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【ひとりごと338-347】

2022.1.11-1.18

バレエ稽古入り

【ひとりごと338】
いざ!1年ぶりの新国立劇場ー!
今年は、東京交響楽団のみなさんに混ぜていただいて。大好きな「ペンギン・カフェ」の再演です。指揮者は昨年に引き続き、大好きな冨田実里さん!ほんとうに、明るくて元気でフレンドリーで最高に魅力的な方なんですよ。リハで再会できてめちゃうれしかった!

しかし、楽団によって雰囲気がぜんぜん違うのっておもしろい。音も空間すべては「人」の創造物なんだなぁって、みなさんの表情や小さなお喋りのようすをじいっと観察していたら、自分の出番はほんのちょこっとで待ち時間のほうが長いのに、退屈するひまもなくあっという間に稽古がおわっていました笑

今週は毎日東京なので、空き時間にご依頼の制作も進められるように、準備してきたいと思います。ピアノ持ってくるわけにいかないから、ひたすら妄想タイムになるだけで、結局いつもと変わらないんだけど笑
去年よりも、こころにゆったり楽しむ余裕ができている自分がいてうれしい。集中しつつ、あわてずにリラックスして「今」を味わう練習!

はー。わたしは仕事がすきだ。
今年はもっと、たくさん仕事をしたい。
そのためにただ、自分自身を高めておこう。
こいつに任せたら、良いことしか起きない!って
そう感じ取ってキャッチしてもらえるように。

出会うべき大切な人と、すぐそこの未来で
イエー!って笑いながら待ち合わせできるように。

奈落の底

【ひとりごと339】
奈落の底!オケピットからの観客席はこんな感じに見えています。本番は14日-16日で、今日はまだ舞台稽古だからもちろん関係者の方たちしかいないんだけど。やー。なんかもう、すでに泣ける…笑
合わせが無事に終わったあと、頑張ったごほうびに「代官山青果店」のシュークリームを買って楽しみに食べたんだけど、個人的には、やっぱここのお店はフルーツサンドがいちばんだな、という感想です←

なんか、伝わるか全然わからないんだけど生クリーム食べてて「メロンみたいな無」の味がするときないですか?前にも後ろにもいかない感じ。なんか鼻の奥のほうがきもちわるくなる気がする感じの。あの味がする独特な瞬間が、どうも苦手でさ。

あれは、洋酒のせいなのか?
それとも無塩バター?コーンスターチ…?
よくわからないけどその点、純粋なカスタードクリームのほうが「メロンみたいな無」はなくて安心なんだよなぁ。

あ、すごくどうでもいいクリーミーな話題になりましたけど、今日は行きのバスの中でご依頼いただいてた作詞もビュンっと進められたし、なんかスイッチ入ってきた感じ。

岡本太郎記念館

【ひとりごと341】
お店はとくに決めずに表参道へ髪を切りにきたら、同い年のなかなかヘンな美容師さんが担当してくれてアタリだった笑
ゲネプロスタートまで少し時間があまったので、爆発の成分とインスピレーションがほしくて近くの「岡本太郎記念館」までお散歩がてら足をのばしてみた。

短い時間でさくっと眺めてまわるのにちょうどいいボリュームだったし、なんかぎゅっとまとまっててよかったー。
作業部屋の展示室に古びたアップライトピアノが置いてあることに、こんなにも勇気をもらえるなんて予想していなかったので、心がほころんでうれしかった。

いのちがパーとひらく。
誤解される人間は美しい。
芸術は傷つくこと、それが生きること。
強烈な歓喜。

いやいやまじで、パステルカラーのしあわせほっこりで、こんな時代にのこのこ生きてる場合じゃねえな。
太郎センパイ、日本に生まれて生き抜いて生み出し続けてくださり、最高の爆発をほんとありがとうございます。

人生、即、芸術。
明日からの公演3日間、猛烈に楽しむぞー!

