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723 松葉を巻いて
明日コンサート本番で早起きなので、今日は写真メインでサクッと記録。
宿泊した新開地(繁華街の三宮から電車で10分)のホステル「ユメノマド」は、オーナーさんのお人柄やセンス抜群で、延泊して2泊おせわになった。
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到着したタイミングで受付の方が席をはずしていたので、どうしようかなとキョロキョロしていたら、レトロなソファに座って黙々とみかんを食べていた伏目がちな男性が、チェックインの方法なんかを小さな声で教えてくれた。
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あまり話すのが好きじゃないタイプの方なのかと思って手短に会話を済ませて、共有スペースのあれこれに見惚れて写真を撮ったりしていると、少しずつ、どこからいらっしゃったんですか、とか、口を開いてくれた。
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彼はにんげんのいないところを求めて転々と、スーパーカブで日本一周の旅をしていて、今回は二周目だという。確かににんげん離れした面持ちの男性だ。わたしはにんげんとして認定されなかったのだろうか。
リアス海岸は山からの水が海岸へ流れ出ていて海藻なんかがすごく豊かだったとか、淡路島のfarm stay yululuっていうところを訪れたらものすごく良くて3泊もしてしまったとか、雲仙のタネトっていうお店が素晴らしかったとか、山にヒグマがいないっていうのは幸運なことだとか、観光地化された棚田のど真ん中にオープンしたおにぎり屋さんが大ヒットしていてランチ1,800円だったけど大満足な内容だったこととか、今にも消え入りそうな声で、チラチラとわたしの顔を確認しながら、なんかいっぱい話してくれた。
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うまくコミュニティとして成り立っている集落は、獣の被害を防ぐための電柵を、自分の畑ひとつを囲うんじゃなくて、みなの分も合わせた全体をぐるりと囲っている。そのほうがお金もかからないし、畑と畑の間に道ができないぶん動物も入ってきにくい。そんな話を、食べていたミカンの皮を使って説明してくれた。
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千葉に住んでいると話すと、コトノコーヒーって知ってますかと言われて、えええ!よく行くよ!とビックリしたり、カフェGrove(森の中の素敵スポット)も大好きだという話で盛りあがった。
はじめて会う旅人と、同じ空間にいたことがあったんだと思うと不思議な感覚になった。
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Instagramをやってるので、と伝えてくれたので、じゃあおやすみなさいと分かれたあと覗いてみると、なんと原宿とかでものすごいロリータファッションの写真を撮る人だったので衝撃だった。
写真はどれも、すごく洗練されていた。
だけどあんなに自然農や暮らしや環境について熱く語ったことが夢だったのではないかと疑われるほどのギャップにわたしの脳みそは追いつくことができず、ベッドでじっくり30分くらいかけて、人は見かけによらぬもの、という再確認が完了した。
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今日は三田市へ、たねのがっこう主宰の岡本よりたかさんのお弟子さん10名が集う「耕師」の講演会に参加してきた。
ちょうどコンサートする場所の近くだったので、このために前乗りしたのだった。
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流れているのはド演歌
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しあわせメンバーのゆうがちゃんと、狂ったように真摯でアンビバレントなかおりとジュリアキャメロンについてのチャット(全然説明になってないw)しながら電車にゆられて到着。
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講演会は始終温かな雰囲気ですごくよかった。
なごやかで優しい。耕師の方々それぞれの人柄は、まったく違ったけれど同じ土壌から香り立つ信念のようなものが確かに感じられた。お客さん(会場)の空気にも、地に足がついている、独特なまなざし。
いすみ(隣町)のブラウンズフィールドで学んでいたという、たつさんが登壇していて、今年うちでも土づくりのWSをしてもらえたらと話しかけたり、よりたかさんにも憲法をうたうツアーしたいんです、と勇気を出して挨拶できたり、100人くらいの少人数なイベント(100人って大人数か?笑)だったから、コミュニケーションできてうれしかった。
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途中から、隣に座ってたママが赤ちゃんを連れていて、集中して聞きたいけどベビーカーに置くと泣く!という状況だったので「あの、わたし保育士の免許もってるんで、よかったら抱っこしてましょうか?」とナンパしてみた。
ママは最初かなり戸惑っていたけど
ぜんぜん眠くなさそうな赤ちゃんがわたしの顔を見てニコニコしていたのを見て、えっ…いいんですか?と、こわごわと、抱っこをまかせてくれた。
大丈夫!ママが見える位置に立ってるので、なんか心配になったら声かけてください、寝るまでゆらゆらしてます!ゆっくりリラックスして楽しんでください〜!
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結局1時間くらい、ゆらゆら抱っこで講演をきいていた。ずっとごきげんに足をバタバタさせていた赤ちゃんは、最後の最後でゲップをしてわたしのセーターに白いよだれを垂らしてから寝落ちした。
なんか、ものすごくいとおしい時間だった。
足を組んで座ったまま優雅に聞いているより
毎日子育てがんばっていて、こんな講演会にも熱心に参加するママの助けに、ほんの短い時間でもなれたほうがわたしはしあわせだったし、来てよかったなという安心感は何倍にも増した。
ありがたいことだな。
見知らぬ誰かの役に立てるって。
それを願えるくらい心と体が平穏なことって。
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終わるとすぐバスに乗って、自給自足を目指す、みかりん夫婦のもとへ!
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最高のふたりなのだ。いろいろと。
自然農のこと、トッチーのこと
愛の話をたくさんして、分かちあう。
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