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KHJ全国大会in石川 参加レポート 今後のひきこもり支援について

KHJ全国大会in石川
2024/11/9-10
@石川県文教会館

私ナツメは、ひきこもり当事者です。ひきこもりと社会復帰を繰り返し、通算で10年程度、ひきこもっていた期間があります。今でもメンタルは本調子でなく、仕事でも全力でやると疲れて鬱になってしまうのでだましだましやっているような感覚があります。2023年から、先輩に誘われた就労移行支援での仕事と、関連してひきこもり家族会や当事者会に顔を出すようになり、様々な立場の方のお話を聞くうち、自分の知識や経験がひきもりで悩んだり苦しんだりしている人の役に立つのであれば活かしていきたいと思うようになりました。

そんな中、金沢で開催されたKHJ全国大会。KHJの研修はためになることが多く、全国でひきこもり支援に携わっている方のお話が聞けるので是非とも参加したいと思っていました。全国大会のことを紹介したところ、私の職場のスタッフと、繋がりのある東京のB型事業所のスタッフ、そしてこれまた、人を介して金沢でB型のスタッフをしているという方々に繋がり、私の他に5名ほど(KHJとの接点はなかった者ばかり)が金沢で集まるということに相なったのでした。

私は所用があり1日目だけの参加となったのですが、行きも帰りも朝早くの新幹線で移動でしたので、不安がありましたがなんとか無事に行ってくることができました。金沢では地元の方にここぞというお店を紹介して頂き、夜の懇親会後も大変美味しい地の肴にありつくことができ、幸せでした。残念ながら観光している余裕はなかったのですが、着いた日のランチ、帰りの駅弁と合わせて食は楽しめました。

冒頭、地元議員のやたら元気な挨拶が続きました。そんな中、石川県知事の馳浩さんはひきこもり基本法の立法にも触れ、家族に寄り添う視点のお話があってよかったですね。

厚生労働省の担当者からは「ひきこもり支援施策について」説明があった中で、来年発行予定の「ひきこもり支援ハンドブック」について、これは注目です。調べたら、11月29日(金)まで厚労省HPで意見募集している様です。別件ですが、私は名古屋市ひきこもり地域支援センター(ひきセン)が作成、配布している冊子「ひきこもりコミュニケーションプログラム」「ひきこもりでお悩みのご家族の方へ」(検索すると古い版しか出てきませんね。)が実践的でよくできていると思っていて人に勧めています。各地で蓄積されたノウハウは独自にバラバラに作るより、こうして国でまとめて作ってばら撒いてもらえると限りある予算が有効に使えてよいなと思います。この部分を書きながら調べていて思いましたが、厚労省HPなどネット上にもひきこもりに関する資料がたくさんあるので私ももっと勉強しないといけないと思います。

「ひきこもり支援ハンドブック~寄り添うための羅針盤~」(素案)への意見照会のご案内

令和6年度社会福祉推進事業において、有限責任監査法人トーマツが「ひきこもり支援にかかる支援ハンドブックの策定に向けた調査研究事業」を実施しています。
このハンドブック(素案)について、ひきこもり支援に関わる全ての支援者に活用していただけるよう、記載内容に関する意見を広く求め、皆様方にとって使い勝手のよいものにしたいと考えています。
ひきこもり支援に関心のある方はどなたでも回答いただけますので、以下のページから内容をご確認いただき、ご意見をお寄せいただけますと幸いです。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/hikikomori/index.html#h2_free7

前半、やや単調な話でしたが、後半のシンポジウムに入り活発になり、打ち解けた雰囲気で空気を一変してくれたのは、NPO法人ワンネススクールの中村広太郎さんでした。フリースクールを経営されていますが、印刷会社やデザイン会社での勤務経験がおありで、自助グループ、関係機関を紹介する金沢市発行の「よりそうなかま」の冊子編集やHP運営もされているとのこと。自助会の運営や(見た目だけでなく設計という意味での)デザインに役立つ実用的なアドバイスがためになりました。例えば、「ひきこもり相談」のような直球なネーミングは辛い気持ちにさせる、UDフォントを使う、ポジティブすぎない・押し付けない、など。私はうまく回って行く仕組みづくりに興味があるので感銘を受けました。

コミュニティハウスひとのま運営の宮田準さんのお話も驚きでした。テキパキ流暢にお話しされていましたが、親しみやすく、笑いあり涙ありで感動的ですらありました。元々は学習塾として始めたが、評判を呼び不登校・ひきこもりの人が相談に来る様になり、生活困窮者、DV被害者、元受刑者と困っている人は誰でも受け入れているそうです。飄々となんでもない様にお話しされていましたが、実際に続けて行くのは大変な苦労があるのではないかと想像します。とてもタフな人だと思いました。

能登半島の震災で被災した方々の切実なお話もありました。避難所の被災者について、困っていても支援を受けたがらない(自分が支援の対象だと認めたがらない)人がいるので、これはひきこもりも同じことが言えますが、支援を受けやすくするために工夫が必要というお話が響きました。また、ひきこもりご家族にお話頂いた中では命に関わる壮絶な経験を語ってくださり、聴きながら静かに涙しました。

夜の懇親会でも、シンポジウムの登壇者の方々や以前から交流したいと思っていた他地域の方と直接お話しすることができ良い機会となりました。私たちで企画しているひきこもり当事者のイベントについても紹介させて頂いたところ後押しして頂け、今後の活動のはずみになりそうです。ありがとうございました。


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ナツメの眼(ひきこもりつつ生きる。)
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