ペンギン・カフェのこと

【ひとりごと342】
バレエ「ペンギン・カフェ」の舞台で
踊っているのはみんな、絶滅危惧種の動物たち。
あんまりにも自然破壊しすぎじゃない?
ほかの生き物たちのこと考えてなさすぎじゃない?
迷惑かけずに生きられないのがニンゲンだけども
さすがにあまりに迷惑かけすぎでない?
生態系ぶち壊しつづけておりますよ。
わたしたちも立派な絶滅危惧種。
現代社会へ鳴らす警鐘。

こんなにも、誰がはじめて見ても楽しめてメッセージ性の強いバレエ作品、ほかにあるんだろうか。
かわいい!キレイ!だけじゃないのが好きな「ペンギン・カフェ」熱狂ファンの方々のきもち、わかるなぁ。新国立劇場、チケットはほぼ売り切れているらしい。

わたしが声を添えさせてもらうのは、オーケストラみんなで奏でる華やかなオープニングの部分と、中盤、場面が一転して「ニンゲン」の家族が登場するシーンなんです。そこ以外は動物や虫たちしか出てこない。
短いんだけど印象的な場面なので、ニンゲンってそもそも、なにかを伝えるんじゃなくただ佇んでいるときどんな声してるんだろうな、って、今回はずいぶん考えました。(前回はとにかくミスしない、オケのみなさんに迷惑をかけない!に精一杯で、正直そんな深いとこまで意識を向ける余裕がなかったw)

もちろん声楽みたいな発声じゃなくて。
音程や声質にハッキリ輪郭もたぶんなくて。
ぼんやりしていて温かい毛布みたいな。
たぶん1本の蝋燭のあかりみたいな。
吹き消されないように大事にまもる声の感じ。

微笑んで凛として歌う、は、いかんせん
ドヤ顔で静かに歌う、とまぜこぜになりやすい。
それらはまるで別ものというか真逆のものなのに
大勢の中でそれらをキッパリ区別するの
けっこうむつかしいバランスなんだよなぁ。
「これじゃ声きこえないかも!?」と不安になって笑
ついつい遠くまで張ろうとしてしまう。
マイクとの距離や向きをどう取るか、が肝だな。
あーなんかマニアックなこと書いちゃっている
誰も興味なさすぎる話ですよね、ごめんね笑笑

これこそが真のひとりごとである!
ウケ狙いやイイネ狙いをやんないのである!
だって爆発は無条件なのだからァー!
とかなんとかつぶやきながら、19時からの公演に向けて移動中。プレッシャーに負けず風邪ひかなくてほんとよかった。えらかった。
体調いいならもう8割は、仕事おわったようなもんだ。

まもなく開演

【ひとりごと343】
待ち時間、オペラパレスのカフェに入り浸る日々にもあと2日でさよなら。なんでもそうだけど、はじまってしまえば、瞬く間におわる。

「今この瞬間」と「素直なきもち」。
このふたつだけを、可能な限り大切に生きている。
それを捉えるセンサーだけは人一倍、歌をとおして磨いてきた。
だから、ありがたいことに仕事をもらえて「プロ」と呼んでもらったり、自分もそんな意識でステージに立たせてもらったりはするけれど、努力してきたことといえば、発声練習でも音楽理論でもピアノの特訓でもない。

今この瞬間、素直なきもちを思いきり発揮すること。
わたしの人生なんて、ほんとうにシンプルに
ただそれだけのことだったような気がする。

これまでそれを何よりも大切にして行動を選んでいくと「自分勝手だ」と怒られることもたくさんあったけど、そのふたつを本気で守ってこられたおかげで、わたしはこの人生にほとんどなんにも悔いがない。

長生きしたいともまったく思わない。
いつ、死んでもいいしむしろ早く元気に死にたい笑
そんなだから今年はきっと、これまでの人生をいったんまとめる最高のタイミングなんだと思う。

