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698 アディオスの効能
「手放す」って
少し離れて遠くから温かく見守る。くらいじゃまるで生ぬるくて、特になんにも効果も出ない。
あなたはわたしの人生に、関係ない人。
あばよ!アディオス!達者でな!って
「突き放す」まで、徹底的に「他人」を強調するとようやく、ほんとうにようやく、現実がうごいたりする。
いつもそうだ。じわじわは変わらない。
摩擦も、もどかしさも歯痒さも、終わらない。
なんたる負のスパイラルだ。
わかっていながら抜け出せずに悪戦苦闘しているうちに、持ち前のポジティブな気力も、忍耐で立ち向かう体力も、底を尽きる。
完全に底を尽きたとき、完全にお手上げをする。
作戦を練るのも、考察するのも、ムリになる。
そうしてはじめて「究極の受け身」になる。
「からっぽ」の自分がただ在る、
そこにいる、ただ茫然と立っている。
良くも悪くもない。ジャッジしようがない。
未来も過去もない。ただ今に、立ち尽くす。
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