ひきこもりってめんどくさい人間だよね?支援者にお願いしたいこと 20241202名古屋市ひきこもり地域支援センター セミナー『ひきこもり経験者からのメッセージ』
こんにちは。ひきこもり当事者・経験者のナツメです。
先日、名古屋市ひきこもり地域支援センターで行われたセミナー『ひきこもり経験者からのメッセージ』に自助グループ 低空飛行netの一員として登壇しました。 当日は会場にはひきこもりご家族の方を中心に、オンラインでは当事者の方も多数参加頂けたようです。
スライドを22p用意して1〜2時間話せるくらいのネタを用意しましたが、時間の関係で話せる内容をギュッと詰めて半分以下に凝縮してお話ししました。スライドにトピックだけ載せてあるのでいつかフルバージョンでお話ししたいと思います。どこか講演に呼んで頂ければと。
この記事では、スライドの最後にまとめとしてお話しした、家族の方にお願いしたいこと、支援者にお願いしたいことについて、会場で話したよりももう少し詳しく書きたいと思います。ひきこもりってめんどくさい人間だよね?とやや過激に書いた言葉の真意はこの記事を最後までお読み頂ければと思います。この講演のために良い機会と半生を振り返って職務経歴書のようなスライドを用意したのですが、前半部分の私の詳細な経歴はネットに載せる予定はありません。
引きこもり支援に携わる方々にお伝えしたいことがあります。
引きこもりの方というのは、今までの失敗経験で心に傷を負っています。コミュニケーションに自信がないとか、働いてないことに後ろめたさっていうのも感じてると思うんですね。わかっているけど、できなくて、苦しんでます。ですので、ちょっとお話聞いて、安易にアドバイスされるってのが一番傷つきますよね。傷をえぐるようなこと、あんま言わないでほしいなと思います。
それから、私の施設なんかでも、利用者の人と接して思うんですけど、色々本とかネットとか見てて知識はあるんですけど、経験がやっぱりないのと、発達にでこぼこがあると結構生意気なことを言ったりとか、失礼な態度に見えることっていうのはあります。そこはどうか寛容に受け流していただきたいかなと。そしてタイミングを見て、その場で言えなくても、関係ができてから、「あんまりそういう態度は良くないよ、関係を壊すよ」みたいなことは教えてもらえたらなと思います。
自分が支援を受けることに抵抗があるという人もいますね。金沢にこの間行って、震災の被災者のお話なんかも聞いたんですけど、災害の被災者も似たような心境だと私思ったんですね。自分が支援を受けること、結構拒否される方っていらっしゃるんですね。支援があると言われても、「いや、いいです、私はいいです」って言うんだけど、そういう時に、「皆さんのところに回ってますので、定期的に回ってるんです」って言うと、受け入れてくれて、お話聞いていくと、どんどん色々な悩み相談が出てくるみたいな。支援を受けるためのハードルを下げる工夫が、支援者側、施設側に必要なのかなと思います。
とは言え、ただ待っているのも違う気がします。この「とは言え」というのは何にかかっているかと言うと、「やる気を出すまで、本人が変わってくるまで待ちましょう」みたいな話はひきこもり支援でよく聞くと思うんですけど、とはいえ、ただ待ってるだけっていうのも違うと私は思うんですね。なかなかそれで10年、20年経っちゃうっていう事例もあると聞くので、何かしら支援機関の行動はやっぱり働きかけがあった方がいいかなと思います。
支援者はどういう態度で接したらいいかというと、ジムのトレーナーのイメージかなと私は思うんですよね。トレーニングジムで筋トレをやる時に、すごく隣で励ましてくれますよね。「あと1回、まだいける」みたいな「よし、ラスト行こう」みたいな、そういう感じで1個ずつ、1個できたら褒めるみたいな感じで、付き添って褒めて伸ばしてもらえると響くのかなと思います。
さて、もう一度最後に、えらそうで、めんどくさくて、すみません。と書きました。本当に注文が多いですよね。こんなことを言うと、勝手にひきこもりの代表ヅラすんな、と言われてしまうかもしれません。ただ、自分を振り返っても、周りのひきこもりを見ても、率直にめんどくさい奴だなと思います。本音です。
ただ、付け加えると、私の経験上、今までに関わってきた、ひきこもりじゃない大抵の社会人もめんどくさいですからね?品行方正、どこに出しても恥ずかしくない人間なんてそうそういるもんじゃあありません。先生でも上司でもお客様でもいいのですが、他人にはなんだかわからないことで拗ねたり、怒ったり、機嫌を悪くしたりされて、ぶつかることもありました。人間はみんなめんどくさいのです。みんなめんどくさくいところがあって、互いに迷惑をかけながら生きているのです。そんなめんどくさい自分を受け入れて、必要以上に卑下することなく、開き直ることもなく、ちょっとずつ前に進みながら生きていくことなんじゃないかと、今にして思うのです。
そして支援者にお願いするばかりじゃなく、ひきこもり自身も自らの至らないところを自覚して改めて行くことは必要だと思っています。誰しも人間関係のトラブルを抱えた経験があると思いますが、世の中100%どっちかが悪いなんてことはよっぽどなくて、どこか改められるところはあるんじゃないかと思います。
だんだん説教くさく、出過ぎた話をしたような気がしてきました。今日はこのあたりで終わりにします。
後日、センターからアンケートの結果は頂けると思いますが、よろしければ感想を直接こちらの記事にもコメントください。今後の講演等に反映したいと思っています。
低空飛行netについて興味ある、当事者の方は下記のページからどうぞ。
twitter(X)も開設しました。最新の情報はこちらに出して行きますので是非フォローをお願いします。