
List= subtract(List[i], List)
return result
こちらは引数の数列が辞書順で何番目かを調べるための関数で、先ほどの説明した処理になります。kaijouList変数は後で説明します。
N = int(input())
P = list(map(int, input().split()))
Q = list(map(int, input().split()))
kaijouList = [kaijou(N-i-1) for i in range(N)]
result =0
Nが数列の個数&数列に出てくる数字の最大値。
Pが1つ目の数列
Qが二つ目の数列
kaijouListには(N-1)から1ずつ引いていった数字の階乗がN個分格納されています。
例えばN=4とすると、数列の個数は4個なので、kaijouList= [ 3!, 2! , 1! , 0! ]みたいな感じになっています。
P_order = find_order_in_dictionary(P)+1
Q_order = find_order_in_dictionary(Q)+1
print(abs(P_order-Q_order))
最後の先ほどの関数を使用して、Pの辞書順とQの辞書順を求め、お互いに引いた数の絶対値を出力してファイナルアンサーです。
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