《はしごの神話/Mythic Ladder》



26日間。

85時間。

903ゲーム。

19300ジェム。


こんにちは。

ご主人様、お嬢様。

バーチャルメイドデュエリストの曳山まつりかです。

普段はYoutubeやTwitchにてMTGアリーナのプレイ配信を行なっています。

以後、お見知りおきを。



冒頭の数字はボクがアリーナで構築・限定両方でのミシックランクに到達するまでに要したものです。


この記事ではミシックランク到達までに集めたデータを基にアリーナのランク戦にはどういった特徴があるのかを読み解いていきたいと思います。


まだ達成者も少なく、不明な部分も多いランク戦ですがおぼろげな姿を多少は掴むことができるのではないでしょうか。

プロではないごく一般的なメイドデュエリストですが、だからこそ読み手の方にそばにある事例としてお役に立てる部分があると思います。


それでは、しばしお付き合いくださいませ。



確率/Probability


【期間】26日間 2018年12月18日〜2019年1月14日まで
【時間】約85時間
【費用】19300ジェム 10000ゴールド
【総試合数】903試合 520勝 383敗 勝率57.58%

改めて、冒頭でも触れた全体的なデータです。

プレイ時間についてはあくまでプレイ中の時間であり、小休止などは含まれませんが、

約1ヶ月、毎日3時間程度プレイすればゼロからでもミシックへ到達します。

費用についてもウェルカムバンドルと20000ジェム(99ドル)を購入すればあとはデイリーミッションのゴールドで十分賄うことができるでしょう。


それではより詳細なデータを見ていきます。



《構築/Constructed》


構築はランク実装の12月18日から1月2日までの約2週間かけて達成しました。

全504試合 286勝218敗 勝率56.74%

・ランク帯別勝敗数

(Diamond)
130試合 74勝54敗 勝率58.46%
 
(Platinum)
 235試合 131勝104敗 勝率55.74%
 
(Gold) 
98試合  56勝42敗 勝率57.13%

(Silver)
26試合  15勝11敗 勝率57.69%
 
(Bronze)
12試合  6勝6敗 勝率50.00%

ランクが上がるほど、実力の近い人とマッチングするため勝率は下がっていくものと予想していましたが、意外と下がらず、むしろミシック直前のダイアモンド帯が最も良い成績を収めています。

これは、BO1の構築戦という特性上プレイングや細かなデッキ構築能力よりもアーキタイプごとの相性が大きく影響を与えていると考えられます。

サイドボードがない以上、メタゲームをよく観察し、適したデッキを選択することがとても大事でしょう。

続いて、実際に使用したアーキタイプごとの勝率を取り出してみます。

・アーキタイプ別データ(使用率順)

(ボロス天使)
112試合(22%)  66勝46敗 勝率58.92% 

(ジェスカイコントロール)
106試合(21%)  68勝38敗 勝率64.15%

(恐竜) 
99試合(21%) 51勝48敗 勝率51.51%

(赤単)
35試合(7%)  20勝15敗 勝率57.14%

(グリクシスコントロール)
28試合 (6%)  20勝8敗 勝率71.43%
 
(宝物ジェスカイ)
28試合(6%)  18勝10敗 勝率64.29%

(イゼットコントロール)
27試合(6%) 12勝15敗 勝率44.44%

(セレズニアトークン)
21試合 (4%) 11勝10敗 勝率52.38%
 
(ゴルガリミッドレンジ)
20試合(4%) 7勝13敗 勝率35.00%
 
(ボロスウィニー)
 17試合(4%) 9勝8敗 勝率52.94%
 
(イゼットドレイク)
8試合(2%) 4勝4敗 勝率50.00%

(グリクシスドラゴン)
3試合(1%)  0勝3敗 勝率00.00%

グリクシスコントロールの勝率が70パーセントを超え、反面ゴルガリミッドレンジはその半分、わずか35パーセントです。

もちろん母数が少ないため、上振れ、下振れの影響は大きく、またプレイヤースキルにもかなり左右されますが、ここまで極端に成績に幅が出ているとは想像できませんでした。(同時期にゴルガリミッドレンジを使用してミシックに到達している方ももちろんいらっしゃいます)

母数の多いジェスカイコントロールやその派生の宝物パルンは共に64パーセントを超えており、非常に高い位置で成績が安定しています。

同じく100試合近く行なっている恐竜デッキは、低ランク帯での勝率はよくともランクが上がるごとに厳しくなり、100試合近く行なっているにも関わらずラダーを登ることにほとんど寄与していません。

調子を崩すと低ランクでの調子の良さに惹かれ、何度も恐竜で挑戦してはやはりダメ、を繰り返していたのが原因です。

また、勝率の高いグリクシスコントロールをわずかな試合でしか使用していないのは途中で大きく連敗をしてデッキを変えたからです。

後半に調子が良いと好んで使っていた赤単は、比較するとグリクシスコントロールほどではありませんでした。

連敗分を含めても高い勝率であり、そのまま使用していた方がミシック到達は早かった可能性があります。


このデータで大切なのは、どのデッキが強いかということではなくデッキ選択によって大きく勝率が左右されるということです。

一時的な勝ち負けの印象ではなく、統計を取って本当に良いデッキを見つけましょう。

素早く昇格するコツは完璧なプレイをすることではなく、自分とメタゲームに合った良いデッキを選ぶこと、そして良くないデッキを選ばないことだと考えられます。

一時期、ダイアモンド帯では赤単への遭遇率が5割近くになっていました。7ゲーム連続で赤単ということもありました。このようなメタゲームの中、もし青単を使い続けていたらどうなっていたでしょうか。