やりきったから、次へ行く。
記念になんか、いいもの残しておく。
わたしの素直なきもちの光線が
誰かの「今この瞬間」に、いつか触れ合うように。

みんないつも見守っていてくれて
ほんとにありがとうございます。

じーーーーーん

【ひとりごと344】
満員の客席。鳴り止まない拍手。その圧。
1年前のはらわた煮えくりかえる悔しさと、今この瞬間やっと叶えられた、関係者スタッフをはじめ大勢の素晴らしいダンサー、楽団員、舞台監督や指揮者の方々みんなの想いと。
あふれてきちゃって、嗚咽寸前の大泣き笑
ピットの中で過呼吸にならなくてよかった笑笑

はずかしくて、メガネかけてプチ変装をしてからホールをあとにしました。
誰もこいつがシンガーだとは思うまい、ハッハッハ。

あー。のこり明日と明後日と。
去年めちゃくちゃ傷ついたぶんも、このしあわせと幸運をじっくりていねいに味わおう。

無事に公演が決行できて、本当によかった。
本当に本当に本当に。よかった!!!!!
じーーーーん

阿佐ヶ谷の紳士

【ひとりごと345】
阿佐ヶ谷に「ペンギンカフェ」がある!
と、大好きな指揮者の冨田実里さんの投稿で知って、公演前にちょこっとおじゃましてきました◎
店内のいたるところにペンギンがいて、BGMにペンギンカフェオーケストラの音楽も流れていて。明るくひろびろとしていて、すごく居心地のいいカフェでした(ゆるりと過ごしすぎてうっかりしてると遅刻しそうな極上のおだやかさだった笑)
ラテもプリンもおいしかったー。

紳士な空気を醸し出すマスターは昨夜の公演にお越しくださっていたそうで「2階席から歌っているの見てましたよ!」とカウンターで舞台の話に花が咲きました。うれしかった◎

お散歩しながら古本屋のこんこ堂さんで100円の本見つけて何冊か買ったり、阿佐ヶ谷のNext Sunday思い出して急に懐かしくなったり。
なんか休日みたいにやわらかなひととき。

みんなそれぞれ、いろんな場所で
いろんなことしてこの週末を過ごしていて
もちろん自分の体はいっこだから
SNSで記事を読んだり配信を見たりしたところで
ほんとうはいっこしか味わえないんだけど。
そのいっこに、心がこもっていたらいいな。

どこにいる人もなにをしてる人も
元気な人も元気がない人も
心とともに、この週末を歩いていたらいいな。

平和ってきっとそういうこと。

千秋楽

【ひとりごと346】
本日「ニューイヤー・バレエ」千秋楽!
無事に3日間の公演を終えることができました。
応援にきてくれたみなさん、ありがとう〜。泣

指揮者の冨田実里さんは、棒を振っている姿がほんとうにイキイキと、漲る生命力+ピュアな魅力にあふれていて、もう最初から最後まで釘づけになってしまって。
コレ恋なのかな?と不安になるほどのラブでした(今年は写真一緒に撮るタイミングなかったなぁと思っていたら、楽屋口を出るときに偶然会えた〜!)

新国立劇場バレエ団のみなさんは、もうそこに立っているだけでカッコよくて!ガチでサルとかシマウマの格好とかしてて悶えるほどカッコいいって、一体どういうことなの。東京交響楽団の方々も、皆さんフレンドリーですごく優しかったです。またどこかでお会いしたい方がたくさん。

そしてさまざまな手配や細やかなケアをしてくださったスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。ご挨拶をしてまわりたかったけれど、この場を借りてお礼を言わせてください!

