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必要になったらまた買えば良いと言うけれど

ミニマリストや片付けに関する本、もしくは記事などを読むと、物を捨てるコツとして「もし必要になったらまた買いなおせば良いので、使わない物はとにかく捨てろ」と言う物があります(注:私の解釈です)。

まあこれはある意味では全くその通りだと思います。現代の日本ではお金があれば基本的に買えない物は無いと思います(違法物はのぞく)。コロナなどの特別な状況の時は別ですけど、普通の状況であれば品不足で物が買えない状態に陥る事はほとんど無く大抵の物は買う事が出来ます。だから日用品的な物でもし「これ自分は使わないな」と思える物があればとりあえず捨てて、必要だと気づいたら買い戻す。これはある意味で合理的な選択であるとは思います。

しかしこれっていつでも買える日用品に関しては特に異論が無いのですが、オタクが集めているコレクション的な物に関して言えば全く当てはまりませんよね。何故かというとオタクが集めているような物は必ずしもいつでも買い戻せるとは限らないからです。


令和である2024年現在。昭和のころなどと違って物の入手がだいぶ容易となりました。昔は実際に店頭を回り欲しいものを探したり、無いものはお店で取り寄せて貰ったりしなければ手に入れる事が出来ませんでした。しかし今の世の中はネット通販が発達し、フリマアプリやオークションなんかもありますので、欲しいものを検索すれば簡単に手に入れる事が出来ます。
しかしそれは一般的な品に関して言える事であって、オタクが欲しがるような数少ないレア物はいつでも手に入るとは限りません。当然欲しいときにネット上を探してみても市場に出回っていない事がままあります。つまり「欲しいときに買い戻せば良いから捨てちゃお!」と手放したが最後、その欲しいときにもう買い戻せない事があるわけです。


さらに仮に買い戻せるとしてもその物の価格が自分の払える金額と一致しているとは限りません。特に中古品の価格は年月とともに大きく変動したりするので、自分の手放したときより遙かに高い価格でないと買い戻せない事がよくあります。私も過去に漫画やゲームを幾度も手放してきましたが、それらの物の価格が今になって大きく高値になっており、激しく後悔した事があります。ほんの10年ほど前には大した価格で無かったはずのゲームやマンガがどう言うわけか今見るとあり得ない金額になっていたりする事がありますからね。
まあ本当に欲しければ、いくら金を積んでもとにかく買えば良いのかも知れませんが、昔千円以下で買った物を今万を超える価格で買う気になるかというと、なかなか買い戻す気にはならないわけでして…。まあどうしても欲しい人は買うんでしょうけどね。


それならどう考えても値段の上がりそうもないほど数が出回っているマンガなんかは手放して良いような気がしないでも無いんですが、これもそうは簡単には行きません。
まずどんなに出回っている物でも、必ずしもいつでも新品で買えるとは限りません。そうなると中古で探す羽目になるわけですが、中古の状態というのは千差万別。本なんかは特に状態によって値段を差別化していない店の場合、同じ商品でも新品に近いぐらい美品だったり、あり得ないぐらい汚かったりします。
もし自分が手放した物がとても綺麗な状態の物だった場合、やはり買い直すときも出来るだけ良い状態の物が欲しいですよね(読めれば何でも良いという人は別でしょうが)。しかし大量に出回っている物はそれだけ状態も千差万別ですし、ネットで買う場合どんな品物が送られて来るのか分からないので必ずしも美品を入手できるとは限りません。じゃあ店頭で買えば良いじゃんとなるわけですが、店頭にも必ずしも美品があるとは限りませんし、そもそも古い品になると、ネット上では大量に見かけても店頭には全然無いと言う事もあります。フリマアプリなどで探すとしても「全巻美品です」という品はなかなか難しいでしょうしね。

と言うわけでそれらの事を考えると「いつでも買えるからとりえあず捨てちゃお」とはなかなか思えないわけでして…。まあ今の世の中、劣化の無いデジタルデータ(電子書籍など)で買って現物は持たないという方法もあるんですが、何故か電子データ化されているにも関わらず実際の物(本、ゲームなど)がプレミア化していることも多々ありますし、そもそも好きな物は出来るだけ現物で持っていたいと言うお気持ちもあるのでなかなか難しいです。やはりオタクがミニマリストのように物を減らすのは単純に難しいのかも知れませんね。


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