戦略は炒めものではなく、シチューである。
ジョアン・マグレッタの「マイケル・ポーターの競争戦略」
ナンバーワンではなくオンリーワンですね、いつの世も。ますますその傾向が強くなっていますよね。
競争戦略というと、上下のイメージになりがちですが、あくまで水平にある平面のポジショニングであり、狭い領域の高さよりも底辺を広げることによって全体の体積が上がっていくイメージですかね。
■競争の本質は、一位を目指すことではなく、ユニークな存在になること。競合他社を打ち負かすことではなく、価値を創造することにある。
■戦略とは、高業績を持続的にもたらす優れた競争戦略のことである。
■奪い合うゼロサム競争から、独自性によるプラスサム競争へ。
■五つの競争要因=ファイブフォース
①買い手の交渉力
②サプライヤーの交渉力
③新規参入者の脅威
④代替品や代替サービスの脅威
⑤既存企業同士の競争
■戦略的に競争するとは、新しいポジションを探し当てるプロセスと考えられる。つまり既存のポジションから新規顧客を獲得するか、まったく新しい顧客を市場に引き入れるポジションである。
■優れた戦略の五つの条件
第一の条件 独自の価値提案
第二の条件 特別に調整されたバリューチェーン
第三の条件 競合企業とは異なるトレードオフ
第四の条件 バリューチェーン全体にわたる適合性=フィット
第五の条件 長期的な継続性
■戦略とは競争においてトレードオフを行うことである。戦略の本質とは、何をやらないかを選択することだ。
■顧客は常に正しいという考え方は半面の真理であり、凡庸な業績を招く。
■適合性は、活動間の結びつきを強め、最も緊密に結びついたバリューチェーンを生み出すことで、模倣者を閉め出すのだ。
■戦略は炒めものではなく、シチューである。風味や食感はゆっくり時間をかけてできあがる。
■どんなに素晴らしい戦略も、特に詳しいまたは具体的な将来予測を元にしていることはまずない。
■戦略の代わりに柔軟性を方針にすることの問題は、組織が何の主義主張も何の取り柄も持たなくなることだ。
■戦略設計のために
①分析を行う(五つの競争要因、バリューチェーン、相対的コストと相対的価値)
②既存の競合企業のポジションを表す業界マップを描く
③空いているポジションを選ぶ
■逆説的だが、継続的な戦略は組織の環境変化への適応能力とイノベーション能力を高める。
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