どしゃ降りの雨、みたいに落ちてくる拍手。
開演に先立ちましてのお願いアナウンス「ブラボーなどの声援は固くお断りさせていただきます」に対抗するかのような(笑)客席の熱いスタンディングオベーション。
ああ、この景色も今日で見納めかぁ、と高い高い天井の宇宙みたいなライトをぼんやり眺めていたら、雨垂れみたいに大粒の涙が頬をつうつう流れていった。

なんかの言葉にしようとすれば「ありがとう」や「しあわせだ」にあたるのだろうなと思ったけど、最後の涙はそんなにニコニコした感じでもなくて。

あああ。通り過ぎていくなぁ。
今この生身の肉体で、たしかに感じているなぁ。
そんな、音のない常温の澄んだ水。

生きている確認の涙、だったのかもしれない。
ああわたし、生きてきて生きているんだ。
今ここにいるの、妄想じゃないんだ。
配信じゃなく生のお客さんに舞台を届けられた。
この1年の悔しさに、もうさよならしていいんだって。

公演の真っ最中に遠い国では海底火山が爆発した。
日本には、おおきな津波こそ来なかったけど
まるでSFみたいに、とてつもなく巨大な噴火。
これからの気候変動や食糧危機には拍車がかかる。
ますます地球の声を聞くのが難しくなっていく。
この作品の主題とリンクしすぎていて
鳥肌の立つ思いでニュースを見ていた。
風邪騒動のお金儲けに付き合っている時間はなくて
災害ありきの暮らしのシミュレーション
もっとクリアに重ねていかなきゃならない。

下北沢の狛犬珈琲で、おいしいカレー食べた。
帰り道のバス、サラリーマン越しの夕陽が眩しかった。

今日という日を笑顔で平穏に終えられるなんて
単なる奇跡でしかないんだよな。
忘れたくないけど簡単に忘れちゃうから
わたしは歌うことや舞台が大好きなんだな。と
毎日欠かさず思う「ペンギン・カフェ」公演でした。

最高に心豊かな日々と体験だった。
本当にありがとう!オペラパレスー!

まず自分を好きになれ。

【ひとりごと347】
ずっと自分のことが好きじゃなかった。
鏡に映った起きぬけのむくんだ顔、知ってるから。
女なのに全体的にめっちゃ毛深いから。
よく汗をかく脇や足が夕方になるとくさいから。
弱いとこ、ずるいとこ一番わかってるから。
世の中がへんだへんだって大概ムカついてるから。
恋することと歌うこと以外なんも興味がないから。
自分勝手で傲慢きわまりないくせに
ダメなこと、できないことばっかりだから。

こんなわたしじゃ愛されない
人に気にかけてもらえないって落ちこむ自分。
なんのために地球にいるかわからない
早く消え去ってしまいたいって暴れる自分。

そういうの、うへへ、なんか可愛いなって
ポンコツで使いものにならない自分のことを
俯瞰してまじまじと見つめるようになった頃から
わたしは、わたしとわたしの人生に
なみなみならぬ、愛着をもつようになった。

ダメな自分のからだとこころで
最後まで思いきり生ききってから死のう。
よい人間になろうとがんばるのをやめよう。
大丈夫、どうせ無理だから。

あきらめる、という言葉はひとつの魔法で
明らめること、明らかにすること。
今ここにある自分の姿かたちをきちんと触って
もう逃げるのをやめること
変えようとするのをやめること
そのまんまで解き放ってあげること。

だきしめる、という言葉に近いのかもしれない。
少なくともわたしにとって、あきらめる、は
もう大笑いしていいよって許してくれる
どうぞ!って再出発の合図を出してくれる
まっさらな希望に満ちた、温かい言葉だった。

よし!もういい加減、あきらめた。
わたしは、こんなわたしが大好きです。
最後までこのまんまで、歩いちゃいます!って
あきらめて、宣言したそのとき
新しい扉がまたひとつ、目の前にギイイと開く。

その扉の連続につけられた呼び名が
「気づき」とか「成長」とか「進化」とか
ただ、それだけのことなんだと思う。

あきらめて、まず自分を好きになれ。
何もかも捨てていい、自分の人生を大好きになれ。
隣人やこの世を愛するなんて、話はそれから。

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