時にはデッキを変更する勇気、しない勇気が必要になるでしょう。



《限定/Limited》


ランク実装直後のドミナリアでシルバーに上がったことを除いて、実質的に1月3日よりスタートし1月14日に到達しました。

ドミナリア2回、ラヴニカのギルド9回、イクサランの相克で55回のドラフトを行なっています。

全399試合 234勝165敗 勝率58.65%

・ランク帯別勝敗数

(Diamond) 
185試合 101勝84敗 勝率54.59%

(Platinum)
76試合 49勝27敗 勝率64.47%

(Gold) 
110試合  62勝48敗 勝率56.36%
 
(Silver)   
16試合  14勝2敗 勝率87.5%
 
(Bronze)   
12試合  8勝4敗 勝率66.66%

構築と比較するとランク帯によって大きく勝率が異なることがわかります。

特にプラチナ帯では64パーセントほどの勝率があったものが、ダイアモンド帯になった途端、54パーセントまでガクンと下がります。

ゴールド帯も56パーセントと低くなっていますが、これは途中でラヴニカから未経験のイクサラン環境への切り替えに手間どったことが一因になるでしょう。 

ゴールド終盤のドラフトでは3回連続で7勝で完走し、そのままプラチナでも安定した成績でダイアモンドへ昇格しています。


ダイアモンド帯に昇格したあとに勝率が大きく下がったのは、周りのプレイヤーのレベルがかなり上昇し、戦略が通用しなくなったことが原因でしょう。

現在、ダイアモンド-ミシック帯は強豪プレイヤーのるつぼとなっています。

有名なプロプレイヤーや殿堂プレイヤー、ストリーマーのアカウントに遭遇することは珍しくなく、同じ日に何度も当たることもあります。

プレイヤー数が非常に少なく、構築ミシックに比べると1/10以下での人口ではないかと予想しています。

そのため、ラダーを登るにはかなり過酷な環境と言えるでしょう。(もちろん強豪プレイヤーとの対戦で得るものは大きいです)

こうなった理由はいくつか考えられます。

まず、課金を行わないと辿り着くのが難しいことや、単純に新セット前でイクサランの相克ドラフトが不人気であること、ジェムのペイ率であればBO3のドラフトが還元率が良いことなどが原因ではないかと思われます。

結果、ランクドラフトをプレイしているのはランクをあげたい(ボク自身を含めて)ヘビープレイヤーのみなのです。

ドラフトを通してゴールドをジェムに変換するというフローがある以上、リミテッドを重視しない場合は下手にランクをあげすぎない方が良いかもしれません。

続いて、アーキタイプごとのデータです。

大半を占めるイクサランの相克環境をピックアップします。

・イクサランの相克総合
 全55回 335試合 194勝141敗 勝率57.91%


・アーキタイプ別勝敗数(使用率順)
 
(赤青海賊)
19回 110試合(33%) 66勝44敗 勝率60.00%

(白黒吸血鬼)       
13回  85試合(25%) 50勝35敗 勝率58.82%
 
(赤黒海賊)       
5回  28試合(8%) 16勝12敗 勝率57.14%
 
(青緑マーフォーク)         
4回  27試合(8%) 16勝11敗 勝率59.26%
 
(赤緑恐竜)          
4回  24試合(7%) 14勝10敗 勝率58.33%
 
(赤白恐竜)          
4回  22試合(6%) 10勝12敗 勝率45.45%
 
(青黒海賊)                
3回  19試合(5%) 10勝9敗 勝率52.63%
 
(青白飛行)      
2回  16試合(5%) 11勝5敗 勝率68.75%
 
(赤単恐竜)           
1回  4試合(1%) 1勝3敗 勝率25.00%

アリーナのドラフトはBOTとピックしあう関係上、狙ったアーキタイプを作りやすいです。

ボクは赤青海賊か白黒吸血鬼がお気に入りでしたのでどちらかを組めるようなピックを行なっていました。

結果、半分以上はそれらのデッキを組み上げています。

強いアーキタイプを作りやすい、ということは対戦相手も同じです。

つまりドラフトをする際に決めうちでアーキタイプを選ぶことが不可能ではないということです。

通常のドラフトやMOリーグとは異なり卓内の受け入れ人数という概念がありません。ある程度までは決めうちでデッキを選ぶことが可能なのです。

つまり、ドラフト環境でも構築と同じようにメタゲームが大きく作用する可能性があります。

今回は途中でそこまでの思考には至らなかったのですが

「赤青海賊が多いのであればそれに強いアーキタイプをピックする」

というような選択肢もきっと存在するのだと思います。

次シーズンより構築ではBO3が導入されるため、また様相が変わる可能性が高いですが、現状ドラフトには特に変更は発表されていません。

次シーズンには人数も増え、メタゲームが機能しはじめるでしょう。ぜひ、検証してみたいところです。


《終わりに/End》


いかがでしたでしょうか。

ミシックランク到達までのデータを活用してあくまで一例ですがアリーナならではのマジックの様子が少しは垣間見えたのではないかなと思います。

マジックをプレイする中でも、特に面白いのはエキサイティングなプレイや独創的なデッキを構築することだと思います。

ただ、時折こうやってデータを集めて眺めることで見落としていた視点や新たな発見を得ることが多々あります。

ボクがボク自身のデータを読み解くだけでも大きく得るものがありますが、さらに多くの人のデータやボク以外の視点からの読み解きでもっともっと深化していくことでしょう。

とても楽しみです。


ここまで長文にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

拙文ではありますが、この記事がご主人様方のアリーナ生活のお役に立ちますことを願っております。

次回は配信でお会いしましょう。

それでは、おやすみなさいませ。

おつりか!




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